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京咲の結婚式での照と清澄の様子
初めて会ったのは、インターハイ個人戦で咲と戦った後の話。
咲が彼氏が出来たと紹介して、お菓子を渡されて懐柔されてしまった。
……ずっと自分を騙していた。
『実はお菓子で誤魔化されたように見せかけていた』んだ。
本当は、咲があらかじめ教えてくれていた部分、中学から高校までの咲を連れ回してくれたこと。
だからこそ今の咲があること、それを理解していたから、会う前から好感度は高かった。……当時は嫉妬していたんだけれどもね。
お菓子を貰って、すぐに目線を外してお菓子に夢中になる……振りをした。
本当は彼の顔が眩しくて見つめられなかったんだ。
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|:::ノ "" j/ /::::::|:::::::::::::::: :: | 『咲があなたのことを自慢するのが眩しかった』
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V | /::ノi!:/!:::::ノソ }ノ
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,...-‐'" `ー- 、
r=、´ `ir、
/\ヽ、 ||.ト、
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私はこの人に恋をしてしまって、そしてその恋は実らないんだと、わかってしまった。
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それから、高校三年間、大学四年間と家族にも近い時間を彼と過ごして、自分の想いが間違いじゃなかったことを知った。
彼にはいいところもダメなところもいっぱいある。
いいところで言えば、コミュニケーション能力が高くて誰とでも仲良くなれる。
ダメなところで言えば、落ち込みやすい。
どっちもたくさん知っていて、どっちも愛せるようになってしまった。
恋は盲目と言うが、本当にそうだ。好きな人のダメなところですら愛しく感じてしまうのだから。
そんな彼が、今日妹と結婚する。
そして夫婦になって、一緒に支えあって生きていく。
私は二人とも大好きだ。だからとっても嬉しいんだ。
特に、咲に関しては本当に幸せになってほしい。
本人には言わないが、咲のためならばなんでもしてあげたい。
小さい頃からお姉ちゃんとしてやるべきことを何もしてやれなくて。
その分、トラウマの様なものだけを残していった。
今更どんなに謝っても、咲は許してくれるだろうが、私が自分を許せない。
咲の花嫁姿、とっても綺麗。
隣にいる京ちゃんも緊張しているけど、幸せそう。
咲はもっと緊張しているけど、どこかニヤけている。
……うん。
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……
…
『なんだこのチミっ子。ここは小学校じゃないよ』
『このナイスバディの魅力がわからんとは、哀れな奴だじぇ』
『ナイスバディ、どこにいるんだー!?
……ハハッ、悪かったよ。俺は須賀京太郎、京太郎でいいぜ』
『片岡優希だじょ! 優希でいいじぇ!』
お互い、コミュニケーション能力が高かったからすぐに仲良くなった。
京太郎と話していると、いらないことまで喋ってしまう。
『みんなロリっ子って。私だってロリっ子に生まれたかったわけじゃないんだけどなー』
『そうかァ? そんな事言う奴らは優希の事をよく知らないんだろ。
優希には優希の言い所がいっぱいあるじゃん』
『えーっ、例えばどこだじぇ』
『うーん。優希は元気で見てるだけで楽しいし、話してると楽しいんだよね。
それって良い所じゃないのか?』
ロリっ子じゃない私を見てくれていた人は、京太郎が初めてだった。
『のどちゃん。私京太郎のことが好きになっちゃったじょ』
『うん。きっとあいつはのどちゃんみたいなのがタイプだと思う』
ィ' "´ : ( ) : /:: ./: : :/|: \
/ / :: ∧-彳 : : : : : .: : : : : : : : : : : ヾヽ─- 、,
/ / ::/:: /:: / : ://: :: ./ /: ://: /|: :|: }: : !: ヾ ∨ミ 、
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′ { : : :{/||,: : i : : |ナ´|::/ .{:::/ メ:/ ,' /|: |:|: |:| |. | ',:. 、 ',
! : : :|{::\ :| : : ! レ′.!/゙// ./::/ .i/|ィ‐ト|、...|. | |.. }: |ソ
ヽ{ : {: /: :::| : : ! イ爪沁ミ、 ∠イ / / j//}:少丿. ! |/:: |
\: :\: : :! :i: Kん:::::cソ ゙. ィ庁ヾ、 レ彡 ノ ./:: : |
|>=イ: ! :|: !.ゞー‐″ ん::::ソ./ /ー=彡イ: |: ノ
. ',人: !: ト、: :!゙\ xxxx , ヽ-.″ /: : : :|: :丿: ノ/
ヾヽ!vヽ'., xxxx /: : : :/|ィ゙/,/
イ゙ヘミ\ `ー~ Π7ノ: : : :/ハイ 『でも、それはそれ! 【私には私の良い所】があるんだから、そこで攻めるじょ!』
|V゙\ > , ,.ィ゙_,二二つ/j// '
_,. -‐──ー゙\ .`´Χヾ/ ´-‐┼|.|゙. , _
/ー-、, ミ、::::::::::::::::::\ /__/ ─《゙¨::::::::: ̄`.
