1/5
528
楽しそうに何故か姫様や六女仙の話をし始める霞さん
「あら、須賀さん」
「あ、石戸さん!」
今日も公園のベンチで子供を遊ばせていると、石戸さんが声をかけてきたよ。
最近、石戸さんがよく公園に来てくれて、子供の相手をしてくれるんだ。
「最近どうですか?」
「ど、どうと言われても……」
「ふふふ、旦那さんとは仲が良いみたいですね」
「うぇぇ!? だ、誰から?」
「デパートの人たちから、『おしどり夫婦』って有名でしたよ?」
「や、やだ。恥ずかしい……」
何かと一緒に行って、子供たちが迷子になるのをみんなが探してくれているから有名になっちゃったんだよね……。
運動会の件もあるし、話しかけられることもチラホラ……。
「須賀さんは今幸せですか?」
「えっ」
「旦那さんがいて、子供たちがいて、幸せ?」
「あ、はい、その」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2/5
__
,. ' ´:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.` 、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶
,/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i....:.................ヽ
l:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.,:.:.:.|:.:.:.:.:l.:..:i.:..:...:....:.....',
li:.:.:.|:.:.:.:.:l:.:.:./l:.:./!:i:.:.i:ハ:.:|l:.l:.:.:.:l:.:.:...i
|:.r‐!:l:.:.`iー/‐ァァT':.:/フTナiT´:.:.|:トi、|
{:.{ ‐N、:.:{r―r-r l/!'―r-i'|:.:.:,リ:リヽ!
ヽ!ヽ _ `{. _ヒソ _ヒソノ/イ:|
`ヽ!ゝ ////////////j:i:/|ハ! 「幸せ、です」
,∠_ ̄〈: :` こ__ー--_ュ,/く'
i: : : :ヽ 、ヽ : : ヽ 丁:i : : i: :ハ
|.: : : : :ヽi :ヽ: : : V: : |: : :}:/ : l
{: : : : : : :} : : ヽ: /: : :l : : l': : : |
ハ: : : : :ヽ! : : : V: : :/: : :/:/ : ヘ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ /7
/:::::::/:::/::::::::::;::::::::::::ヽ::::::::\ / 7
,‘::::::::′;:::::::/|/|::::::::::::::|::::::|:::::::ヽ ∧
:::::::::::l::/|::七| l::::::::::::::l::::::|:::::::::ヘ
:::::::::::|:{ j八( |:::::/::::ハ:ノ|:::ハl i
::::::r-l __ j/}/`/ ィ:/::::| |
::::::| } 、、 ̄` _ ィ::::::::::l ; 「そう! 良かった!」
{::从_ '  ̄`∧::::::;' /
:\::::圦 r , ;::::::::::
:::::::ヽ:::::\ ィ:::::::::;′
ヘ::::::::V >ー.<::::: |:::::::::i
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3/5
「ど、どうして聞いたんですか?」
「だって、結婚して子供を産んで、いい旦那様に巡り合えて女の子にとって幸せの絶頂!
そんな状況でしょう?
相手がいない身としては、興味津々なの」
「そ、そうなんですか」
「でも、須賀さんが幸せだと私まで嬉しくなっちゃう!
子供も本当に楽しそうで、須賀さんによく懐いていますし、いい家庭なんでしょうね」
「あ、はい。
自慢の家庭ですから!」
「うふふ……」
石戸さん。いい人だなぁ。
私たちの幸せを見て、嫉妬するどころか本当に嬉しそう。
自分のことのように喜んでくれる。
子供の相手も無償でしてくれて、ぞんざいに扱うこともなく、子供が喜ぶことをしてくれる。
子供が楽しそうだと石戸さんも楽しそう。
こんな聖母みたいな人がいたんだ……。和ちゃんも見習ってよ!
なんか最初に疑ってたのが申し訳ないよー!
「霞さんは長野に何をしに来たんですか?」
「仕事と観光、ってところね。
仕事も趣味みたいなものだから、時間を持て余しているの」
「巫女さんだと跡取りとかあるんですか?」
「うふふ、お父さんが優しくて、そういうのに縛られない人なの」
人生を満喫してそうで羨ましいなぁ。私だって負けてないけどね!
