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【俺が二人のおせわやく】 だるてる次元最終話
シロさんに言われた言葉に驚いて、その日の麻雀は身に入らなかった。
もともと麻雀が上手いとは言い難い方だったけど、チョンボばかり。
シロさんはなんであんなことを言い出したんだろう。
そして、照さんはなんでさっきからこちらをチラチラ見ているんだろう。
奇妙な気持ちに折り合いがつかず、自分の中で渦を巻く。
一つだけ思えることは
別に嫌われたわけじゃないらしい、ということだ
ーーあー、よかったァー……
それに気づいただけでやけにホッとした。
ってなんだこの気持ち。
なんだかんだ言って俺もこの二人に依存している様な気がする。
なんか、こう、悔しい?
そんな気持ちを持ちながら、不審な動きを繰り返す照さんといつも通りのシロさんを見る。
いったい、何を企んでるんだろう?
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2/10
……
…
いつも通り一緒に帰るかな、などと思ったら時間厳守らしい。
一回家に帰れ、と言われてしまった。
俺から誘った時の照さんはまるで忠犬の様に尻尾を振っている様に見えたのだが、シロさんに睨まれてシュンとしている。
そして今、シロさんに連れられて照さんの家に向かっている。
よく考えれば女の子の家に向かうなんて咲以来だ。
今までこの二人を『女の子』として考えたことなんてなかったけれど、急に緊張する。
「京」
「わぅ!?」
「変な声……」
「い、いえいえ別に緊張してるわけじゃないですし」
「照の家に入るのに緊張してるの?」
「だから! 緊張してるわけじゃないって!」
「……」
シロさんが訝しげにこちらを見ている。
うぐっ、確かにこうやってみると美人だよなァ。
今まで介護者としか思ってなかったから全く気づかなかった。
/ / `ヽー、 ー、 `ー /´
_ -‐ァ'/ ´⌒ヽ 、 ヽ、_ 彡 ´
/⌒ィ'´ / ', \ ヽ
/´ア´ / / / ! ', ヽ
({ / ノ / / ! l \ 、 \
`Y ィ´ / / i l '. 、 ヽ. ',_ `ー-
/ / /イ/i{ j{ j 、 \ ヾ  ̄´
, ィア,' イ /`7~ヽ ハ 八 (ヽ ト、 } ー、
j/ / { { イzx、_エ、 j |~~、 ヽ Y`ヽ }! ソ \}⌒j
´ { ヽハ、{i }::::「ヽ ハ{\{zュ.jYハ } 〉ハ ヽ.
∨ ハ `  ̄ \{ ヽ ヽ:::!リイ ノ /イ ハ
ヽ { j! ! 、 } ¨! 〈 /フ j! / リ 「(……私の家にするべきだったかな)」
`ヘハ ト _ j /´j} ハ ノ
` \ ゚ー` / / ノ j_ノ ´
_ -=ニ7⌒ヽ __ .. イ / `7=ュ。_
イ 「ニニニ7 人j ハ 〈 /ニニニ´⌒ヽ
´ i ニニニ{ /l] `Y ', V /ニニ/ '.
l ニニニ、/! [! ( '. Vニニ7 }
/ ハ ニニニニニ| マ、 ィハ Vニ7 ′
/ ', ニニニニニ| マ、ィ´ 。 V /
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3/10
……
…
「到着」
「なんかまぁ、やっぱり女の子の家ってそこそこいいところに住んでるんですよね」
「……」
「一人暮らしは危ないし、なんか安心しました」
それと同時に、二人の家すら知らなかったことに気づく。
女の子の家なんてそうそう知ってるものじゃない。
考えてみればこの二人のことを何も知らないことに気づく。
照さんはポンコツで、インターハイチャンプで、麻雀が強くて、お菓子が好き。
シロさんはダルがりで、自分で歩くのも面倒くさがるくらいで、麻雀が強くて、やっぱりダルがりだ。
でも、それくらいしか知らない。
あれだけお世話していて、それだけしか知らない。
いつも二人から求められて、お菓子をあげたりお世話をしたりする。
自分から何かをして、彼女たちのことを知ることなんてなかったな……。
「京?」
「なんでもないっす」
「なんでもないって顔をしていない」
「……」
シロさんはなんというか、観察力に優れてるんだなぁ。
それとも隠しているつもりでバレバレだったのかもしれない。
「何か、悩み事?」
「平気っす」
「……京は頑張り屋さんだから、何かあったら吐き出せばいい」
「そんな……」
シロさんが俺の髪の毛に手を伸ばす。
身長差が結構あるから背伸びしていて、そんなシロさんがちょっとかわいくてドキドキする。
そして、頭を撫でてくれた。
「シロさ……」
「いいから」
シロさんがじーっとこちらを見つめた。
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/: : : /.: :/: : ::j: :| ト :|. |: : : :|: :| _i: :∧: :|i: :
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/: : : : : : : : |.: : :八: : :| 〃 /少iハ ヾ|/ ミ、 /少L心 ヾ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: : : : |:\{ ! {斗ニ刀:::::::::::::::::::::::::::{斗ニj匀
. i: : : : |:::::::ハ 气l∪iリ:::::::::::::::::::::::::::气l∪ikリ
. l: : : : |:::::::i l{',、 乂Zソ 乂ZZソ 「早く家に入って!」バタン!
