F-ZERO GXが鬼畜だずぇ~!
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山田ああああああああああああああああああああああああ(ry
9LAP 異世界へ
「おい!おい!反応しろよ!」
俺はいま、ブレイクダークに乗っていることはわかる。そんで、なにか、広大な森の上を飛んでいることもわかる。そして、ブレイクダークの反応が一切ないこともわかる。
「くっそおおおお!!!」
ブレイクダークの反応がないので、俺は一人コックピットの中でいきり立っていた。つーか、マジでやばいだろ!
ブレイクダークの重さは1870kg。大会エントリーマシンではTOP10に入る重さだ。当然、宙に浮いていたらすぐに落ちる。なんとかアクセルだけは反応があるのでスピードは維持できているが、それでも、レーダーの記録だと落ちていることは事実だ。
「おい!おい!頼むから動いてくれよおお!!!」
周りは夜なのだろうか。外は暗い。これじゃあコックピット内のどの部分がどこにあるか分からねえじゃねえかよ…くそっ。
とりあえずコックピットのふたをはずして着陸できそうな場所を探してみる。しかし、周りはなぜか全部森。アマゾンの奥地にでも迷い込んでしまったか?しかし、着地できない限りは何もできない。止められる場所を必死で探すのだが…
と、急にブレイクダークの頭が傾き始めた。いよいよ燃料が切れはじめたか?
「くっそ!」
このままだと森に突進してしまう。そうすればブレイクダークはたちまち爆発してここら辺一体が火の海になってしまうだろう。もしここが人の敷地だったらとんでもない話だ。俺は何とか打開策を頭の中で煉る。
と、ふいに森がきれるところを見つけた。どうやら湖があるらしい。あまり広くはないが、ほとりにはブレイクダークを止めるには十分なスペースがある。俺はそこに取りあえずブレイクダークを止めて状況を確認することにした。
ゆっくりをアクセル外して下降する。しかし、暗くてよく見えなかったが結構草が生えている。止めて大丈夫なのか不安だったので、慎重に止める。
うまく止められたので、とりあえずコックピットから出る。しかし困った…。フゥとドレインにまんまと仕掛けられてこんな秘境に入ってきてしまったわけだが…。まずは脱出というか、生還だな。しかし、こんな山奥で方角すら分からないのに、どうしろと…。
俺は、今の現状に頭をぐしゃぐしゃにさせながらも、ジャスティスウィングのメンバーへの思いも込み上げてきた。まあ、俺がいなくても何とか出来るだろうけど、メンバーが心配しているのは間違いないだろう。ああ!フゥとドレインめ、やってくれるじゃねえか…
周りを見渡す。夜とはいえ、ここまで暗くなくてもいいじゃねえかと思うほどに暗い。湖の周りは完全に森。夜の森は不気味な雰囲気を醸し出すと世間ではよく言われるが、まさにその通りである。体から感じるオーラには恐怖一色。これを溜め込むと絶対早死にすると思った。
さらに、ホラ貝を吹いたかのような太い鳴き声(?)が時折聞こえる。普通フクロウとかそういう鳥類が泣いているというイメージがあるが、お化け屋敷のような鳴き声があたりをこだまする。どうなってんだいこの森は…。調査したくても何か恐ろしものに遭遇するやもしれない。本来なら妖怪などすぐに倒せるが、今は恐怖の方が勝っていた。
湖のほとりに歩み寄り、湖を眺める。意外ときれいな水だ。こんな森の深いところにあったからそんなに水もきれいではないと思っていたが、まるで誰かが管理しているみたいだ。森が水面に映っている。水面越しに見ても森が醸し出している独特の不気味さは消えない。水がきれいなだけ森も随分とくっきり映し出されるから怖い。ためしに口に含んでみるが、味はそうでもなかった。というか、俺の口には合わなかった。まあ、なんとも大人の味というか、いろいろと成分が入った水というか。こういうタイプの味って誰かが好みそうだな。