〃/∠\\ \.:::::::::::::ィ─/{ /゙u_〉.::::::::::::|::::}
何より自信を持たせてくれた。
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『これで卒業か。早かったような、長かったような』
『なぁ、京太郎。一つ聞いて良いか?』
『何だよ?』
『1年の頃、私がお前のこと好きだったってこと、知ってるだろ?』
『……』
『京太郎は鈍感じゃないんだから、誤魔化そうとしたって無駄だじょ。
咲ちゃんみたいに、私だってずっと京太郎のことを見ていたんだから、京太郎がどう思ってるかなんて見ればわかる』
『そんな気はした、程度だよ。
さすがに『コイツ俺に惚れてないか!?』みたいな感じではないよ』
『京太郎は他人の気配りが得意なんだから、そりゃ気づくじょ。
まっ、私も若気の至りだったし、もうなんとも思ってないから安心して。
【私には私の良い所がある】し、そこを好きになってくれる人を探すじょ!』
『ああ』
『だから、私が言いたいのはな……。
逃がした獲物は大きいから存分に後悔するんだな、ってこと!
いつかきっと後悔させてやるくらい、いい女になってみせるじぇ!』
『……おう、いつかきっと、後悔させてくれよ?』
京太郎と咲ちゃん、幸せそうだな。
逃した獲物は大きい、か。……それは私に当てはまるんだじょ。
高校から、咲ちゃんと付き合って、卒業して、大学も出て、どんどんいい男になって、ずるいじょ。
のどちゃんや部長やマホより、私が一番最初にいい男になるって気づいたって言いたいのに、咲ちゃんはもっと前からだもん。
中学生からずっと一緒、か。私もそうだったら……。
ううん。違う。
私の取り柄は元気なところ! 私の良い所は一緒にいて楽しいところ!
いつか、『お前にしとけばよかった』って言わせてやるじぇ!
……きっと私の好きな京太郎なら、咲ちゃんがいるのにそんなことは言わない。
だから私はずっと自分を高め続けるんだ。
……うん。
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5/18
……
…
わしにはもったいない、良く出来た後輩じゃったよ。
京太郎も咲も、二人ともわしに良くしてくれた。
わしが3年になってのインターハイ団体戦。決勝まで行くも、龍門渕に大敗。
前年度に刻んだ伝説を、『まぐれ』の一言にしてしまった出来事だ。
言い訳なんかいくらでもできる。牌に愛されなくなった咲の大幅劣化、久の卒業。
久の代わりは次の年の入学生にかけるしかない。
この状態で龍門渕フルメンバーに勝つのは厳しかった。
もっとも、前年度は部員二人の状態から全国2位にまで行けたわけで、やはり言い訳にもならんか。
帰ってきたら罵倒されることも覚悟じゃった。
でも、帰ってきたのは、優しい声援。
困惑するわしを咲が引きずり、部室まで逃げ切った。
『どういうことじゃ?』
『京ちゃんが企画してくれてたんです!
