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ページ名の後ろのローマ数字のネタ切れにビビる…





戦国無双3 KOEI
wiiで12/3発売予定!!
新武将:加藤清正 甲斐姫 北条氏康 黒田官兵衛 立花宗茂 竹中半兵衛
リストラが囁かれている武将:チョーソカベ元親
当日買ってきてもらお。元親リストラされてないといいなぁ…





LAP25 二つのスペカ



「よし、これで二枚目完成と」


「おお、出来ましたね!」
 スペカの完成に会場が盛り上がる。


 目の前には青と白のスペカが二枚。前から持っていた英文の入ったカード(つまりは波符「ピンポイントスマッシュ」)と合わせてこれで3枚になった。


「ま、この二枚は普段の手合いでもバンバン使えるような消費率の少ないもの  だ。あまり期待しない方がいいかもな」


 俺はあえてハードルを低くしておく。あまりにハードルをあげてしょぼかったら悲しいからだ。


「というか、最初に作ったスペカの破壊力が異常なだけですよ。あの日は新聞で 取り上げられて大騒ぎになったじゃないですか」
 椛がこれ以上ない正論を口にする。


「まあ、そうだな…」


 実は、フラン様事件の一部始終をこのせこいやり口しか使わない天狗に見られていたのだ。見事に写真を撮られて俺のスペカの効果も書かれた。その文面が


「世界を破壊するやもしれない破壊力を持つビーム」


 というありもしないことで、たちまち幻想郷に知れわったというエピソードがあった。無論、俺はしばらくの間それを知らなかった。


 以来、俺がスペカを使おうとすると皆が全力で俺を取り押さえようとするようになった。最初は理由が分からずにただ取り押さえられていたが、黒幕がいることを知ったのちはあまりピンポイントスマッシュの乱用を避けつつ後にこの天狗に完膚なきまでにピンポイントスマッシュをお見舞いしたのは今となってはいい思い出だ。


「あのときはただ強ければいいって思ってたから」
 俺がいいわけしようとする。が、それはとても元気のよろしい声に遮られて続かなかった。


「じゃあ、その新しいスペカであたいと勝負しよ!」
 チルノが大声で俺を勝負に誘ってくる。……空気読め馬鹿妖精。


「まあ、いいんじゃない?」
 レティが首をすくめつつ言う。


「えー…やだー…」
 俺はそこら辺にいる女子高生みたいな反応をしてしまう。


「まあ、私も興味がありますからね」
 文が脇から口を挟んでくる。


「お前が言うとなんか不吉な予感しかしねぇよ…」
 かくして馬鹿妖精と俺の弾幕ごっこが始まったわけであった。


 チルノはステータス的な分析で問うと、素早さ、攻撃力において長けている。小回りの利いた空中移動で細かい弾幕の隙間や一点集中型の攻撃もよけ、相手のすきに弾幕をたたきこんでKOするという手段で勝負を挑んでくるはず。


 それは同時にこっちが隙を作らなければチルノ側はいつまでたっても攻撃が出来ないということだ。


 また、いくら基本能力が高くても所詮馬鹿だから、攻撃しているときにちょこちょこ出来る隙や欠落を的確につけば余裕で勝てるだろう。


 しかし、あいつの弾幕は他の連中と比べて非常に危険だ。


 チルノの弾幕の媒体は氷だ。氷の妖精だから当たり前なんだが、まずいことに先端が非常にとがっている。


 また、咲夜みたいに刃物扱いでも手加減してくれればいいが、何度も言うように馬鹿だから全力でその凶器をこっちにぶん投げてくるわけだ。


 三節棍で弾こうとすると先端がとがっているために三節棍に刺さり、最終的には氷の粒のハリネズミ状態になってしまい使い物にならない。


 だからシールドで防いでいくわけだが、いちいち刺さったら使い物にならなくなるのが面倒くさい。


「ホラホラ!最強のあたい相手じゃ手も足も出ない?」
 チルノが余裕の表情を浮かべてこっちを見下してくる。おのれ…いわせておけば!


 俺がこんなにチルノに対して苦戦している原因は自分で分かっていた。


 そう、俺は空を飛べない。


 シールドをこまめにはって足場にするのが俺の空中戦の方法だが、自由に動ける妖精相手だと若干ハンデがある。いや、若干どころではないな。


 まず小回りが利かない。


 飛べる連中は「あ、曲がりたいな」と思ったらコンマ1秒で曲がれる奴もいるほど。しかし俺がそれをやろうとするには、まずいきたい方向に向けた角度でシールドを張る。そして、一度そこに着地してシールドを蹴って飛ぶしかないのだ。


