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とうとうローマ数字きれたwwwwww


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新年明けましておめでとうございます。

新年はてんこで祝いましょう。嘘です。これしか見つかんなかったwww




LAP46 レミリア・スカーレッドはリュウサトウの血を吸う


「―――っ!!」
 全身に猛烈な痛みが走った。俺は痛みで倒れそうだった体を、結界についた手で支える。


 何だ…これは…


―――――バチン


「ああっ!!」
 さらに痛みが増量。俺はとうとうその場に倒れる。
 この感覚は…


 何かが体の中から膨張している?


「う…ああ…」
 地面に体を横たえてなお、痛みはとどまることを知らない。


 だんだんと意識さえもがもうろうとなってきた。


 そして、追い打ちをかけるかのように、


―――――バチン、バチ、バチン


「ぐっ…」
 結界内のどこかで放電が起きるたびに俺の痛みは上乗せさせられていく。


 一体、体のどこが膨張しているんだ?
 肺か?いや、全身が膨張してくるのだから違う。なら、神経か?いや、それなら腰や首が破裂して死んでいるだろう?なら……


「随分と苦しそうね、リュウ」
 背を向けたままのお嬢様が俺に声をかける。


「お嬢様……なぜ……このようなことを……」
 俺の意識はもうすでにカケラしかなかったが、お嬢様の言葉にこたえる。


「あなたがもっと美味しくなるための調理よ」
 調理だと?お嬢様は俺のことでも食うつもりなのか?


「ぺナルティにしては……きつすぎますよ」
「だから覚悟が必要なのよ。言ったでしょ」
「ですが……これはいくらなんでも……ああああああっ!!!」
「仕方ないわね。これが終わったら少しだけご褒美をあげるわ」
 すでに返事もできないほど辛い。

 が、


―――――バチン!


 いままでかつてない大きい放電によって俺の痛みは倍以上に膨れ上がる。
 俺はうめき声させだせなくなっていた。体全身が痛くて悶えることすらできない。ただ、俺はこの痛みに反抗するすべもなくただ寝転がっているだけになってしまった。


 そして、目を閉じて意識を無くしてしまう寸前に、


「これくらいかしらね」


 ずっと俺に背を向けていたお嬢様がとうとうこっちに目を向ける。そして、俺を苦しめている結界に手を触れ、


―――――ガラっ


 結界が崩壊し始めた。それにつれ俺の痛みは徐々に引いてゆき、結界が完全崩壊した後は先ほどの痛みの余韻しか残らなくなってしまった。


 そこに、お嬢様が来た。


「お嬢様……これは一体……」
 地面に仰向けに倒れたまま、お嬢様を見上げて問う。


「序章よ。これからよ、本編は」
 お嬢様はそういって俺のそばに座った。


「ちょ……」
 すこし様子をみていたが、お嬢様のやろうとしている行動に慌てる。


 何をするかと思えばお嬢様は俺の上半身を起こして自分の体にもたれ掛けさせる。そして、ブレザーを脱がせ、ネクタイも外してこともあろうにYシャツのボタンにも手をかけてきた。


 ブレザーとネクタイを取られるのには素直だった俺もさすがにこれはまずいと思う。


「お嬢様、いけません」
 体は全く動かないので、唯一元気に動く口でお嬢様を制す。


「あら、何を考えているのかしら」
「不謹慎ですよ。自重してください」
「まあ、失礼ね」
 俺が全く抵抗しないことを利用しているのか、お嬢様はYシャツのボタンを上3分の2まで外し、肩を露出させた。


 そして、露出させた肩に指を当てた。何かを測っているようだった。


 そして、


「じゃあ、行くわよ」
「行くって、なにする気…イテッ!!」
 お嬢様の行くという言葉の意味を聞くよりも先に肩に痛みが走る。


「…んん…っく…」
 お嬢様は俺の肩の上でのどを鳴らしていた。


 何かに刺されたような痛みがした。そして暫くして急に血がなくなっていくような感覚を味わった。最初はただの貧血かと思ったが、血の行き先が噛まれている肩ということを知ってようやく気がついた。


(お嬢様……俺の血を飲んでる?)


