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しっかり者ののどっち
「原村せんせーー!」
「はーい。どうしたのかな?」
私は原村和。小学校の先生をやっています。
この仕事は子供の頃からの夢でした。
一時期は麻雀もせずに、一生懸命勉強してこの仕事に就けたことは誇りに思っています。
男の子に呼ばれたと思ったら、もじもじと顔を赤らめる。
チラチラと視線は私の胸に向いている。
ちょっと年期が入った男の人ならば気分も悪くなりますが、この年頃の男の子なら可愛いものです。
ニコニコと対応していると、女の子がやってきました。
「ちょっと男子ー!
原村せんせーが困ってるでしょー!」
「大丈夫ですよ。
でも、あまり胸を見ると女の子に嫌われちゃいますよ?」
「み、みてねーもん!」
「ほらっ! いくよ!」
「ひっぱんなって!」
あの二人は私の生徒。
初めての勤務から、奇妙なことにずっと同じクラスにいます。
二人は幼馴染のようで、女の子は私を見ていた音の子に嫉妬しちゃったみたい。
ああ、子供って可愛いですね。
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「なんなんだよ! いてーからひっぱんな!」
「うるさい!」
あらあら、ちょっと喧嘩しちゃってます。
可愛らしい喧嘩ですが、子供達にとっては死活問題。
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|:.`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi: : :| 「ほら、そんなことしてると嫌がられちゃいますよ?」
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女の子を嗜める。
自分を構って欲しかっただけだとは思いますが、男の子にそれを悟れというのは無理があるでしょう。
女の子は膨れっ面からプイッと顔を背けて、俯いてしまいます。
「ごめん。やりすぎた」
「う、うん。
俺も言い過ぎたよ」
なんとか仲良く一件落着。
子供時代に起こったことは一生引きずっちゃうこともありますし、先生の役目は重要です。
もちろん、私に出来るなんて限られてはいますし、過剰な干渉を避けるべき場合の方が多いです。
でも、こうして自分に関わってくれた子に少し道を示してあげるのは悪いことではないでしょう。
二人は先ほどまでの雰囲気は嘘のように漫才をしています。
ふふふ、まるで漫画の幼馴染関係みたいですね。
咲さんと京太郎君を思い出します。
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……
…
「原村先生。この仕事には慣れましたか?」
「もう3年ですから」
「そういえばそんな時期ですねぇ。
だいたい3年もすれば初めての異動も見えてきますよ」
そう。先生といえば別の場所への異動が常です。
そうなると先ほどの子達ともお別れになってしまいます。
ただ、それはこの仕事を選んだ時点でいずれ来る未来ですから、覚悟はしています。
「原村先生は新人の時からよく働いてますからねぇ」
「そ、そんな……」
そんなことを言われると、初年度に頑張りすぎて熱を出してしまったことを思い出してしまいます。
良い意味で『適度に手を抜く』という意味がわかってきたのは、ここ最近の話です。
生徒から見れば神様みたいな立ち位置だった教師だって、実際は人間。
まして多くの人たちと接する以上、ストレスもかかります。
うまくやっていく、というのはとても大事なことでした。
「でも、寂しくなっちゃうわねぇ」
「ちょっと、やめてくださいよ! まだ原村先生が異動するって決まったわけじゃないのに!」
「さすがにもうちょっといるんじゃないかな」
何かと手を貸してくれた職場の人たちにも感謝です。
皆さんがいなければ、私は辛くて倒れてしまっていたでしょう。
初めての勤務先が恵まれた場所であったことが私にとっての幸運でした。
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楽しかったことだけではなく、辛かったことも非常に多いです。
子供との距離感もそうですが、何より彼らの親の存在がプレッシャーになりました。
理不尽な要求だとか、給食費の未納だとか、数を上げればキリがありません。
それに、解決もしようがない話を考えているだけで気分が悪くなってしまうので、考えないようにしましょう。
「さて、テストを採点しますか」
今日はいつもよりお仕事が多いです。
みんなが一生懸命解いてくれたテストの採点をします。
ミスのないように○と×を上からつけていきます。
このテストも自分で作ったものと考えると、それを解いてくれたというだけで達成感が湧き上がってきます。
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マナーが悪いですが、ページをめくるためについ指を舐めてしまいました。
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……
…
「今回はみんな頑張ってくれたみたいです」
教室で答案を返却するときに一人一人褒めてあげます。
とはいえ、今回はちょっと簡単すぎましたかね。
簡単にして自信をつけさせてあげるのはとても重要です。
同時に、あまり簡単にしすぎると勉強をしない癖がついて中学、高校でついていけなくなってしまいます。
そのあたりの機微がとっても難しいですね。
「やりー、俺の方が点数高い!」
「む!」
いつもの幼馴染もお互いの答案を見せ合っているようです。
あの子達は負けず嫌い同士ですから、次は女の子が勝つでしょう。
いいライバルがいると、負けたくないと思ってどんどん伸びていきます。
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……
…
仕事が一通り終わって、今日は休日。
……ええ、何の予定もありません。
何もすることがなく家でゴロゴロしていてもいいのですが、それはあまりにも無益です。
ここは、私が恋人、および結婚をするためにどうしたらいいかを考えましょう。
婚活サイトにでも登録してみますか? いえ、お見合いを失敗している私がネットから始めてもどうにもならないでしょう。
同僚でも合コンなどが起こる機会はほとんどないです。
大学の友達も誘ってくれません。
大学初期こそ『和で釣って男漁りしようぜー!』と誘われていましたが、中期辺りから『和はほら、ね?』と生温かい目で見られるようになりましたからね……。
私だって盛り下げていた自覚はありますよ! ええ悪かったですね!!
