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姉妹喧嘩をうまく仲裁する京ちゃん



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 姉妹喧嘩をうまく仲裁する京ちゃん


 「お姉ちゃんなんて知らないもん」

 「さ、咲……」


 居間に行ってみると、プイッと可愛く目線を逸らす咲とオロオロする照さんの姿が目に入る。

 一体何があったのか、と近づいてみると、俺に気付いた咲がいそいそとどこかに逃げていった。


 「照さん?」


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            |:::: ヽ_| ///              __,ノ :::::|  } 「あっ、京ちゃん……」
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 照さんが涙目だ。

 あー、こりゃ喧嘩でもしたのかな。

 そう考えれば咲の態度も見当が付くし、照さんが涙目なのもよくわかる。

 うーん。嫁さんを放っておいて照さんを慰めるのもアレだけど、今は照さんを優先しよう。

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 「まぁ立ってないで座りましょうよ」

 「……」


 とりあえずソファに腰掛けて、横に座る。

 無言。照さんもプイッと顔を背けて話したがらない。

 こんな仕草は本当にそっくりなんだけどなァ……。

 自分に都合が悪いと話さないところもそっくりだ。


 「京ちゃん、笑ってる」

 「えっ」

 「何考えてたの?」


 こういうところに気づくのも、姉妹だよなァ。


 「咲と照さんの仕草がそっくりだったので、笑っちゃいました」

 「……そう?」

 「はい。こーんな風に頬を膨らませてますよ」


 ちょっと大げさなくらい自分の頬を引っ張ってアピール!

 膨れっ面だった照さんも、それを見てクスリと笑った。


 「ほらっ、笑った」

 「笑ってない」

 「笑いましたー」


 小学生みたいな言い争いだが、それが照さんのツボに入ったらしい。

 可愛らしい笑い方を隠しているが、肩が震えている。

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 「落ち着きました?」

 「うん」

 「そりゃ、良かったです」


 それだけ聞いて安心した。

 冷蔵庫の牛乳を温めて、ホットミルクにして照さんに渡す。

 甘党だから砂糖をちょっと入れてあげる。

 ふーっ、ふーっと冷ましながら飲む照さん。


 「……なんで喧嘩したのか聞かないの?」

 「聞いて欲しけりゃ聞きますよ」

 「京ちゃんのいじわる」

 「なんとでも言ってください」


 少し間をおいて、照さんは話し始めた。


 「咲と喧嘩した」

 「はい」

 「ちょっとしたことだけれども、昔と同じようになるんじゃないかって」

 「……」

 「そう考えたら、震えが止まらない」

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 そう吐き出すと、照さんは肩を震わせる。

 ……やっぱり、昔のことはこの二人にとってのトラウマとして残っているんだろう。

 俺は昔の二人がどうして喧嘩したのは知らない。

 二人が話したがらない限りそこに頭をつっこむのはお門違いだ。

 そばにいて、辛いと思った時に話を聞いてあげる。

 それに対する答えなんて言わなくていい。ただ話を聞いてあげるんだ。


 「照さん、ちょっと失礼します」

 「?」

 「ほら」


 照さんの両手を借りて、俺の両手で覆う。

 力を入れて、強く握る。


 「震えは止まりましたよ」

 「……!!?」


 やってから思ったけど、キザすぎた。恥ずかしい!

 照さんは咲に似ているから、どうしても同じような対応をしちゃうんだよなァ。

 顔を真っ赤にする照さん。

 お、怒ってるわけじゃないよね。大丈夫だよな?