 見てみると、外に出された肩を小さい口で噛み付かれているのが見えた。両手でしっかり俺の肩を握って、子供ぐらいしかない顔を俺の肩に当てて、夢中なのか俺に全く反応せずのどを鳴らしていた。


(やっぱり吸血鬼って血を吸うんだ…お嬢様も)


 お嬢様が吸血鬼であることを改めて実感させられる。


 一年お嬢様に仕えて、一度も血を吸っているシーンを見たことがないからお嬢様は吸わないのかと思ったが、やはり吸うのか。今目の前で俺の血がどんどん吸われているんだからな。


 しかし、血を吸われているという感覚はとてもじゃないがいいとはいえない。
 なんか…気持ち悪いというわけではないし、うーん…これを言葉で説明するのは難しいな。


 でも、気分が悪いというわけでもない。血を吸っているお嬢様の顔を見ると、まるで母乳を飲んでいる赤ちゃんのように見えてきて、吸われても不思議といやな気分にはならない。
 なんか、守ってあげたいオーラを彼女は放っている。
 吸っているのは母乳ではなくて血なんだがな。


「……っはあっ」
 息継ぎをするためか、お嬢様が牙を俺の肩から抜いた。
 そして、胸のほうまで垂れてきた血を細い指で拭き取る。


 おいおい、これ出血がひどいんじゃないのか?と思って肩を見ると、不思議なことに出血は一切なく、ただ噛まれたような傷跡が残っているだけだ。


「なぜ出血してないんだ?」
 自分の肩をさすってみるが、やはり違和感はない。


「私のやり方だと出血しないのよ。吸血鬼は本来人間の血をいただくのであって、決して人間の命をいただくわけではないわ。」
 お嬢様は俺から拭き取った血をなめとる。


「さて、次は何処をいただこうかしら」
「まだ飲むんですか?」
「あたりまえじゃない。1カ月ぶりの御馳走よ」
「1か月ぶり…それって空いてる方なんですか?」
「そうね…結構空いてるほうだと思うわ」


 そういって今度は俺の首の回りをなでまわしてくる。そのお嬢様の手つきがとても悩殺的な動きをして…


「お…お嬢様…」
 俺は無駄に気持ちのいいお嬢様の手をどけようとするも、残念ながら体が動かない。


「あら、どうしたの。汗かいちゃって…そんなに私が怖いかしら」
 そんな様子の俺を見て、お嬢様がにやにや顔を浮かべる。


「お嬢様……もっと自然な体系で…あっ…血を吸うことができないんですか」
 時折首筋をなぞるお嬢様の指で感じる自分が情けない…


「あら、だからペナルティなのよ。あなたの冷静さと情熱さ以外の一面を知りたくてやってるのよ。クスッ、案外可愛い所持ってるのね」


「お嬢様、そのような真似は…」
「あーらー?」
 急にお嬢様が首から手を放し、顔が近くなったと思うと。


「―――――――ッ!!!!!」


 キス。


 された。




はいはい~、新年スタート大セールだよ~!!!

2話連続でどうぞ~!!



LAP47 レミリア・スカーレッドの行動に困惑し続けるリュウサトウ


 一瞬で頭が真っ白になって冷静な思考回路が吹っ飛ぶ。


 お嬢様の唇は、咲夜のそれとは違った子供のようにみずみずしくて…ほのかにお嬢様から香るバニラの香りが……


(いかんいかん、何を考えているんだ)
 ピンク色に染まった思考回路に冷水をぶっかける。


 愛人と愛の誓いを交わした一日後に違う人とキスかよ…罪なことしてんな、俺は…


「…んんっ…」
 依然、お嬢様は俺の唇から自分のそれを放そうとはせず、自分の舌で俺の口内を物色中だ。


(くそっ!)


