鳴き手に対して押し引き判断をする場合、テンパイ率、打点以外に、切る牌の危険度(鳴き手がテンパイと仮定した場合の放銃率)を見積もる必要があります。鳴き手に対して降りる場合も、ベタオリで取り上げたようなリーチに対するベタ降りの手順をある程度適用することができますが、鳴き手特有の判断も存在します。
鳴いた相手が最後に手出しした牌以降に通った牌は(見逃しでもされてない限り)安全牌。
手出しが途中で入った場合でも、シャボ待ちに関しては鳴きが入った後で誰かが通した牌が、リャンメンやカンチャンに対しては上家が通した牌がかなり安全になります。以前に出たときに鳴いて手を進めることができた可能性が高いためです。(例外は単騎待ち、通った後にその牌を待ちとするようなターツができた、何らかの理由でスルーした場合)他家の手出しツモ切りを無理に覚える必要はありませんが、仕掛けている相手に関しては優先的に見ることを推奨します。
早い巡目で切られた牌をターツの一部とするような待ちで当たる可能性がメンゼン時より低くなる。
鳴きを考慮する際は、223mのような複合ターツから早い段階で2mが切られることがより少ないためです。
最後に切られた牌を複合ターツの一部とするような待ちで当たる可能性がメンゼン時より高くなる。(ただし、334mから2mチー打3mのように、複合ターツから1メンツできた仕掛けの場合を除く)
早い巡目で切られた牌をターツの一部とする待ちで当たる可能性が低くなるのと逆の原理です(鳴いて打5pでテンパイの場合、早い巡目で切られた牌をまたぐ待ちよりカン8pの方が明確に危険)。しかも、鳴いて切られた場合は入り目が確定しているのでより放銃率が高くなります(例えば22367m西西とある所から打2mでテンパイした場合、14mが先に入って58m待ちの可能性があるが、鳴いて2mを切った場合は14m待ちが確定する。)。
鳴きで晒してある牌と同じ牌で当たる可能性が低くなる
2233m西西から1mチーして14m待ち、1233m西西から2mチーして14m待ちのようなケースなら当たりますがその可能性は低いためです。逆に言えば、見えてない部分が待ちになっている可能性が高くなると言えます。
鳴き手役の傾向
タンヤオ
序盤からヤオチュウ牌が多く切っている相手が中張牌を鳴いてきたら多くの場合はこの役を狙っているとみて良いでしょう。中盤過ぎに自分から見て赤ドラが1枚も見えておらず、全色の赤が使える仕掛けなら1枚程度は持っているとみます。鳴き手がタンヤオならヤオチュウ牌は安牌になります。
役牌の後付け
タンヤオが否定されるヤオチュウ牌含みの鳴きが入った場合、鳴いた相手が役牌をトイツ以上で持っている可能性は高いです。ホンイツやトイトイ、チャンタ等の全体役の可能性がある場合がほとんどですが、そのような全体役の可能性も否定される鳴き(チー234s、ポン999pなど)が入れば役牌をトイツ以上で持たれている可能性は極めて高いと言えます。
タンヤオにみえる鳴きでも、フーロした後中張牌より後にヤオチュウ牌が手出しで切られた場合、フーロした後更に相手が4mを23mで鳴いた場合(5mを切っている場合は尚更可能性が高い)等は役牌トイツ以上からの鳴きである可能性が高くなります。
三色、一通
これらの役絡みで2フーロされていれば、残りの1メンツに必要な牌で待っている可能性は特に高くなります。他の手役の可能性が否定される場合は尚更です。
ホンイツ、チンイツ
他色の中張牌が多く切られていれば一色手の可能性が高いです。他色のドラやリャンメンターツを手出しで切っている場合や、場に切られてない役牌が少ない場合は、一色手崩れの役牌手のケースが少なくなるので尚更です。鳴き手の他家から染めている色の牌が手出しで出てきたらテンパイの可能性が高いです。場に切られてない字牌が切られた場合も、1シャンテン以上である可能性が高くなります。ホンイツテンパイ濃厚な仕掛けに対して場に切られてない字牌を切った時の放銃率は、リーチに無スジ456を切る場合と同等かそれ以上になります。
逆に言えば、まだ他の色の数牌が手出しで切られている段階ではテンパイしていない可能性が高いです(一色手崩れの役牌手テンパイの可能性はあるので、一色手に見える鳴きでも他色の牌で当たる可能性があることには注意。)。
トイトイ
一色手同様、序盤から中張牌が多く切られることが多く、リャンメンを手出しで切っている場合や、場に切られてない役牌が少ない場合は崩れての役牌手であるケースが少なくなるのでトイトイである可能性が高まります。
場に切られてない牌が特に危険になります(逆に言えば3枚切れの牌では当らないし、2枚切れの牌でもほとんど当らない)。役牌や一色手等の他の手役もある場合は、最後に手出しされた牌が複合ターツの一部であった可能性が特に高くなります。
チャンタ、純チャン
やはり序盤から中張牌が多く切られることが多く、崩れての役牌手であるケースが少なくなる場合も上と同じです。相手の仕掛けがチャンタや純チャンであれば、456牌は通ることになります。