概要
本作は最終話において伊里屋が死亡し(もしくはそう取れる描写がされ)、ヒロイン不在でエンディングを迎える。
単純なハッピーエンドともバッドエンドとも取れないこの終わり方は、人によって読後感もさまざまであり、それゆえエンディングをどう捉えるのが正しいのかという議論を呼んだ。
ハッピーエンドの定義は以下
ハッピーエンド(Happyend)とは、
映画・ゲーム・ドラマ・小説・漫画などにおけるエンディングのひとつ。主人公あるいはメインキャストのグループが幸せな状態を迎え、物語が終息するというパターン。大団円。和製英語。日本民話における締めの「そしていつまでも幸せに暮らしましたとさ……おしまい」。対義語として「バッドエンド」(これもまた和製英語)がある。
(wikipediaより引用)
作者のコメント
作者自身はこの結末を「ハッピーな結末のつもりで書いた」と述べている。
秋山
作者が自分の小説の結末について言い訳してはいかんと思うのですが、
私は『イリヤ』をけっこうハッピーな結末のつもりで書いたんです。
この話は、難病もののヴァリエーションなんですよ。
生まれたときから病気で、ずっとサナトリウムで育った余命1ヶ月という
女の子がいる。死ぬ前にこの娘に普通の暮らしをさせてやろう、という。
このパターンだと、物語の主眼は女の子を救うことではなくて、
死ぬ前に女の子が「幸せでした」というかどうかになるんですよ。
冲方:
言ったよね、「浅羽のために、地球を守る」。
小川:
あれは幸せな境地だと思いますよ。
(SFが読みたい!2004年版・新世代作家座談会より引用)
対談から見るに、少なくともイリヤ視点で見るならば幸せを感じられる(ととれるよう書いたつもりの)結末だったと言うことができる。
最終更新:2011年01月30日 18:05