祝!小説10ページ目突破!
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この小説も随分長く続いています。
というわけで、お祝いで本家の画像どうぞ。
やっぱ本家はかっこいい。
LAP37 メッセンジャー「デスシャドー」は不運を運ぶ
「ふっ…リュウサトウよ、死んだか?」
「これで死ぬほど柔じゃねえよ」
俺はデスシャドーに声をかける。こいつのこんな無様な姿は初めてだという顔をデスシャドーにされたが気にしないことにする。
確かに、コックピットから逃げるのを忘れていた俺は体のあちこちを打ちつけてしまっていた。
「さて、そんなに外傷があって無事と言えるのかね?」
「けっ、言えるわけねえだろ」
俺は口の中に溜まっていた血が混ざった痰を吐き捨てる。
レースが終わった後の冷えた頭でレースを振り返るが、すぐにそんなことはやめる。考えるだけ時間の無駄だ。無茶のしすぎだ。この俺が自分でそう思うんだから、正真正銘の無茶なんだろう。スーザンが見てなくてよかったぜ。
しかし、無茶をしでかしたじゃあ今回はすまないようだ。体中にあざと火傷を負ってもう立っているのがやっとだ。俺を優勝に導いた立役者も、この優勝をかみしめる暇もなく粉々に散ってしまったし、結果だけ見るとデスシャドーの勝ちかな…
「昔のお前の無茶だけは依然残ったままのようだったな。いや、むしろヒートアップしているだろうか」
「俺だってさっきまでの俺にびっくりだよ。あそこまで無茶する体質だったとはね」
俺はあまり言う事を聞いてくれない左手を腰に当てて大きくため息をつく。さすがに疲れたわ…一年もレースをやってないでレースをすると、さすがに息もぜえぜえになるわ。
っと、そろそろ本題に入るとしますか。
「さて…あんたは負けたんだ。アリスの封印を解く方法を教えてもらおうか」
俺はエンドレスフィアのそばまで歩み寄り、コックピットでいまだにやにや顔のデスシャドーをにらみつける。
「幻想今日でできた初めての友達だったんだ。本来ならばお前をぼこぼこにするところだが、それじゃあなんの解決にもならない。お前が知っていることを洗いざらい吐け。どうせお前が仕組んだことだろ」
「ふっ…致し方あるまい…」
デスシャドーはため息をつくとゆっくり話し始めた。
「アリスマーガトロイドの封印は、まず狛萩零という男を幻想郷外に出す必要がある」
「幻想郷外?」
「つまり、我々の世界に戻すということだ」
いまいちピンとこない。幻想郷外って、どういうことだ。我々の世界に戻すってことは…
「あいつは俺と同じトレイキョウからの外来者なのか」
俺は確認のために聞き返す。
「そうだな。そんなところだろう」
デスシャドーは首を縦に振る。なら、次の質問だ
「幻想郷の外に出ることはできるのか?」
すると、デスシャドーは両手を肩のところに持ってきて、
「私は知らない。ただ、まずそれをすることが重要だ」
わからない、のポーズをする。
「…テメェ」
お前はこの俺をこの世界にぶち込んだんだろうが。ってことは幻想郷からの脱出方法を知ってんじゃねぇのか。つくづく卑怯でムカつくやつだ。
「そんなに睨むな。私はヒントを与えるだけと言ったはずだ」
デスシャドーはそういって低い笑い声をあげる。デスシャドー……どこまでがお前の計算内なんだ。
「お前は知らないって、じゃあどうやってお前は帰るつもりなんだ」
「いずれ、わかることだろう」
……この野郎。
「テメェ……どこまでしらばっくれるつもりだ」
「おっと、誤解しないでくれ。本当に私は知らない」
嘘つけ。じゃあもっと事態は深刻になってんだろうが。
……これ以上このことで言い合いをしていてもらちがあかねぇな。
「もういい。で、零を出した後に何をするんだ」
「そうすることによってアリス・マーガトロイドを封印している媒体の決勝結合が微量だが緩くなる」
「そんなことはどうでもいい。何をすればいいのかと俺は聞いている」
だんだんイラついてきた。さっさと要件を話さんかいコラ。
と、急にデスシャドーの顔からにやにやが消える。こいつ……こんな顔も一応できることはできるのか。
そして、この場には俺しかいないが、俺にしか聞こえないような声で低くゆっくりとこう言った。
「その後、お前の波刀を使って切ることによって封印は解かれる」
お前……ちゃんと歯磨けよ。息かなり臭いぞ。
いや……今こいつ、何て言った?