麻雀大会が始まる前から、染谷先輩がどれだけ頑張っているかを学園全体に教えてたんですよ』
『え、えぇ?』
『京ちゃんと優希ちゃんはコミュニケーション能力高いから、合わせて学年全部の人と知り合いなんです。
その伝を使って、負けた時に染谷先輩今までありがとう会が出来るように、って』
『負けは、すべて久を継げなかったわしが悪いんじゃ』
『そんなことないです! 部室の雰囲気は前より今の染谷先輩が部長の方がずっと楽しかったです!
私たちはやるべきことをやって、負けたんです。……私だって衣ちゃんを抑えきれなかった。
でも、今持てる全ての力は注ぎました! だから胸を張って帰りましょう!』
咲、その口下手なのを隠して、一生懸命慰めてくれておるのか?
後輩たちよ、わしを恨んでないのか?
『お、染谷先輩!』
『地元の人も来てくれてるみたいです!』
『すごかった! 僕、これから麻雀始めるよ!』
『マホも来年清澄に入って、先輩たちの後を継ぎますから!』
たくさんの声援と、ありがとう、おめでとうの声。
わしは後輩に救われたんじゃ。
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相談を受けてきた記憶が蘇る。
『染谷先輩……。咲と付き合い始めて、あいつの才能を潰したんじゃないかって……』
『咲がそんなことを気にするとは思わんがの。
女の子は男に引っ張られたいもんじゃよ。
まず何より、咲と相談するべきじゃ。
言葉にしないとすれ違ってしまうかもしれんぞ』
『染谷先輩。本当にありがとうございました』
『卒業までにずいぶん進展したみたいじゃの。
言った通りじゃろ? 咲は麻雀よりも京太郎を選んだ。
女の子は男の子が強引に引っ張って行ってくれるのを期待しているんじゃよ。
自分の麻雀の才を、咲が惜しむわけないじゃろ。
隣にいるパートナーを信じられないで、何が恋人じゃ?』
『染谷先輩。俺と咲、結婚します』
『結婚のことまでわしに聞きにくるんか。
何、もう決まってる? それならええ。
結婚もチャレンジ、やるだけやってみい。
後先考えない我武者羅で、その結果失敗しても、それは立派な経験となる。
……それに、京太郎以上に咲を幸せにできるやつなんて、おらんよ』
ずっと相談に答えてあげてた二人が結婚、か。
……うん。
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8/18
……
…
最初はちょっとだけ苦手でした。
そもそも男の人が苦手で、胸に関する視線はどうしても嫌だったんです。
ですが、彼はそんなことを気にせず、男女の友達の距離感を教えてくれました。
性別関係なく、誰とでも仲良くなれる、まるで優希そっくりの彼は、私と友達になりました。
最初に感じた嫌悪感なんて一瞬で吹っ飛ばして、次の瞬間には友達になっていました。
本当に、彼のコミュニケーション能力は尊敬してますよ。
「でさぁ! こいつが本当バカでさー!」
「ふふっ、そんな人がいるんですね」
「あっ、信じてないな?
今度合わせてやろうか!」
「し、信じます信じます!」
そんな意地悪なことをされても、全然不快に思わなくて。
男に対する苦手意識そのものを、撃ち砕いてくれました。
「なぁー。原村って言いにくいから『和』って呼んでいい?」
「いいですよ」
「よっしゃ! 片岡の事は最初に優希って呼ぶことにしたんだけど、和が苗字のままじゃ何か遠いと思ってさ!
これで麻雀部一年全員名前呼びコンプリートだ!」
「ふふっ、私とゆーきしかいませんよ」
「これから増えるって! 四人で麻雀できるようにしたいよね!」
気づけば仲良くなっていて、さらに相手の懐に入り込んで仲良くなれる。
彼の話が楽しいから、彼がいろいろ楽しい話を持ってきてくれるから、こんなに仲良くなれました。
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そんな折、優希から相談がありました。
京太郎君のことを好きになってしまったと、言っていました。
『のどちゃんは、京太郎のこと好きなのか?』
『いえ、そういう感情は持っていませんが、彼相手なら付き合ってもいいかな、とは思ってますよ』
『の、のどちゃん相手じゃ勝ち目がないじょ。
でも、【私には私の良い所】があるんだから、そこで攻めるじょ!』
優希は負けない! と言い残して帰ってしまい、時間が空いてしまいました。
『実際、須賀君はモテるんですよね。
男女関係なく誰とでも仲良くなれますし、運動も出来ます。
何より、彼と一緒にいると楽しいんですよね』
そんなことを考えながら、本屋をうろついていました。
『さて、私の好きな作家さんの新刊を買いましょう。
金髪ヤンキーと世間知らずなお嬢様?』
そう、この本が、私の未来を変えたのです。
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『こんな危ないところを歩くなんて、何考えてんだ』
『お、男なんかに助けられるなんて』
『そういや有名なレズカップルなんだっけ?
