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平行世界の記憶が少し戻ってドキドキしてしまう電波組
「新年明けましておめでとうございますっ」
「玄ちゃんも来たし、三人で新年会ね」
「毎年やらなきゃいけないなんて、ダル……」
石戸霞よ。
今日は三人だけで新年会です。
白望ちゃんと二人で新年の飲みはしていたけれど、玄ちゃんを含めてするのは初めてなのよね。
玄ちゃんは年末年始、仕事に忙殺されていたのだから仕方ないわよね。
「いつも霞さんにはご迷惑をかけて……」
「もう、玄ちゃんったら。
水臭いわよ。そんなに負担じゃないんだから、気にしないでほしいわ」
「そういう風に思われる方がダルい……」
「そうそう。
それに、クリスマスには一人で無理して行き来してたでしょう?
夜遅くで女の子が一人なんてダメよ!」
「次にしたら許さない……。相談して……」
「えへへ。頼れるお姉ちゃんが二人出来たみたいです!」
「(深夜に一人で来てプレゼントだけ入れて帰ったって聞いたときには血の気が引いたわ)」
「(正直、引いた……)」
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i ニlニ○ _L/、 / (⌒ ⌒)
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{i:{:: :ハ::.: 込{. __ (__ ノ .ィ}:リ|: 「(おもちの大きな[[お姉ちゃん]]が二人出来たのです!)」
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パアッと笑顔になる玄ちゃん。
もう、本当に可愛いわね。
咲ちゃんもそうだけれども、妹みたいで可愛いわ。
『霞』
『あら、白望ちゃん。念話なんてしてどうしたの?』
『玄からは目を離さないほうがいい。
……色々と心配』
『そ、そうね。
……色々と』
白望ちゃんも同じ考え見たい。
もう、白望ちゃんったら、咲ちゃんの事も玄ちゃんの事も甘やかすんだから。
私と白望ちゃんも一般の人とは感性が外れている自覚はあるけれども、そんな私たちから見ても玄ちゃんは危なっかしいのよね。
「今度松実館に来てくれたらサービスするのです!
お金なんていりませんから!」
「玄ちゃん、その手には乗らないわよ」
「きっと、私たちの分を自費で賄う気……」
「う、うぐっ」
「実家だからといってそんな優遇できないでしょうし」
「おみとおし……」
「さ、流石なのです」
「もう。そんなことはいいから、ね?」
全く、玄ちゃんはいつも自分を犠牲にするんだから。
まぁ、私たちがいる限りそんなことはさせないわよ。
話題を変えないといけないわね。
……そうだ、ちょっと自慢したいこともあるし、これでどうかしら。
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‘:::::::::::::::::|:::::| ′:::::::::::; 「それより、みんな初夢はどうだったかしら?」
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……
…
「霞さん。霞さん。朝ですよ」
目を開けると、そこには眩しい金髪の髪の毛が目に映る。
今にもキスできそうな距離に、起きた途端に心臓が跳ね上がる。
何年も一緒にいて、一緒に寝るようになっても未だに慣れない。
「も、もう。京太郎さんったら!
いつもは私の方が早く起きるのに……」
「へへっ、たまには俺の方が早く起きるんですよ。
新年明けましておめでとうございますっ」
「あっ、先に言うなんて、もう!
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね」
いつものように彼の手玉に取られることが悔しくて、起き上がる前に胸板をポカポカと叩いてみる。
ハンドボールのプロとして鍛え上げられたその胸板は私の細腕ではビクともしない。
硬い鉄板というと言い過ぎか、それに近いものを叩いているような気分になる。
やっぱり、男の人なんだなって部分を感じて、顔が赤くなる。
新年明けて早々だけど、仕返しに私から誘ってみてもいいかしら……。
「かかさまー?」
「おー、かかさま起きたぞー」
「あ、あら」
そこには、小さい頃の自分そっくりの娘がいたので、湧き上がる熱を押さえつける。
父親のことが大好きで、今も右腕の脇の下に頭を無理やり押し込んでひょっこりと頭だけ出している。
まるでかまってほしい犬か猫のようで、我が娘ながら愛らしい。
「ととさま!」
「霞さん、一緒におもち食べましょう!」
「ふふっ、ちょっと待ってくださいね」
夫を先に向かわせ、鏡で軽く身だしなみを整える。
もう、寝起きなんて見せられたものじゃないのに……。
でも、新年最初に夫の顔を見れたことが嬉しくて、顔の熱が収まらなかった。
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「久しぶりの実家はどうですか?」
「いやぁ、俺はカピーを触れて満足できてますけど、霞さんは居心地悪かったりしませんか?」
「いえいえ、お義父さんもお義母さんも本当に良くしてくれて……」
「ジジさま、ババさま、やさしい!」
「それならいいんだけどさ……」
もう、そんなこと心配しなくてもいいのに……。
いつもいつも頑張ってくれている京太郎さんが休んでくれれば私は満足なんです!