そう言えば、永水の他の人たちは何をしているんだろう……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
4/5
「巫女さんって家に縛られるイメージがありました」
「そう? まぁ、私が特別なのかもね。
私と一緒にインターハイに出た人は覚えてる?」
「す、少しだけなら」
「先鋒が私たちが守るべき姫。それ以外の四人と、中学生の二人を合わせて六女仙。
かなり格式が高い家に生まれているから、私以外はみんな許嫁と結婚したわね」
「えっ、そうなんですか!?」
「ああ、許嫁と言っても、恋愛結婚できなかった時用の許嫁よ。
恥ずかしながら男の子に縁がなくて……」
「な、なんか軽いんですね」
「それに、私の友達の薄墨初美ちゃんって子。インターハイ副将のちっちゃい子は覚えてる?」
「その人なら覚えてます!」
「あの子は高校卒業と同時に結婚して、そのまま妊娠出産したわ。
許嫁との結婚だったけれども、旦那さんを尻に敷いて子沢山の幸せな家庭を築いているの」
「へぇ……、そうなんですか」
「あとは、狩宿巴。この子はちょっと覚えてないかもね」
「すみません……」
「この子は料理がとてもうまくて、許嫁の旦那さんをメロメロにしちゃったの。
霧島のおしどり夫婦って言われているわ。あなたたちみたいに、ね」
「そ、そんなぁ」
クスクスと笑う霞さん。弄られてるのがわかるよぉ。
「……あら、ごめんなさい。もうこんな時間。今日はお暇しますね」
「あ、ありがとうございます。その、今度暇だったら誘っていいですか」
「ええ、もちろん! お待ちしているわ」
石戸さんと一緒にいると、なぜか安心するんだよね。
えへへ。自分から友達を誘うなんて、京ちゃん以来かも、次に会うのが楽しみだなぁ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5/5
ふぅ、うまく誤魔化せたかしら。
他の子達の話をしだすと、ちょっと聞きたくないような話になっちゃう。
今話した二人はいい家庭を築きあげているんだけれども、全てがそううまく行くわけじゃないのよね。
それこそ、恋愛結婚でも揉め事で離婚する人がたくさんいるわけで、許嫁との結婚でうまく行く方が特殊なのよ。
/ : : : : : : : : : : : : :\ : \
/ . : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : \: : : :.
′ .:.:.:/.:.:.:./:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. i :::::::|::::::: |::l:::::::::::/:::::::/:::::::::::::::::::| ‘:::::::::::|::::::::|
. | :::::::::|::::::: |::l::::::::/l::::::/ |:::::::::::::::::::| ‘:::::::::|::::::::|
| :::::::::::|::::::: |::l:::::::l´l:::::l` |::::::::::: |:::/--、|::::::八:::::|
l :::::::::::::|::::::: |/\::|-\{- |::::::::::/l/ -、 И/::::::::::|
!::::::::::::::|::::::: | ,,xぅ气芹ミ,ノ::::/ 斗ぅ冬,, ノ:::::::::::::|
. !:::::::::/!::::: |〈 lh__,j刈  ̄ |h_j | 》/:::::::::::::|
. !::::::八 ‘:::::: | 乂辷ソ 乂_ソ ;:::::::::::::::;
. ‘:::::::::::::\}:::::| 、、、 , 、、 ,:::::::::::::::;
‘:::::::::::::::::|:::::| ′:::::::::::;「憂鬱になる話を、須賀さんに聞かせたくないわ」
‘:::::::::::::::|:::::|\ 、 _, .イ::::::::::::::/
‘:::::::::::::|:::::|:::::l` . . イ::::|::::::::::::/
. ‘:::::::::::|:::::|:::r| ` ┬=≦l |:::::|:::::::: /
\::八::::|:∧\ l| |\ノ |:::::|:::::::::|
_\:::::|':::∧、\ l| | ⌒i|:::::|:::::::::|
/ \:::::::∧\\ l| | 八:: |:::::::::ト、
/ \:: ∧ \ソ' | \::::::: | \
須賀さんには、ずっと笑顔でいてほしいのよ。
とってもいい子なんだから。
霧島に残った子達は全て、許嫁と結婚をしたわ。
別に霧島神社が悪いわけじゃない。ただの男女の揉め事の話よ。
夫婦仲がうまくいかず別居状態、離婚、そんなことがザラにある、俗世の話と何も変わらないわ。
私はこうして霧島を飛び出して、好きに仕事と趣味に費やせるから本当に幸せよ。
ほんの少し、京太郎さんと須賀さんの幸せを見せてくれれば、私は満足なんだから。
あっ、そういえば小説の〆切が近かったわ。
ごめんなさい。詳しい話はまた今度、ね? カン!
最終更新:2015年11月25日 03:36