お嬢様は男相手じゃ礼も言えねーのか』
『……助けていただいた感謝はしますわ』
『いや、やっぱいいよ。礼なんていらない』
『えっ、何を!?』
『報酬はあんたでいいや。
そもそも、こんなところを歩いている方が悪い』
『ま、まさか』
壁ドン!
『男はさぁ、そういう趣味のやつを、屈服させたいと思ってるんだよねぇ。
ほら、こうやって』
顎クイ!
『キスをして、男の味を植え付けてやるよ……』
『こ、この!』
『助けてもらったお礼はこの程度でいいや。いつかあんたに男の良さを教えてやるよ……』
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|イl! ' _`Vメ、 l / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
ゝゝ| ;´んィ:!` =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
|| l 弋_丿 'んィ:!.ヽ// ,' ! } }
|| l 、、、 弋_丿 // .,ヘ .! j/ / ̄ \
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|| ::ゝ. __ // ./. ! | | リ .!
|| | l > ´‐-' _イ//∥| l | <. で |
|l!. l_L:;ノ:.ト!¨ T¨ェ:://.∥ll! l | .| す !
l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .! | .! ね .!
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. / l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、 \ |
人.. V } :!:ヽV/'/l;;;_/ Y ..人 !
. / ヽl l ! [__] / .l i/ ヽ|
ああ、私もこんな風にヤンキーみたいな人に無理やり壁ドンなり顎クイなりされたいです。
でも実際には本物のヤンキーさんなんて怖くて近寄れませんし、愛がないキスなんて絶対嫌です!
恋人同士で、こんな風にしてくれる人がいれば……いれば……!?
,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、
/_,..- ヽ ` 、
/ /´ / ∨ \
, ´ / ,' : 、 ヽ
/ , , / /| | :. | | | ∨
_/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | | :
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/ / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | |
/ イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{
´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ ←ガタイ良い、金髪ヤンキーに見えなくもない
| ∧ ∧,イ
Ⅵム - - イ // 恋人としてはすごく優しくしてくれそう
_ヽl\ //イ__
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ゆーき。ごめんなさい。私も須賀君を狙います!
この漫画通り、クレイジーサイコレズは男に受けるとある通りにすれば須賀君はそれに魅力を感じて落としに来るはずです!
ふ、ふふふ、この本を聖書として、しっかりトレースできるようにしないといけませんね!
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12/18
……
…
『和はすげーよなー。全部デジタルで出来るって羨ましいよ』
『頑張れば須賀君にも出来るはずですよ?』
『む、無理無理』
『完璧でなくてもいいんですよ。
ただ、地力を上げておくのは重要です』
『おう』
『これから大学で別れてしまいますが、何かありましたらすぐに伝えてくださいね。
微力ながら協力しますから』
『和が来るってだけで、力いっぱいになるなァ』
『ふふっ、そんなこと言ってると、あそこにいる彼女さんが怒っちゃいますよ?』
『えっ!?』
『嘘ですよ。安心しました?』
『和がそんな冗談言ってくれるだけ仲良くなれて、俺はうれしーぜ!』
『ふふっ』
そして、その彼は咲さんと一緒に結婚するんです。
お二人とも、緊張している以上に幸せそうな顔が伝わってきますよ。
もう、存在しているだけで惚気始めるなんて、どういうことですか!
これからずっと二人で頑張っていくんですよ。
そう、私もこれからのことを考えて、夫婦丼計画を……おっとなんでもないです。
……うん。
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13/18
……
…
清澄麻雀部は6人揃って一つ。
例え試合に参加できなくても、彼も含めて清澄麻雀部だ。
『ねぇ、須賀くん。ごめんなさいね。
最近は麻雀打ててないでしょう?』
『いきなりどうしました?』
『雑用ばかり任せてしまっているな、と思ってね』
『何言ってるんですか!