「波刀…だと…?」
俺はあまりの驚愕の事実をつきだされて呆然とする。
「そう。お前の命を犠牲にして作るあの妖刀のことだ」
波刀―――それは俺が持つ最強、そして最大の武器だ。そして、ここからは生まれつきの知識なんだかどうだか知らないが、いつの間についていた知識であるが、この刀は俺の波動を主成分にした刀。ただ、その量は俺が立っている世界のありとあらゆる波動を集結させたもので、そのパワーは、それだけで惑星一つを滅ぼせるぐらいの威力はもちろん。銀河系の一つをふっとばすぐらいの威力がある。
そして、これだけなら使い勝手がとてもいいんだが、ここにとても面倒な設定が入る。それはなにかというと、波刀が切れるのは、目に見える幻の物体という、とてもありきたりな設定。まあ、これだけではピンと来ない人もいるだろうから詳しくいうと、本来は実在しないのに目に見える、例えば幽霊などを切ることができるのだ。
逆に、実際にこの空間の座標上に存在するものならば、豆腐すらも切れないという、一風変わった刀。だから種族は妖刀に入るわけであるが、これはあくまで俺の推測というか、もとからあった知識だ。実際に使ったことはない。
なぜその波刀という刀を使ったことがないかは、非常に簡単な理由で説明することができる。さきに難しい理論から説明させてもらうと、さっき波刀は銀河系一個をふっとばすほどの力があると言ったが、これは読者でも予想がつくように莫大なエネルギーを消費することになる。そして、そのエネルギーの根源は俺がつくりだした妖刀「波刀」であることはさっき説明した。
なら、波刀の大きさはというと、これは実は俺の身長ぐらいしかない。つまり、だいたい180cm程ぐらいしかないということだ。つまりなにがいいたいかというと、そんなちっぽけな刀の中に莫大なエネルギーを蓄えるというのは相当な負担をかけるというわけだ。そして、波刀は耐えきれることのできなかった負担は腕を通じて俺にかかってくる。すると、必然的に俺の体の中に銀河系一個をふっとばせる程のエネルギーが蓄えられるべきだ。
そして、その状態で波刀を振ることで体にためていたエネルギーを一気に放出するという理論が成り立つが、そのパワーがあまりにも莫大過ぎて、そのリバウンドで全ての生命エネルギーがストップしてしまうのだ。
これを簡単に言うと、
これを使うと俺は、死ぬ。
アリスは絶対に助けたい。というか、助けなければいけない。この課題は俺に課せられた課題だとまで自負している。幻想郷で初めて友達になれたのだし、幻想郷のイロハを教えてくれたのは咲夜だが、ほかのイロハを教えてくれたのは全部アリスと魔理沙だった。だから、その恩を返すようなニュアンスで俺はこの事件を捉えていた。
だけど、アリスと代償に俺が死ぬのか…?確かに、アリスの封印が解除できたら、これ以上のうれしさはないだろう。だけど、その代わりに俺が死んだら紅魔館の人達はどうなる?復活したばかりのアリスはどうなる?もっといえば、向こうで俺の帰りを待っているはずのジャスティスウィングのメンバーはどうなる?
