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マタツボミ、10月下旬退院予定!



imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。

狼と香辛料のゲームを買ってもらったお。

さりげなくはまってしまったwww




LAP56 崖へ


「うっし。じゃあ出発するか」


 コンサートが終わり、俺と幽々子、妖夢、プリズムリバー3姉妹、それに朱鳥と零が白玉楼から出発する。


 朱鳥と零はルナサと幽々子に運ばれ、ブレイクダークを紅魔館に置いてきた俺はこまめに足場を作って他の集団に追いついていく。そのあとを妖夢がついていき、メルランとリリカはのんびりと空中を浮遊していた。


 コンサートは無事に成功した。俺もミスをすることなく終わったので非常に達成感があった。3姉妹の方もミスはしなかったと言っていたので恐らく完璧なコンサートになったと思う。現に、終わった後の拍手は非常に大きかった。


 そのあと、プリズムリバー3姉妹に話をつけてこういう形で出発することになったのだが、さっきから朱鳥の顔がさえない。まあ、無理もないか。


 今回、結界を思いっきり切るために勢いをつけなければならないという朱鳥の発言と俺の提案で、俺に崖の上から投げられるという計画を立てている。それくらい勢いがないと結界を切れないというのだが、いくらなんでも崖がら落ちる程のスピードが必要だとは考えにくい。俺も首をかしげるが、本人がそう言ってんだからしょうがねえか。


「本当に大丈夫でしょうか?」
 妖夢が心配そうに俺に話しかけてくる。


「俺に聞くなよ。俺がやるわけじゃないんだから」
「でも、少しは心配しません?あの様子で」


 まあ、確かにあそこまで顔から血の気が引いている様子を見るといやでも心配してしまう。もっと無難な方法はないのかね。


 しかし、もう一人難しい顔をしている人がいた。


「どうしたんだよ幽々子。そんな深刻な顔して」


 さっきから幽々子の顔が怖い。まるで何か不吉なものでも見ているようだった。


「え、ああ、別ににゃんでもないわよ」
 俺に声をかけられて焦ったのか、幽々子は言葉の最初の方を噛んだ。


 おかしい…


 でも、人の心情を詮索しても仕方ないか。


「そうか…」
 俺は首を傾けて妖夢の方に戻る。


 この時、幽々子が本当に不吉なものを見ていることを俺は予想だにしていなかった。


「リュウさんって向こうの世界でもこういう風に人助けもしていたんですか?」
 しばらくたって妖夢が俺に話しかけてきた。


「こういうって?」
「だから、こういう風に人から何かを頼まれてそれを遂行してたのかなって思ったんですよ」


 妖夢はそういって俺の返事を待つ。要するに、しばらく無口だったから何か話そうと思ってこういう話題をもってきたんだろう。せっかくだから話し相手になってやろう。


「まあ、多少はな」
 俺は向こうにいた時代を思い出しながら答える。


 ジャスティスウィングも一応警察の末端だから警察の仕事だって少しはする。パトロールとか交番管理とかが主であまり事件の現場に行くようなことはなかったが。


「交番にいた時なんかは通行人によく道を聞かれることが多いし、落し物の習得の処理だってしたよ。でも、こういう風に誰かに道中の護衛を頼まれて(この護衛は俺が提案した物ではあるのだがな)同行するようなことはしてないなあ」


「そうなんですかぁ」
 妖夢が相槌を打つ。


「まあ、だからこういうのは新鮮だね」
 俺はそのまま言葉を続けるが、


「でも、なんでそういうことはするのにジャスティスウィングのことは一般公開しないんですか?」
 朱鳥の問いに遮られる。確かに一般人にとってそこは疑問に思うだろうな。


「一言で言うと、ジャスティスウィングにつぎ込まれたF-FIREの技術が外に流れないようにするためだ」
 俺は一瞬口外することをためらったが、そのまま答えた。もうジャスティスウィングの存在を知ってしまっていたら、そんなことなど教えてもいいかとおもったからだ。