 その間に要する時間は概ね1秒。


 他にも、空中に浮いていられないから一定のタイミングで足場を作らなくてはならないから非常にスピードが遅いのだ。


 これはチルノに言えることではなく、幻想卿の住人はほとんどが空を飛べるために空中戦になると俺はかなりのハンデを負う。


 そこで作ったスペカがこれだ。



 ――――――――飛符「フライングファルコン」



「お、飛べてますね~」
 文が上を見上げつつ歓声を上げる


 このスペカは一時的に俺の背中からオーラで作り出した羽根が生える。それによりハヤブサ級の飛行能力を持つことができ、羽根を前後させることで弾幕も出せる。


 が、弾幕の威力は極小なので普通に三節棍を振る方が効果的である。つまり、このカードは空中戦で通常では回避し切れない弾幕が飛んできたときに使用するスペカといってよいだろう。


 まあ、具体的な数字を出すと時速200km強。


 文に少し劣るぐらいの速さだろうか。


 このくらいのスピードの制御はF-FIREの技術で補うことでうまくいくようになっている。


 しかし、空を飛べるとはこんなに気持ちいいんだろうか。思わず感嘆の新庄に心躍らせながら空を飛びまわる。


「うほー、はやいぜ!」
 俺がしばらくハヤブサ化した飛行能力で楽しんでいると、


「あたいとの勝負に集中してよ!」
 チルノから怒声を浴びる。


「うし、いっくぜえ!」
 俺はチルノに向き直る。


 しかし、チルノの弾幕は厚い。まるで弾幕でベールを作って自分を守っているようであった。チルノとの間合いがなかなか詰らない。その間にもチルノはこちらに弾を打ってくる。


 素早さが上がり防御に気を回す必要はなくなったが、このままだとフライングファルコンの効果が切れて一気に不利になる。なんとか突破口を見つけないと…


 と、俺はチルノが全く動いてないことに気づく。いや、むしろ動けないのであろう。


 自分の弾幕をベールとして周りに張っているが、弾幕は敵味方関係なく当たると魔理沙から聞いたことがある。


 将棋で言うと王の周りをがっちり囲っているようなものだ。こうすると自分は完全に守られた気分になるものだ。


 しかし、その局面で桂馬を置いたらどうなるだろう。


 もし周りの駒で桂馬を取ることができなかった場合、王は周りの自分の駒の邪魔により動くことはできずに次の番で取られることになる。


 いままさにその状況が現実になって表れている。チルノという王将が他の自分の駒で厚く守られている。だが、俺には桂馬のような不可思議な動きをする弾幕を放てる道具がある。



 ―――――――――屈符「ライク・ア・スネーク」



 極小の弾幕が無数に拡散して飛びまわる。いくら弾幕で囲んだとしてもそこには隙間ができる。その隙間を極小弾がかいくぐってすすみ、チルノのいるところまで到達できれば勝てる!


 このスペカは、簡単に言うと非常に細長い「極小弾」と呼ばれる弾を無数に放つスペカである。


 が、その極小弾が取るルートに特徴があり、どの球もまっすぐには絶対に進まない。


 お互いが磁気を持ち、互い互いが引かれあったり反発することによって予想することのできないルートをたどって進むのだ。


 このスペカは極小弾故に敵が解放されている状態で使うと難なく避けられてしまうが、敵の行動範囲が限られているときには、確実に相手を翻弄することができる優れものだ。


「頼むからこれでチルノに当たってくれ!」
 俺が願っていると、


「うわ、え、ちょ、何これ!」
 チルノの叫び声が聞こえる。若干数は潜入に成功したな。


「なんでこれを突破できたの!あ、いやああああ!!」
 弾幕が消えた。と同時にチルノが地上に落ちていく。辛勝した…


「まあ…馬鹿には負けんよ」
 ボソリとつぶやいて地上におりる。チルノはレティが回収したそうだ。


「すごいですねぇ…まあ、早さなら負けないと思いますけど」
 文が祝福なんだか嫉妬なんだか分からないセリフを投げてくる。


「天狗が人間に負けたら天狗退職だろ」
 俺はそう言って文の肩をどつく


「ですよねー」
「うう…」
 俺と文が会話をしているとチルノが起きた。


「あれ?あたいは?」
 チルノは弾幕に当たったことを忘れてしまっているようだった。あまりにもショックだったのだろうか。


「チルノは負けましたよ」
 勝敗を忘れた馬鹿に椛がやさしく教える。俺はこの後の行動が読めた。


「えー!!負けたの!?信じられない!もう一度!」
 ……やっぱりだだこねた。


「おとなしく負けを認めなさい」
 レティがやさしく声をかけるが、


「やだ!」
 ………疲れる。


「俺はもうやらん。スペカの性能が見れたから満足だ」
「でも…私も手合わせしたいですねぇ…」
 文がニコニコしながら俺の方を見てくる。今日こそは勝てると自覚したんだろうか…いや、マジで疲れるわ、この人たち。


「やだ」
 俺は背中を向けて紅魔館に帰ろうとする。が、


「へぇ…いいんですか。あの恥ずかしい写真が一般公開されても…」
 という黒天狗の発言によりかえることができなくなってしまった。この野郎…人の弱みを握ることだけは達者なんだから…