「さして、これが重要だ」
呆然としている俺に気付かないのか、そのままデスシャドーがまじめな顔を維持した状態て俺に言う。そして、俺はその言葉を聞いてさらに呆然とする。
「私はこれで終了にする予定だったのだが、何者かがアリスマーガトロイドの封印媒体に爆弾を仕掛けた。3日間の間に封印を解除できなかった場合、アリスマーガトロイドは爆発。そのまま消滅してしまう」
「何っ!!!!」
俺はあまりのことに言葉を無くしてしまう。3日…後に爆発だと…?あまりにも酷過ぎる。そんな短期間にいまデスシャドーが言っていた課題をクリアするなんて、不可能だ。
そして、デスシャドーは言葉を続ける。
「その爆弾を仕掛けたと思われる組織を、我々は「X」と名付けているのだが」
「……」
俺は足元を見つめたまま動けないでいたが、まだデスシャドーの口からは呆然とすべき事実が発せられるのだった。
「今、トレイキョウでも我々を凌ぐ恐怖が「X」の手によって覆っているのだ。我々ブラックタイガーも壊滅。すでにF-FIRE開催惑星も二つ消滅された」
「なっ!!!」
俺はそのままデスシャドーに飛びかからんばかりに詰め寄った。うそだろ…?そんなこと……向こうで起きているなんてよ……?
「うそだろ……」
俺はデスシャドーの肩にかけていた手を力なく下す。
こんな一大事になっているときに、自分が何の役に立っていないのを思い知ると、くやしさが止まらない。それに、アリスの封印の件でさえも、俺はまだ何の力になれてない。考えれば考えるほどに俺は自分を攻め込んでいた。
「我々は今だけ銀河警察と手を組み、その組織に対抗しているのだが、全く歯が立たない。我々の仕組んだことには一切協力しないが、謎の組織「X」による仕業だと思われるものなら我々も協力する。くれぐれも気をつけてくれたまえ」
あまりのことに言葉を無くす。
ブラックタイガーを壊滅させるほどの悪が誕生した…?俺は悪い夢でも見ているのだろうか。
あれだけ、というか詳しい時間を出せば4年間俺たちジャスティスウィングのメンバーはブラックタイガーとの攻防を毎日の如く繰り返していたのに、俺がこの世界にとばされて僅か一年の間に、ブラックタイガーを壊滅させるということは、概算でざっと俺たちの4倍の強さを誇る組織だということになる。
「何ということだ……」
俺は空を仰ぎ見る。はたして、トレイキョウは昔の俺が愛していた姿を維持していられているのだろうか。もしかしたら警察と「X」の抗争でもう荒廃しているかもしれない。そう考えると、居ても立っても居られない気分になってしまうが、残念ながら俺が出られる幕じゃない。
さらにいえば、3日にすべてを行わないとアリスマーガトロイドは消滅……デスシャドーの言った手順を円滑に済ませ、かつ俺もアリスも死なない方法を考えなければ、俺またはアリスが死んでしまうことになる。
くそっ!完全にペースを持っていかれている。
「X」とやらが何をしたいのかは分からないが、おそらくこの状況を上から見て高笑いをしているのだろう。忌々しい!!
