1/9
【あの人は危ないから関わってはいけません】(平行世界)
「君、すまないな。
このお礼は今度……」
「いえいえ、お気になさらず。
照さんをあまり怒らないであげてください。
あまり強く言わなかった俺も俺ですから」
「そうか。わかったよ。
(なんだと!?
それはつまり『お礼はお前の体さ。今夜俺の部屋に来いよ』ということか! くっ殺せ!)」
「お腹すいた。
京ちゃんお菓子」
「今食べたら夕飯食べなくなるでしょ……。
ダメです」
「(´・ω・`)てるーん」
「今度スイパラにでも付き合いますから」
「(`・ω・´)てるーん!」
「(屈強な体に抑え込まれてしまって、でも親友は裏切れなくて弱々しい抵抗をしたところを言葉責め……。
なんたる鬼畜)」
「あの、すみません?」
「ああ、すまない。
なんだ?」
「いえ、良ければ麻雀部の見学をしたいな、と」
「入部希望か?」
うっ、そこを突かれると弱い。
「まぁそんなようなもんです」
「京ちゃん。それなら私が案内する」
「良ければ少し打っていくこともできるが」
「あー……、俺弱いんで、やめときます。
気を遣ってくれてありがとうございます」
「(麻雀ではあんなに強いのになんて言われてしまって、……なるほど、そういう言葉責めプレイもアリだな)」
「京ちゃん、ここは危ないから行こう」
「?
わかりました」
何が危ないんだろう?
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2/9
……
…
「何より、『女の子探しに来ましたー』なんて言えないよね」
「普通だったら追い返される」
「ですよねー」
まさか照さんに正論を言われるとは。
でも一目惚れした男子の行動だ。大目に見て欲しい。
「ムスー」
「口で言ってますよ。
どうしました?」
「別に」
?
何やら照さんが不機嫌だ。
「不機嫌ですね?」
「そ、そんなことない」
「何か悪いことしちゃいました?」
「……」
うん。女の子の心はよくわからん。
咲もよく怒らせてたからな。
……やばい、自分で心抉ったわ。
「京ちゃんが」
「うん」
「菫と仲よさそうだったから」
……
本当に、この人は……
「てい」
「あう」
いつものように、頭に当たらないようにチョップする。
「誰かさんのことでちょっと意気投合しただけですよ」
「ほんと?」
「ほんとです」
綺麗な人だとは思うけれど、俺には心に決めた人がいるからな!
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3/9
「んじゃ、そろそろ行きますか」
「?
探さないの?」
「さっきからチラチラ見ているんですけど、見つからないんですよね。
もう諦めます」
「そ、そうなんだ」
「照さんには付き合ってもらいましたし、麻雀部の口添えをしてもらって感謝してます」
「照れる。照だけに」
「……」
「ごめんなさい」
「あーあー、せっかくお礼にスイパラ行こうと思ってたのになー」
「!?」
「考え直そっかなー」
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5/9
……
…
「おお、すごい食べっぷりですね」
「女の子にとって甘いものは別腹」モシャモシャ
「それ、よく言いますよね」
「京ちゃんは女の子とこういうところに来たことある?」
「ないっす。
と言うか女子とケーキバイキングとかに行くのはさすがにハードル高いっすよ」
「私が初めて?」
「そうですね」
「えへへ」
いつもの無表情ながら、とてもテンションが上がっているのが見て取れる。
まぁ、普段からお菓子が大好きなわけだからね。
そりゃスイパラなんてきたらこうなるか。
「京ちゃん、そわそわしてる」
「えっ」
「京ちゃんも甘いもの好きだもんね」
「セットについてくるやつとか好きなんですよ」
レディースランチとか。
「バイキング形式はいろんなものをちょっとずつ食べられるからいいですよね!」
「京ちゃんはそういう方がいいの?」
「そうですねー。
同じ種類だと飽きちゃいますし、少なくてもいろんな種類食べたいです」
「わかった」
なんでこの人はメモを取っているんだろう……。
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6/9
「照さんはケーキばっかり食べてますね」
「せっかく来たから」
「こういうところだとカレーとかパスタとかで舌をリセットしたりすると思うんですが」
「甘いものが食べたいから来た。
リセットする必要なんてない」キリッ
「今までで一番引き締まった顔をしてましたよ」
「かっこよかった?」
「はいはい。
格好いいですよー」
「えへへ」
「(あっ、緩んだ)」
一瞬すごく顔が引き締まったかと思えば、次の瞬間にはゆるゆるに戻る。
こういうところが照さんらしい。
「京ちゃん、これも美味しいよ」
「すぐ取ってきますよ」
「……これ、食べて」
「!?」
「あーん」
「そ、それは……」
「……」
照さんが今にも泣きそうな顔でこちらを見ている。
これは断れないし、役得かなぁ。
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7/9
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 ̄´ |: ∧: :| _)雫ミ从: : :| _}∧:_:/ }ヽ : : : /: : : : : :
|: : : Ⅵ V::ノ \|´_)笊雫ミ/: : : :/:/: : : : : : ,
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|: : :j:从 /:/ /' ノ: : /: : :/
|: : ,|: {: : . _ ´ ィ: ー ´: : :/: : :/ 「あーん」
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,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉
r つ ` < / ∧__|>´| ∧ }
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_, ----` ∨ `ヽ、
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}' / |Ⅵ { 从 ' , }/ /イ } .
/ イ | l{ { ∨/ ' } ∧ : :.
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{从 | , ムイ r 、 }} /} \
| ノ ' }/イ/ 「あーん。甘くて美味しいですね」
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人 _,..::ァ r }/
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8/9
……
…
照さんと別れて自分の家に帰ってきた。
今日は色々と考えることがあって疲れたな。
やっぱり照さんは麻雀部だったのか。
まぁ、全く隠し通せていなかったんだけどさ……。
「さて、これからどうすっかね」
『憧れのお姉さん』なんて何処にもいなかった。
スマートフォンを開く。
『清澄高校麻雀部』の連絡先を見る。
胸が痛む。
いつまで引きずっているつもりだ。女々しいったらありゃしない。
スマートフォンのバイブが震える。
ドキリとして確認してみると、そこには『照さん』からのラインが来ていた。
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9/9
『(`・ω・´)今日は楽しかった!』
胸が暖かさで満たされていく。
あんなので楽しんでもらえたなら男冥利に尽きるってもんだ。
そんな大層なもんでもないけど。
『俺も楽しかったですよ』なんて返信しつつ考える。
今度は別のデートでも考えてあげれば恩返しになるかな。
スイーツめぐり以外に何か、あるっけ?
「そういえば」
俺って、照さんのことを何も知らないんだな。
いつの間にか懐かれて、家でグダグダしていて、ボケーっとしている。
まるでアイツそっくりだ。
その割に、変に気が利く人だ。
____
,. ´ __ `¨¨ヽ
,  ̄` / ヽ `ヽ
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/ /,´ / | ヽ .
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 ̄ {〃 Ⅵィ斧从 } /-}/-/、 , /-、 ∧}
/ , 从 Vり ∨イ ,イ斧ミ、}/ /⌒ } | '
/ イ从 l ム Vり ム' ノ/}'
´ \∧ ' ,r ' / 「『今度は照さんのワガママに付き合いますよ』っと」
、 v ァ / 从/
\ `こ イ _|、
` r ´ //∧
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「 | //////////> 、
, </∧ / {///////////////> 、
, </////// ∨__∨//////////////////>、
その辺を詳しく聞いてみるのも悪くない、かな?
カン!
最終更新:2016年03月01日 01:42