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京咲で釣り
宮永咲です。
今日は大学の講義もないので、京ちゃんと公園デートです。
「わぁ、海だ」
「あんまりこういうとこ来ないからね」
「うぐぐ」
「咲は出不精だなァ」
「今日は来たでしょ!」
「はいはいっと。
落ちるなよー」
「そんなことしないもん!」
怒りながら京ちゃんに詰め寄るけれども、京ちゃんはケタケタ笑うだけで相手にしてくれない。
京ちゃんは、本当にもー。
「わわっ」
「風が吹いてるんだから気をつけろよー」
「先に行ってよ!」
急いでスカートを押さえるも、京ちゃんは無反応気味。
それはそれで腹がたつんですけど!
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「……見えた?」
「いた、見えんかった」
「見えなかったら見えなかったで悔しがるものじゃないの!?」
「……いや、どうせ家で見るし」
「ぅひ!?」
何を言い出すの!?
「京ちゃんのバカ!」
「うるせー!
こんなところで発情するわけにもいかないから見ないほうがいいんだよ!」
「ふーん、発情しちゃうんだー?」
ニヤニヤしながら京ちゃんと手をつなぐ。
恋人握りなんかしちゃって、するっと腕を絡ませる。
ふふっ、昔なら絶対に出来なかったけど、今なら自然と出来ちゃうんだ。
女にされちゃったってやつだねー。仕方ないねー!
「バッ、やめろ!」
「ふふーん?」
「……いやこれ公園デートだからな。
今日は行く場所あるから」
「何言ってるの京ちゃん。
出来ないのがわかっていて焦らすのが楽しいんじゃん!」
「このー!」
空を仰ぐ京ちゃんを見て勝利を確信する。
たまには私だって勝てるんだよ!
……あれ、京ちゃんなんでスマホを弄りだしたの?
「何やってるの?」
「……帰る前にラブホの検索」
「ぅひ。
せ、せめて家まで我慢しようよぉ」
「誘ったのは咲じゃねーか」
夜には大敗を喫しちゃいそうです。
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……
…
「それで今日は何をしに来たの?」
「デートのネタも尽きてたし、新しいものを開拓しようかと」
「その結果が公園?」
「違うよ、ここは釣り堀だ」
「へー」
釣りかぁ。和ちゃんがよく釣りをするって言ってたなー。
「でも、釣りって結構体力使うんじゃ……」
「俺も未経験だし、いざという時は二人でやればいいんじゃない?」
「それもそっか」
何しろここにいるのは初心者二人。
京ちゃんはすぐに釣り堀を管理しているスタッフに話しかけに行き、色々と情報を入手する。
本当、こういうところはすごいよね。
私じゃ絶対にできないもん。
「よっし、レンタルしてきたしやろーぜ」
「う、うん」
それでもやっぱりちょっと怖い。
魚や堀が怖いんじゃなくて、周りに人が結構いるのが怖いの!
コミュ症だから仕方ないし!
「そーんな気にすんなって」
「ううっ……」
違うもん。
すぐに誰とでも仲良くなれる京ちゃんがおかしいんだもん。
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……
…
「よっしゃ、一匹釣れた」
「わわっ、すごい!」
少し時間はかかったけれど、京ちゃんは結構いいところまで行っているみたい。
私はもう半分諦めながら釣竿を持っているだけなんだけどね。
これ、彼氏だけが乗り気で彼女がそれに付き合ってあげてるってシチュエーションだよね。
そう思うとなんか嬉しいというか、ニヤニヤしちゃうというか、えへへ。
「何笑ってんの」
「なんでもないのー」
京ちゃんが楽しそうで何よりです。
私は釣りなんてわからないし、正直釣りが楽しいわけじゃないけれど、京ちゃんが楽しそうなのは嬉しい。
「って、咲。引いてる引いてる!」
「ええっ!?
どうしよう!」
そんな風にじっと京ちゃんを見ていたら、自分の釣竿が引っ張られた。
どうやら何かかかったらしい。
あー、私に引っかかるなんて同じようなドジっ子さんだなぁ、なんてそれどころじゃないことを考えつく。
「引っ張ればいいの?
えーい!」
「バッ、強すぎっ!」
あれ、ダメだった?
思った時にはもう遅く、釣竿を持ち上げきれずに力だけが後ろに向かい、倒れてしまう。
「わーっ!?」
「咲っ!」
京ちゃんがなんとか支えてくれたけれど、少し後ろの人にぶつかってしまった。
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{ /::::::::::::::::::/|::::::|ノ|:八 ::::| _..斗-=ミ\| ::::::::::|::::|
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{ |:: 八ハ{ {{ }} ゞ==(⌒) | :: /:::::|
} |/|::: {. ハ (⌒)=='' /// |/}:::::|
|:::: ヽ_| /// __,ノ :::::| } 「ご、ごめんなさい……」
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} ∨个 .._ (_,,.. ‐~~' イヘ:::/|/∨
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ううっ、優しい人で良かったよぉ。
「あれ、あなたは白糸台の……?」
「?
どこかで会いましたか?」
「こいつ宮永照の妹です」
「ああっ、なるほど!
どこかで見覚えがあると思ったら!」
あれ!? 京ちゃんがまたすぐに仲良くなってる!?
「インターハイで見ただろ」
「さすがに京ちゃんほど人の顔を覚えるのは難しいよっ」
「ははっ、お姉さんにはお世話になりました」
「い、いえいえこちらこそ!
お姉ちゃんのことだからきっと迷惑ばかりかけたんじゃないかって!」
「そんなことは……そんなことは……」
「あっ」
「咲、わかりきっていることを聞いてはいけません」
「ははは……」
困ったように笑っている。
もー、お姉ちゃんったら……。
「それでも、照さんは本当にすごい方でしたから」
「俺らの前じゃそんなんでも、一応現役プロだもんな」
「全然そんな風には見えないのにね」
こんなことを話していると、お姉ちゃんがドヤ顔でブイの字を作りそう。
もー、家でもちょっとはしっかりしてよねー。
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「でも、妹さんも凄かったじゃないですか」
「私なんてそんな……」
「謙遜しすぎは嫌味だぞー」
「ううー!
京ちゃんはそういう!」
「仲がいいんですね」
「あー、まぁ」
「こ、恋人ですから……」
「お熱いことで」
あっ、呆れた顔してる。
うぐー、京ちゃんのせいだからね!!
「良ければ、私が妹さんに釣りを教えましょうか?」
「いいんですか?」
「ええ。ちょっと気になって見てたんですけど、二人とも初心者みたいですし」
「それは助かるっす。
俺もノリでやってるだけだから教えられないしなァ」
「よ、よろしくお願いします」
「こいつ人見知りなんですけど気にしないでくださいね」
「京ちゃん!?」
「照さんの知り合いなら安心だろ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
あっ、笑った。
うー、かっこいい系の人は羨ましい。
今日ちゃんと横に立っているとビジュアル系でユニット組めそうだもん。
ぐぬぬ……。
「咲は運動できないし、本当初心者なんでダメだったら投げ出していいっすよ」
「このー!」
好き勝手に言ってー!
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八:{、:、__ \:lヽ Vり ヒり/:イ:/: :|
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, --r--,\ ,-- 、_____ 人: / \〉 「京ちゃんの竿使いなら負けないし!」
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/ _ 八、 、 \
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.厶:/__ _,ノ \ |
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八_| ┃ ┃ レ')ノ 「えっ」
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カン!
最終更新:2016年03月10日 19:05