「私はしばらくの間この世界に移住する。なるべく表には立たないつもりだから気にしないでくれたまえ。それでは」
俺に衝撃の事実を伝えに来たメッセンジャーは言うだけ言ってマシンに乗りそのままどこかへ走り去ってしまった。俺はただコース上に呆然と立っているだけだった。
夕方あたりに西に広がっていた雲がこっちに来たのか、雨が降りはじめた。その雨は、レース後ずっと燃えていたブレイクダークの火災も鎮火させる。幻想郷の冬、それに夜、さらに悪い事に雨が降ったおかげで急激にあたりは寒くなってきた。
その寒さから逃れるためにはやく紅魔館に帰らなければならないのだろうが、俺はまだその場から動けなかった。
俺の意識はトレイキョウを心配することだけにあった。
トレイキョウ…今はどうなっているんだろう。ジャスティスウィングのみんなの安否が気になる。そんな悪の組織が結成されたら、まず第一にその組織はジャスティスウィングの壊滅を狙ってくるだろう。スーザン、ジェームズ、マイケル、ロジャー、メアリー、リチャード…誰も死んでいないこと祈るだけだった。早く向こうに戻らないとトレイキョウが壊滅してしまわないだろうか…
それに、アリスの事件がまた一躍独り歩きしてしまった。どうすればうまい具合に事が進んでくれるのだろうか。
とりあえず、デスシャドーは零をこの世界から出すことによって若干封印媒体の結晶なんたらがどうたらこうたらとか言っていた気がする。つまりは、零をこの世界から出せば多少だがアリスを開放しやすくなるということだろう。ということは、まず、零というあの青年を一刻も早くここから出さねば。でも、どうやって?……
考えれば考えるたびに大きな壁にぶつかり、俺は肩を落とす。
後から切った境目だから切り方がへったくそwww
LAP38 十六夜咲夜とリュウサトウは忘れられない夜を過ごす
その時、レースに落ちる雨の音にまぎれて
―――――タッタッタッタッ
と、後ろから誰かが走ってくる音が聞こえた。振り向くと咲夜がこっちに向かってきた。こんな土砂降りの中俺が返ってこないことを心配してくれたのだろうか。やはり、お嬢様がこの前言っていた紅魔館の皆は家族だってことをしみじみ感じるなあ。俺は早い段階に家族を亡くしたから、すごくこういうのがうれしい。
「咲夜。すまない、今帰―――ッ!」
―――――パシン
俺が咲夜に手を挙げて話しかけると、咲夜の手はハイタッチを求める手をそのまま通り過ぎて俺の頬にクリーンヒットする。
「…ってぇ、何すんだよ…」
よろめいた体を立て直して咲夜をみると、手が震えている。どうやら咲夜は相当怒っているようだった。
「馬鹿!!どれだけ心配かければ気がすむの!!」
咲夜が肩で息をしながら怒鳴りつけてくる。俺はその瞬間頭のスイッチがデスシャドーのメッセージからレースの情景に切り替わった。そして、ゴール後の大爆発を思い出す。
「すまない…あれは…」
ピンと来た俺は咲夜に謝ろうとするが、それをも許さないオーラで咲夜は俺に威嚇してくる。しまった。ここまで咲夜を怒らせてしまったとは…
「ショートカットで無茶するわ、ゴールした直後に大爆発するわ、見ていたこっちの気持ちにもなってよ!!」
咲夜はそれだけ言うと俺から目をそらし、下を向く。
「す…すまん…」
俺はデスシャドーにあってからようやく冷静な気持ちを取り戻した。今考えると無茶苦茶なレースをした。咲夜が怒るのも無理はない。
「あなたが死んだらどうするの!あなたは良くても私たちがよくないの!!」
「……」
反省と自虐で言葉が返せない。怒られている内容はスーザンと全然変わらないが、咲夜の言葉ひとつひとつには俺の心に訴えかけてくる何かがあった。
「それなのにあんな無茶して…ほんとあなた馬鹿よ!」
「……」
「どうして…どうしてあんな…」
咲夜の声が次第に小さくなる。
「すまない…」
レース後ブレイクダークは燃え尽きたが、正直俺もさっきのレースで燃え尽きていた。まともな反応が出来ない。
「ほんと、馬鹿としか言いようがない…」
咲夜はそう言って肩を震わせた。
「本当……」
咲夜の声は若干だが震えているように聞こえた。
「咲夜…」
俺は心配になって声をかける。泣いてるのか?もしかして、そんなに心配をかけちまったか?