 どうしてこうなった?
 何故いきなりこんなことをするんだ、お嬢様は。


「…っぱぁ…はぁ…」
 ようやくお嬢様が俺の唇から離れる。その顔はしてやったりの小悪魔的要素を含んでいた。


「何故…いきなり…」
「人間の血って、興奮すると甘味が増すのよ。あなたの血は随分と私の口に合ったものだったから、もしこれでグレードアップしたらどれだけ私を満たす血が採れるかと思ってね。」
 だからって…そんな楽しそうに言わなくても…


「なーにー?足りないかしら?」
 完全に小悪魔化した彼女は、俺を翻弄する形になった。


(こんなこと…)
 咲夜に合わせる顔がねぇ…咲夜がもし、この地下室で起こった事件が知れてしまったら…
 投げるだけナイフを投げて終わりならいいが、どん底まで落ち込んでしまったら俺は人間としての生活をやめなければならなくなるかもしれない。


 どうしよう…


「咲夜の許可なら、得ているわよ」
「…え?」
 俺はきょとんとしてしまう。


「あなたがいない時は咲夜から血をもらっていたから、彼女も血の吸われ方の段取りを知っている。だから、私とあなたがこういう風になっても、血を採取されていたということで認識されるわよ。だから安心しなさい」


 あんなに律義なメイド長さんも、お嬢様の話になると途端にデレるんですか。随分と俺は見捨てられたもんだ。


「……ってことは…」
「ええ、私と咲夜はそういう関係よ」


 …
 ……
 さすが女だらけの世界。自然に百合の花が咲きますなぁ。


「で…どこまでは許されているんでしょうか」
 気を取り直して、俺は確認をとる。


 もし、咲夜が血は吸ってもいいけどキスはするなと言っていたのなら、話は別問題だ。


「ああ、それなら…」
 お嬢様が考えるそぶりを見せ、


「Bは許されてるわ」
「何ッ!!!!!」


 平然と言うお嬢様と対照的に、顔と頭だけバタつかせる俺。
 自然と、顔が紅潮してゆくのがわかる。
 Bって…咲夜ともしてないのに…


「その顔…初めてって顔してるわね」
 お互いの鼻と鼻がぶつかりあうぐらいの距離を終始保っているお嬢様。そんな様子のお嬢様に恥ずかしいことに興奮してしまっているのが自分でもわかる。


「咲夜とする前に…お勉強しておかないとねぇ…大丈夫、Cは取っておくわ…」


 待て待て待て!そういう問題じゃない!
 こんな状況で初体験とか、もう少しシチュってものが…
 …って、
 そうじゃねぇ!


 頭の中がいよいよぐちゃぐちゃになる。


「でも、その前に」
 不意にお嬢様が俺の顔から距離を取ったと思うと、


 ―――――チク


「イテ…」
 先ほどと同じような痛みが肩に流れる。


 再度、俺はお嬢様から血を吸われているようだ。


「ふぅ…」
 ようやくお嬢様の呪縛から若干解放された俺は、肩から血を吸っているお嬢様の顔を見る。
 先ほど肩から血を吸っていた時とは違い、まるで至福のひと時を迎えているようなうっとりした目つきをしている。
 よっぽど今の俺の血が甘いんだろうな。


 俺はお嬢様の顔を見て一息つく。安心した。俺の血がお嬢様に取ってうまいものであって…。
 これでもし世紀に残る苦さとか言われたらそれはそれでへこむ。
 お嬢様のお気に入りになってしまって、しょっちゅうこんなことされるほうが精神的にこたえるのだが。


「…っぱぁ…ああ…おいしい…」
 お嬢様が俺の肩から口を放す。


「いかがですか?」
「ええ、とっても甘かったわよ」
 お嬢様は満面の笑みで答えてくれる。


 ―――――クラッ


「ん?」
 ちょっと頭がぼーっとし始めた。


「あら、どうしたのかしら」
 その様子に気付いたのか、お嬢様が心配そうな顔で俺の顔を覗き込む。


「おそらく貧血でしょう。血を吸われているのですから」


 少しは危惧していたことだ。結構今までに大量の血を呑まれたから、こうなることは必然的なのだろう。
 それに、貧血になってきたということはこれ以上血を呑まれると俺死んでしまうかもしれない。
 それはこの窮地から脱することができるかもしれないことにつながる。なぜなら、お嬢様が俺から血を吸うのをやめざるを得なくなるからだ。


