あれ?ワシっていま何歳だっけ?
なかなか新曲でない…さみしいぜ!
LAP17 フランドール・スカーレッド FINAL
「……ゥ、リュウ!」
お嬢様の声が聞こえたので跳ね起きる。が、あまりの痛さが体中を駆け回り、また俺は布団に逆戻りとなった。
「よかった……リュウ。生きてた…」
目を開けると、ほぼ涙目のお嬢様がそこにいた。
「お嬢、あだっ!」
「リュウ、無理しちゃだめよ」
必死に起きようとする俺をやさしくなだめるお嬢様。
「……もう、どれだけ心配させるのよ……」
お嬢様は泣いていた。申し訳ないことをしたとただただ思うだけであった。
「申し訳ありません、お嬢様」
「本当よ……4人が助かっても……あなたが死んだら意味ないじゃない……」
お嬢様のそばに行って慰めたいのだが…いや、マジで全身が痛む。
「フランドール様はあのあとどうなったのでしょうか?」
俺はあのあとフランドール様が無事だったのかが気になった。
「あなたより早く治ったわ。まだあなたに恨みの念を持っているわ。まあ、実力 で負けたから少しは自重しているけど」
涙を拭いてお嬢様が言う。そうか、無事だったか。よかった。しかし…やはり怖いのだが。
「まさか不意打ちとかは…ないですよね」
「それはないと思うわ」
お嬢様が俺の言葉を打ち消す。
「あの子、正々堂々と戦わないと気がすまないのよ。あのパワーがすでに卑怯だ ったりするのだけれどもね」
「ハハハ、そうですね」
しばらく二人で話していると、
「リュウ!起きたんだってな!」
大声で魔理沙がやってきた。飛び上るほどびっくりした。
「魔理沙!無断侵入は許さないわよ!」
後から鬼のような形相の咲夜が追ってきた。うへ…こええ…。が、当の咲夜も俺のことを見ると、
「リュウ!!」
と、魔理沙に負けないほどの声でびっくりする。
「よかった。1週間も起きねえから心配したぜ」
「すまなかった……は?」
え、何?ちょっと待て?おい。1週間??
「そうよ。あなた1週間も寝ていたのよ」
お嬢様の冷静な発言でそれが真実だということを認識する。
「………マジで!!!」
魔理沙と咲夜がこの部屋に入ってきたときの3倍以上の声で俺が叫ぶ。
「誠に迷惑をかけましたお嬢様!自分はどうすれば…」
俺はあわててお嬢様に深々と頭を下げる。
「まあ、あまり気にしなくてもいいわよ。おかげでフランが収まったのだもの」
「あなたには感謝するわ。そうじゃなかったら私ここにいなかったわよ」
咲夜が俺に軽くお辞儀した。え…俺そんなにすごいことしたか?
「それは私にも言えることだな。本当に助かったぜ」
魔理沙にもお辞儀をされる。いや…なんだか、照れ臭いぜ…
「先ほど悲鳴が聞こえましたが、大丈夫でしょうか!!」
俺らがいる部屋に、今度は美鈴が入ってきた。
「リュウさん!起きたんですね!」
入ってくるなり最初のテンションを維持しつつ俺が起きたことに驚く。少し疲れるわ。この人たち。
「あー…人が多いと疲れるから一人にさせてくれ」
耐えきれなくなったのでぼそりという。が、
「へぇ…ここの主にでていけと?」
「……失礼いたしました」
「ここの仕事あなたに教えたの誰だっけ?」
「……すんません」
「あなたの三節棍の改造手伝ったのはどなただったかしら?」
「……ごめんなさい」
「弾幕教えたのあたしだぜ?」
「……申し訳ございません」
弱み握られすぎだろ…
調整めんどくせえwwww
LAP18 幻想郷異変 1 ~永遠亭へ~
「うっひょーーーーい!!!」
やはり下り坂をローラーボードで飛ばすのは気持ちがいい!