婚活の一環でお料理教室に通おうと考えたことがありました。
そう、お料理教室というのは名ばかりで男の胃を掴むことを考えている人が集まるからです。
しかし、よく考えてみれば私は料理が得意です。
それで料理教室に行くのもどうか……と考えているうちに無為に時が過ぎていきます。
このままだと、いつもと同じ休日になってしまいますね……。
発想の転換をしましょう!
コロンブスの卵と同じです。気づけばなんてないことだった、という回答が必ずあるはずです。
身近な男の子……京太郎君ですね。
身近と言っても一方的に覚えているだけで、最近はプライベートでの関わりがほとんどないんですよね。
どこぞの悪待ちも同窓会的なイベントでしか喋れてないと言っていましたが、私はそれに加えてたまに遭遇するときくらいはあります。
でも冷静に考えて、あの悪待ちと同レベルの戦いをしている時点でダメなんですよ!
京太郎君と親しくなるには、やはり咲さん……。
うう、咲さんは京太郎君とエッチなこともしてるんですよね。経験がないから羨ましいです。
咲さんが京太郎君のアレを受け入れて乱れてる姿、京太郎君も咲さんも必死になっちゃって……じゅるり。
うう、私はまず殿方とキスを経験してみたいです。
甘くとろけるような恋人のキスってどんな味がするんでしょう。
……ハッ!?
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. . . . . /. . . : :/: : :/: : : : : : : :ヽ: : : 、: . . 寸三ニ7
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: : : /. . ://! !: :,':.:.|: :.:|: : : : :!: : : :ヽ: :l:| . . . ゙ニ7
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: :l{: : : :|!| i' ヾ |! |/,'/|: :/|! |/|' |:./!|:.,イ: :.i! i!
: :l|ヽ: : | ┳━┳━/' /:/./'┳━┳' イ:/,': : ,'| ノ
: :.i!: :lヽl ┃//┃ /'´ ┃//┃ イ'l/: :,イリ
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: : : : | ,':´:!: : . .! 「私が咲さんとキスをすれば、京太郎君とキスをしたことになるのではないですか?」
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: : : : ト.ヽ イ: : l: : . ∧
: : : : |ヽ|ヽ ⊿ .ィ´: !: : i: : . . .゙、
: : : : ト、l} ` _ _ ....:チ: : :.,':λ: :!: : . . . ト、
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: : . : : lヽ ,'-.、_: : /: : :./!,' .!: :.|:. : : . .l ヾ.
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ヽ: . . . . ヽ、:`ヽ ヽヽ::::::::::::|!`! |: : !: : : : . | リ
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/ |: :/ \へ
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∨ ノ¨ト==イ: :! l斗十ナナノ.:|: /::l. /十ト、l: i〉
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レイ ト、_|: : : :l ヽ 弋:zソ !::::}l }イノイヽ
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|.: : :|: : : : .: ト、 :::::: |: : : : | ⌒ 「それはつまり、京太郎君のアレを私が咥えたと言っても同義!!」
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ゝゝ| ;´んィ:!` =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
|| l 弋_丿 'んィ:!.ヽ// ,' ! } }
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|l!. l_L:;ノ:.ト!¨ T¨ェ:://.∥ll! l | .| す !
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i: : : : : : : :l /{ : /-一' レl: : ノー-,: : l: : : : : i
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',: { 乂_ノ 乂ノ .l: : :}\ノ 「(また発作……)」
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カン!
最終更新:2015年12月17日 16:36