えーっと、俺です。俺。
誰って俺ですよ。郷流です。
えと、前回あの後次の世界に来たわけですが、
どうにもここは治安が良いみたいです。
でも、何故か嫌な予感がするんですけど………
まぁいいや。とりあえず、
「さぁ、始まるザマスよ」
「行くでガンス」
「俺に『フンガー』と言えと……?」
………始まります。
謎の出だし。
特に意味は無い。
「………で、結局ここでは何するんすか?」
隣りに居る紅桜さんに尋ねる。
「んー………そうさな……とりあえず、リゾート満喫だ」
「わーい♪」
「わーい……って待てぇい!!」
「ん?何か問題が?」
「むしろどこに問題がねぇんだよ」
問題だらけだろうが。
「あー……別に海に行って変なフラグとか立ったりはしないと思うから大丈夫だぞ」
「何の話だよ………俺が言いたいのは、そんな呑気な事やってる場合かっていう事だ」
「なんだそんな事か」
どうでもいい、と言いたげな顔で紅桜さんが答える。
「いや……そんな事って……」
「いいか、郷流。この辺は治安がよく、リゾート地区として有名なんだ」
「はぁ………」
「それなのに素通りなんて、まるで割り箸がダンボール箱にぎっしり詰まってゴミ捨て場に置いてあるのに持って帰らない郷流のように馬鹿みたいじゃねぇか」
「いや、んなもん持って帰らないし……第一なんで俺限定なんすか」
「細かい事も粗い事も気にするな」
「いや、それ何も気にするなって事だよな?」
「いいじゃん郷流ー……遊んで行こうよぉぅ……」
そう言ってフラミリアが上目使いで訴えてくる。
うん。可愛い。
「だが……うーん……」
「お、良い感じだ。よし、フラミリア、ちょっと耳貸せ」
「へ?何?」
「いいからさ、ほら」
ゴニョゴニョゴニョゴニョ
……ん?なんだ?何を話してるんだ?
「そんなんで上手くいくの?」
「ああ、郷流が真にロリコンなら上手くいく筈だ」
「ちょっと待てコラ」
流石に聞き捨てならん。
「いや……だってお前認めたじゃん」
「あれはフラミリアを可愛いと思ってる事を認めただけだ。ロリコンは認めてねぇ」
「そうかそうか……ま、フラミリア、やってやれ」
「了解!」
そう言って紅桜さんに敬礼し、こっちに歩いてくる。
「ね~ぇ~……遊んで行こうよぅ……」
「いや、だけどな……」
「お願い………おにいちゃん」
☆☆☆
気が付いたら旅館らしき建物の部屋に居た。
「おぉ。起きたか」
「あの……なんか記憶飛んでるんすけど……」
とりあえず紅桜さんやフラミリアと話していた辺りから記憶が無い。
「とりあえず、お前ここで少し遊んでいくという事に同意したからな?」
……いつの間に?
ってか、本当に?
