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初めてのお使いをする子供たち&それを陰から見守る大人たち



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 初めてのお使いをする子供たち&それを陰から見守る大人たち

 ※初めてのお使いが出来る程度の年齢のお話


 「メモは持った?

  お金は持った?

  防犯ブザーは?

  GPSは持ってる?

  絶対に外しちゃダメだからね!」


 須賀咲ちゃんです。

 今日はうちの子たちの初めてのお使いの日です。

 息子も娘もがっしり手を繋ぎ、離さないようにさせました。

 重要なものは首から下げ、あるいはズボンに鎖で繋いでいるので落とす心配もありません。


 「ママと一緒に行っているスーパーはわかるよね?

  そこに行って、好きなジュースを二人分買ってくるだけでいいからね。

  お財布の中には余計なお金は入っていないから他のものを買わないこと!」


 対策は、バッチリです!

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 某番組ではクレームが殺到するような内容でしたが、うちでやるものはそうじゃないです。

 あくまで子供たちに『体験』させるためのものなんだ。

 最低限の条件として

 ・親と何度も徒歩で行ったことがあるお店

 ・購入するのは二人がいつも買うジュース(手で持って帰れるもの!)

 ・メモを持たせる。(うちの子は文字を読める年齢です!)

 ・お財布に入っている金額はジュース二本分のみ!

 ・変な人に絡まれた時のための防犯ブザー!

 ・宮永の血が覚醒した時のためにGPS!

 ・全て首から下げるか、腰に鎖で繋いでいるから落とさない!

 ・大人の人にお願いする用のメモ+地図!


 本当はこれくらい出来る! って状態で送り出さなきゃいけないんだよ!

 あくまでして欲しいのは自分で買いに行く体験と、成功にしろ失敗にしろ「チャレンジした」という事実。

 このために尽くすんだ。


 「じゃあ、ママが玄関を閉じたらスタートだから、行ってらっしゃい!」

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.               八:::|从とつー '        ら::::/ 〉 ::::;:イ:::{   「ママー……」
              >、 } 〃〃   ,   ` ーrっ// ノ::八
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      |:.:.:.:.:.:. 从乂ーソ               .:.:.:.:ハ|  「いい返事だよ! それじゃ!」
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           _x<三ニ/´ /     /ニ三三三三三三三>
.         r≦三三ニニ/      /三三三三三三三>´
         /|三三三三ニ{____/ニ三三三三三三>´      \

 バタン

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 4/9

 タタタタタと、扉から離れた音がする。

 もうこっちの声も聞こえないかな? 大丈夫かな?

 ふー

 さて

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    /.:.:::;:イ::|!:::::::l//メ、|::::::::!'i:::::|::| i:::::|i:::|::i:::::::::|:::::::::.:.:i゙、
  /:.::/ .|::|:!:::://'´`ヽ!::::::| _、::|V-‐!::::|、::!|:::::::::|:::::::::.:.:| 
  //    |/:::V::!|  <ヽヽ:::|  V'"´゛ヽ、!ヽi::::::::::ト、:::::./i|
        !::::::::|:r-、弋ノ  ヾ   f´:i  ヾ ゙、::::::/) }:ル'
       r‐|::::∧:ト、.\ ,     _ゞ',、  /  i:::/ ' /W
      人:|i:/:.:.::゙、 \ `ー-、    `i. ヽ  ,..N./:.:.:.:`ー-、  「めっちゃ心配だよぉぉぉーーー!!」
    ,イ ゙、゙、:.:.:.:.:.:\ ヽ   `ー--‐' /_.ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,,:.:-‐'´>、
    ! ゙、 ゙、゙、:.:.:.:.:.:.:ヽ         / /:.:.:.:.:.:,,:.:"_, -‐-´i::::|
.   /i ゙、. iヽ\:.:.:.:.:.:.\      ,ク´:.:.:.,,:.:"´イ´/     i::!
   i |  ヽi: :\\:.:.:.:.:.!ヽ  _, -‐'´i:.:/:./: / /     i| リ
.   i  | i ヽ: : :.\\:.:.>'´:.:.:.:,; -=i:./: :/ /    ハ |
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 もう既にじっとして入られないよ!

 子供の成長に必要なイベントとは言え、宮永の血筋を引いているあの子たちにこのイベントは無謀だよっ!

 迷子イベントが目に見えてるじゃん!