水面から目をどけ、立ち上がり空を見上げると無数の星に月………
「は?何これ?」
俺はその場に目を見張ってしまった。いや、おかしいだろ。
夜の空に浮かぶ一番大きな星、月。とはいえ、一番大きくてもゴルフボールより一回り大きいほどにしか見えないのが常識。というか真実。だが今俺が見ている月は異様に大きいのだ。いや、だれが見ても大きいと感じるだろう
「………」
あまりの事態にただただ目を丸くするだけ。ようやく開いた口から出た独り言は
「……なんか、本当にとんでもないところに飛ばされたみてぇだな…」
洒落で言っているわけではない。本当に唖然とするぐらい近い位置に月がある。目の前で手をかざすが、手をかざしてぴったりというほどの大きさがある。地球明日滅亡するんじゃないだろうな。
頭がいよいよこんがらがってきたので、気晴らしにとちょうど積んでいたポルウを取り出して吹いてみる。
とても大きい月に目の前にはさほど広くはないが湖がある。周りが森で囲まれているこの環境で、ポルウの透き通った音色が流れるのを聞くと、このような不気味だらけの環境に身を置いた俺でも、自次第に落ち着いた気持ちが持てるようになった。
しかし、今後のことを考えると不安しか考えられない。俺が作った空間のゆがみではない。あくまでフゥとドレイムが作り出した空間のゆがみだ。だから、俺がこの世界に再度ゆがみを生じさせ、元の世界に戻るということはできない。なので、しばらくここで機を見ることになるのだろうが…
周りは不気味な森。目の前には美しいとはいえ何もない湖。ブレイクダークは故障。ローラーボートは自転車ほどしか速度は出ないし…ここで生活するのだけはごめんなんだがな…
とりあえず、部品を作ってブレイクダークを直すまではここで野宿するしかないんだろうなあ…。ブレイクダークの損傷度を見ると3日で直りそうな雰囲気だが、それはここに3泊するということにつながる。3日もこんな不気味な雰囲気にのまれながら生活していたら精神が擦り減ってしまいそうだ。
まあ、とりあえず…今日は寝ますか…。といっても、宿がない。どこに思考を飛ばしても壁にぶち当たる現実。俺もさすがに嫌になってきた。まさか…こんな山奥で野宿とかふざけたことはないだろうなあ。辺りからは妖怪みたいな声が聞こえるんだぜ?寝ている間に食われるとかもってのほかだ。
食われるといえば、まだ俺は夕飯を食っていないことに気づく。俺の腹に意識を集中するとかなり腹が減っているのか、痛みさえ感じられた。食料……やはりサバイバル生活に発展して行ってしまうのか。もし飯にありつけなかったら森に行って食料調達ということになるだろうな。まあ、これだけの広さだ。なにか見たことのある飯ぐらいあるだろ。妖怪が住んでいるかもしれないところを除けば。というか、この思念波は絶対なんかあやしい生物いるだろ。
でも、空腹は寝ていればある程度はおさまってくるものだと思う。いや、そう願った。飯のことは明日考えて、今はとりあえず寝る宿のことだけ考えよう。
しかし、空を飛んで来た時は辺り一面森。そんな辺鄙なところに果たして家の一つ存在しているのだろうか?ブレイクダークの燃料切れのおかげであまり遠くに行けない。そうすると、やはりこの湖畔で野宿(安全性を考えてブレイクダークのコックピット内で寝ることになると思うが)しか選択肢はないか…
自分がある程度抑えられ、寝ようと決めたところで演奏をやめると、
「それ、いい笛ね。」
誰が話しかけたのかな~?