「折角だし、初詣には富士山の見えるところに行こう!」
「富士山、ですか?」
「ほら、一富士二鷹三茄子って言うじゃん」
「もう、それは初夢に出たら縁がいいって話ですよ」
「少しでもあやかって、さ。
お前も行きたいよなー?」
「ととさまー!」
「この子は京太郎さんと一緒ならなんでも楽しいですよ」
「霞さんは?」
「も、もう、私だって同じですよ」
「霞さん、かわいい!」
「きゃっ、いきなり抱きつかないでください、びっくりしますから!」
「いきなりじゃなければいいんだ?」
「う、ううう」
京太郎さんったらいつも意地悪なんだから……。
結局、その日は家族三人で富士山を見に行って、幸せな初詣になりました。
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6/10
……
…
「京、起きて」
「シロ姉、まだ寝てたいよ」
「ダメ」
新年を開けてお正月。
きっと高校生時代ならばほとんどの時間を睡眠に費やしていたけれども、今は違う。
布団の中に潜り込む京を引きずり出して、朝食を食べさせないといけない。
「お雑煮があるから」
「まだ寒いよ……」
「もう……」
「シロ姉がデレてくれたら起きるかもー」
「……」
少し頭を抱えるが、姉のことを舐めているようだ。
そんな弟に、どちらが上位か教えてあげるのも悪くはない。
「んっ」
「!!?」
「ほら、起きて」
「は、はい……」
毛布の中に入り込んで無理やり唇を押し付ける。
京にとっても予想外だったのか、顔を真っ赤にしている。
「わ、わかった。起きるから!」
「先に行ってる」
振り返らずにキッチンに向かう。
その最中、自分の指先で唇を触る。
当然だが、毛布の中には京の匂いが充満していた。
……顔が冷めるまで、見せられなそうだ。
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7/10
「俺、初夢に鷹が出てきたんだよ!」
お雑煮を食べながら興奮している。
そういえば、一富士二鷹三茄子といったものがあったか。
「岩手とかって、鷹はいないの?」
「知らない……」
「……今調べてみたけれど、保護対象でほっとんど見られないらしいよ」
「地元民でも、そんなところまでいかない」
「そりゃそっか」
京がちょっと残念そうにスマートフォンを閉じる。
「見たいなら」
「?」
「動物園にでもペットショップにでも行こう」
「……うそっ」
「……なに?」
「シロ姉からどこかに行こうなんて言われるなんて、ビックリだよ」
「……生意気」
本当に、京はどちらが上かわかっていないようだ。
席を立ち、もう一回知らしめるように近付く。
しかしよく見れば、そんな私を見てワクワクニヤニヤした表情を見せている。
……なるほど、誘導させられていた。
それに気付き、そのまま反転し、京に背中を向ける。
背中向きだが、明らかにがっくりしたようなため息が聞こえた。
そしていきなり振り向いて、もう一度唇を押し付ける。
今度こそビックリしたようで、目をパチクリさせながら顔を赤くしている。
どうかそのまま、私も赤くなっていることに気づかないでいてくれると嬉しい。
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8/10
……
…
「京太郎君、新年明けましておめでとうございますっ」
朝から京太郎君のお家にお邪魔する。
迷惑かな? とは思ったんだけれども、京太郎君の了承を得られたからいいんだ。
それに、いつでも入っていい、なんて言われて合鍵も渡されちゃったし……えへへ。
……
…
「こ、これって」
「俺がいなくても入っていいですよ。
(放っておくと寒くても家の前で何時間も待ってるみたいですからせめて温まってください)」
「(もっとしっかりしろってことだよね?
頑張って京太郎君の迷惑にならないようにしなきゃ!)」
…
……
年末年始だけれども、京太郎君は実家に帰らないそうだ。
それを聞いたので、私も実家に帰るのはやめて京太郎君のお手伝いをすることにしました!
お正月だし、お雑煮とおせちが鉄板かな?
予め家で準備しておいた重箱を机に置いて、お雑煮を温める。
よいしょっと、さすがに重箱五つとお鍋は重かったかも。
でも、京太郎くんのためならへっちゃらだよっ。
「あとは、お年玉!」
先月の自分のバイト代をそのまま入れる。
これで足りるかな……?
京太郎くんだってもうすぐオトナだし、お金はあって困らないもんね!
もし足りなかったら、お金をおろしてこないといけないなぁ。
えへへ、喜ぶ京太郎くんの顔を早く見たいのです!
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9/10
「あっ、玄さん、おはようございます」
「おはよう京太郎君!
あけましておめでとうございますっ」
「あけましておめでとうございます。
……あれ、それって」
「うん、お正月だと思ってちょっと張り切っちゃって……。
良かったら京太郎くんに食べてもらえないかなぁ、なんて」
「新年明けていきなり玄さんの料理を食べられるなんてご褒美ですよ!
早速いただきます!」
「(京太郎君、優しいなぁ)」
「(これで三が日分くらいかな?
重かっただろうに、なんか悪いな)」
「(明日も作ってこないと)」
「あれ、茄子が入ってますね」
「えへへ、新年に縁起がいいかなって作ってみたんだ」
「俺からしたら年明けで玄さんを見られたわけで、十分縁起がいいです!」
「も、もー、そう言ってもらえると嬉しいなぁ。えへへー」
「(かわいい)」
うん、やっぱり京太郎君は凄く格好いいなぁ。
私も、最初に見れたのが京太郎君でとても嬉しい。
京太郎君のためならなんだって出来るよっ。
おせちもお雑煮も喜んでもらえたし、あとはこのお年玉だけ。
えへへっ、京太郎君。これも喜んでもらえたら嬉しいな!
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l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
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カン!
最終更新:2016年01月13日 00:26