 「咲、それでもギブアップするまでは信じてあげないとダメだろ?」

 「そ、そうだけどさあ」

 「確かに出来ないかもしれない。でも、失敗もまた経験だ。

  チャレンジすることが重要だって、信じて待ってよう」

 「ぐぬぬ。正論ばっかり言っちゃって!」

 「こうでもしないと抑えきれないんだよ……。

  宮永家全体で何回迷子になって、何回俺を迎えに来させたか言ってみろ」

 「はい、ごめんなさい……」


 やったね、京ちゃん! 今日は記録更新の日かもしれないよ! ……うう。

 ……?


 「おとーさん? どこに行くの?」

 「あー? ちょっとさー、酒買ってくるよー」


 ……お酒買うのにカメラはいらないよね?


 「京ちゃん! 私おとーさんを見張ってくる!」

 「お、おい」


 京ちゃんが止める間も無く、二人で飛び出してしまいました。


 「どっちにしろ迷子記録更新するんじゃないかな……」

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 5/9

 ……
 …

 子供達は両親の言う通り、まずは記憶を頼りに歩きました。

 でも、すぐにどこで曲がればいいかわからなくなってしまい、妹が泣きだしそうになります。

 兄はそんな娘の手をギュッと強く握り、頭を撫でて安心させてあげました。

 両親から渡された手書きのメモを確認します。

 父親の書いたそれは非常にわかりやすく、すぐ見てわかるものを目印にして現在地を探し、どこに行けばいいか書いてありました。

 それの通りに歩いて行ったのですが、大人にとっては些細な距離でも、子供に取っては大きな距離。

 距離の見間違えで、少し早く曲がってしまったようです。

 本来あるはずの場所にお店がなく、今度は兄もちょっと涙がにじみます。

 するといきなり巫女服の女性が彼らの前を横切りました。

 見覚えのある人だと追いかけますが、どうしても追いつけません。

 その女性が曲がり角を曲がったと判断し、走って辿りついた時には女性の姿は完全に消えてしまいました。

 白昼夢、もちろん子供にとってこんな単語はわかりませんが、そういうものを見たのかもしれません。

 しかし偶然、辿り着いた場所は目的のスーパーだったのです。

 思えば数カ所曲がる場所を間違えただけなので、本当に近い距離なのです。何回も道を曲がっていれば着くこともあります。

 さて、これからがメインイベント。兄は涙が滲んている妹の手を更に強く握り、あやします。

 妹が落ち着いたところでいざ出陣!

 店の中に入ると、冷房が効いていていきなり涼しく感じました。

 あとはいつもの場所……を探すだけなのですがスーパーを一周してもよくわかりません。

 すると目の前を見覚えのある白髪の女性が通り、ジュースが置いてある棚から商品を取ってレジに向かいました。

 商品の場所が分かれば子供たちのものです。二人は喜んでジュースを取りました。

 会計に持って行って渡して、お財布の中のお金を全部渡すだけです。

 お釣りもなく、二人はジュースを手に入れました。

 帰りの二人は自信が違います。

 だって、ここまで二つの難関を乗り越えてきたんですから!

 一つは、スーパーに辿り着く事。

 一つは、ジュースを買う事。

 チャレンジした事によって得られた成功の経験値が彼らの自信になります。

 あとは地図を見て、今度こそ迷わず帰るだけ。

 最初に確認した時より入念に確認し、標識などもちゃんと確認して帰った結果ーーー

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 7/9

 「いくらでも撫ででやるぞー!」

 「パパー!」

 「えへへぇ」

 「ママは?」

 「……ママは、ご褒美のお菓子を用意してるからちょっと待ってな?」

 「「(´・ω・`)」」

 「ご、ごめんな! ママからも後でいっぱい褒めてさせるから!

  その分、パパがいっぱい遊んであげるから許してな!」

 「パパー!」

 「パパだいすき!」

                ,. --- 、        ____
                  /,  ´ ̄ ̄` '⌒´     \
           、_/_/⌒ヽ , /            ヽ
            ,---、  / //    :       ヽ :.
           ,  / ̄-/ /' {   | |       | :
          / __   ̄,./ /-' l| l | |___ l |    |
            .:' /   ,イ _| | |ア__l { { | / }`| |    |
       /       ,:´ | { | l\{从 ∨ィ斧ミ、 |    |
    /\'´        /{  | 从{__,. \∨Vソ }イ ト、 ∧{
    ////\ r---  ´八 !∧  ̄   ,:  :.:.:  }/ノ/ リ
.   ///////\      \}∧         u 八/ 「(あの二人、今回はお灸を据えないといけないよなぁ)」
  //////////〉        込、  __    ,.: /
  ///////// /          }>、   ` イ |从
 ,'//////// /   _      /--、l ` ̄ :,   |--、
.///////// /  イ/////\   {////}   /  「///|
'//////// /´// {////////ー '|////|   ,   |///l|
///////////// |l///////////ヽ// \    |////> 、
////////{/////{!/////////////////}--- /////////> 、