10LAP 紅魔館にお邪魔します
後で不意に声がする。
「へ?」
こんな山奥に人などいないと思っていた俺はバッと後ろを振り向く。
そこには10歳ぐらいの女の子が立っていた。髪は青く、布の帽子をかぶっている。赤いドレスを着ていて、手には日傘を持っている(彼女は差してはいなかった)。何よりも目立つのは、その大きな黒い羽根。少女の持つ羽根とは思えない立派な黒い羽根だった。
少女は続けて俺に話しかけてくる。
「もう一度吹いてもらえないかしら。」
俺はあまりにも奇妙な気持ちになっていた。なぜ、こんな山奥に少女がいるのか。ここには家の一つもしかしたらあったのだろうか。しかも、彼女は大きな羽を持っている。トレイキョウにも人間外生物はたくさん住んでいたが、ここまで人間に近い人間外生物も初めて見る。それに、俺の胸ぐらいしかない身長の少女(俺の身長は180cmだから、おおよそ140cm程か)が広げて3mもあろうかという大きな翼を支えていられることが考えられなかった。
「ねぇ」
俺が唖然として少女を見つめていると、少女が答えを促してきた。
「あ、あぁ、すまねえ。いいぜ」
俺は初めて会った人にやだと跳ね返すのも気が引けるので、聞かせてあげることにした。まあ、俺ももう少し吹いてもよかったので、否定する気持ちはうまれなかったが。
俺が吹いている間、彼女はその場に立って腕を組み目をつむり、俺の演奏を聴き入っているようだった。時折彼女の目がぴくっと動く時があったが、これは俺の演奏に少し疑問をもったから動いたのか、それともただ無意識に動かしたのか…
彼女は、外見こそ幼いがなにか放つオーラは強いものを感じる。俺は演奏しながら目を閉じてその少女の念波を感じ取ろうとしたが、彼女のまとっているオーラのすごさに再び目を開けてしまう。彼女には赤と水色のオーラが周りをまとっている赤いオーラより黒い赤の芯の周りに漂っている。赤いオーラは基本的に「強さ、カリスマ、エリート」といったようなイメージを持つ。対して水色のオーラは「幼さ、未熟さ」を象徴する。
つまり、俺が彼女のことをどうとらえたかというと「非常に精神の安定したプライドの高いカリスマを思わせるが、まだまだ見た目のように幼い部分も兼ねそろえている」と読んだわけだ。水色のオーラはともかく、赤いオーラの威力はとてもすごい。目を閉じて落ち着いた曲を演奏しているのに、なぜか自然に力が入ってしまう。彼女のカリスマ性は通常にしていてもいやというほどに感じ取れる。俺は波動を感じ取れるのでそう感じると読者は思っているだろうが、おそらく感じ取れない人でも同じ心情を抱くだろう。
森に住んでいた妖精か何かそういった類の生き物か?いや、それにしては何か仲間が足りない。俺のイメージというかトレイキョウでよくあらわれる妖精は常に群れで行動していた。しかし、彼女は真夜中であるにもかかわらず一人で俺の前に立っている。ならば狼といった獣の性質を持つ、いわゆる獣人の類であろうか。いや、もし狼だとしたら羽が生えているのかおかしいし、鷹や鳶の類だとしたらあまりに肌が人間に近すぎる。だとすると、他には…
いや、今は考えるのをよそう。彼女は俺の演奏を聴き入ってくれているのだ。俺はそれにこたえるような演奏を彼女に聞かせてあげなければ失礼じゃないか。俺は演奏に集中した。
俺の演奏が終わると、彼女は俺の元へ寄って来て、
「あなたの演奏、すてきなものだったわよ。」
と褒めてくれた。俺は照れ臭くて
「あ、いや…俺の演奏なんてまだ下のほうだぜ…」
と自分を卑下してしまう。彼女はクスッと笑って
「あなたの素晴らしい演奏のお返しと言ったらおかしいけれども、私の家に来な い?」
と俺を誘ってくれた。まあ、今生活にはかなり困っていたわけだし…俺は彼女の家(後に家ではないことを知るのだが)に世話になることにした。
彼女の家……いや、豪邸にはすぐに着いた。森が彼女の家を隠してしまっていただけで、結構近くに家があったんだな…
俺は門に立って唖然としてしまった。なんだ…この家は…まるで世間の言う豪邸をそのまま現実に持ってきただけではないか…。