 実は、ジャスティスウィングのメンバーのマシンにはすこし特殊な技術を利用している。名前はなんか難しくて覚えられなかったけどとりあえず技術の中では非常にトップクラスであり、国家が直接その技術を保護しているという。


 どうもその技術を使うと普通のマシンより加速、最高速、耐久力、爆発力、制止力において他のマシンより非常に優れた性能を引き出せるのだそうだ。


 そのため、ジャスティスウィングのメンバーは毎年グランプリの中で非常に優秀な成績を残すことが出来るのだ。無論、それを無駄なく引き出せる俺らの…いや、これ以上は罰が当たりそうだからやめよう。



 それでも、謎の賞金稼ぎ、マイティーには勝てない。彼のドライビングテクニックは神の領域である。


 これはあくまでも噂で聞いた話だが、彼はマシンの横幅プラス20cmのとても狭いコースを一度も壁にぶつからずにゴールすることが出来るらしい。それも、広いコースで行った時のタイムと比べて1ラップ5秒程度しか差が出ないとか。


 彼は非常に正義感にあふれており、ときどき俺達ジャスティスウィングの仕事の手伝いをしてくれるので、こちらの立場としては非常に助かるが、もしマイティーがデスシャドーのような悪物だったら俺たちでは退治することが出来ないだろう。それほど彼はすごいのだ。


 話を元に戻そう。


「でも、一般人に公開したところで、その技術を利用できる人物がいるでしょうか?」
 朱鳥がまるで好奇心旺盛な子供のように質問をしてくる。


「俺達の相手はデスシャドーだぞ。一般人のふりしてこっちの情報を集めようとするスパイだって放っているはずだ」


 まるでその通りだった。ジャスティスウィングの技術を誰も実行することが出来ないのであらばとっくのとうにジャスティスウィングの存在を公表していただろう。だが、相手はデスシャドー率いるブラックタイガー。あいつなら技術の一部を聞いただけでもうまいこと配下のマシンや自分のマシンに組み込んでくるだろう。


「そうですよねー…」
 朱鳥が答える。まあ、公開されない方がこっちとしては非常に助かるという結論は変わらない。


 しばらく移動しているとポイントの崖に到達した。一行は崖の上に降り立つ。


「うっわー…」
 俺は崖の下を見て思わず声を漏らす。


 トレイキョウではよくある高さだが、いまから朱鳥が飛び降りると考えて下を見ると途方もないぐらいの高さに思える。だいたい80mぐらいだろうか。思わず俺は息をのむ。


「これ、無事に終わるでしょうか?」
 さすがの妖夢も心配になったのだろうか。下を見ておどおどとつぶやく。朱鳥に至っては……いうまでもないだろう。


「ま、なるようになるでいいんじゃない?」
 そんな状況でも相変わらずほんわかとした雰囲気の幽々子。でも、今の朱鳥には元気の元にはならなさそうだ。


「下に波動のクッション敷いておくからそんなに心配するなよ」
 俺が朱鳥の肩に手を置いて勇気づけようとする。

 しかし、現実はそれをすんなりやらせてくれるほど甘くなかった。




標高80mっていうと、どれくらいの高さになるんだろうねぇ…



LAP57 戦い、スタート


「まーーーちやがれーーーー!!!」
 後で霊夢の声がする。あー…朱鳥はこれでまた青ざめたのかと思って後ろを振り向く。


 が、状況はそんな柔なものではなかった。


 そこには霊夢と、霊夢にぶら下がっている萃香を先頭に文、椛、別の解除方法を探っているはずの藍、橙、そして唯一情報がつかめなかった魔理沙もそこにいる。


「うへ、ちょ、ええ!!??」
 俺が奇声をあげて驚く。なんでこんな大所帯が来るのぉ!!??