 「んじゃ、俺はもう一人のお姫様の対応をしてきますから、その後仲直りしましょ!」


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 5/9

 ……
 …

 「お待たせしました、お姫様」

 「……遅いよっ」

 「やっぱ待たせた?」

 「お嫁さんより先にお姉ちゃんのところに行くなんて……」

 「ごめんって」


 俺のお姫様はご機嫌斜めのようだ。

 まァ咲ならわかってくれるだろと、ずさんに扱ったことは反省しなければいけない。

 今回の場合、どうとってもどっちかが立たないんだけどね。


 「喧嘩なんて珍しいじゃん」

 「お姉ちゃんに理由聞いたの?」

 「聞いてない。

  適度な喧嘩は仲が良い証拠だろ」

 「喧嘩しない方がいいに決まってるよっ」

 「そりゃそうだ。

  俺たちも結構喧嘩するしね」

 「……」


 関係ない話から咲の心の中に入っていく。

 まぁ、コイツも照さんと同じ理由で悩んでるんだろうけどさ。

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 6/9

 「ちょっとイラっときて」

 「うん」

 「軽い口喧嘩のつもりだったんだ。

  でも、強い口調で喋るとどんどんイライラが募って。

  続いたらこうなっちゃった」

 「そうか」

 「京ちゃんを見て逃げてきたら、さ。

  お姉ちゃんが先に慰められてるんじゃないかって、けっこう嫉妬してた」

 「うっ……、本当にごめん」

 「ううん。京ちゃんはそれでいーの!」


 さすが咲。許してくれてありがたいよ。


 「まぁバレてると思うけれど、昔を思い出しちゃった」

 「そうだろうなァ」

 「でも大丈夫、京ちゃんを見たらそんな気持ちも吹き飛んじゃった」

 「あなたの心の隙間お埋めします、須賀京太郎です!」

 「ふふっ、ばーか」

 「あー、ひでー。慰めに来たのに」

 「慰めてもらってないんだけど」

 「気は楽になったんだろ?」

 「なんか納得できない」

 「納得しなさい」


 なんだかんだ言いながら、咲は克服しつつあるらしい。

 姉妹喧嘩くらい出来ないと可哀想だもんな。

 ―――咲がじーっとこちらを見つめている。

 わかってるよ、お姫様。

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    l' |: ,: {`\ `¨´  '  `¨´〈:イ )}: : , 「京ちゃん……」
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       l// / , / ' l| | |     | | |  |   |   | ダキッ
     _/ ィ / { l |__|_{ |∧   }/ ' / l  |   ∧
      ̄  {〃  Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
          / ,  从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '  「これでいいか?」
           / イ从 l ム        Vり ム'  ノ/}'
         ´    \∧  '        ,r ' /
               、  v   ァ    / 从/
                     \ `こ     イ  _|、
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          {八:{ \:{とヒこソ       ヒこソっ: イ: :|  \} 須賀咲ちゃん、行ってきます!」
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             从{∧     _   _     人:∧{
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 あとは姉妹に任せて……、と言いたいが、ちゃんと和解したかを確認するくらいはいいよね。

 先ほどまでの悩みが嘘のように居間に入っていく咲。

 照さんは一瞬ビクッと反応したが、すぐに笑顔を作り直した。

 仲が良い姉妹のあるべき姿って奴だな!

 須賀京太郎はクールに去るぜ……。

 ……。

 正直、な?

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      八Λ.....>      _   .   <......../|/
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  |: : : : : |: : : : : |匕Ⅵ: /ト、: : /从   |: : : |
  |: : : : 八: : : :.i:|:{   V ノ ∨ ,ィ   |: : : | 「もー、この分はちゃんと買って返してよね!」
.  : : : : : : ヽ: : 从   _      ≠⌒ Ⅵ:/}
  \: : :{⌒\:.{  r==ミ    , ::::::::::Y
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         }'  / |Ⅵ { 从  '  ,     }/ /イ   }     .
           / イ | l{   { ∨/      '    }   ∧ :   :.  「(うん、わかってた)」
          ´  | {|从三三 /   三三三 /  /--、| ∧{
                {从 |     ,            ムイ r 、 }} /} \
               |                ノ ' }/イ/
                {               _,ノ
                   人       _,..::ァ       r }/
                     `     ゝ - '   イ   |/
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                   {|___ノ  __|[_]//∧_
                 /// |____|///////////> 、

 カン!


最終更新:2015年12月08日 13:15