 しかし、お嬢様は頭の上に疑問符を浮かべていた。


「おかしいわね…ちゃんと結界で魔力を与えたはずなのに…」
 お嬢様はそういってまた俺の体を何か確認するように丁寧になでまわす。そして、背中に手が届いたところで、


「すこし失礼するわ」
といって、俺のYシャツを完全に脱がし、そのままうつぶせに寝かせた。


「やっぱり…」
「どうかしましたか?」
 お嬢様の不審な行動に疑問を抱く俺。
 急に真顔になって俺の体を確認するものだから、深刻な病気にかかっているのかと錯覚してしまった。


「この六望星のせいね…」
 それだけ言うと、お嬢様は俺の背中に堂々と刻まれた六望星のラインの一点に指を置く。
 そして、何事とか唱えながら俺の六望星のラインをなぞっていった。


 初めは何をしているのか分からなかったが、
「おお…」


 次第に体が温まっていくのが感じた。
 まるで、体中に流れる血液が発熱したかのように、全身の内側からじわじわと。


「ふぅ、これで貧血はどうかしら」
 30秒ぐらいの儀式が終わり、様子を聞くお嬢様。


 聞かれて意識してみるが、貧血といった貧血はもうすでにおさまっていた。


「おさまってますね…」
「そう、じゃあこれでいいわね」
 そういってお嬢様はまた先ほどの小悪魔な笑顔を浮かべて俺の体を撫でようとするが、先ほどの行為が気になって仕方がない。


「失礼。先ほどお嬢様は私の背中に何をしたのでしょうか?」
「ああ、あれ?あれは体内の血の生産量をあげる魔法のようなもの。最初の結界じゃあどうもこの六望星のせいであまり私の魔力が刻まれていなかったみたいだから、さっきああやってあなたに私の魔力を刻んだのよ。これであなたはいくら吸われても貧血にならないわよ」


 なるほど…それでさっき俺が貧血といったことに疑問を感じていたのか…


「さて…」
 そして、ふいにお嬢様が俺から体を起したとおもうと、


「あなたには、もっともっと熟してもらおうかしら…」
 自分のドレスのボタンに手をかけた。


 ……手をかけたぁ!!??


「お、お嬢様!!」
 てっきりあのBだかなんだかの話は冗談だと思っていたが、どうやら彼女は本気らしい。


「咲夜との予行演習と思えばいいじゃない。女一人満足させないでどうするの?」


「それとこれとは―――――ッ!!!」


 ああ……トレイキョウの皆……マイケル、ロジャー……
 俺は先に大人の階段を上らせてもらった…
 もう、あとには戻れない…


 お嬢様が、女性が、性行為目当てで俺の目の前で脱いでしまったのだから…




病院に長い間いるとこのように情緒不安定になります。
皆さんも入院には気をつけましょう

ごく少量の自重精神が働いて、レミリァとリュウのにゃんにゃんシーンは別ページからの閲覧になります。

大丈夫です。ここをぶっとばしても話は通じます。
メニュー欄からいかないようにしっかり題にも閲覧注意とつけさせて頂きました。

それでも見たいという変態は下からどうぞ
F-FIRE幻想郷伝説 EX



LAP48 煌々と輝くライフル


「ふぅ…おいしかったわ」
 しばらくたってお嬢様が俺の肩から顔を上げる。


「それはよかったです」
 俺は立ち上がってYシャツ、ネクタイおよびブレザーを着る。お嬢様もドレスを着用中だ。


「しかし…」
「咲夜が気になる?」
 ドレスを着終え、帽子のきつさの調整をしているお嬢様が俺の言いたいことを先に言う。もうばれてんのかな?もしかしたら、咲夜が話したのかもしれない。


「そうですね…」
「リュウ」
 服を着て、いつもの様子になったお嬢様が俺の正面に立つ。


「男がそんなに弱気だと、女は次第に離れて行ってしまうわ。もっとしっかり気を持ちなさい。いくら私とあなたがこういう状況になっても、それは咲夜もしってのこと。それに、まだこれは障りでしかない。ちゃんとしたのは咲夜と楽しみなさい」


「は…はぁ」
 なんか恰好よく俺に説教してくれるお嬢様だが、その内容は結構しょうもないことだから結局恰好がついていない。


 まあ、そんなことはいいか。


「それで、あなたにご褒美だったかしら?何がいいかしらね…」
 お嬢様が思い出したように口にする。


「あなた、今困ってるものあるかしら?何かあげられるものならあげるわ」
 うーむ…そんなこと言われてもなあ…何かあるだろうか。


「ないのならこれで終了だけれど?」


 頭の中でトレイキョウ時代の俺を思い描いてみる。楽器は基本ドラムとポルウしかできないし、そのドラムだってこのまえ咲夜にあるかどうか聞いたら無いとバッサリ切られてしまったし、遊具といっても遊んでいる暇がない。