時は2月28日。あと一日で3月にはいる。寒さもだいぶ弱くなり、今では梅の花が咲き誇っている。遂にこっちに来て10カ月がたった。1ヵ月いただけでも俺は幻想郷に随分となれていたので、俺はもうすっかり幻想郷の輪の中に入っている。
まだ例の事件で読者に話していないことがあったな。実は、フランドール様の事件が起きてからきれいな六望星の形の傷が背中いっぱいに残ってしまった。理由は分からないが、フランドール様の弾幕でおそらくそういう形のものを背中にもろくらっていたのだろうか。お嬢様いわく、
「背中にもろ弾幕食らって背骨が折れないほどましだと思うわよ」
らしい。あの時はもうすでに体中がぼろぼろだったから特に背中に痛みを感じたというような細かいことは考えていなかった。でもまあ、不細工な傷が残るよりはなんか刻印みたいでかっこいいから俺は気に入っている。
俺はお嬢様から1週間休暇をもらった。そこで、今霊夢、萃香と遊びまくっているわけなのだが…
本来ならいつも様に魔理沙、アリス組と遊ぼうと思ったんだがアリスマーガトロイド邸に誰もいなかった。しょうがないので博霊神社にいって霊夢と遊ぼうと思ったのだが、そこに萃香も一緒にいたというわけだ。そして、永遠亭に行くことになった。
「リュウ、あんた飛ばしすぎじゃないの?人に当たったら事故じゃすまないわよ」
「大丈夫大丈夫。これくらいすぐに止められ…アッ―――!」
いったそばから人ふっ飛ばしちまった…
「あー馬鹿野郎。何してんだ」
萃香が呆れながら俺の方に向かってくる。
「すまない…大丈夫か?」
吹っ飛ばしてしまった人の元へ向かい、声をかけ…
「なんだ、文か」
「なんだとはなんですか!失礼じゃないですか?」
俺が適当な反応をすると、飛び上って俺を睨みつける。が、
「なんだ、文だったのか」
「なんだ、文だったのね」
「……泣いていいですかね?」
霊夢と萃香に全く同じ反応をされ、若干文はへこんだ様子だった。
「ハハハ、冗談だ。怪我はないか?」
俺は文の反応に笑いながら謝る。
「あ…いや、別にないです…」
急に謝られたのが意外だったのか、急に文がごもる。
「さすが天狗だな」
「は、はぁ…どうも…!」
俺がすかさず褒めあげると、文が顔を赤らめる。
「冗談だ。許せ」
その反応を見て少し気まずくなってしまい。適当にごまかそうとする俺。
「許せと言われても…」
その言葉を聞いて更に困惑した様子の文。ああー!!めんどくせえ!!
「おい、リュウ」
二人で話しているところに萃香が口をはさむ。
「早く永遠亭いこう」
「おっと。そうだった。じゃあまたな」
当初の予定を思い出し、文に別れを告げる。
「気をつけてくださいよ。危ないですからね」
スカートのすそを払いながら文が返事をしてくれた。
読者に説明しなければならないことがある。なぜ永遠亭に行くかというと、幻想郷に入ってから10か月経っているというのに俺はまだ永遠亭にあいさつに行ってないのだ。だから、永遠亭というものを一度この目で見ておきたかった。また、永琳の薬のおかげでこの前の事件で追った怪我が治ったといっても過言ではない。そのことについてお礼を言わないと男がすたるってもんだぜ!かっこつけてみても何も起きないのだが…。え?何?9カ月たってまだお礼に行ってないのか?自分で飽きれてるぜ!