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 8/9

 ……
 …

 「もう、咲ちゃんダメじゃない。

  子供を信じてあげるのが親の仕事でしょ!」

 「はい……。その通りです……」

 「心配して出てきたお爺ちゃんが迷子になるとか……徘徊老人……」

 「う、うぐっ」

 「成功して帰った時にママがいなくて褒めてもらえなかったり、『親に信用してもらえなかった』って思われたりしたらもう大変よ!」

 「ご、ごめんなさぁぁい」

 「謝るならちゃんと子供に謝りなさい!

  じゃあ、帰ったら旦那さんとしっかりやるのよ?」


            /::::::::::::::::::::::::::::::\
         /:/:::::::::::::::::::::::::\::::ヽ
    (_)  /::::/:::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ハ
 /\   /:::/::/::/::::::::::::::::ヽ::::::::::::V
    \  ハ:::::/::/:::::::::::::i:::::::i:::::::::::∧
        { V/:::/:::::::::::::::::::::::i:::::::::/. .〉
   ̄ヽ   ∧.V:::ハ:::::::::::::::i::::::::i:::::V . ハ
  ー-    { \Vハ:::人:::川:::::ハ::/. 〃 }   「はい! いろいろとありがとうございました!」
  / l   ハ  \ミ. .ヽV /. . 彡:フ  ハ
  し j   ∧  ヽ、ミ::::ヽ∨:彡::/   ∧
   /  〈  \__人`゙〒テ'"人 _/ 〉
 |     \__ イ  //∧ 〉、__ /
 |人_    ハ   } //!/∧/  ∧
        ハ   } {/∧//ハ  / }
        { ヘ   } !//∧/∧ / !_
         ∧ヘ  } !//ハ//∧.イ.\. . >―. ._
          /./. ∧  ト!//7\/∧.\. . . . . . . . . . . . .┐
       /./ . . ∧  !.!/j./  ∧/〉.ヽ\. . . . . . . . . .//
        /./ . . . .∧  !V./  ∧∨. . .\. \ . . ―. //
.       /./ . . . . . . i ヽ./  /. i. . . . . .ヽヽ. . . ー-. //
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                |::::::l::::|八{__\从ノ __j::ノ|::::::l:|
                |::::::|:::抖ぅ竿   ´竿冬、 l::::::/ |
                |::::::l从乂ツ    乂ツ'仏イ:::;  「私はたまたまあの辺を散歩していただけだからセーフよ」
            ‘::::∧{ 、、   '   、、 }∧:::/
                 ∨::八    ┌‐┐    八:::/
.             ∨::::::::...   ` ´   . イ::::::/
              ∨:::::|:::〕iト -- i〔|:::|::::/
                _|=ミl/´ |    ll |:/::/
               / /:::/|  |    /l |:::::{ ̄ ̄`丶
             / /∠..._ |  |\_,// :|:::::|\   }∧
           {/´       `ヽnm/´|:::| ̄`丶{ ∧
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.          ,′       / ノ|l |  \::::\   !
.           |      /  /  !   ',     \::::\  |
.         从     /   _/  |   ',__    \::::\|
         {/∧     { .//  .人   \\   \:::}八
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         /  / /  /-~/-| {  \~ー 、'   \ )
           〈 /   |  |八Ν__八{   | _\  ∨  l|′
          /    l|  l ァ┼ ┬ \N┬‐┬  | |  リ
        〃   / l|\_从 乂゚_ノ     乂゚ノノ}∧l/}
          八/ / ,八 入         、   ,,, ,′ ト、ノ  「グレーゾーンでしょ。
.             { /   }\__              ′ |
.            从  八{ 込、   ∠>  . イ^| }八  私は『周囲から得られる情報でも目標は達成できる』って教えられたからセーフ」
                ∨  \从_}> . __ イ 八jノ  )
                   / \__  Κj/
                    _/  //〉_∧ ‘,
               /:.∨ ,///   ∨ }: : ..
            . .:´: : : : :∨//\__//∨: : : : : `ト、
             /∨: : : : : : : :∨\:i:i:i/ {:.: : : : : :.:| \
          {  ∨: : : : : : : :\/:i∧\{:.: : : : : :.:|   ∧

 カン!


最終更新:2015年11月27日 02:30