 するとやっぱり戦闘物がいいだろうか。しかし、大部分を波動で作っている俺にとってあまりカバーしきれていない分野はない。強いてあげるとすれば…


「……ライフルってありますかね?」
 俺が今必死に考えてたたきだした答えがこれだ。


 向こうの世界にいる時から遠距離攻撃が出来ると得だなあと思っていたので、この機会に少し習得してみたい気持ちはあった。


 基本俺が波動で作り出すものは三節棍もそうだが、剣や槍、弓などの簡単に作れるもののみ。それに遠距離攻撃できる弓は弦が切れたらただの棒だし、第一すでにスーザンが得物として使っている。


 だったら、もっと高価な遠距離武器を使おうと思った次第だが、紅魔館にそのようなものがあるのか?


「そうね…一応あるわよ」
「あるんですか?」
「ええ。かなり大型だからあなたに似合うかしらね」
「有難うございます」
「それより、早くここから出るわよ」
 そういってお嬢様は踵を返す。俺もあわてて後をついていった。また例の暗闇を通らなければならないのだ。見失ったら一貫の終わりだ。





「そうね、ライフルというとこれしかないわね」
 地下一階の怪しい空間から抜け出しいつもの紅魔館に帰った俺達は紅魔館の物置き場にきていた。


 物置き場といっても、俺と咲夜が毎日手入れしているから結構きれいになっている。お嬢様はそのなかでも『重要』と書かれたエリアに足を踏み入れていた。横に『武器』っていうエリアがあるのに、何故わざわざ重要エリアを探しているのだろう。


 お嬢様がライフルを探している間に、俺は武器エリアを少し物色してみる。ほとんどが咲夜が使用するのだろう未使用のナイフだった。総本数、目測でざっと1000本。咲夜さん…ストレス社会から解放されようよ…


 他にもないかなと見てみると、おそらくお嬢様の使っていたと思われる槍だとか、どっからかっぱらってきたのであろう古いハンドガン。このハンドガンはメンテさえすればまた使えるだろう。もう何年も使っていないのか、随分とほこりをかぶった三節棍もある。この三節棍は、おそらく美鈴あたりが使っていたものだろう。


 そのほこりを被った三節棍を手に取ってみる。俺が使う三節棍よりも随分と軽い。そして、随分と長い。これはたぶんリーチを重視して作られているなというのは安易に想像がついた。素材は…おそらくブナとかそこらへんの木で作られているだろう。この軽さは広葉樹林じゃないと実現できない。


 先端の方には少しばかり血痕が残っていた。なるほど…弾幕を扱わなかった時代はこのように肉弾戦だったのだろう。それこそ、戦国時代みたいに。幻想郷にも戦国時代ってあったのかな?こんど図書館で調べてみようかな。そこらへんの書物はあるだろう。


 お嬢様の様子を見てみると、お嬢様は『重要』エリアから『封印』と赤字で大きく書かれた赤いライフル銃のケースを取り出した。


「これが紅魔館にあるライフルで唯一のものよ」
 ケースでわかるが、かなりデカい。お嬢様の身長は軽く超えているが、俺と同じぐらいだろうか?とすると、だいたい185cmほどか?恐る恐る中を開けてみる。


 中には、紅魔館の物らしい真っ赤なライフルが横たわっていた。赤い上に非常に艶があり、いかにも吸血鬼の物といった感じであった。


 目を閉じて波動を感じるが、何か非常に赤黒いオーラを感じる。念波だけで推測できることだが、恐らくかなり昔にこのライフルが頻繁に使用され、数々の物を殺めてきたのだろう。殺された生命の宿りが感じ取られる。