「てめぇ!!せこいぞ!!」
 俺は文を睨みつけながら怒鳴る。が、無意味だった。


「じゃあやりましょう」
 文はそういって空に飛んで行った。


「……天狗ってこんなに腹黒い種属なのか…」
 俺はそばにいた椛にぼそりと聞いてみる。


「文さんに限った事です」
 椛もため息をついていった。


「……」




一切推敲してないから未だかつてないくそ文章になってます



LAP26 新聞記者



「はぁ、はぁ…もうマジで無理…」



 時は夕方に移る。



 俺はもう立てないほどに疲労がたまり、その場に座り込んでしまった。チルノとの対戦以降俺は場の流れでその場にいた全員と闘うはめになってしまった。みんな好き勝手に自分に都合がいいような理由を並べやがって…。



 気合いで全勝したが、これ以上は無理だ。足が何もしないのに疲労で震えてしまう。肩で息をしている状態だ。まあ、4時間ぶっ通しで戦っているわけだから無理もないか。



「でも、リュウさんは強いですねー」
 椛が感嘆の声を上げる。俺以外の他の4人は言うまでもなく全員ピンピンだ。まあ、当たり前か。4時間ぶっ通しで戦っているわけではないからな。



「伊達に三節棍振ってねえ…」
 息が絶え絶えになり言葉も続かない俺をおかしく思ったのか、



「すごいお疲れのようですねぇ。今日はこれくらいで勘弁してあげます」
 文がニヤニヤして言う。黒い…すごい黒い…。



 俺はここに座っているよりは自分の部屋に戻って寝ている方が疲れが取れるような気がしてきたので、引き返そうと立ち上がる。最初の一歩で足にしっかり力が入らずに倒れかかるが、レティが気をまわして俺を支えてくれた。俺はレティに頭だけ下げて



「じゃあ、俺は紅魔館に帰る。今日はありがとな」
 と一声かけて紅魔館に戻りかける。が、



「あ、リュウさん」
 俺が帰ろうとすると、文に呼び止められた。なんだろう。まだ今日の弾幕ごっこについて意見があるのだろうか…めんどくせぇ。



「なんだ、まだ弾幕とかいうんじゃ……」
 俺がめんどくさそうに言いつつ振り向くが、言葉は途中までしか続かなかった。



 理由は文の様子に他ならない。さっきまでニヤニヤして俺のことを茶化してばかりだったあの腹立つ表情とは打って変わり、なにが起こったのか分からないが真面目でどこかつらそうな顔をして足下を見つめている。




「どうした?」
 思わず俺も心配の声をかけざるを得ない。と、俺の言葉にハッとしたのか。顔をこっちに向けたかと思うと精一杯の笑みを向けて



「少し取材させてくれませんかねぇ。何、悪いことは言いませんよ」
 と、先ほどのテンションを復活させる。



 いつもの俺なら一言で断っている所。だいたい「いやだ」とか「かえれ」の三文字シリーズでこの天狗を追っ払うところなんだが…



 俺はさっきの文の様子を頭の中で思い出す。何か俺に聞きたいような悩みごとでもあるだろうか。それとも俺には聞きにくい取材内容なのだろうか。いずれにせよ、文が俺の目の前で見せている様子はただのうわべだけに過ぎないことだけは分かった。




 それに……状況が状況だ。恐らくアリスのことでも取材したいのだろう。



「……手短に頼むよ」
 俺は反発することができずに同意する。さっきみたいな顔されたら却下できないだろうが…



「少し、人目の付かないところで話がしたいんですが」
 文はまだいつものハイテンションを維持して話しかけてくる。文も大変だな…素直に落ち込んでいる暇がないんだろうか。幻想郷歴代トップクラスの事件だ。休むどころか寝ている暇さえないのだろう。



「……なら、俺の部屋に招待するが」
 文のそんな様子を見て少し胸を痛める。文はこんなにアリスの事件に関与しようと試みているのに俺は紅魔館の小屋の中でずっと機を見てじっとしているだけではないか。文の手伝いぐらいはした方がいいんだろうか。



「いいんですか?」
「手短に終わらせるならね」
 本当に痛んできた胸に手を当てつつ俺は文を紅魔館へ案内することにした。



 俺達は湖のほとりにいた3人と別れを告げて文と紅魔館に帰る。



 文はいつものハイテンションぶりで俺のことを茶化してくる。俺もいつものノリで茶化してくる文に文句を言うが、俺の態度も上辺だけのものにすぎなかった。あんな顔をされてへこまれたら俺も困るよ。俺だって少しは役に立ちたいんだからさ。