レギュラーじゃない一年生が雑用するなんてどんな部活でも当たり前ですよ!』
『そ、そうかしら』
『俺だって中学の頃、ハンドボールやってました。
1年生の時はこれの比じゃないほど理不尽にシゴかれましたし、自分が3年になった時は逆にシゴきましたからね』
『そう。でもやっぱり規模が違うし……。
それに、大会が終わっても引退してしまうから私じゃ指導できるかどうか』
『そんなもんじゃないですか?
俺もハンドボール部にいた時、一年生の指導なんてできませんでした。
三年生は数ヶ月だけ、それも最後の大会のために全力で、それが終わったら引退。
まぁ個人的に仲良くはなりましたけど、部活の付き合いってそんなもんでしたよ』
『……』
『俺、中学三年生の時に県大会決勝で負けちゃったんですよね。
とにかく悔しくて悔しくて、あの咲にすら気を使わせちゃう始末で。
全国に出られない気持ちはよくわかってるつもりです。
だから部長。気にしないで全力で勝ってください。悔いのないようにお願いします!』
『うっ……須賀くん、ありがとう』
『ちょっ、泣かないでくださいよ!?
美人の涙が最優先だ、ってね』
『ふふっ、それはちょっとクサすぎよ』
『あっ、ひっでー!』
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14/18
初めてできた後輩にそんなことを言われてしまったから、ずっと意識してしまった。
最後の最後に私に意識させないように、あえて道化を演じて笑わせてくれた。
そんなことを言われてしまったら、須賀くんが私のことを好きだと勘違いするのも仕方ないじゃない!?
それに、こんないい男っぷりを見せられたら、その後の人生に支障が出るのも仕方ないわよね!?
でも、彼が咲と幸せになること自体に異論はない。
だって彼は言っていた。『咲に気を使わせてしまう始末』と。
きっと、私に須賀君がしてくれたようなことを、咲は須賀君にしてあげていたんだろう。
中学生の頃にそんなことをしていたら、それは両思いになっても仕方ないわよね。
あーあ、こうして貧乏くじを引くのはいつだって私。
……ごめんなさい。須賀君も咲も、あの清澄麻雀部全てが私にもったいないくらいいい子たち。
ふふっ、二人とも緊張してる。
咲、しっかりしないと私が須賀君をとっちゃうわよ?
二人は幸せになれるかしら。
……うん。
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15/18
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': : : : 从: : :∧:{ 从{ \` ー` 乂こソ |:/ ) } : : : : : |
/: : . :イ: : :\: :{ ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ: : : :|: : |
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. 从: :! }: ハ〈.ん::i} z=ミ、 |: : :.i: : :,' : | |: : :!
ヽ|/: : :! v少 ..... !: : ,': :./: :.,' ,': :./ 「幸せにならなかったら許さないじぇ!」
イ !:fヽ.! ::::: ' ::::: ,': :.厶イ: : / 厶ィ'
乂 |. }:.ゝ、 v フ /: :/: :/: :./
_|. Vリ/ > 、 ,. イ仏厶仏イ
/ヽヽV 厶r:::个ー'^ー'"⌒}―- 、__
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V:::::∧::ハ::::::::::::::::ハ ` ー─ ´ 丶 `丶、_ ィ'::::::::::l:::::〉、:ヽ
〉:::ハ:〈 ヽ〉:ノ=‐7` /:::::::::::/// 〉::〉
ソ´ ` /: . :┤ ` ー──- /:::::::::ノ 〃 ソ
, .<´: . : . 〈 \ /:::::::V ′ 「困ったら相談するんじゃぞ?」
, .<: . : . : . : . : . :\ 丶 . .<:<_V∨
,. .<: . : . : . : . : . : . : . : . :\ ` ー <: . : . : . : . : .\
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{: . : . : . ,'. : . : . : 7」:,'--、 ィ'" V: . : . :ハヾ、
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カン!
最終更新:2015年11月29日 06:18