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|: : : : |::::::::ヽ ,ィ⌒ー'⌒ヽ.
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γ/ / / .! | \ヽ\ ', , ヽ
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5/10
「うわっ!?」
「京ちゃん! 何してるの!」
「照、家で待ってる約束……」
「えっえっ?」
「家に入って!」
「あっ、はい……」
急に扉を開けて出てきた照さんにビックリした!
照さんはなんか怒っているようで、それでも俺の手を引いて家に入れてくれた。
「(うっ、なんか女の子の匂いがする……)」
いつもは意識していなかった照さんの匂い。
家に入った途端に鼻を刺激した。
なんだかむず痒くて、チラチラと周りを見回してしまう。
「あいてっ!?」
「……」
そんな風にドキドキしていたら後ろからシロさんに背中を摘まれた。
いつもと同じ無言に無表情……なのにすごく怒っている気がする。
「京ちゃん?」
「あ、なんでもないです」
しかしそれを照さんに悟られるわけにはいかない。
何事もなかった風を装って、照さんの後をついていった。
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テーブルには色とりどりの料理と、ホールケーキが置いてあった。
「うわっ、すげー!」
「京ちゃん、そんなに褒められると照れる」
「早く座って……」
二人に急かされて椅子に座る。
何かの記念日だっけ?
「京ちゃんのために頑張った!(今度は先に言えた!)」
「……手作り料理」
「あ、あの、どういうことですか?」
「……」
「……」
急に黙り込む二人。
な、何だよ、不安になるじゃん。
普段活動的じゃない二人がこんな風にしてくれるのはとてもうれしい。
けど、祝われる理由が全く浮かばない。
まるで誕生日かのような盛り合わせに、どうしていいかわからない。
「そ、その、俺、イベント忘れてたとか……」
「違うよ」
「……これは」
二人とも顔を伏せてしまう。
やばい!? 女性ってこう言うイベントを覚えていてもらいたいものだって言うし!?
でも全くわからない。そもそも二人と大学で出会ってから1年経ってないのに記念日も何もないし……。
そんな風に考えていたら、二人が顔を上げた。
その表情は、俺にでもわかるくらいーー
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从: : 乂 ^ー( イ: : :/: :/ 「前にお弁当作ったら、嬉しそうだったから……」
∨: {:从{¨¨, ィ「 ̄ 7¨´、_: 从:イ: :/
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{/⌒ア `ー介 -‐´ {__〉
{`ー∧ /:∧:.、 |- r'
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ィ / 十/┤ 十ト l ハ ヽ
 ̄| { 示芸 \ |示芸! } 〃
j Y\|廴 リ 廴リ,!リ ノ
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{/ヽ|\、, > ___ _-__, イN/ 「……いつものお礼」
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/`ヽ::ヽ〈 V/l::ハ
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└t-ィ:::::::::::::ヽ:::::::::イ
ーー二人が、顔を赤くしていた
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「……スッゲー嬉しいです!
もー二人に何かしてもらうだけでめっちゃ嬉しいよ!」
「うん、私たちも京ちゃんにお世話してもらってるとき、嬉しかったから」
「……照、恥ずかしいこと言わない」
「は、恥ずかしくないもん」
「これ、ケーキとかも自作ですか!?」
「そ、そうだよ」
「……普通の料理は私。
照はお菓子作りがうまい」
「……よかった。
俺、二人に嫌われたんじゃないかと思って……」
「?」
「?」
「前まではお世話してたのに、二人ともあまり近づいてこなかったから」
「あっ……」
「それは照のせい」
「白望!?」
「この計画を立てたけど、まだ料理の練習とかをしていなかった。
京と一緒にいたら照が喋るから、あまり近づかないようにしてた」
「あー、確かに……」
「ぐぬぬ!
白望もすごく寂しそうだったくせに!」
「……照、黙って」
「あはは!」
なんだか二人が言い争っているのが久しぶりで、笑ってしまった。
そうだ。俺はこの光景を見たかったんだ。
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ーーそして、これを失うことが怖かった
「照さん、シロさん」
「ん」
「……何?」
「本当にありがとうございます。
これ、全部食べちゃいますよ!」
「あっ、ケーキは……」
「照さんにあーんすればいいんですよね!」
「!?」
「……ズルい」
「シロさんにもなんでもしますよ!」
「……それならいい」
二人が笑った。
その顔を見るだけで幸せだ。
正直、まだまだ恋愛感情なんて言われてもわからない。
いつかどちらかを選ぶときが来るのかもしれない。
……まぁ、すごく傲慢というか贅沢な話だけどさ。
それでも今はこれでいい。
二人のために何かしてあげたいんだ。
「でも、今日は」
「京のための日だから」
「そんなこと関係ありませんよ!」
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10/10
「俺が二人の”おせわやく”ですから!」
最終更新:2016年05月30日 20:44