いや、永琳は本当に便利だな。本来なら出血多量で絶対死んでいたはずの出血量だった。お嬢様が非常食用にといって俺の血を貯めたらしいが、後で見せてもらったところざっと4lはあった。俺自分の体にびっくりしたもん。俺の体にはこんなに血が流れていたのか!?ってね。
まあ、その4リットルの中には援軍に来てくれた4人の分も少々入っているというが、それでも500mlにも達していないという。永琳がこの世にいなければ俺絶対死んでいた。うん。間違いない。生きてたら自分が怖い。
永遠亭の道は当然知りません。なので、霊夢と萃香の後に付き添っていく。最近だと、ようやく紅魔館からマヨヒガ、白玉楼への行き方を覚えた。が、マヨヒガから白玉楼への行き方も知らないし、まだまだ他にも建物はいっぱいある。まあ、ゆっくり覚えていけばいいさ。
「そういえば、リュウ」
ふいに霊夢に呼ばれる。
「ん?どうした?」
「レミリアから聞いたけど、あなた何か楽器が演奏できるんだって?」
「ああ…ポルウっちゅう楽器なんだが…」
俺がそういうと、霊夢は何やら紙を取り出して言葉をつづけた。
「今度白玉楼でプリズムリバー楽団がコンサート開くんだけど、誰かゲストを呼 びたいんだって。よかったらそのゲストに呼ばれてくれないかしら?」
「ふーん…そんなものがあるのか…」
萃香が初めて聞いたような口調で返事する。俺も初耳なんだけどね。
「まあ…お嬢様に確認を取ってからだな。その話は」
「もしも了承が取れたら?」
「喜んで協奏させてもらうよ」
幻想卿に来てからあまりポルウを吹いていない。そろそろ腕が落ちてきた頃合いだと思うんだがね。
プリズムリバー楽団の演奏は度々聞いたことがある。紅魔館に呼ばれてくることも多いからだ。俺は人間だからあいつらの演奏の影響は非常に受けやすい。だからあまり聞かないように避けていたんだが、協奏となると話はまた別だ。まあ、なんとか演奏に耐えるだけの耳は鍛えておかないとまずいだろうな。
しばらく歩いた(正確に言うと滑った)ところで永遠亭に着く。
「へぇ…ここが永遠亭か…」
永遠亭には随分と質素な雰囲気が漂っている。日本家屋ふうな雰囲気を醸し出す家、俺にとって非常になじみやすい感じではあった。
が、俺は異変を感じ取る。
「ちょっと待て」
「どうした?リュウ」
永遠亭の奥から何かオーラを感じる。これは……悲しみ?憐れみや憤り、自虐も感じ取れる。いったい何が…?
「何かやな予感がする。慎重に入って行こう」
俺と霊夢と萃香は回り込んで木の上に隠れ、上から様子を見る。
みると、そこには魔理沙、永琳、輝夜、妹紅、てゐ、鈴仙、慧音それに咲夜とお嬢様がいる。
と、あと一人…誰だ?
「おい、あの女誰だ?」
「……見たことないわね。外来人かしら?」
「また外来人が来たのか。」
「まあ、そっちの話はあとね」
ここから確認できる状況だが、魔理沙うずくまって泣いている。それに他のメンバーも暗い顔をしている。
「あれは、なんだ?」
俺は指をさして聴く。彼女らが知るわけもないんだが。
「知らないわよ。知ってたら怖いわ」
俺の問いに霊夢が返事をする。
「でも、なにか重い空気だな…」
萃香が憐みの声を出す。
「何かが起きたのか?あの魔理沙が泣くとは、よっぽどのことがあったな…」
俺は少し考え込みながらいう。
「霊夢ー、魔理沙に何かしたか?」
「し、知らないわよ!人聞きの悪いこと言わないでよ、萃香!」
萃香のからかいにやすやすと乗る霊夢。
「お前ら少し黙ってろ」
二人の声の大きさにいらいらした俺が我慢できずに言う。
「……ない……」
「ん?」
下の状況に動きがあったのでそちらに集中する。
結構シリアスな雰囲気を(ry
LAP19 幻想郷異変2 ~アリスの封印~
注:視点がコロコロ変わります
「アリスは何もしていない…」