 文もいつもの茶化し方とは違ってすごく必死だ。まるで隠し事がばれる寸前にあって必死に弁解してる中学生みたいに。いつもは会話の途中でさらっというからむかつくんだが、今のこういう状況だと言われているこっちが本当に同情してしまうぐらいみじめだ。各地で聞いてきたアリスの事件に対する意見を聞いているだけでも相当精神的なダメージが大きいだろうに。新聞記者とは大変なものだよ。



 そうやって上辺だけの会話をしている間に紅魔館についた。



「やぁ、美鈴」
「あ、おかえりなさい」
 珍しく美鈴が起きているので声をかける。



「あれ、後ろの方は…」
 と、美鈴が俺の後ろを指さして聞いてくる。見たことあるだろうにこのアマ。



「ああ、ブン屋だ。俺の客人ということにしておいてくれ。何、人目の付かないところで取材がしたいそうだ」
 どうせ名前を言っても思いつかないだろうから職業を教えてやる。



「……了解しました。咲夜さんに了解をもらってきますね」
「ああ、頼む」
 美鈴が確認を取るために紅魔館にはいる。



 二人きりになり、考えることがなくなる。文はさっきから手帳にスラスラとペンを滑らせる。おそらく今まで拾ってきた情報の整理でもしているのだろう。かなり集中しているご様子なので話しかけるのはやめた。



 人間とは不思議な生き物であり、何か考えていないと情緒不安定になる。今の俺が突発的に考えられるキーワード。それは一つしかなかった。



(アリス……)



 昨日の晩の事があり、心は幾分か軽くなった。しかし、それは周りに相談しやすくなっただけ。アリスの封印のことについては全く進歩がない。焦っても事態はよくなるということはないんだが、封印というものは時間がたつと解除しにくくなるという錯覚を生むものである。



(分かってる……分かってるんだよ)



 そんな消極的なことを考えている自分に被りをふる。今どうこういっても確かに状況に異変は出ないよ。そんなことは重々承知の上だ。



 だが、やはり焦る。幻想郷の住民の中でそれを解くことができるのは俺だけ。だって、この世界の中に封印を解除する能力を持っている人間がいると思うか?答えはNoだ。封印を解除する能力を持つ人間はいない。唯一封印を解除したことがあるといったような奴は俺しかいない。つまり俺が奮起しないといけない。


 なのに、キーの存在に当たる俺が最初からあきらめてたらどうするんだよ。まったく…



 文のメモ帳にペンを滑らせる音が消える。軽い考え事だろう、どうせ。そう、思いたかった。



 しばらく沈黙が辺りを流れていると、美鈴が戻ってきた。



「許可貰いました。どうぞ」
 美鈴はそういって門を開ける。



「ありがとう」
 美鈴に手を振って俺と文は紅魔館の中に入る。




久々の投稿のはずがもじけぇwww



LAP26 世の中の仕事の中でもやっぱり新聞記者はつらい職業TOP10に入るんじゃないだろうか?



「では、失礼します」


 俺の部屋の中に文を案内する。文をソファに座らせてから紅茶を入れる。もうさすがに文も厳しい表情になっている。ここまで真剣な顔をするということは、俺からの情報が他の幻想郷の住人の情報の中で一番正確かつ最重要なものだとふんでいるのだろう。


 自分の分の紅茶も入れて、向かいの椅子に座る。始めから決めていたが、俺から話し始めるのはやめようと思っていた。理由はない。話したくないという子供みたいな理由だ。


 文はそれを察したのか、一つため息をつくとメモ帳を開いて沈黙を破る。


「アリスさんの封印について、一言感想はありますか?」
 ……やはりそうか。幻想郷最大の事件になるかもしれないんだ。記者が敏感にならないはずがない。


 俺は窓の外を見る。外はむかつくほどにきれいな夕日によって橙と赤にそめられていた。その光は窓から俺の部屋にも入り二人を照らしていた。


 光は文の顔にも当たり、真剣な表情でこっちを見つめているのがよくわかる。


 しかし、西の空が黒い。今夜の10時頃だろうか、雨が降ってくるだろう。


「一言…本当に一言で言うと無念、といったところか」
 俺は膝に肘をつき、そのまま髪を掻き上げる。


「無念…ですか」


「そう。残念だと人事に聞こえてしまうし、かといって自虐というわけでもな  い。悲しみのニュアンスもあり、適度の自虐、後悔、焦燥を兼ね備えた無念と いう言葉が一番しっくりくると思う」


 自分でも何を言っているのか分からなかった。でも、一流作家じゃないと言葉に表現できないようなこの今の俺の変な気持ちには一番近い言葉だと思う。


「……初めての意見ですね。参考にしていただきます」
 文は手帳にペンを滑らせながら問いを投げかける。


「では、次に、犯人の零という男について外来人の目にどう映りましたか?」
 零か…。一度しか会ってないからうまく言えないがな。


「すこし独特のオーラを放っていたな」
 まずは俺しか言えないであろうことからかいつまんで話を進める。


「少なくとも外の世界でもめったにいるような種属ではない。恐らく、生きてい る間になんらかの後天的刺激が彼を襲ったか、あるいは彼は科学技術の親から 生まれた人造人間か。しかし、人造人間だとしたらもうすこしオーラに雑念が 入っているはずだが、彼には雑念が感じられなかった。前者で考えるのが適切 だと俺は思う」