「くらええ!!」
 そういうと霊夢が弾幕を放ってくる。


「お前ら下がっていろ!」
 俺はそれだけ言うとバリアを張って弾幕を防ぐ。そのまま霊夢に話しかける。


「お前、なんでこんな人数つれて襲撃してくんだよ!!」
 すると、霊夢はカンカンに怒鳴りながら返事をしてきた。 


「そう簡単に結界をぶっ壊されて黙ってるわけないでしょう!!それに、あいつらがそこの横にいる零っつう人間がアリス封印解除に必要だからって言うんで同行して来たのよ!!」
 霊夢は肩で息をしながら怒鳴りつけてくる。そして、


「そう。悪いが、零をおとなしく渡していただきたい」
 霊夢の怒鳴り声に藍が冷静な声で付け足してくる。冗談じゃねえよ!こんないきなり出てきた奴らにアリスの解放を邪魔されてなるものか。


「悪いがそうはいかないね。こっちはこっちでやらせてもらう」
 俺はそういうと朱鳥と零を促し、崖の先に行く。


「リュウ!おい!アリスを見捨てる気なのか!?」
 魔理沙が叫んでくる。魔理沙はこっちが何を企んでいるのか分かっていないようだ。


「見捨てる?違うね。俺の命と引き換えにアリスを復活させる。それしか道がねえんだよ…」


 アリスの封印を解除することは俺が死ぬということを思い出し、少しぶっきらぼうにになってしまう。


「お前、何言ってんだよ!」
 魔理沙は尚且つ俺に叫びかけてくる。俺はたまらず叫び返してやった。


「うるせえなあ!!!俺だって死にたくねえよ!!だけどよ、アリスを解除するにはこうするしかねえってんなら俺は死を選択する!!それくらいの覚悟は……」


「無駄口をたたくな!!」
 とてつもない怒鳴り声に俺は言葉を止めざるを得なくなった。怒鳴り声の主は文である。


「あなたはそうやって自分をやすやすと殺そうとするんですか!?アリスさんが解放されてもあなたが死んだら同じようなことが繰り替えされるだけなのが分からないんですか!?」


 俺はその言葉に何も返せなかった。確かに、俺が死んで悲しむ奴は少なからずいるだろうよ。だけどよ…他に方法がねえんだぜ…?


「随分と好き勝手言ってくれるじゃないの」
 俺が返答に困っていると幽々子が口を開く。


「彼は自分を犠牲にしてまでこの幻想郷を守りたいと思っているのよ。そんな彼を称えるどころか卑下するなんて、自分が彼と同じ立場にたった時に死という選択肢を選べるほどの勇気があるか、見ものね」


 幽々子のしゃべり方には怒りが相当込められていた。俺がゾクってしてしまうくらい。普段まったりしている雰囲気の幽々子がここまで怒ったところを見るのは初めてだ。だが、


「ふ、知ったような口を叩けるのもいつまでだろうね」
 向こうもすごい勢いだ。にやにやと萃香がこっちに向かって言葉を投げかけてくる。


「リュウが死なずともアリスを解放できる方法なんざすこし落ち着けば見つかるものさ。それを自分の死で補おうなんて、何ヒーロー気分になろうとしてんのさ。呆れてものが言えない……」


「こっちが呆れてものが言えませんね!!」
 口げんかはまだまだ終わらない。こんどは妖夢が口を開いた。


「なんですか。ヒーロー気分?そんな子供みたいな理由で彼が彼の命とアリスを引き換えにすることを決めたと思っているんですか?そういうあなたはなにか非常に優秀な方法が頭の中に浮かび上がっているんですか?それをも分からずにリュウさんを罵倒する行為、こちらが呆れてものが言えませんよ!」


 生真面目な妖夢らしい言い分だ。


「解除方法なら紫様がご検討なさっている。その作業に零という男の情報が必要なのだ。これだけ言ってもまだ分からぬのか」
 いつもは冷静な藍もすこしばかり腹が立っている様子だ。しかし、こっちにだって意地ぐらいある。


「ならば俺たちだって紫と同じ理由だ。これ以上は何も言えん」
 俺も向こうを張って言葉を発する。


「アリスの解放という点では俺達は同じ目標で進んでいるのであろう。しかし、それに向ける第一歩の時点で交錯してしまうのであれば協力することはできない。何度も言っているがここから立ち去ってくれ」
 しかし、この台詞が相手の導火線に火をつけてしまった。


