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あわねりねりあわ2




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 小ネタ


 今日も今日とで麻雀部は平和ではない。

 淡とネリーがいつものように喧嘩をして、部員はいつものことと慣れている。

 あとは京太郎が来てくれれば二人を抑えることが出来るのだが、今日はやけに遅いようだ。


 「うーっす」

 「あっ、キョータロー!」


 京太郎が入ってきた途端に顔をにやけさせて空気を弛緩される淡。

 それに対してネリーは京太郎の方を見すらしない。


 「ちょい待て淡。

  俺、やることあるから」

 「何さー。

  こんなに待たせておいて」

 「いやお前……他の人と遊べよ」

 「むーっ!」


 京太郎はいい意味で淡を受け流すのがうまい。

 頬を膨らませる淡を尻目に抗議の課題を外に出す。


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 2/7


 「勉強?」

 「牌譜の整理」

 「なんで今やるの!」

 「他にやることもないし」

 「麻雀打ちなよ!」

 「麻雀打つための勉強なの!」


 これで話はおしまい、と話を切る。

 それと同時に淡は膨れつらで京太郎から離れる。

 恨みがましい目で京太郎を見るが京太郎はどこ吹く風だ。


 「じー」

 「……」

 「じーっ!!」

 「口に出すな口に」


 構ってもらおうと様々な手段を講じるが全く歯が立たない。

 淡はこの手のやりとりで京太郎に勝てたことはない。

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 3/7


 「(……そうだっ)」


 淡は名案が浮かんだ! と笑みを浮かべる。

 京太郎はそれに気づいていない。


 「(無理やりにでも抱きついちゃえば構ってくれるよね!)」


 物理的な妨害をすれば京太郎も逃げられまい。

 そろり、そろりと京太郎に気づかれないように近づく。


 ーー今だっ!!


 「キョータロー!」

 「うわっ!?」

 「淡ちゃんタックル!」


 遠慮なく飛び込まれた京太郎は淡を難なく支える。

 普通ならば押し倒されて大怪我になるところだが、京太郎は鍛え方が違った。

 完全に淡を受け止め、子供を持ち上げるように脇の下に手を差し込む。


 「……なんか思ってたのと違うっ!?」

 「何を考えてたんだ何を」

 「こう、タックルしてぎゅーって?

  何で子供を持ち上げるみたいに持たれてるのさ!」

 「危ないだろフツー……」


 テンション高めな淡に対し、あくまで冷静に返す。

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 4/7


 「うりゃー!」

 「おいおい」


 無理やり京太郎に抱きつく淡。

 京太郎も観念したのか、淡になされるがままになる。


 「……あわっ」

 「どしたの」

 「にひひー!」

 「……」


 抱きつかれてここまで嬉しそうだと、京太郎も顔を赤らめる。

 しかも大きな胸が腕に当たっている。

 男の夢、役得でしかない。


 ーーしかしまぁ、それを快く思わない人間が一人いた。


 「なにそれ、子供みたい」

 「あわっ!?」

 「ふーん?」

 「べ、別にアンタには関係ないじゃん!」

 「そうだね。関係ないね」

 「むきーっ!」


 そしてまた騒がしい麻雀部の1日が始まる。

 淡とネリーが喧騒を始め、京太郎がそれを呆れながら見る。

 今日も平和だーー。

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 5/7


 ……
 …


 そして、後日。

 今日は淡がいない。

 京太郎は先日出来なかった牌譜整理を行っている。


 ネリーは、いる。


 「〜♪」

 「……」


 呑気に鼻歌を歌いながら牌譜の整理をしている京太郎。

 じっと京太郎を見つめるネリー。

 京太郎はそれに気づいていない。


 「私は子供じゃないし」


 京太郎に聞こえない程度に呟く。

 すぐに口を紡ぐが、ネリーはどんどん不機嫌になっていく。


 「(あいつ、くっついてた)」


 昨日のことを考えてさらにイラついた。

 自分が何で不機嫌になっているかわからず、さらに不機嫌になる。

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 6/7


 「あいつみたいにすれば治るかな」


 そう考えるが、実行に移せない。

 気づけば昨日の淡のように京太郎の周りをウロウロするだけだ。

 決心もつかないし、何で自分がそんなことをしたいのかもわからない。


 「何だ、ネリー?」

 「何でもないよ」

 「?」


 自分の周りをぐるぐるまわられたら落ち着かないんだけどな、なんて返すもネリーには聞こえていない。

 ネリーは少し考え、結論を出した。


 「えい」

 「?」

 「それじゃ、今日は帰る」

 「おう」


 ほんの少し、触れあうようにぶつかった。

 京太郎が少し疑問に思う程度で、昨日の淡とは全く違う。

 しかしネリーは機嫌を直して外に出て行った。

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 7/7


 「……ぶつかった」


 決してくっついたわけではない、と心に思い込む。

 先ほどまでの不機嫌さが嘘のように心が晴れやかだ。


 「ぶつかっただけ!」


 もう一度声に出してみるが変わらない。

 なんだか暖かい気持ちが胸を包み込んでいる。


 「えへへ」


 どうやら今日は、良い夢を見れそうだ。


 カン!



最終更新:2016年05月30日 20:13