アットウィキロゴ

ペットのカピバラと戯れる

 1/4

 906
 ペットのカピバラと戯れる


 「あぁ……、カピー(二代目)に会いたい……」

 「そういえば、最近会ってないよねー」


 須賀咲ちゃんです。京ちゃんがホームシックを起こしています。

 京ちゃんの実家にいるカピちゃんは二代目、私たちにとっては生まれたばかりの赤ちゃんの頃から知っています。

 何より、動物好きのうちの旦那さんにとって、カピちゃんと長い間会えないのは辛いのかな。


 「うちでも動物を飼う?」

 「いや、その場合はほとんど咲が面倒みることになるんだぞ」

 「うぅ、自信ない」

 「それに、ペットというかペッツというか、もう父母姉嫁息子娘で六人いるし……」

 「?」


 黄昏れる京ちゃん。え、なにどうしたの?


 「じゃあ、たまにペットショップでも行かないか?」

 「やっぱり寂しいんだ。

  それなら実家に一緒に行こうよ」

 「いやぁ、ペットを見に実家に帰ったなんて恥ずかしい」

 「えー。そこはお義父さんとお義母さんに顔を見せに行くってことでいいじゃん。

  孫を見たがってると思うよ?」


 わ、私としても『お義父さん』と『お義母さん』のポイントは稼ぐ必要があるしね!

 でゅふふふふ。この響き、なんかいいなぁ。


 「それになぁ。うちに帰ると、親が子供達を甘やかしちゃうからさ」

 「あはは。京ちゃんの家、わりとお金持ちだもんねぇ」


 カピバラを飼うために必要な施設を一式揃えている京ちゃんの実家は、大豪邸です。

 まず、家に温水プールがある時点でとんでもないよね……。

 あの龍門渕さんと比較しても、何ら劣ることがないってすごいと思う。

 そんな人がお義父さん、お義母さんなんて、未だに実感が湧かないなぁ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 2/4


 「よく考えたら、京ちゃんって凄い人?」

 「えっ?

  いや、俺自身は特に何もしてないし……。

  それを言ったら、日本代表雀士の照さんが姉にいる咲だって大概だろ」

 「あー、そういえばお姉ちゃんって凄い人なんだねぇ」

 「凄いも何も、インターハイ団体個人3連覇、そのままプロ入りしてルーキーオブザイヤー。

  何個かタイトルにも手を出してるんだぜ」

 「い、言われてみるとお姉ちゃんって凄いんだね」


 その代償なのか、家にいるとぽんこつ度が増していて全く凄いと思えない……。

 口を開けば『京ちゃんお菓子』

 動いたと思ったら気まぐれに子供と遊ぶ。

 事あるごとに京ちゃんを取ろうとする。

 ……うん。やっぱり凄いと思えない。

 テレビの中で活躍している宮永照と、自称須賀照を名乗るお姉ちゃんが同一人物……。

 これは詐欺だよ!

 一番似合ってるのが、お菓子のCMに出演しているお姉ちゃんだと思うよ!


 「といっても、家にいるときのお姉ちゃんを見ると信じられないよね」

 「まぁな。

  家にいるときくらいはゆっくりしてもいいんじゃないか」


 もー! 京ちゃんはお姉ちゃんに甘いんだから!

 た、確かに家にいるときにだらけるのを許してる私も私だけどさ……。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 3/4

 「なんでこんな話になってたんだっけ」

 「カピちゃんに会いたんでしょ?

  行こうよー」

 「こ、今回はやめとく。

  でも、子供達を動物園に連れて行って、その結果カピバラに触るんだったらいいよな」

 「ジトー」

 「うっ。で、でも子供達も動物園に行きたがってたじゃん」


 動物園じゃ京ちゃんの仕事の疲れが取れないでしょー!

 まぁでも、実家に戻るのは面倒くさいらしいし、ここで妥協するしかないかなぁ。


 「咲」

 「なぁに、京ちゃん」

 「俺は、ペットを見たくなったら、咲とペットショップで見て触るだけでいいんだ。そんなに気を使わなくてもいいんだぞ?」

 「ふふふ!」

 「な、なんだよー」

 「私だって、京ちゃんとのデートは本屋巡りしたり、図書館に行くだけでいいんだからね!」

 「ハハハ……」


 二人とも、相手のことばかり考えて馬鹿みたいだね!

 でも、こうして心配してくれていることが、とっても嬉しいよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 4/4

 ・動物園にて


 「おお……かたい……」

 「照さん、カピバラの体毛は凄く硬いんです。

  ここのみんなは人馴れしてますけど、ビックリさせると危ないんで気を付けましょう」

 「わかった。気をつける」


 お姉ちゃんはカピバラに思いっきり抱きつきたいのをこらえているのかオドオドと近づいています。

 あ、あれ逆に警戒されてるんじゃないかなぁ。

 逆に京ちゃんはカピバラ慣れしているようで、自分の思い通りに触れてるみたい。う、うらやましい。


 「照さん。こっちのカピはかなり人馴れしているみたいなんで、思いっきり行っても大丈夫ですよ」

 「ほ、本当?」

 「はい、ギュってしてください」

 「か、かたい」

 「ヘヘっ、固いですよね。見た目からしてモフモフしてそうなのに、こいつらは本当に固いんですよ。

  慣れてくるとそれが可愛く思えるんですよね」

 「かわいい、かわいい、かわいい」

 「おお、照さんも静かにテンション上がってますね。

  ぬいぐるみのカピバラだとスッゲー柔らかいんで、買って帰ります?」

 「う……、咲、買っていい?」


 そ、そこで私に振る?


 「まぁお姉ちゃんのお小遣いで買う分にはいいと思うけれども、結構高いし、何より、子供達に奪われないようにしないとね。

  あんな高い物を使えるってなったら、金銭感覚壊れちゃうからね。ちゃんとお姉ちゃんが保管して、子供が寝た後に使うこと!」

 「うん。頑張る。ありがとう、咲」


 もー。どっちがお姉ちゃんかわからないよ! カン!
最終更新:2015年11月25日 03:14