「……まぁいいか……」
とりあえず、考えるのが面倒になったので、やめておいた。
「じゃ、夕飯まで自由行動な」
「あぁ……」
そう言って部屋を出ていく紅桜さんを見つつ、さて何をするかと考え始めるのであった。
さて、どうなるやら………
因みに新キャラが出るのはまだ先です。
暇なので、夕飯までぶらつくことにする。
旅館は結構広かった。
「う~ん……ゲームコーナーでもありゃいいんだが……」
館内の案内を見る限りなさそうだ。
「しょうがない、外にでも出て……おわぁ!?」
何かにつまずいてこけた。
「ふぎゃん!?」
そして、そのつまずいた「何か」が叫び声をあげた。
「ったたた……って、人?」
見ると、俺は人につまずいたようだ。
……女性だった。
「おわぁ!し、失礼しましったた!!」
少し噛んだ。
「ったた……まぁ、大丈夫よ」
そう言いながら倒れていた女性が立ち上がる。
そしてその顔を見て一瞬息が止まる。
「……え…」
…驚くほど、母さんそっくりだった。
「何?私がどうかした?」
「い、いえ……」
いや、世の中には似た人物が三人くらいは居るとか言うし。他人の空似だろう。
第一俺の母さんだとしたら、こんなところにいるはずがない。
まぁ、別にそんなこと言うことのほどでもないから黙って―――
「あまりにも母さんに似ていたもので」
いようと思ったが無意識のうちに口走っていた。
「へーそりゃ奇遇だ。私も君はうちの子に似てるなと思ってたのよ」
「は、はぁ……」
珍しい偶然だ。
「んー…まぁ、足元には気をつけてね」
「……ところで、何であそこで倒れてたんですか?」
気になったので、訊いてみた。
「なんでって……あそこで寝てたからに決まってるじゃない」
とりあえず、変な人だった。
いったん切る。
その後、適当に時間を潰して夕食の時間に。
「うわぁ……」
「すごーい」
料理はとてつもなく豪華だった。
「まぁ、一番いいコースにしておいたしな。あ、金は俺が払うから」
「え?いいんすか?」
これだけの料理だ。結構な金額だろう。
「いいっていいって。どうせ金なんて持ってても腐るだけだ。回してこその金だろう」
なかなか太っ腹だ。
「じゃ、遠慮なく…」
◆◆◆
「さ、さすがに食い過ぎた……」
結局、全体の10分の1も食べられなかった。
「はっはっは。だらしないな」
隣で笑う紅桜さんは、自分の分だけでなく俺とフラミリアの残した分まで全てたいらげた。すげぇ。
「さて、あとは自由時間だ。温泉にでも入ってきな」
「温泉か……」
◆◆◆
「ねぇ、馬鹿」
「なんですか、バカ」
「「………」」
「…そろそろやめない?イグザム」
「そうですね、バカ様」
「いいわ、そっちがその気なら永遠に続けてやろうじゃないの」
「冗談です、メリー様」
「はぁ…まぁ、昔と比べると堅苦しくなくなったのは良いことなんだけど…口調はそのままだけど」
「でしたら、試しに口調を変えてみましょうか?」
「面白そうね。やってみて」
「では……こほん」
「よぅ!オレさまはイグザムだ!みんなノってるか!?」
「………」
「おう!そこのねぇちゃん!なにシケた面してんだ?一緒に踊ろうぜ?歌おうぜ!?一日中年中無休でサタデーナイトフィーバーして盛り上がろうぜ!?」
「……イグザム?」
「はい」
「頼むからその人格は封印して」
「分かりました。…ところで、私たちは何処へ向かっているんですか?」
「決まってるじゃない。ここは旅館。そして手にはタオルと桶。これらの持ち物で行く場所なんて一つしかないでしょ?」
「えと…闘技場ですか?」
「闘えと?タオルと桶で闘えと?」
「冗談です。温泉ですか」
「そう。そして今から行くのは選ばれたものしか入れない温泉」
「・・・?何か秘密が?」
「ってのは冗談なんだけどね。ただ単に入浴料が高くて殆どの人が入れないってだけ。まぁ、おかげでほとんど貸切で使えるだろうけど…あ、あそこよ」
「混浴って書いてありますね」
「まぁ、どちらにしろそんなに入る人もいないだろうし…って先客がいるわね…って!あの二人…」
◆◆◆
「…なぁ、フラミリア」
「フラミィーでいいよー」
「…じゃあ、フラミィー」
「なぁーにー?」
「…なんで俺は、お前に背中を流されてるんだ?」
あの後。風呂に行ってみるとフラミィーが先に入っていた。
とりあえずUターンして部屋に戻ろうとしたら捕まってこんな事になった次第である。
頼むから開放してくれ。そうじゃないとヤバイ。何がとは言わんが。
「そりゃあ、私が郷流の背中を流してるからに決まってるじゃん」
「まったく答えになってないんだが」
「よし、完了。じゃ次前洗うね」
「だから質問に答えってはいぃ!??」
ちょっとまて!今なんと!?