「…!!」
俺が咲夜に声をかけつつ肩に手を置こうとした途端、急に咲夜が俺に抱きついてきた。俺はあまりのことに驚いて座り込む。
「さ…咲夜!ちょ、お前…」
俺は普段の咲夜を知っている。一年間も同じ仕事をしているのだからな。いつも咲夜は規律正しくて、俺や妖精メイドには厳しくて、それでいてお嬢様以上に紅魔館を愛していた。
それゆえ、行動が少々固いところがあってクールな印象が俺にはあった。
だから、今のこの咲夜の行動に完全に意表を突かれてしまった。まさか、咲夜がこんな大胆なことをするとは思わなかった。
俺の胸ですすり泣きながら咲夜は震える声で話す。
「私……あなたのレース見てあなたがどれだけF-FIREが好きなのか分かったわ…見ているこっちがわくわくしてきたもの…」
「……」
俺は咲夜の肩に手をまわして抱き込み、目を閉じて咲夜の話を聞く。
「あたなに惚れちゃったのよ……一言で言うと」
……これは……告白?状況と咲夜の真意が読めずに俺はうろたえる。
「なのに…惚れた矢先に死んじゃったら……どうするのよ…」
そういって、咲夜は俺の夢魔もとをぎゅっと強く握りしめてきた。
「咲夜…」
俺の胸の中で咲夜がすすり泣く。
雨がいよいよどしゃ降りになってきた。雷は落ちてこないものの、雨が俺たちを強く打ちつける。正直、痛い。
だか、なぜか咲夜にこれ以上痛い思いをさせたくなかった。こんなになるまでにレースを見守っていたにもかかわらず、俺は勝ちたいという俺だけの願望を負っていたんだ。
結果、俺はそのレースに勝って喜んだが周りの心を気づつけてしまう結果を読んだのだ。
これ以上傷つけてしまっては俺の男としての一面がズタズタになってしまう。
俺は咲夜の背中にジャケットをかけてやる。
「…え?」
「雨が直接当たって痛いだろう。これでもかけておけ」
「うん…」
咲夜がこっちを見上げてくる。雨の中、咲夜の表情は真剣だった。男たるもの、これは真剣に受けなければならないと思った。
「リュウ…」
「どうした?」
俺は極めて優しい声で聞き返す。
「かっこよかったわよ」
「あ、ああ…心配をかけてすまなかった…」
俺は気の抜けた返事を返す。まさか咲夜がこんなことをしてくるなんて誰が想像したことがあるだろうか?
「目…閉じてくれる?」
少しの間の後、咲夜が囁くような声で聞いてくる。
「どうしてだ」
まさかとは思ったが、一応確認。
「ちょっと…恥ずかしいから」
そうか……本気なんだな。
「……わかった」
俺は咲夜に言われたとおりに目を閉じる。
咲夜はそのまま俺の顔に自分の顔を近づけていき、
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―――――お互いの唇が重なり合った。
今日の夜は、長くなりそうだった。
アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
や……やぁ……
今さっき……
美鈴から……飛び膝蹴りくらって……
パチェから……雷おとされて……
お嬢様に……血全部吸われて……
フランに……ギュッとしてドカーンされて……
そのあと……全国の咲夜さんの夫に……ふるぼっこにされて……
二次元の……イラストレーターさんにも……ふるぼっこにされて……
挙句の果てに……咲夜が……この世のナイフ全部投げてきて……
椛に助けてもらわなかったら俺死んでた……
まっ!!!椛にキスされたから元気いっぱいだけどねっ!!!(((((((((((((
あ、まて文様。わしはそんなよこしまな思いは…
アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
LAP39 金属片を片手に取り、リュウサトウは思案する
※今回から一話一話を細かく区切っていきます。
――――――――――――アリス爆破まで、あと2日――――――――――――――――
「つーか、ひどい壊れ方したもんだよ。こりゃ」