「ふ…その交錯が正と邪の交錯なのか、確かめるまで私たちはひくことが出来ないんでね、口での交渉が出来なかった以上、実力行使をさせてもらう」
 藍はそういって橙に目くばせする。そして、とうとう橙が弾幕で俺たちを攻撃をしてきた。


 あまり実践に持ち込みたくなかったが、仕方がないか…。


「実力行使か…やむを得ないわね」
 そういってルナサが俺たちの前に出る。そして、見事な弾幕コントロールですべて相殺してしまった。


「ならば戦いね。橙の相手は私が務めるわ」
 俺たちに背を向けたままそういってルナサが橙に突進していく。それをみて、


「私たちも行くわよ」
 メルランとリリカが後を追う。が、二人の行方を文と椛が遮った。


「あなた達の相手は私たちがやります。覚悟はいいですね?」
 そういって6人は交戦を始める。


「残った奴は全員零、及び朱鳥の護衛につけ。手の空いている相手がいつ攻撃を仕掛けてくるか分からない」
 俺はそう言って全員を零、朱鳥の周りに着け自分も二人の護衛に回る。そしてしばらく6人の戦いを見ていると、


「なぜリュウはそこまで彼を私たちに譲らない」
 急に首に鋭い爪を突き付けられる。


 後にぴったりと藍が張り付いてきたのだ。爪を首元につきつけられ身動きが取れない。下手な動きをすると死ぬ。


「こんな姑息な手を使ってまでも、零たちを欲しているのか」
 俺はその状態のまま藍に問う。

「答える必要はない。私が今要求しているのは零を引き渡すかどうかだ。渡すならよし、渡さないといったらこのまま首をかききってくれる」


 くそっ……こんな状態だと何も出来ねえ。


 と、そんな時
 ―――――シュッ


 なにか空を切るような音が鳴ったかと思うと、首元にあった爪がばらばらになって足元に落ちる。


「な、何事だ」
 藍が慌てて後ろを振り向く。つられて後ろを振り向くと、妖夢がものすごい形相で藍を睨みつけていた。妖夢が俺の首の前にあった爪を切り刻んだのだろう。


「リュウさんに手を出すこと、この私が許さない」
 ものずごくきつい目つきで妖夢が刀に手をかけながら藍を睨みつける。


「ふむ、私の相手はリュウではなくてお前のようだな」
 爪を切られたことに怒ったか、藍は俺の後ろを離れ妖夢の正面に立つ。


「幽々子!どうなっている」
 俺はその間に幽々子の元に走り、状況を確認する。


「まだ戦っている方は膠着しているわ。ただ…」
 幽々子はある一点を集中してみていた。なんだろうと思って俺もその先を見ると、萃香がそこにはいた。


「あなた達が藍の相手をしている最中にあのこが私を攻撃して来たのよ。黙ってられなくなってね」
 幽々子は口では笑っていても、極めて本気の目をしている。さっきの口げんかで相当怒ったようだった。


「おいリュウ、こいつとの勝負に手出ししたら許さないぞ」
 萃香が俺に向かって呼びかけてくる。そうか。ここも勝負が勃発していたか。


「幽々子、頑張れよ」
 俺はそれだけ言うとすぐに零、朱鳥の元へ走る。


 俺はに朱鳥と零のまわりにシールドを張って二人に身の安全を確保した後、周りを見る。すでにルナサvs橙、メルラン&リリカvs文&椛、妖夢vs藍、幽々子vs萃香のタッグが激しい戦いを見せている。今フリーなのは俺と霊夢、魔理沙だった。


「さすがのリュウも、2対1で勝てるかしら?」
 霊夢がニヤニヤしながらこっちを見てくる。その横では怒りに我を無くしている魔理沙がいる。魔理沙は俺がアリスを見捨てようとしたと勘違いしているようだ。


(まずいな…さすがに旗色が悪すぎる。ライフルを使おうにも、手加減をすることができない)


 2対1な上、その2は幻想郷トップ2だ。勝ち目などあるはずもない。が、今はそんな状況でも戦うしかなかった。


「やってみなきゃ分かんねえだろ」


 ――――飛符「フライングファルコン」


 俺は霊夢、魔理沙と対等な位置になるように空を飛ぶ。そして、1対2の過酷なバトルがスタートした。



さて、また空気化します。
期末試験なんでね。

というわけで、お詫びの前払いで二日連続更新。
っつか、だいぶ物語が壊れ始めた。

なんだこの乱戦は、と突っ込んだら負けかな?