「どう?」
 お嬢様が不安そうに声をかけてくる。俺はハッとした。


「いえ、とてもすばらしいライフルをいただきしばらく感動していました」
 その言葉に嘘はない。


 なにか、この銃からは言葉にできない重みが感じ取られる。さっき、この銃からは赤黒いオーラを感じると言った。その色が意味するのは見た目通り邪悪な部類に入る。


 しかし、同時になにか聖なるオーラを感じ取れるのも確かだ。以前の使用者がどれだけ偉大なものだったのか。あるいは、もっと違う意味で超越していた人物だったのか。いずれにせよ、いままでの使用者とこのライフルが歩んできた道のりは相当大きいものだったであろう。


「弾はどうするの?」
 ライフルのケースを俺に手渡して尚、重要エリアから出てこようとしないのは弾を探しているからだろうか。


「波動で作ります」
 とりあえず断わっておく。


「そう、なら心配はいらないわね。これ持っていきなさい」
「ありがとうございます」
 そういってライフルのケースを自分の肩にかけてみる。


 重いのは雰囲気だけではなかった。実際、重い。


「ちょっと、開けてみていいですか」
「ええ。組み立てるとこまでやってみなさい」
 お嬢様に促されて、赤いケースの中のライフルの部品を取り出してみる。


 ライフルを構成するパーツは大きかれ小さかれ、どれもが眩しい赤色の光沢を放っていた。そして、その一つ一つが冷酷かつ、潜在的な情熱を秘めているようなしっかりとした重さを持っていた。まるで、このライフル自体が感情を持っているかのよう…


 組み立てたときには、すでに全長で2m近くまでになっていた。構造の仕組みは普通のライフルとまったく変わらない。しかし、決定的に違うところ、それは何度も言うようにその色だ。ばらばらの状態でもきれいに輝いていた鮮やかな赤色は、ライフル自体が組みあがる次第にその光沢を増していった。そして、今では外からの光を遮断するおの倉庫内でもこのライフルを持っていれば普通に生活できるほどの輝きを持っていた。


「素晴らしい…」
 いつのまにか俺の口からは声が漏れていた。


「気に入ったみたいね。まるで…」
「はい?なんでしょう?」
「いいえ、なんでもないわ」
 はて?最後のほうが全く聞こえなかったのだが…


「お姉様、夕食ですよ」
 と、フランドール様がドアから声を掛けてきた。俺は無視ですか、そうですか。


 と、絶妙のタイミングで俺に腹が鳴る。いや、そんなに睨まないでくださいなフランドール様。


「そう、それではいくわよリュウ」
「かしこまりました」
 俺の腹が鳴ったことで決定したのか、お嬢様がそう宣言する。俺はそのライフルのケースを『武器』エリアに置き、夕食へ向かうことにした。




題目形式変更。

今回は結構長めに作ったと思う。
あと、物語の展開が馬鹿みたいに遅いんで
今度からはパッパッと進行したいと思いますんでさぁ。



LAP49 紅魔館の夕食


「ふぅ、おいしかったぜ」
 俺は夕食を終えて咲夜に一声かける。


 食堂内にはお嬢様、フラン様、咲夜、美鈴、俺とあと30人弱の妖精メイドがいた。


「お粗末さま」
 先に夕食を済ませていたのか、それとも後で夕食をとるのか知らないが、席につかず夕食の様子を見守っていた咲夜。いずれ俺もあっちの立場になるのだろうなぁ。


「今日の焼き魚、少し塩が少ないわね。次から改善して頂戴」
 お嬢様が魚をつつきながらぼそりという。いや、かなり塩掛ってたと思うんだが。俺に言わせればかけ過ぎもいいところ…


「あら、不満でもあるのかしら」
「いいえ…」
 心読まれた…。さすがカリスマ吸血鬼。


「それで、例の物は少し使う予定あるかしら」
 お嬢様は食事を終えて頬に手をついている。例の物とは、言うまでもなくライフルのことだ。


「ええ、この後使ってみようかと思います」
「そう、それならそっき言い忘れたのだけどあれ、すこし使い勝手が悪いかもしれないわよ」
「そうですか。ご忠告ありがとうございます」
 俺は立ち上がってお嬢様に一礼する。まあ、ライフルは初めて使うから使い勝手というものの標準点を知らないんだが。