 話があまりまとまらないことに苛立ち、貧乏ゆすりをしてしまう。もうすこし現代文しっかり勉強しておくべきだったな。


「そうですか」
 紅茶に口をつける。いけね、砂糖入れるの忘れた。


 秋の日はつるべ落としという言葉が世の中にはある。しかし、別に秋じゃなくても当てはまるように感じられるほど外はすでに暗くなり始めている。


 別に何かあるわけでもなかったが俺は天井を見上げる。俺はそのまま前々から思っていた疑問を口にする。


「そうなると、彼のそばにいたと思われる朱鳥……彼女が怪しい」


「朱鳥……?」
 文はポカンとこちらを見つめてくる。果たしてこいつは新聞記者なのだろうか。今回の事件のカギを握るヒロインだぞ。


「お前知らないのか?零と同居していた八百万の神のうちの一人。彼女は今永遠 亭にかくまわれている」
 俺は視点を天井から文の二つの目に合わせる。


「そうだったんですか。今度調査してみますね」


「うむ」


「それでは、次ですが…」
 そう言って急に文が手帳を覗きこむ。なんだ?なにか読めない字でもあるのか?


「ん?どうした?」
 俺が手帳の中を覗きこもうもすると


「あー、いえ、なんでもないです、気にしないでください」
 と、やけに慌てた様子で首を振る。どうしたものか…


「いや……」
 しかし、文は何か落ち着かない様子で唸っている。俺は見ていられなくて


「いってみろよ」
 という。文はため息をついて、あまりにも不審な言葉を発する。


「いいでしょう。リュウさんには教えます。実は、その永遠亭の事件以降魔理沙 さん、紫さん一家の姿を見た人がいないそうです」


「!」
 その事実に俺は不吉な予感を感じる。


 魔理沙は今回の事件で俺以上に傷ついてしまった人間だ。行方が分からなくなったっていうのは果たしてやけになって自分を見失ってしまったのだろうか。不安だ…


 それに紫は一体何を考えている?あいつが考えていることは本当に分からない。


 だが、それは数学的思考から生み出した確立に基づく……もっと簡単に言うと、紫はすべてを見透かしてしまっているんだよ。


 だから、今回のことにも早めに手を打ってしまっているのかもしれない。


「なにか情報を持っていますか?」
 不吉な予感を払拭できない俺は、すこし文をいじめてみる。


「逆に聞こう。そのことについての情報を提供できた者はいるのか?」
 文は少し面喰った様子だった。


「……いるわけがないな。聞いた俺がバカだった」
 俺は換気扇から送られてくる風で波立つ紅茶の面を見る。


 根拠はない。全くない。が、何か不吉な予感がする。まるで、封印されるものがアリスにとどまらないような…




さりげない布石どうぞ~(何



LAP27 物を愛せば、愛されたものもしっかり答えてくれる


 そんな調子で小一時間取材を受けた。


 外も暗くなってきたので、文を門まで送ることにする。


「ありがとうございましたー」
 文は律義にも紅茶には一回も口をつけなかった。一応一通りのマナーは身に着けているようだった。


「こっちこそ、気になっていた情報とか聞きだして悪かったね」


「まあ、あまり気にしないでください。つらいはお互い様ですから」
 取材が終わり、ほっとする俺。


 取材とは言ったが本質的には文が詰まっていた情報を俺が教えたと考えた方が正しい。文もこの事件にはかなりの疑問を抱いていたようだった。


 まあ、今振り返ると穴はたくさんある。唯一犯行現場にあた魔理沙が消えたから確かな情報が得られない。


 それに、もしかしたら零が本気を出せば解除可能とかいうオチかもしれない。


 文は俺の部屋のドアまでよると、


「じゃあ、私はこれで失礼します」
 といって出ようとしてしまう。俺は、


「おい、ちょっとまてよ」
 と文を呼びとめる。


 一応門まで送っていかないと執事としての肩書が危うくなっちまうじゃないか。


「門まで送っていくから、何、遠慮はするな」


「ええ…じゃあ、お言葉に甘えて」


「よし」


 文も今回の取材で何かを得たようだ。少し満足げな顔をしていた。少しでも力になれてよかったぜ。


 外に出るとあたりはすっかり暗くなっていた。太陽の代わりに月が辺りを照らし、神秘的な幻想郷をさらに幻想的な空間に仕立て上げていた。


「アリスさん…封印解除できるといいですね」
 ふいに文がぼそりと口にした言葉が、俺達の空間に悲しみと落胆を呼び寄せた。


「ああ…そうだな」
 俺らの空気は重いものだった。