ここは幻想郷。そして、昨日デスシャドーと死闘を繰り広げたコースの上。空はニコニコとしている太陽をまるで抵抗せずに浮かべているが、対する俺は地の底に堕落していくように浮かなかった。ついでにこの後どうするかのアイデアも浮かばなかった。
理由は単純。目の前に転がっている金属の破片と黒こげになったプラチナの板。
この、地獄を具現化したような景色は他でもない。俺のために自らを犠牲にしてゴールに突進したブレイクダークの残骸である。
といっても、このままばらばらになっていられても非常に困るので修理に取り掛かろうとしているんだが…
まったく手がつけられない。困ったもんだよ。エンジンは壊れているわ、ボディはかけらもなく燃えたわで、主要な回線も含め全部消えた。いや、正確には煤と化したブレイクダークの各パーツが無残にばらばらになって転がっていたんだが…。いずれにせよ、このボロボロになったブレイクダークを元に戻すのは徹夜もんだな…
ただ、煤がこびりついて黒くなっているだけなら磨けばどうにかなる。そうだったら結構早く修復作業は終わるかもしれないな。
という切実な願いを引っ提げた。俺は足元に転がっていた、おそらくマグネットの通話スピーカーの回路の一部と思われる物体を手に取ってみた。が、俺の願いは神様に行きとどくまでの道のりで不良品とみなされ処分されたか、もしくは神様の意にそぐわなかった言葉遣いで願ってしまったのか、それはすべて灰になって粉々に散っていってしまった。
「おいおい…」
自分のしたことは自分に返ってくるという言葉はよくできたものだ。いままさしく俺はそういう状況に陥っているだろう。ブレイクダークに無茶させた結果、こうして困り果てた自分がいるわけだしな。
さて、自分のしたことは自分に返ってくると言ったが、昨日は何をしただろうか。あまりにもヒートアップしすぎた俺とブレイクダークのおかげで昨日の夜の3時間ちょいの記憶がすべて吹っ飛んでしまっている。覚えている範囲だけで思い出すと…
昨日は、少し……まあ…うん。
深く考えるのはやめた。理由は、もっと恥ずべきことを後でしたのを思い出したからである。
あまり深く考えると、ちょっと咲夜とまともに話ができなさそうだ。今考えるとすっげぇ恥ずかしいことをさらっとしたもんだな。やばい、自分でもわかるぐらい赤面してきた。他のことを考えなきゃ。
nそれにしても…お嬢様のペナルティが怖い…何されるんでしょうかね。500年生きている吸血鬼だから何か恐ろしいことをされるのは目に見えている。頼むから体中の血を吸い上げるという無茶はよしてほしい。俺死ぬから。
しかし…想う人がいるというのはこんなに人を変えてしまうもんなのか。確かに、いきなりキスから始まった恋だしな。最初にクライマックスをもってきたらそりゃ照れるだろうけど、咲夜のあれはちょっと過剰だ。まあ、俺は深く考えないとキッパリ自分に言い聞かせたから(そうでもしないと頭が年がら年中ピンク色になっちまう)何とも思ってないけど、向こうはそうでもないらしい。
今日の朝だって、廊下でばったり会ったとたん向こうは顔を赤くしてうつむいて
「あ、えっと、おはよう、リュウ」
と小さい声で言った。咲夜から仕掛けてきたキスなのに咲夜のほうが照れてちゃ駄目じゃんと思うんだが。
俺としてはあの夜のことはバッサリ切ってくれたほうが気持ちがいいんだがな。それは仕方がない。それに、いままでの咲夜じゃあり得ない行動だったから少し悪いことしたかなっちゅう気持ちにならざるを得ないのも少し苦しい。
で、話を戻すわけだが…。どうするよ。
俺はその瓦礫から舞い上がってくる煤にものすごい頻度で噎せてしまいつつも、プラチナ板に下敷きにされたエンジンをのぞいてみる。
が、必要な回路はもちろん、回路の基盤までもが焼けてただれてしまっている。おまけに煤がこびりついてしまっているから、今これに電気を通すと惨事が起きるだろう。どっちにしろ使い物にならないわけだ。