「あと、明日。私たちも聞きに行くから楽しみにしているわよ」
 明日…明日は…


「白玉楼でのコンサートですか?」
「ほかに何が明日にあるのよ」
 そうですね、これといってないですね。


「あ、あまりハードルあげないで下さいね」
 俺が慌ててかぶりを振る。


「まあ……たしかにリュウの笛は綺麗だけど……」
 不満そうなフランドール様は生野菜のサラダのトマトをフォークでつついている。フランドール様、トマト苦手なんですか。随分現実的っすね。


「まあまあ妹様」
 横から美鈴がなだめる。この二人は絵になるなあ。あ、いや、うらやましいというわけではないが。だが、当の美鈴も楽しみにしていそうだ。


「まあ、私も楽しみにしていることに間違いはないんですけどね」
「ハードル上げるな言うただろうが…」
 俺は周囲の期待の高さに少しため息をつく。


「でも」
 と、さっきまで黙っていた咲夜が口を開いた。


「リュウの演奏が上手というのは事実なわけだし、もっと自信持っていいと思うわよ」
「そ、そうかな…」
 咲夜が少しだけ笑みを浮かべながら言うので、少し俺は照れる。咲夜に励まされるとかなり自信が持てるのは、さすが恋人同士とも言うべきか。


「まあ、失敗しないよう注意してやるよ」
「ふふ、貴方なら素晴らしい演奏ができるはずよ」
 お嬢様がニコリと笑いかけながら励ましてくれる。


「ありがたきお言葉」
「それと、咲夜のほうも…」
「お嬢様!」
 さっきからニヤニヤしながら俺と咲夜を見ていた理由がわかった。


「いいですか、そういうことを言っていい場所と悪い場所が…」
「私が、どうかしましたか?」
 さっきのセリフが聞こえていたのか、咲夜がお嬢様に要件を訪ねる。


「あたなにも、教えるべきことはいろいろあるしね…」
「だーかーらー!自重してください!」
 ニヤニヤしているお嬢様と必死になって止めている俺。周りは二人をポカンとしてみていた。


「まあ、冗談はともかく」
 必死になって口元を押さえていた俺に折れたお嬢様が話を戻す。


「まあ、そんなに硬くならずにリラックスして演奏することね」
「はい、心得ております」
「それじゃあ私の話は終わり」
「はい、では後ほど」
 俺がそういってドアに向かおうとすると


「ま・ち・な・さ・い」
 鬼の様な形相をした咲夜が俺の肩を掴んできた。


「はい、すいません。忘れていました」
 俺は縮こまって咲夜の後ろについていく。一応俺は執事だから食後の後片付けを咲夜と共にやらなければならなかったが、完全に忘れていた。


「愉快な二人だこと」
 そばでお嬢様がにやけている。またあの方は良からぬことを考えているのだろう。


 俺はその後台所まで引きずっていかれ、咲夜におびえながら食器を片づけて行った。




レミリァがいつまでたってもカリスマブレイクしません。

どうしようかね。



LAP50 青緑の宝石


「さって、こんなもんか」


 2時間弱後、ようやく後片付けが終わった。さすがに40人程度の食事の後片付けには時間がかかる。いままでこれらを一人でやっていたというのだから、咲夜はたいしたメイドだ。


「お疲れ様」
 咲夜がニコリとこちらに笑顔を向けてくれた。


「それじゃあ、部屋に戻るわ」
「あ、ちょっと待って」
「ん、どうした?何か不備でもあったか?」


 俺に話があるのだろうか、咲夜が俺を呼びとめる


しかし、言いにくいことなのかなかなか言おうとはしない。気持ち顔が赤くなっているような気もするが…


「なんだ。言いにくいことなのか?」
 俺は咲夜に続きを言うように促す。


「えっと…その…」
 言おうか言わないか迷っている様子だ。普段きっぱりと物事を言う咲夜だからよほど言いにくいことを言おうとしているんだろうか。


 と、思い切ったか咲夜は大きく深呼吸して一息にしゃべった。


「今日のお嬢様のペナルティの話は聞いたわ」
 全身に冷や汗が流れる。


「あ、ああ…」
「それで、あなたが熟すためっていう理由で…」
「……はい」
「そう…」
 咲夜は複雑な表情をしている。


 確かにそういう心情になってしまうのは仕方がない。咲夜という女がいるのにもかかわらずお嬢様と関係を持ってしまったことには、それは咲夜も煮え切らないことだろう。でも、自分でそれを許可しているのだからなにも言えない。そういうことだろう。