「とりあえず洗いづらいからそのタオルどかして」
「いや、このタオルは最後の砦だから無理だ」
っというか、なぜさも平然とそんな事を言えるんだろうか。
「む~…そんなに私に洗ってもらうのがイヤなの?」
「嫌…というか…自重と言うか…」
というか逆に訊きたい。なぜそこまでして俺の体を洗いたいんだ。
「分かったよ…じゃあ私の体洗ってよ」
「ふぅ助かはいぃ!??」
「あ、その顔面白い」
いや待てよ。別に俺が変なとこを洗わなきゃ良いだけなんだ。うん。どことは言わんが。
「わーったよ…ったく…」
「あ、ちゃんと体全部洗ってよ?」
「…一人で洗ってください…」
立ち上がり、湯船に向かう。
うん。いい湯だ。
「ごめんごめん。ちょっとからかい過ぎた」
フラミィーも立ち上がり、俺の隣あたりに来た。
「確信犯すか…タチ悪いな畜生」
「だって郷流からかうと面白いし。たまに気絶するし」
「全部確信犯かよ…子悪魔通り越して悪魔だな」
「私悪魔だけど?」
「あぁ…そういえばそうだった」
とりあえず今後こういう事があったら無視をしようと心に決めた。
「ダイナマイトドーン!!」
突如、湯船の真ん中あたりに何かが飛び込み、物凄い飛沫が上がった。
「にゃはは。やはり温泉はこうやって楽しむに限りますにゃ。ねぇイグザム」
「私にしてみれば真面目な時とそうでないときのその性格のギャップを如何にかして欲しいのですが…」
飛び込んだのはなんとなくどっかで見たことがある気がする女性。
そして後ろから来たのはこれまたどっかで見たことがある気がする眼鏡をかけた女性だった。
…あれ?俺黒一点?
「・・・さて、貴方が今置かれている状況は把握しているわ」
湯船に飛び込んできた女性・・・というか、あまり俺と変わらないくらいの年齢に見えるから少女といったほうがいいだろうか。
髪を横で纏めてある。サイドテール、だっけか?
「・・・女だらけの露天風呂ポロリも可能性としてはあるよに強制参加させられたって事をですか?」
「あはは、違う違う」
そういった後、笑っていた顔が突然真面目な顔になり、
「夢幻の果てを探す旅につき合わされてる、って事をよ」
そう、言った。
「・・・・え?」
どういうことだ?なんで知ってるんだ?
「君、なんで知ってるんだ?って思ってるでしょ」
今度は少しにやけたような顔で言う。
ってか、声質まで若干違う。さっき一瞬別人とすり替わったかと思ったほどだ。
「はぁ・・・まぁ、はい」
「まぁ、当たり前だよ。あいつは昔からアレを探すことに夢中だ。そんなやつに同行してれば大体見当は付くよ。そもそもあいつが言ってる目的ってのも本心かどうか怪しいけどね」
「・・・え?」
待て。この人の言ってる「あいつ」って・・・
「つかぬ事をお訊きしますが、もしかして紅桜さんと・・・?」
「ああ。旧友だよ」
「マジですか!?」
「そうなんですか!?メリー様!」
俺と一緒にもう一人の女の人もびっくりしていた。
「あれ?言ってなかったけ?」
「初耳です」
「そっか~。ごめ~ん」
「・・・そのノリ、やめてもらえませんか?いくら見た目がなんとなく女子高校生っぽいからとはいえ」
「・・・あの~・・・」
「あぁ、ごめん。莫迦メイドがうるさくてね」
「莫迦冥土とは何ですか。私は死んだ覚えはありません」
「そっちのめいどじゃないんだけどね。まぁともかく、紅桜とは旧友。と言っても、あいつの過去を明確に知ってるわけじゃないけどね」
やっぱり、紅桜さんの知り合いだったのか。
「・・・で、あなたたちはいったい何者なんですか?」
「そーだよ。会ったらまずは自己紹介。あ、あたしはフラミリア・ヴラットね。フラミぃーでいいよ」
後ろにいたフラミィーが自己紹介する。
ちなみに、体制が俺の肩に手を載せて俺の頭の上に顎を乗せてる体制なので痛い。タオルを巻いていないので他にも色々当たってるけど。
最終更新:2010年06月07日 22:11