派手な鉄格子で組まれたおしゃれなデザインのドアの先にはしっかり手入れされた天然芝が広がっており、真ん中には噴水がある。それをよけるかのように石の道が敷いてあり、ドアに向かって伸びている。家自体は、とても大きい豪邸であり、外から見ると四階建てほどの大きさがある。敷地だけだと全周ですでに1kmを超えそうだ。
「うわぁ……」
俺は門越しにその豪邸を眺めて思わず感嘆の声をあげてしまった。まさかこんな森の中にこんな豪邸が眠っていたなんて、夢にも思わなかった。
「どうしたの?」
あまりに俺が驚いている様子をみて少女が声をかけてくる。
「いや…こんな家初めて見たし、まさかこんな山奥にこんな家があるなんて…」
「ふふっ。さあ、遠慮せずにはいって。」
彼女の声にハッとし、彼女に言われるままにその豪邸にはいる。
中も絵にかいた豪邸……というわけではなかった。夜だからという理由かもしれないが、家の中は赤いライトで不気味な雰囲気を醸し出していた。まあ、それは入ってすぐのことで、彼女が電気のスイッチと思われるスイッチを押した瞬間に部屋は明るくなった。
一般に考えられる電気を使ってみると、やはり絵にかいた豪邸だった。天井からはシャンデリアが無数にぶら下がっている。家具も相当高価な物でそろえられている。しかし、俺の波動感知の目は誤魔化せない。この家、地震来たら即終了だな。柱から感じられる波動に弱みを感じる。何か礼でもしなければならなくなったときにちょっと俺の波動でコーティングでもしてあげれば何とかなるかな。
「レミリアお嬢様。お帰りなさいませ。」
と、ふいに奥から声がする。一人のメイドさんが姿を現した。髪色は白に少し青味がかかったといったところか(なぜ俺は初めて見た人の髪を最初に見るのだろうか…)。年は10代後半に見える。よくあるメイド服を着ていて、手に持ったお盆にティーカップを乗せている。
「あ、咲夜。ただいま」
少女はそう言ってソファに腰をかける。
「あなたもどこかに座りなさい。」
と少女に言われるが、椅子がありすぎてどこに座ればいいのか…
俺は彼女の向かいにある椅子に座るのが礼儀かと思い、そこに座る。まあ、なんちゅう座り心地の良さ…。そこに彼女は平然と…これはとんでもない人にため口で話してしまったものだな。
「さて…先ほどのあなたの素晴らしい演奏のお返しというと変になるかもしれな いけど、ここで少しゆっくりして行って」
「どうぞ、紅茶です。」
少女の目配せで、メイドさんが俺に紅茶を出してくれる。
「す…すまない」
俺は慌ててメイドさんと少女に一礼する。
続けて、少女が語りだす。
「あなた、この近くでは見かけない人ね。どなたなのかしら。」
まあ、そりゃあそうだろう…飛ばされて来たんだからね。
俺は、自分の紹介と今までのいきさつを少女とメイドさんにざっと話した。その間少女は何か考え込むような表情を浮かべていた。時折机を無規則に指でたたいたりもしていた。
俺が一通りすべてを話すと、
「つまり、あなたはレースの後にここに飛ばされたわけね。」
「まあ、そういうことだ。」
少女は少し考え込んだそぶりをした後、
「いろいろ話してくれてありがとう。私はレミリア・スカーレッド。この館「紅 魔館」の長よ。私は、あなたたちが持っているような能力は一つ、「運命」を 操る能力を持っているわ」
「私は、吸血鬼なの。だからこのように見た目は幼いけれども、もう500年以上 は生きている。あなたより少しは経験はあると思うわよ。そして、こっちが十 六夜咲夜。紅魔館メイド長。彼女は人間なのだけれども、時を操る能力を持っ ているわ」
(リチャードと同じ能力を持っているのか…)
「他にも、紅魔館地下一階にある図書館に住む魔法使い、パチュリー・ノーレッ ジやその使いである小悪魔、紅魔館の門番を務める妖怪、紅美鈴、あとはたく さんいる妖精メイド達が住んでいるわ。」
彼女は一度言葉を止める。
「それで、俺はトレイキョウに帰れるのか?」
俺はまずそれが不安だった。さっさと帰ってスーザンに絞られたあと、仕事に戻んないといけない。
しかし、少女の口からはとんでもない言葉がでてきた。
「トレイキョウ……そうね。パチェの本で読んだことがあるわ。異世界の首都なんだってね」
「……は?」
俺は思わず間が抜けた声を出す。異世界だぁ?