魔理沙が泣き崩れながら言う
「確かに、何もしていないことは確かかもしれないが…」
てゐが口をはさむ。
「まさか…あいつが…能力者だったなんて…」
「そうね…零は封印能力者だったから…」
永琳がしかたなく口を開く。
「どうしてだよ…朱鳥」
朱鳥は何も言えなかった。向こうの世界で零が目の前で何かに飲み込まれ、必死の思いで自分もそこに入って行った。そして、零がまさかこの世界の人を封印するとは考えてなかった…。自分が抑えなければならなかったはずだが、それを抑えられなかった。朱鳥は自分を責めるしかなかった。
「アリスは本当に何もしていない…ただ…私が脅かしてこいと言っただけ…。そ れなのに…アリスが封印されるなんて…」
「アリスが封印された?」
俺はただ驚きしか出せなかった。
「封印とは、どういうことかしら?」
霊夢も首をかしげる。
「よく分からないが、アリスが零という者に封印されたことだけは確かだな…」
っつか、零とか朱鳥とか誰だよ。マジで。あと、何が起こってるのかもっと詳しく聞かせてくれ…
「萃香も聞いたことないぞ」
萃香も首をかしげた
「私も無いわね…紫の仕業じゃないかしら?」
紫ならスキマから人間を引っ張り出せるだろうが…
「紫…でもなぜそんなことを?紫は道理に合わない行動を嫌うはず…」
「何かしらの理由を持って呼んだか、あるいは…」
霊夢はそういって口を止める。
「あるいは?」
俺はその後を促す。
「あるいは…暇つぶしに引きずり込んだか…」
霊夢が思いつめた顔で話す。
「どちらにせよ、これはひどい事件になりそうな予感がするわ…」
「……ああ」
俺はなにか不吉な感触を抑え込み、下を見つめる。
「……くっ」
魔理沙はとっさにミニ八卦炉を朱鳥の方に向ける。
「ちょ、魔理沙!」
レミリアが止めにかかる。が、魔理沙は聞かなかった。
「確かに、あんたに非は一切ない…封印したのは零で、封印を解くために協力も してくれた。」
「……」
魔理沙の言葉に場が凍る。
「でも、あんた達がこなければアリスだって封印されなかった!もとのアリスの まま生活できたんだ!それを、あんた達が来てアリスを…アリスを…」
「魔理沙、それはいくらなんでも理不尽すぎ…!」
咲夜が言葉をつづけようとするがその言葉が途中で止まる。
―――――――カラーン
ミニ八卦炉の落ちる音が悲しく場に響く。
「…アリスには借りているものが多すぎる。本だってそうだし、いろいろな恩も 沢山借りてる。アリスは私の最高の友達だった。なのに…」
「……」
朱鳥は言葉を返せなかった。魔理沙の悲しむ顔を見ていると罪悪感がどんどんたまってゆく。
「なのに…私はアリスにまだ何も返せていない…私の声はもうアリスに届かないかもしれない。」
「……」
「たとえ封印がとかれても、アリスが元通りになる確率はない。……私は…アリ スのために、何もできなかった…。こんな幼稚な私を…どうか許してくれ…」
力なく立つ魔理沙。その姿を見ていると、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「……ごめん……」
朱鳥は、もうその言葉しか言えなかった…
「……」
あまりの驚きに俺は言葉を無くす。今思うと、自分の悲劇は他人の喜劇という言葉は言語の中で一番腐っている言葉のようにしか感じない。
「……魔理沙……」
霊夢に至ってはすでに涙目だ。
「アリスは封印されたのか…そりゃあ悲しいな…」
同情してはいけないのだろうけど…しょうがない。
「でも、封印ってどういうことだ?」
萃香が純粋な問いを投げかけてくる
「封印の具体的なことは把握することができないが……」
「まあ、ここで初めて聞いた話よ。今納得するには無理があるわね」
「ふむ…」