「その…今回は私が許可したのもあってリュウを責めることはできないけど…今後はそういうのをやめてほしいな…」
 そういうと咲夜が顔を真っ赤にしてうつむいた。


 俺の心臓にいままで受けた中でも一番鋭いナイフが刺さる。


 そうか…当然だよな。自分の彼氏が他の女といちゃいちゃして喜ぶ女はいるわきゃないよな…そんな単純なことに気がつかなかった俺は、今更ながらおろか者だな。


「すまん…咲夜…」
 俺はそういってから厨房の銀色の天井を見上げつつため息をついた。


「別に謝ってほしくてこの話をしだしたんじゃないんだけど…」
 依然、咲夜は不機嫌だ。どうにかして咲夜をなだめないと。


 俺は困った。どうすれば咲夜は喜ぶだろうか。トレイキョウじゃあマシな女と友達になっていないから向こうでの経験は確実に役には立たないだろう。


 しかし、お嬢様との件で咲夜が不機嫌になったのは確かだ。何とかして咲夜をなだめるには、やはり恋人らしいことをするべきだろうか。


 といっても今この場ですぐにできることなんでかなり限られる。料理なんて俺全然できないし、キスはすでに咲夜に先手取られたし、やっぱり物を渡すのが一番いいかなあ…。でも、三節棍なんて渡したら逆に迷惑だろうし、手帳、財布、どれも幻想郷じゃあ使い物にならない。困ったなあ…どうすれば咲夜の機嫌はおさまるだろう。


 俺は髪を掻き上げ、そのまま首に手を持っていく。


 と、ふいに手に感触があった。なんだろうと思って首にかかっていたものを取ると、それは俺がいつも付けているエメラルドとマリンブルーの宝石だった。


 この宝石はブラックタイガーのアジトから拾ったものだし、ブラックタイガーの長であるデスシャドーも今は何故か良心に従って行動している。それなら別にこの石をめぐって争いが起こるわけでもない。


 それに、もともと拾ったものだからなくなってもさして生活に支障はない。それに、いくらしっかり者だとしても相手は年頃の女の子だ。こういうきれいな石とか喜ぶんじゃねえのかなあ…。まあ、他にあげる物もないし。


 俺はそう思って、宝石にかかっている紐を俺の首から隠し、うつむいた咲夜の首にかけてやる。


「……似合ってんじゃねえか。きれいだぜ」
 咲夜の首にかけてやったあと、俺は笑って言った。咲夜は俺がかけてやった宝石をじっと見ている。


「そいつは、俺が向こうの世界にいたときに拾った宝石だ。なんとも、向こうでは全然手に入らない宝石で名前もないんだそうだ。不思議だよなあ。よく色が混ざらずにこうなったもんだよ」
 咲夜は手にペンダントの先の宝石を乗せてじっと見つめている。


「お詫びにそのペンダントやるよ。どうだ、気に入ったか?」
 内心、これで気に入らないとか言われたら泣くぞと思いつつ聞いてみる。


 すると、咲夜はそっと
「綺麗ね…」
 と囁いた。どうやらお気に召したようだった。


「そうか、気に入ってくれてよかった」
 俺は心底ほっとする。


「まあ、すげー珍しい石だそうだから大切に扱ってくれ」
「ええ…大切にするわ…」
 咲夜は宝石を手から離す。神秘的な外見をしたその宝石はちょうど咲夜の胸の真ん中にとまり、非常にきれいに輝いていた。宝石自体が喜んでいるように見えて、俺までもなんだか幸せな気分になる。


「それじゃあ、俺は部屋に戻る。ライフルの調整もしねえといけねえからな」
「ありがとう、リュウ」
「なんの。彼氏として当然の行動よ」
 そういって俺は食堂から出た。先ほどまでほ不機嫌な咲夜はもう影もなくなっていた。



この宝石はこの物語で一番でかい伏線にしてやろうと思ってます。

咲夜さんかわいそうだなぁ…









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最終更新:2010年01月24日 18:53