「あなたはトレイキョウから来たのよね」
「あ、あぁ…」
「あなたは恐らくそこから飛ばされて来たのね」
俺は少女が言っている意味が理解できなかった。
「い…異世界…?」
「まだ分かってないようね。あなたが住んでいる世界とは別の世界なのよ、ここ は」
少女の言葉でなんとなく頭の中で思考がつながった。
「つまり…トレイキョウには戻れない?」
「察しがいいわね。まさにそういうことよ」
……とんでもないの一言では済まされないことが分かった。
「嘘だろ…頭が混乱して何も考えられねえぜ…」
俺が頭を抱える様子を見て、少女は口を開く。
「まあ、この世界もそんなに悪い世界ではないわ。そんなに焦らなくともいいん じゃない?」
「確かにその通りだが…」
今だに信じがたい。ここが前にいた世界とは違う世界であるということが。しかし、デスシャドーの配下ならこのようなことを平気で仕掛けてくるかもしれない。もしやられた相手がブラックタイガーに所属していなかったら俺は違うと連呼していただろう。が、ブラックタイガーならやりかねん…しかも、少女の言うようにここで生活するにしても様々な問題が浮かんでくるわけだ。まず、
「もしこの世界にすんだとしても、まだ衣食住の確保が出来ねえんだ」
俺は素直に少女に案を聞いてみる。もう異世界に飛ばされたと分かった以上、ここはここの世界の住民に話を聞くのが手っ取り早いだろう。
すると、少女はしばらく考えて
「よかったらここで一緒に暮らさない?」
「…え?」
俺は手で抱えていた頭を起こして少女を見る。あまりに唐突な話で転げそうな俺。いやいや、話飛びすぎだろ。まあ、ここに泊めてくれれば話が早いんだが…
「いや、そんな、いきなり言われても…迷惑にならないか?」
「私?私は大丈夫よ。」
少女は当然といったような顔でこちらを見つめてくる。
「いや…でも、わりぃよ。そんな泊めてもらうなんて。」
「あら、嫌?」
「いや、嫌どころか嬉しいんだけど…」
こんなところにタダで泊めてもらったら罪悪感の塊になるぞ…
「タダで泊めてもらうっていうのはちょっと俺の良心が許せねえんだ。」
「そう…くすっ。あなた、責任感あるのね。」
俺が尻込みしながら言うと、少女は少し笑って行った。
「なら…こういう条件はどうかしら」
彼女が言うには、俺が元の世界に戻るまで紅魔館に住むことを許可し、衣食住その他生活に必要なものは保障する。ただし、紅魔館で執事という職を全うすることが条件という。
「執事…俺何すればいいか分かんねえぞ?」
「大丈夫よ。咲夜にいろいろと教えてもらいなさい。」
俺が不安げな質問をすると、少女はメイドさんに目を向ける。
「ええ。では、リュウさん。よろしくお願いします。」
メイドさんは俺に向かって笑顔を向けてくれた。
こうして、俺の幻想卿生活が始まったわけであった…
このあとどうしよう・・・
11LAP フランドールスカーレッド 1
時は一ヶ月後に飛ぶ
すっかり俺も幻想卿の仲間入りになった。あの夜以降、俺はレミリアお嬢様の執事になったわけだが、翌日お嬢様が幻想卿の住人を呼んで俺の紹介をしてくれた。住人といってもちゃんとした意識と理性がある人のみで、意識を持っていない妖怪もここにはたくさんいるらしい。だから、夜に外出するときは全員細心の注意を払っているとのこと。
この世界は幻想卿とよばれているらしい。住人らによると、この世界は現実世界の裏側にできたもう一つの世界という、科学者が聞くと猛反発しそうなぐらい論理性がない話で俺もいまいちピンと来ていない。また、なぜか女性(森近霖之助という名前の男性が一人いるとのこと)しかこの世界にはいないということで、俺は来たときは相当珍しがられたが、今ではすっかりこの世界に溶けんでしまった。