「でも、手掛かりがなければアリスに封印をどうにかすることはできない」


 地面を見つめる。きれいに並べられた石の脇から、苔が少しばかりだか進出していた。


「そう…ですよね…」


「…」


 話が続かないまま門までたどり着いてしまう。


 文には申し訳ない気持ちでいっぱいなんだが、お互い今の気持ちを整理するのに精一杯だろう。


「済まなかったな。まったく役に立てなくて」


「いいですよ。取材に協力ありがとうございました。それでは」
 門のところで文と別れ、すこし外の空気に当たる。


 アリスのことは今悔やんでも仕方がない。様子を見るしかないだろう。


「ふぅ…」


 俺は外の世界が醸し出す神秘さにようやく気がつく。


 なるほど、幻想郷の名にふさわしい雰囲気だ。こういった特殊なオーラが妖怪たちを集めるんだろうな…


「それにしても…」


 あの零という男、全く邪念を感じることができなかった。


 まるで、小学校2年生ぐらいの純粋な子供のようだった。彼が本当にアリスを封印した張本人なのだろうか。


 誰かがやってしまったことを彼が押し付けられ、さらに人がいいからそれを言えないでいる。


 彼は実際に口には出していなかったが、本質的なオーラが見える場所には、まるで誰かが上からインクを垂らして見えなくさせてるような状態になっていた。


 誰かに脅されているのかもしれないな…


「だとしたら…」


 わざわざ零という無関係な外来人を使ってブラックタイガーが俺に対して挑戦的な事件を起こすだろうか。


 まずないと俺はふむ。


 まず、ここ幻想郷に飛ばされた時のことを思い出してみるといい。


 あのときは、フゥとドレインの二人によってここまで飛ばされてしまった。あの二人はそしてブラックタイガーの一員であり、少なくともデスシャドーの配下であることは確かだ。


 つまりは、部下が出来たことはデスシャドーにできないはずがない。


 だから、もし俺がここにいるとわかったら直々にお目にかかれるか、それとも幹部が代理でこちらに来るか、いずれにせよどちらかだろうとは思う。


「うー…」


 それじゃあ彼はジャスティスウィングのスパイだったんだろうか。


 それもほぼ確実に不可だろう。


 なんてったって彼らはバンド活動をやめてまで中間、期末の試験に追われているはずだからね。


 まぁ、俺が今回の事件でどれだけ解決に貢献できるかは時間がたてばおのずと見えてくるだろうし、見えても見えなくても将来的に救出のためのビジョンを頭の中に構成させておかないと、あとが痛い。


 それにしても随分と冷えるものだ。3月に入ったとはいえども夜の冷え込みを甘く見ていたようだ。そういう理由で俺が部屋に戻ろうとした矢先、


「久しぶりだな、リュウサトウ」




題名がハヤテのごとくみたいだなと思った奴は人生の勝負で負け(何



LAP28 昨日の敵は今の敬遠の中が現代社会の悲しき方程式なのかなぁ?


 後で声がする。


 その声は男の声だった。


 零にしては音が低すぎるし、霖之助はこの時間にこんなところにいないだろう。


 じゃあ、いったい誰が俺を呼んでいるんだ?


 何か名状しがたい気持ちを板きつつ振り向く。


 すると、後ろには外の空気に当たりながら俺が推測していたことをすべて吹き飛ばし、アリスが封印されたことへの嘆き、悲しみが全て怒りに変換されるような男が立っていた。


 黒いマスクをかぶり、黒くて異様に長いマント。マントと同じように黒い服を着込み、不敵な笑みを浮かべる超人が白い鳥のような乗り物の運転席に立っている。


 そう、あいつは、あっちの世界で敵だった男だ。


「お前は…デスシャドー!!」


 俺はとっさに三節棍を掲げてデスシャドーに飛びかかる。が、デスシャドーはシールドで俺の攻撃をかわした。


「いかにも。元気そうだな」


 俺の攻撃をかわしたあと、相変わらずの不気味な笑いをこっちに向けてくる。


「貴様、なぜここにいる!」


 俺は今怒り狂っているのだろうか。それとも、何かパニックに近い気持ちになっているのだろうか。


 まったく自分の気持ちが分からない。


 とりあえず今真実として歴史に着々と刻んでいる事は、俺が叫んでいることだけだった。


 よく考えると、幻想郷に吹っ飛ばされたのも一重にこの男のせいだ。


 こいつが、トレイキョウ生活をぶち壊し(幻想郷の住人が全員親切だったのはこいつの誤算だったのか罠だったのかは知らないが)、とりあえず俺を土俵外に放り投げたことまでは、全てこいつの差し金だ。