LAP58 熾烈なる争い


 まず最初に動いたのは霊夢だった。


 御札を利用した弾幕は普通の弾幕よりも範囲は狭いものの威力は高い。注意をして三節棍で弾幕を出しながら防いでいくと、魔理沙が急接近してきた。


 俺はとっさにビームを放っていくが、高速で動ける魔理沙にはなかなか当たってくれない。


 ――――屈符「ライク・ア・スネーク」


 集中した攻撃では魔理沙に当たらないことが分かり、攻撃範囲が広く霊夢にも攻撃が出来るライク・ア・スネークを発動する。


 均一性がなくアトランダムに動いていくたまにさすがの二人も困惑しているようだった。俺はそのまま三節棍を振ってさらに弾幕の壁を厚くする。


 しかし、さすが幻想郷トップ2だ。的確に弾幕の隙間を読み、ライク・ア・スネークの持続時間が切れても全く微動だにしていない。


「くっ…」


 思わず俺は唇をかむ。思わずこんな強いの二人相手によく持っているほうじゃないかと考えてしまう。


 今度は右から霊夢、左から魔理沙の激しい弾幕にサンドイッチにされてしまう。俺はシールドをできるかぎり小さい範囲で耐久性をあげた状態にしてはる。

 が、防御はできても、これでは攻撃が出来ない。二人が体力の尽きるまで耐えるなんていう消極的な方法ではこいつらに勝てない。


 なにかもっといい打開策がないだろうか…


 ――――マスタースパーク


「へ?」
 魔理沙の声に俺はポカンとする。左を向くと魔理沙がマスタースパークをこっちに発動してきたようだ。


「なっ!!」
 焦る。あんな馬鹿力の塊みたいなものシールドで防ぎきれるわけがない。


 動いて回避しようにも、シールドを張っているため動くことが出来ない。後はマスタースパークを相殺するしか方法がなかった。


 ――――波符「ピンポイントスマッシュ」


 俺はスペカを起動してマスタースパークを迎撃する。二つのビームの威力は互角。


 が、二人の狙いは俺にも分かっていた。


 俺がこうしている間に後ろから霊夢が弾幕を放って来ている。


 俺はスペカを起動しながら後の弾幕を三節棍で弾かなければならないのだ。


 しかも、波動の力は全部ピンポイントスマッシュの方に使っている。だから三節棍をいくら振っても弾幕の一つでやしない。


 完全に防御体制になってしまうのだ。


 それにシールドとは違うのでスキだってたくさん生じる。俺は敵の術中にはまったことに唇をかむ。


 と、ふいに霊夢の弾幕が薄くなる。


 なんだ?息切れか?それにしては早い。ならば何か弾幕を薄くする代わりに次にとんでもない必殺技を発動するのか。いや、それにしては彼女の行動が自然すぎる。ならば俺を油断させるため?だったらまだ甘い。


 しかし、霊夢の出している弾幕の量は変わっていなかった。霊夢の攻撃範囲が広がったために一点に来る弾幕が薄くなったのだ。


 それじゃあなぜそんなことをするのだ…?


 疑問に思って霊夢の見ている視線の後をたどると、霊夢は崖の上を見ていた。


「やばい!!」


 俺は崖の上にいた零、朱鳥の二人を見てピンときた。俺を攻撃して身動きを封じ込めつつ崖の上にいる二人を攻撃するために霊夢はわざと攻撃範囲を広くしたのだろう。


 そうなればあの二人を護衛しなければならないのだが、俺は今マスタースパークと真っ向勝負中だ。もし今少し動いたとしたら一瞬でマスタースパークの餌食になってしまう。しかし、動かなければ護衛はできない。


 じゃあどうするんだよ!