「まいったな…YVR-64型エンジンなんてここじゃあ売ってない筈だし…」
俺は煤だらけになってしまった顔と手を濡れたタオルで拭き取りながら思案する。
これじゃあにっちもさっちもいかない。どこかに…
っと、確か幻想郷には素晴らしいエンジニアがいたではないか。
「にとりのところ行けばあるんじゃねえか…?」
にとりの処なら違うエンジンでも何かしらあるかもしれない。それに、一度にとりがブレイクダークに興味深深だったときに貸してあげてるから、もしにとりがブレイクダークをまねて作っていたとしたら好都合だ。にとりのことだ。もしかしたら俺が前使っていたエンジンをさらに改良したエンジンを持っている可能性もなくはない。
そう思った俺はローラーボードでにとりのいる洞窟まで行くことにした。
こういう体系にしないと話数が稼げないことが判明(((
LAP40 幻想郷一のエンジニアを、リュウサトウは訪問する
にとりのいる洞窟までは、河伝いに登っていくと行けると霊夢から聞いたことがある。不確かな情報だから一人で行くのはまずいんだろうけど、迷ったとしても湖まで戻れば帰れるだろう。
それにしても、久々のローラーボートだ。最近は移動は全部ブレイクダークで飛んでいったから地上が懐かしく思える。
3月ということで河も雪解けの水が流れて随分と水が増している。梅の花もそろそろ散り始めて、道には赤い花弁が点々と落ちているところを見ると、とても気持ちのいい風情を感じる。空からじゃあ紅葉の秋しか堪能することができないからな。たまにはほっつき歩く(本当は歩いてなんだが)のも悪くないな。
といっても、川辺には洞窟らしき穴が大量にある。こまったことににとりの洞窟を特定することは俺にはちと難しすぎる。
「そうか…」
俺は幻想郷……というか、世の中の常識を思い出した。
当然だが、世界には自分の知人以外にも生きているやつがごまんといる。それに、当然しらない生き物のほうが知っている生き物よりも多いわけで、それを考えるとこんなに洞窟があるのもにとり以外の河童たちの住み家、さらに言えば熊の妖怪とかもこうやってそれぞれの洞窟を作って中に生息しているのかもしてないのだ。
ごくごく普通のことだが、俺の知人以外の生物たちはあまり外出しないので、紅魔館にこもっていた時期じゃあ特定の生き物しか会えないわけだ。
しかし、そうぐだぐだと理屈を並べたところでにとりに会えなければ意味がない。
「どうしたものか…」
俺はローラーボートから降りて、歩いて川沿いを歩いていく。
今見えるぐらいでざっと300は洞窟がある。これを片っ端から探して行ってにとりを見つけるのはだるい。
それに途中のぞいた洞窟が人を襲う妖怪の住み家だったら、それこそ洒落にならん。
かといって、今俺は全部の洞窟に届くぐらい大きな声を出す元気がない。
「困ったな…」
なすすべを無くして、あきらめて帰ろうと思っていたその矢先、
「リュウ、なんでここにいるの?」
……この声は?
後ろで聞き覚えのある声がしたので振り向くと…
「にとり!」
まさに今探していたにとりという河童がいた。にとりはいつもの作業服になぜか釣り道具を持っている。
「お前…釣りが趣味だったっけか?」
いまいち覚えがないので聞いてみると、
「これは改造した釣竿でね、それの動作確認をしてたんだ」
非常ににとりらしい答えが返ってきた。ちょっと興味があるな。その改造釣り竿ってぇのに。
「ちょうどいいや。どんな代物なのか見せてくれや」
「でも時間大丈夫?用事があって来たんじゃないの?」
あ、そうだ。
俺は腕時計の時刻を確認する。時間は…まだ10時前だ。大丈夫だろう。
「多分大丈夫だ」
「そう。じゃあ私についてきて」
そういうと、にとりは川の上流のほうへと向かっていった。俺も苔の生えた石で滑らないよう必死についていく。
結構早めの投稿
そろそろ大推敲しようかなぁなんて思ってみたり(((
最終更新:2009年12月23日 21:09