幻想卿の住人は全員なにかしら能力を持っているという。お嬢様が運命を操る能力を持っているように、この世界では何か能力がないと生きていけないらしい。理由は知らないが(俺はたぶん能力を持つ生物のみが住んでいるわけではなくて、能力を持たない生物は妖怪かなんかに襲われて生きていけないんだろうと読む)。因みに、この世界には俺と同じ波動を操る能力者はいなかった。
また、妖怪退治などの戦闘は弾幕とよばれる飛び道具(?)で仕留める。なので、俺の三節棍も振ると弾幕が数個出てくるように改造した。また、切り札的な要素を持っている「スペルカード」という者も存在する。これは、自分のエネルギーを使うことでより強力な攻撃、効果をつけることができる。因みに、俺は周りのオーラ全て(自分のものも含む)を吸収し、一点に集中したビームを放つという破壊力抜群のカードを一枚作った。名前は「波符「ピンポイントスマッシュ」」。名前を付けた夜は自分のネーミングセンスのなさに泣いた。
お嬢様にもらった執事服は全身黒のスーツに青のネクタイ。三節棍を下げられる紐あな付きだ。とてもデザインはいいのだが、いまは8月。暑くてしょうがない…
「リュウ。ちょっといいかしら。」
後で声がしたので振り向く。そこには日傘を携えたお嬢様と咲夜が居た。
「私、ちょっと用事があって出かけるから今日の管理は任せるわ」
「かしこまりました、お嬢様。くれぐれも日に当たらないようご注意ください」
「当たっていたら生きてないわ。それじゃあ」
「いってらっしゃいませ」
そういうと咲夜と目を合わせお嬢様は出て行った。
執事になった直後は敬語にたじたじだったが、一ヶ月経つと、まあこんなふうに執事としてしっかり仕事が出来るってもんよ。
昼飯をもった咲夜と日傘を差しているお嬢様を見送っていると、
「お前も大変だな。こんな夏に執事服かよ。」
急に声がしたので慌てて振り向くと、
「ようリュウ。精が出るな。」
「おはようリュウ。」
後にはしてやったりの顔の魔理沙と少し困った顔のアリスがいた。
「お前ら、どこから入った?」
俺が素っ頓狂な声を上げる。俺が敬語を使うのはお嬢様とパチュリー様(と、一度も姿を見ていないがフランドール様)のみ。あとはナチュラルに会話を進める。咲夜もそうなので合わせただけだが…
「こんなに紅魔館に簡単に侵入できるとお前の大切なお嬢様がすぐに襲われちま うぞ」
魔理沙が喜んだように言う。
「は?門に決壊でもあったのか?」
俺が尋ねると、
「美鈴よ。あの子、また外で寝てたわよ。」
アリスがため息交じりに答える。
「……ヤロォ」
あいつ、寝すぎだろ。仕事しろ、仕事。
「おかげさまで難なく侵入成功だぜ。」
「あなたはいつも無理矢理すぎるのよ。もっと堂々と入れないの?」
「アリスは堅いなあ。まあ、そこがいいんだけどな。」
「ちょ…魔理沙!?」
「ハハハハハ、冗談だよ。」
魔理沙とアリスが相変わらずのやりとりをしているところに口を挟む。
「で?また今日も図書館目当てか?」
すると、アリスが急に真顔になって答える。
「そうじゃないの。ちょっとレミリアに用があって」
「そう。この前一緒に夜の森行っただろ?あの時にレミリアが落し物したっぽく ってさ。」
落し物…?あの几帳面なお嬢様が落し物なんて…落としたとしても鋭いお嬢様ならばすぐに気づくはず…