アリスが封印という言葉にいまだピンとこない。果たしてどのような事がアリスの身に起きたのだろうか…全くもって話がつかめない。
「だけど、どこに封印したのかしら?」
霊夢の問いに俺が対処する。
「どこに、というのは間違っていると思う。俺らの世界では一口に封印といって も色々な種類があった。霊夢が考えているのは決して動かないもの、例えば大 地や湖などに封印したと考えているだろう。しかし、封印の対象に何らかのベ ールを包み、そのベールから特殊念波、つまりがっちがちに固めるように個細 胞を動かして閉じ込めるという封印方法がある」
「……は?もっと分かりやすく…」
「分かりやすく言うとだな、封印の対象をなんらかのカプセルに閉じ込めて封印 するという手がある。その方法だともし小型のものだった場合封印対象は携帯 可能となるわけだよ」
「成程。つまり今誰かアリスを封印した物を持っているということがありうると いうわけか」
「そういうことだ」
「……?」
俺と霊夢が封印について会話する横で、何言ってんだこいつ、といいたそうな萃香が口を開ける。
「それで、アリスは封印から解除できないのか?」
「……実は、俺も波動を使って向こうの世界で封印を解いたこともあるのだが、 それはすべてさっき話した後者、何らかのカプセルに閉じ込めるようなパター ンでしか成功したことがない。また、それも成功率は4割を切っている…もし、 大地に封印した、またはとてつもなく固く封印された場合、俺は解除すること ができない」
「じゃあ、力で壊してはいけないのか?」
「いいか、封印というのは封印対象を完全にロックすることである。すなわち、 例えば牢屋など形だけ閉じ込めて中の人が助けを叫べる「閉じ込める」という 行動とは似ても似つかない位置づけなんだ。つまり、「閉じ込める」の場合だ った時はベールを壊しても中の対象人物に影響はないが、「封印」というすべ て、つまり肉体的にではなく精神的にも「閉じ込める」状態にされた時は、ベ ールを壊したとしても肉体的な開放しかならず、精神的な封印はとけない。つ まり、救出することは可能でも元の状態に戻ることは不可能、四文字の言葉で 言うと「再起不能」だ。」
「……」
「封印を解くには封印した本人が解除するか、精神的な封印をも解ける絶対的な 力でベールを破壊するか。どちらかしか選択肢はない」
ちょっと言葉は厳しいだろうが、俺は真実を話す。霊夢には真実を言った方が効果的だと思うし、萃香に当たっては最初に聞いてきたので問題はないだろう。
「……そうなんだ」
霊夢が少しがっかりした声で言う。う…こっちの空気まで重くなりやがった
「とりあえず、永遠亭にこれ以上いるのは気が引ける。白玉楼に行き先を変更し ないか」
あまりの空気の重さに耐えきれない俺が提案する。二人とも否定する理由がないので、白玉楼に行くことにした。
ちょwwwwwww交通事故で今年の残りは病院で入院生活とかwwwwwwwwww
笑い事じゃねえよwwwww
20LAP 幻想郷異変3 ~プリズムリバーの演奏~
「あら、リュウさん。こんにちは」
白玉楼に行くと、庭先に妖夢がいた。先にあっちからあいさつされた。
「やぁ、精が出るねえ」
俺がからかいを含んで返事をするが、妖夢側はおちょくりとは分からなかったようだ。表情一つ変えずに話しかけてくる。
「執事にくらべたらそうでもないと思いますよ」
「そうかい?」
軽く職について話を交わす。
「やぁ妖夢、元気?」
急に霊夢が口を開く。
「あ、霊夢さん。珍しいですね。萃香さんと一緒ですか」
「そうね。ちょっと永遠亭から帰りがてらに」
「そうですか。まあゆっくりしていってください」
そういって妖夢が中に案内してくれる。
白玉楼は非常に日本格の雰囲気を醸し出している。部屋は大体畳。各部屋には「一刀入魂」などといった掛け軸も見当たる。ただ、玉にろくでもない掛け軸が目に入るのは放っておこう。