 しかし、おちおち人の心配をする暇はなかった。ピンポイントスマッシュ及びマスタースパークの持続効果が切れた。


 その瞬間俺は防御をやめ急いで二人の元へ向かおうとするが霊夢の追撃のせいで思うように動けない。

 さらに魔理沙が俺に追撃をかける。俺は隙間を必死で探してそこを縫って通るが、一つの弾が俺の目の前にきた。


「やべぇ!!」


 もうこの至近距離まで来てしまったら相殺は不可能。だからなんとかよけなければならないのだが、ただ一つならこれくらい避けられる自信がある。だが周りは俺を狙う弾幕ばかりだ。上にも下にもいけず、手詰まりになってしまった。


「ここまでか…」


 俺が覚悟を決めたその時だった。


「なっ…!」


 目の前の状況に目を疑った。


 周りにいた弾幕が急に一気に消えたのだ。そう、浄化してしまったかのように。


 何が起きたのか分からないでいると、こんどは空から大量のナイフが落ちてきた。本当にいま何が起きたのか分からないでいると、


「リュウ!平気?」


 そばで声がする。声のした方を向くと、


「咲夜!!」




熱血バカ&PAD長 vs 紅白&白黒

こうかくとかなり間抜けな戦いに見えるなwww



LAP59 受け入れがたき結果


「咲夜!!」
 ナイフを手に携えた咲夜がそこにいた。


「時間を止めて出来る限りの弾幕は相殺したわ。あとはあの二人を叩くわ」
 また時間を止めてさっきのナイフを回収したのか、一瞬にして咲夜の持つナイフの量が増える。


「だが、崖の上にいる二人は?」
 俺は自分がノックアウトせずに済んだことにほっとすると同時に今度は崖の上にいた二人を思い出す。あいつらは霊夢に攻撃されていたはず。大丈夫だったのだろうか。