魔理沙の言っていることが分からない人もいるようだから一応説明しておこう。じつは、つい三日前の深夜(といってもまだ時計は20時だった。幻想郷では夜の訪れが早いらしい)のこと。お嬢様と咲夜、そして俺の三人で談笑していた時、
「お嬢様、お客様がお見えです」
と、美鈴が紅魔館に入ってきた
「こんな時間に珍しいわね…リュウ、ちょっと行って来て」
「かしこまりました」
俺がお嬢様に支持されて紅魔館の外に出てみると、
「リュウ!久しぶりね」
「お前少し痩せたか?」
「過労は気をつけないと体に毒よ」
門の向こうには霊夢、魔理沙、アリスの三人が立っていた。
「どうしたんだ、こんな深夜に…」
俺が驚いて聞くと、
「実は、霊夢が人里で引き受けた妖怪退治の対象になる妖怪を魔法の森に逃がし てしまったらしい。」
「あんなにすばしっこい敵だとは思わなかったわ」
霊夢が肩をすくめる
「霊夢がミスねぇ…珍しいこともあるもんだ…」
「あんた…それ褒めてんのか貶してんのかはっきりしてくれない?」
俺がさりげなくぼやくと、霊夢が突っかかってきた。
「まあ、好きに受け取ってくれ。それで?」
霊夢が睨みつけてくるのを流してアリスに状況を確認する。
「それで、あなたたちに少し協力してほしいの。魔法の森の深夜は三人じゃあ危 なすぎるの」
「そうかそうか」
妖怪退治ねぇ…俺やったことないんだけど。
「大丈夫よ。あなたなら弾幕ごっこ無敗でしょ?」
「ええ!?リュウって弾幕ごっこ無敗なのか!?」
急に魔理沙が覚醒したようにつっかかってくる。
「無敗…お嬢様戦と咲夜戦は引き分けで終わったが、それ以外は勝利している な」
「すげー…お前意地でも来い」
「やかましい。ちょっと確認を取ってくる」
このままだときりがなさそうなのでとりあえず紅魔館に避難。
その後、咲夜とお嬢様に話をつけて三人に同行することになった。そして、霊夢とお嬢様、アリスと咲夜、そして俺と魔理沙の三チームに分かれて探すことになった。最終的にアリス咲夜チームが妖怪を退治して終わったわけだが、終了した時は24時を過ぎていた。
話は今に戻る。
「お嬢様が落し物なんて珍しいな…」
「そこなのよ。」
俺が珍しがると、アリスがここぞと念を押してきた。
「実は、レミリアの持ち物にしてはおかしいような気がするのよ。」
「何が?」
「レミリアの落し物って実は日傘なの」
「日傘?」
日傘を落とす…よっぽどのことがない限り外出時日傘は手放さないはずだが?
「取っ手のところにちゃんと名前が書いてあるんだけども、日傘の色が黒い の。」
「黒?それ日傘の役割するのか?」
黒い日傘…余計熱くなるだけではないか…
「外暑いぜ。中に入れてくれねえか、リュウ。」
魔理沙が気の抜けた声で言ってくる。俺の方が暑いんだよボケ。
「ああ。じゃあ俺についてこい。」
とりあえず二人を大広間に案内する。
更新遅れた
読者いないから気にするな?……反論できねえ(何
12LAP フランドールスカーレッド 2
大広間について落ち着いたところで話を再度聞く。アリスの話によると、3日前の夜俺とお嬢様と咲夜とアリス、魔理沙、霊夢の6人で夜の森で妖怪狩りをしていた時にアリスが例の黒い日傘を見つけたそうだ。
「それで、その傘を調べたらこういう手紙が中に入っていたの。」
アリスがそう言ってポケットから紙を出す。
そこには、見たこともない記号がズラリと並べられていた。字がきたねえやつが殴り書きしたような均整の無さは無いし、かといって楷書のようにしっかりしているわけでもない。エジピタン(昔はエジプトと呼ばれていたらしい)の遺跡に発掘される象形文字のような具体性はないし…なんだこれは?