廊下も床は板張り。中庭はとても昔のキョウトウ(昔は京都と書いたらしい)を感じさせるような静をモチーフにした感じがする。妖夢は幽々子の雑用として料理、買い物などさまざまな雑務をこなしているが、さすが本職といった感じで、庭の手入れのうまさはプロ級だった。
と、俺が庭に感心しているところで妖夢が口を開く
「今プリズムリバー楽団が演奏しているところなんですよ。よかったら聞いてい きませんか?」
「そうだな…どうする?」
さすがに一人で決めるのはまずいと思い意見をあおる。
「私は別にいいわよ」
「萃香も喜んで聞きたいぞ」
二人とも否定はしない。
「じゃあ、聞いていこうかな」
「じゃあこちらに」
妖夢の案内で部屋にはいる。
中では、プリズムリバー楽団の三人が、幽々子に演奏を聞かせている。幽々子の隣に見慣れない青年がいるが…気にしないことにする。
「あら、こんにちは」
幽々子がこちらに気づく。
「ういーっす」
「やぁ」
「よぅ」
俺達は三人三様の返事を返す。
「今演奏中だからそこら辺に座っていいわよ」
「すまんな」
幽々子に言われるまま適当に座り、三人の演奏を聴く。だが、俺は幽々子の隣にいる男の方に興味があった。こいつ、オーラが半端ない。これは…威圧?なぜ威圧のオーラをこのタイミングで放っているんだ?
青年は悔しいほど美形だ。目は大きいがりりしく、鼻は美しい形をしており、口もとの引き締まり方が男をあげている。髪はなぜか伸ばしている。白い髪が何ともきれいだ…。畜生!こんな美形、あっちの世界にいたらどんだけモテたか知ったもんじゃない。
と、青年に気を取られていると、
「うるせえっ!!」
急に耳に痛みが走る。リリカのソロの時間になったようだ。張り切りすぎ張りきりすぎ!!!
「あ、ああ…イテッ…イテぇ!」
「うるさい!」
「だ…大丈夫ですか?」
俺が耳をふさいで悶えていると青年がこっちを向いて心配の声をかけてくれた。
「あ、す…すまない」
「無理しないで聞いてくださいね」
青年は穏やかな笑みをこちらに向けてくれる。できるぞ…こいつ!
それとは反対に…
「うるさい!」
俺が悶えていると霊夢から注意を食らう。これ人間が聞くものじゃねえだろ!
「す…すま、イテエ!!」
「……ハァ……」
最後には霊夢にあきれられた。
死闘(?)の末、リリカのソロを超えた。そして意識は次第にまた例の青年に向く。身長は座っているから詳しくは分からないが、座高からおそらく身長は180cmぐらいか?顔だけじゃなく手も美形だ…なんだ?モデルかなんかか?俺が嫉妬の塊になりそうで怖い。
プリズムリバー楽団の演奏が終わり、拍手(正直青年の美しさに向かっての拍手の方が比率が高いかも知れん)を送る。と、
「あなた、ちょっと話があるのだけれどもいいかしら?」
ルナサから呼び止められる。
「あ?どうした?」
いきなりのことで少々びっくりする。
「今度、ここで公開コンサートみたいなのをやるんだけれど、あなた友情出演し てくれない?」
メルランが陽気に尋ねてくる。あー、永遠亭行く時に霊夢が言ってたやつね。お嬢様に確認を取らなければと思ったのだが、
「コンサートは3日後よ」
らしいので、許可を取る必要はなかった。
「……よし分かった。参加させてもらおう」
「お、分かってるねえ」
リリカがすかさず褒めあげる。
「じゃあ、これが楽譜ね。当日朝ここで2、3回合わせるから遅れないでね」
「分かった」
楽譜を貰い、三人を別れを告げる。楽譜に目を向けると、それほど難しいフレーズはない。これくらいなら3日でできる範囲だな…
「リュウ」
「すまねえ。今行く」
霊夢に呼ばれ俺は急いで霊夢の元に行く。
今回は短め。
最終更新:2009年12月23日 21:16