 しかし、それも杞憂に終わった。


「見ればわかるでしょ」
 そういって咲夜が崖の上を指さす。


 俺はその指の先を見る。と、零、朱鳥の前にはお嬢様がいた。なにかとてつもなく長い槍を持っている。


「そうか…お嬢様が守ってくれたか…」
 俺は二人の安否も確認でき、ほっとする。


「二人の憂いは立てたか。これであいつらに集中できる」
 俺は二人に向き直る。


「ふん、そんなメイド長、いる時といない時で大差ないんじゃないのかしら?」
 霊夢が非常に分かりやすい挑発をしてくる。当然咲夜が動じるわけもない。


「あら?そんなに私を見下して後で泣いても知らないわよ」
 咲夜は極めて冷静な返答をする。こんなみえみえの挑発、普段冷静な咲夜が乗るわけもない。


「ま、メイド長が来てもリュウの力が分散したと考えればいいか」
 魔理沙もこっちを挑発してくるが、これ以上続いてくると面倒なので、


「フン、どうした?咲夜が来てから全く攻撃してこねえじゃねえか。口ではそう言っておきつつビビってんじゃねえのか?」
 俺も挑発してみる。


「それはそっちにも言えんじゃねえの?」
 魔理沙は非常にさばさばとしている。が、性格の違いが表れたか、


「あ?もう一度言ってみなさいよ」
 霊夢が唇をわなわなとふるわせてこっちを見てくる。


 まんまと挑発に乗ってきたぞこの脇巫女。


「一言でいうと、口先だけの弱虫だっつうことよ」
 俺がわざと笑いながらそういうと、完全に霊夢がプッツンしたようだった。


「そのくち、もう二度と開けないようにしてやるわ!!」
 そういって霊夢が弾幕の準備をすると、


「はーい、みんな。戦いはそこまでよ」
 誰かが呼びかける。


 声のした方を向くとそこには紫がいた


「紫が何の用だ」
 俺は脅しでライフルの銃口を紫に向ける。当然、弾は入れていない。


「まあ、そんな物騒なもの、生き物に向けるものじゃないわよ」
 そして、ライフルに弾を装填していないことは紫も分かっていた様子だった。


「あなた達に吉報よ。すこしそこにいなさい」
 それだけ言うとまた隙間から消えて行ってしまった。なんなんだと思っていると、


「はい、お待たせぇー」
 紫がまた出てきた。


 が、もう一人紫の隣にいた。


 金髪のショートカットヘアに西洋を思い出させる服装。青がベースのワンピースに白い袖と肩掛けが付いている服だ。俺はその女の子を見てとっさに回路がつながる。


「アリス!!!!」
 そう、紫のとなりにはあの封印されていたアリス・マーガトロイドがいた。


「アリス!!お前大丈夫なのか!?」
 俺はアリスの元へ寄り肩をゆする。


「え、ええ…どうしたのよリュウ。そんな怖い顔しちゃって」
 大騒ぎしている俺とは対照的にアリスはきょとんとした顔で俺を見てくる。


「お前、記憶は大丈夫か!?」
「え、ええ…でもなんでそんなことを?」
 俺の興奮を見てアリスは不審に思ったようだったが、俺はひとまずほっとした。


「よかった…」


 しかし、再び俺は頭が全て真っ白になる。


 なんで?デスシャドーが言っていた方法とはまるで違う方法では封印を解くことはできないはず。なのに、今横にいるのはアリス・マーガトロイド………


 何か俺は違和感を感じる。


 もともとデスシャドーは敵だぞ?あんだけトレイキョウを荒らしていた悪の帝王だぞ?


 それをあの夜急に俺の前に現われてあんなメッセージを残した。あれはただ一回きり。


 それを俺は鵜呑みにした?


 なにも間違ってはいない。


 確かに俺はデスシャドーが残したメッセージを鵜呑みにして何の疑いを持たずにここまで来た。


 だが…それは本当だったのだろうか。


 デスシャドーが作った偽情報だったという可能性はなかったのだろうか。現にもうすでにアリスがここにいる時点で解放する方法が嘘だったということはわかった。


 なら、謎の組織Xに関しても、嘘の情報だった…?


 じゃあ何のために俺にガセ情報を垂れ流した?


 後に俺が死ぬということを期待した?


 でも、俺が死なずとも解放できるのなら波刀を出す前に解放することぐらい予想がついたであろう。


 ならば零、及び朱鳥を外に出すために?いや、それもおかしいだろう。彼らは…


 いや、待て。もしかすると二人の言っていたこと嘘だということはあり得ないのか?


 朱鳥の言っていたことはすべて俺の前で証明された。薪をくべたところに火を熾すところも見たし、あの刀で雲を切ったところも見た。


 しかし、あの零という男に至ってはどうだろう。


 封印とは言ったものの実際に封印した現場は見ていない。


 いや、彼がアリスを封印したことは本当だと思う。


 しかし、果たしてアリスは本当に「封印」されていたのだろうか。


 いつか俺は霊夢に話したことがある。世の中には「封印」と「閉じ込める」の二つがあると。もしかしたらアリスは封印されずに閉じ込められただけ?


 俺は崖の上にいるはずの二人に視線を向ける。お嬢様は空中で行われているやり取りを見ている。


 その隣では朱鳥も立って俺達の方を見ていた。が、肝心の零は?零がいない…?


「まずい!!!!」


 俺は頭の中ですべての回線がつながった。


 これはすべてデスシャドーの罠だ。


 トレイキョウがあれているというのも嘘。アリスが3日で爆発するのも嘘。こんな解除方法も嘘。デスシャドーは目的さえ知らないが何か俺をはめようとしていたことは確かだ。


 そして、朱鳥は違うだろうが、零は確実にデスシャドーの仲間。アリスの封印事件を勃発させて何かを企んでいるに違いない。


 だが、何を企んでいるんだ…?