 そして、今舞台はトレイキョウから幻想郷に舞台を変えてまたデスシャドーと対面している。


 全てを思い出した俺は怒りに震えていた。


「何故といわれても、答えようがない」


 そんな俺とは対照的に、デスシャドーはなに食わぬ顔でそっぽを向いた。


「アリスの封印をしたのは、お前なのか?」


 俺は頭に血が昇ってついこういう質問をしてしまう。


 この流れだとデスシャドーが封印したと誰でも思うだろう。が、


「封印?何のことだろうか。私は知らない。この世界の者がやったのではないのか」


 大げさに肩をすくめてデスシャドーはしゃべる。

 果たして、デスシャドーが直々にアリスを封印していなくても部下が封印していれば全く同じことだ。


「じゃあ誰がやったんだよ」


 思わず地面に三節棍をたたきつける。


「私がそんなことを知っているとでも思ったか。私は今さっきこの世界に来訪しただけだ」


「くっ……」


 デスシャドーにしては話に筋が入っている。


 このことを誰がどういう風にいおうと賛成だから仕方がないが、よりによってこいつがしゃべると何もかもが架空のことにしか聞こえない。


 無理もないか。あの残虐非道な男が正直になったら、それこそ世界に大地震が起きる日だ。


「そんなに睨むな。今日は久しぶりにお前にあえて私もうれしいので、プレゼントを用意してやったぞ」


 俺の心情とは正反対の顔でデスシャドーが話しかけてくる。もうすこし真面目になった顔はできないのか。


 あと、なんて言った?プレゼント?


 俺の知っているプレゼントという単語の意味は、普段から世話になっている人に贈り物をすること。また、その物である。


 はて、俺がいない間に文部科学省はプレゼントの語彙を修正したんだろうか。


 俺はこいつに世話を焼いた記憶はないし、まず第一にこんな男の世話をしているようだったらすぐに抹殺している。


「プレゼント?どうせ中身はましなものじゃねえんだろ」


 その通りだ。


 今回のプレゼントを含め、デスシャドーが企んでいることなんてましなことのわけがない。


 果たしてデスシャドーが考えていたことがましだった時期はあっただろうか?


 満月だった月に、いつしか黒い雲がかかり辺りを暗くしていく。


 妖怪たちも鳴きまくるのをやめたようだ。どうやら、妖怪たちは月の出ている夜にさんざん鳴くらしい。


 辺りは静寂の一色に包まれた。


 ただ唯一音を発しているのは、紅魔館の庭にある噴水から出る水の音と、俺達二人の発する声だけだった。


 そして、いつもの気味の悪い笑みを浮かべながら、ふいに口を開いたデスシャドーの口から出た言葉に俺は唖然とせざるを得なくなる。


「ほう、これからレースをして勝ったら封印解除のヒントを渡してやってもよいものを。アリス・マーガトロイドのな」


 いま、目の前の犯罪者が何を言ったのか、分かった人は俺に教えてほしい。できれば俺にわかるような言葉で。


 いや、冗談を言っている暇はない。


「!!お前がやはりはかったのか…」


 とっさに頭の回路の全てがつながった。


 零という少年を能力者だと見たててデスシャドーが封印し、そのまま零と朱鳥という女神に何らかの方法で脅しを入れたのだろう。自分達は能力者であると主張し続けること、とね。


 そして、自分は(どうせ俺なんだろうが)幻想郷の住人の出方を高みの見物しようとした。


 しかし、幻想郷の住人の予想外の奮闘で封印解除の日が早まりそうだったことを危惧したこの男は何かしらの用事をでっちあげて俺に会いに来たと。


 そうか、すべてお前のしわざなのか…


「私は今回の件について一切の提供を施していない。人聞きの悪いことを言わないでくれたまえ」


 ここまで完璧な理論が俺の頭の中で成立している以上、デスシャドーの言葉は反射的に頭が拒否する。


 まあいい。たとえ一億歩譲ってもだ、


「……で、レースといってもコースがないじゃねえか」


 ここは幻想郷だぞ。トレイキョウでもなければグリーンランドでもチュンダーでもない。


 どこにF-FIRE用のコースがあるのは教えてほしい。


 しかし、この俺の疑問はすぐに解消されることになった。


「コースのことは心配しないでくれたまえ」


 そういうと、デスシャドーはにやけた顔をそのままに手を挙げた。


 なにが起きるのかと見ていると、周りが真っ暗でよく見えなかったのだが、なにか黒いものが宙に浮かんでいるのが見えた。


 かなり大きい。紅魔館の建物ぐらいの大きさはあるだろうか。


 あれが宙に浮いているなんて、物理法則をシカトするにも程がある(もっとも、俺が言えることでもないのだが)。


「あれは…?」


 奇妙なギシギシという不快音を響かせる黒い物体を見上げた後、それを指さして俺はデスシャドーに問う。


 答えはいたってシンプルだった。


「システム濃縮折り畳み式レースコート。ブラックタイガーが開発したものだよ。全長が20000mと短いがね」


「折り畳み式?」


 ほう、まぁ随分とブラックタイガーの持っている技術は発達したものだな。折り畳み式のコースだって?