「これは…文字なのか?」
「こーりんに話を聞いてみたんだが、それは一応何かしらの生命体が使っていた 文字だということまでは分かった。」
魔理沙が口を開く
「でも、何が書いているかまでは分からなかったからレミリアに渡す序でに聞こうと思ったのさ。」
「ふむ…」
とはいっても、こんな文字見たことないし…
「図書館にならヒントがあるんじゃないかしら。」
不意に思い出したようにアリスが言った。そうか。図書館にならヒントは大量にあるはず。
「パチュリー様、失礼いたします」
一声かけてその重い扉を開ける。
やはりここの重い空気にはまだ慣れないな。外の光のみで照らされた大空間に平然と並べられた本。その静寂の空気をさらに引き立てるように振子時計の単調な音が鳴り響く。
「さてっと、言語の本は何処にあるんだ?」
人がこのオカルトな雰囲気の説明をしているときに、空気の読めない無駄にでっかい帽子をかぶった魔法使いは無邪気に本棚を見回す。この野郎、せっかくのムード壊しやがって。
そんなことはどうでもいいとして、言語のエリアの本を3人で片っぱしから覗いてゆく。
こんな奇妙な文字をした辞書はもしかするとないかもしれないが、探さないよりかは楽だろう。
「おい、これなんかそれっぽくないか?」
「ぽいじゃだめだろ。ぽいじゃ。もっと魔法で何とかならねえのか?」
「なんだよ…折角ぽいの見つけたのに」
「ぽいじゃだめだろ」
「これって似てないかしら」
「これ、辞書内の記号だぞ」
「え……?」
「おー!これ私が見つけてたドイツ語の辞書!」
「おい…全くかんけえねえだろ…」
2時間経過。もう3人ともぐだぐだ。
「ここにはないだろうね。この手の辞書は」
「レミリアが戻るまで待つしかないわね」
三人でしょーもない結論にたどりつくと、
「あなたたち、何しているの?」
不意に後ろで声がした。はてやお嬢様が帰ってきたのかと思い急いで向き直ると、そこにはパチュリー様がいた。
「パチュリー様!ご迷惑をかけて申し訳ございません」
パチュリー様は幾分か呆れた顔をしていた。
「あなた達の話、筒抜けだったけど…」
「パチュリー……全部聞いてたのか?」
パチュリーの一言に動揺を隠せない様子の魔理沙。
「魔理沙がドイツ語の辞書見つけて喜んでたのもね」
「本当に筒抜けだったみたいだわね」
三人で少し慌てる様子を見て、パチュリー様は言葉を続ける。
「それで、どんな言葉が知りたいのかしら」
パチュリー様の問いかけに俺はハッとして聞いてみる。
「実は、先ほど魔理沙とアリスが届けてくれたお嬢様の落とした日傘の中に文字 らしきものが書いてある紙が入っていたのです。今その言語について筆記され ている本を私たちで調べているところです」
するとパチュリー様は一つため息をついて、
「どんなものか見せてくれるかしら。私なら言語はだいたいわかるわよ」
と言った。
「これなんだけど…」
そういってアリスが例の紙を取り出す。パチュリー様はその紙を開くと目を通した。しかし、パチュリー様は一度読み終わった後無言でもう一度頭から読みはじめた。また繰り返し、繰り返し……ようやくだしたパチュリー様の一言には明らかに動揺が浮かんでいた。
「これは…」
俺には何がそんなに大事なものなのかとおもったのだが、明らかにパチュリー様の顔からは血の気が引いて行っていた。パチュリー様は普段冷静な行動を取ることが多く、俺の頭の中では考えられないほどにポーカーフェイスを貫き通す。お嬢様も「パチェの考えていることはあまり分からないわ」と俺に愚痴ったことがある。
しかし、そのパチュリー様が思念波を感じる必要もないほどあからさまに動揺を顔に浮かべていた。
「おい、パチュリー、パチュリー!」
魔理沙に名前を呼ばれて我に戻ったのか、パチュリー様が目を上げた。
「リュウ。これは大変なことだわ」
意識を取り戻しても彼女からは血の気が引いていた。
「どういたしましたか?」
「なんだよ。何が書いてあったんだ?」
「どうしたの?」
三人で怪訝な質問をしているのをよそに、パチュリー様は言葉を続ける。
「リュウ。あなたはこれからしばらくレミィから離れないでいること。昨夜にも 同じことを言っておくわ。美鈴には私から話をつけておく。いい?絶対に彼女 から離れないように。この紙と日傘はあなたから渡しておいて。その後彼女は 行動に出ると思うから絶対に姿を見失わない様にすること。」
パチュリー様はそれだけ言うと、首を振りながら奥に入って行ってしまった。俺と魔理沙とアリスはただきょとんとしているだけであった。
この場を借りて軽く説明
このフランドールスカーレッドは序章と思ってください
このあとの章が本章になります。
つまり、幻想郷シリーズは二本立てみたいな?
そういう感じのノリでお願いします
最終更新:2009年12月23日 21:14