 もしそれをF-FIRE運営委員会なんかに提供したら一気に立場が有利になるんだろうな。それでも委員会に提供しないのが非常にブラックタイガーらしい。


「つまり、私たちがレースをしたいと思った時にいつでもどこでもレースが出来るようにすることを目的にしたものだよ」


 その言葉が終わるか終らないうちに、デスシャドーはあげていた手の指をパンと鳴らした。


 すると、巨大な物体は空中のある地点に泊まり、だんだんと変形していった。


 さっきも言ったとおり夜だから暗くてよく見えないが、なんだか細長いひし形のようになっていった。


 と思うと、先のとがった部分からその物体が裂けていく。


 一方では、地面に近いほうの先端はゆっくりと、まるでピザの生地をのばしているかのようにつぶれて、伸びていった。


 ここではただ単に上が裂け、下がつぶれた変な物体だっただけだが、俺にはこの意味不明な物体がどう展開していくのかが読めた。


 そして、案の定上の先端は完全に裂け、下の先端は細長く延ばされていった。そして、脇にセットされていたガードビームが光を放った。


 とても平和な幻想郷。建物も必要最低限の物しかなく、それ以外は森、湖など一般に自然と呼ばれるものしかなかった。


 が、突如現れたデスシャドーの手によって幻想郷上空200mの所に、小さめの(おそらく一般人が見たら巨大と思うだろう)コースが、馬鹿みたいに大きい月の明かりとガードビームの発する光とで鮮やかにライトアップされていた。


「全長20000m、うねり度数3、カーブ頻度度数4の特別コースだ。スタートしてすぐに緩やかなカーブがあり、それを超えたところで大ジャンプがある。後に直角カーブの連続の後にS字カーブ。その後直線コースが続き、コの字カーブを過ぎれば1LAPだ。このコースは全長が短いので5LAPレースにしようと思うのだが、どうかね?」


 デスシャドーはそういうと腕を組んで、気味悪い笑みのまま俺を睨みつけてきた。あとは俺の返事を待つのみという意味なんだろうか。


「……」


 俺は考えた。


 デスシャドーがヒントを本当に知っていて、かつ負けたら教えてくれるかなんてことは俺には分からない。俺はそこまで勘ぐり強いわけじゃないし、そこまでお人好しってわけでもない。


 ましてや、トレイキョウではさんざん街を痛めつけ、世界を恐怖に陥れた大犯罪者だ。


 それを敵に回していたとして、読者はその敵の言ったことを二つ返事で信じることが果たして出来るだろうか。


 それに、俺はレースなんてものは一年ご無沙汰だ。


 テクニックで勝ってもコース取りは初心者同然の域まで落ちているであろう。


 ここ最近はレースどころではなく、F-FIRE級の速さで走っていない。


 その大きなハンデを含めて考えると、もはや俺の負けは同然と決まったようなものだった。


 だが、俺の体は正直に反応していた。


 心臓の鼓動は早くなり、全身に血が流れる。体中が興奮しているようだ。


 これがF-FIREパイロットの性、ジャスティスウィングの性、そして俺自身の意地なんだろうか。


 もう俺には選択肢は一つしか見えていなかった。


「そこで待っていろ。執事服じゃあ本気を出すことが出来ねえからな」


 一言デスシャドーに投げつけて俺は紅魔館に戻る。


 正直、勝つ自信はなかった。


 レース直前は勝ち気になることで精神を安定させていたが、思い込みでは補えないほど俺の実力は落ちている。


 が、緊張は全然していない。


 今俺の中には熱いF-FIREパイロットの血が流れ出していた。


 これが、男の「情熱」というものであろうか。


 デスシャドーは難敵だ。この前のグランプリでも俺のポイントの-1程しか離すことができなかった。


 レースだって、あいつと競り合うことはできない。あいつのマシンは頑丈で重いからボディEの俺が立ち向かえることができないのだ。


 ましてや今回は1対1の指し。デスシャドーは確実に俺を潰しにかかるだろう。


 あいつはブラックタイガーの長。俺がレースに参加できずに腕が落ちている今を狙って来たのだろう。


「上等!」


 漲る気持ちで高揚した俺の気持ちをそのまま言葉にしてみる。


 勝つということは考えていない。楽しむのだ。一年ぶりのレース。あの迫力をもう一度味わうことができるのだ。


 楽しむしかない。


 俺の部屋に戻ってあっちの世界にいたときの服を着込む。緑色のシャツに白いジャケット。シャツよりも深い緑のズボンを光り輝く銀のブーツの中にしまいこむ。白い手袋をはめ込み、耳にマイクとフォンを取り付ける。フォンのバネを俺の口の前に持ってくる。


 準備はできた。出陣だ。


「待ちなさい」


 声がする。振り向くと、相当怒っている様子の咲夜がいた。




すでに本が作れるぐらい連載続けた気がする









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最終更新:2009年12月23日 21:19