「あなたには一生分かりませんよ」
 不意に耳元で声がする。


「え?」


 俺はそのまま何かどこともなく飛んでいそうな気分になってしまった。そして、気分だけでなく、意識さえもが飛んでいく。



第一章第三編、次回でラストです。
第一章は、ここから物語が動きます。

同人が消えるなんて認められるかああああくぁwせdrftgyふじこlp
というか、その法律が適用される範囲って膨大にならね?
少年向け週刊誌とかほぼアウトじゃねとか思うんだが。

ついでに、プリキュアとかもアレぜってェヒロインたち18歳以下だろ。
日本を代表する作品が6割は消える気がするんだが。



LAP60 復讐へ


 知らない間に手が震えていた。


 勝手に手はこぶしを作っていた。


 次第に手だけ震えていたのが肩、そして唇までもが震えていた。


 おそらく、私は今「怒り」という感情を100%の状態で持っているのだろう。しかし、ここまで怒りのボルテージが上がったことは今まで生きてきていて一度たりともない。


 矛先は、言うまでもない。私の正面でにやにやと笑っているあの零という男だ。


 理由?それはいま私の足元に小さく転がっている球体がそれを語っている。


 アリスが封印されていたものに似た、しかし、色が黒ではなく赤い半透明の球体。よく目を凝らせば内部がどうなっているのかがわかる。


 したくはないがその球体の内部に目を凝らせば、紅魔館から貸していたブレザーに、これまた紅魔館が貸し出した蝶ネクタイ。さらに紅魔館が貸したズボンに、紅魔館がこれも貸した革靴を履いている見覚えのある少年が内部で血を流してあおむけに倒れている。


 もちろん目はぐったりと閉じたままである。


 簡単にこの状況を説明しよう。





 リュウが、封印された





「あれ?ジャスティスウィング戦闘能力最強と言われた男もこんなものですか。いや、たぶん僕が圧倒的に強かったんでしょうね」


 リュウが封印された赤い球体を見降ろしている私の背中では、さっきまでおとなしい青年という設定で猫をかぶっていた真犯人が憎い笑い声を立てている。


「油断するのも大概ですね。なぜデスシャドー様はこれほど隙だらけの男をさっさと仕留めなかったんでしょうか」
 憎き男――――零は手をたたいて大笑いしてる。


 ようやく声が出た。


「リュウ!!」


 私はリュウの封印された球に向かってナイフを突き付けようとする。


 が、その手は固くお嬢様に握られていた。


「お嬢様…何故…!?」
「よしなさい、咲夜。その球は触った物をも封印させる程の威力で封印されている。たとえそれが間接的であっても、確実にあなたが封印されるわよ」
 また私は言葉を無くす。


 見ると、私とその男を除き、他は全員唖然としているようだった。皆、声を無くしている。


「うそ…でしょ…」
 霊夢でさえ顔を真っ青にしてその場から凍ったように動かなかった。


「…なんてこと…一番最悪の状態だわ…」
 紫が赤い球から目をそらす。


 辺りは重い空気が我が物顔で居座っていた。


 そこに、待ってましたとばかりに西から風に乗ってきた黒い雷雲がさっきまで腹が立つほど眩しかった太陽を隠して、まるで夜を連想させるほどの暗さを幻想郷に落とした。


 もし、この天気は私の気持ちを象徴しているものなのだろうと思っている人に一つ忠告しておこう。


 全くもって私の心の中はこの世界の天気と真逆である。


 私の心の世界は、いまやマグマが地面から噴き出し、そこらじゅうで炎が巻きあがっている、灼熱の世界に覆われていた。


 これがどういうことを表すか、それはこういうことだ。


 私は、気が付いたらナイフを振り上げていた手でお嬢様をとばして、零の後ろに回ってナイフを首に突き付けていた。


 すでに若干零の首に浅い傷をつけている。ナイフの先から落ちる血にその場にいた私と零以外の人達は動揺を隠せなかった様子だったが、私にはそんなことを気にかける余裕はなかった。


 理由は、ただ一つ。


「早くリュウを解き放ちなさい。さもないと、その首を掻き切るわよ」
 私は、今考えると自分でもぞっとするほどの恐ろしい声で零を脅した。


 真の怒りとは、かくも人を残酷にするのか。もし、私が出版の権利を与えられたとしたら、まず真っ先に生き物にとっての怒りをテーマにした評論を執筆するだろう。それほど、私の頭の中にはその時の私がしっかりと焼きつけられているのだ。


 しかし、当然零は態度を変えることをせず、


「そんなことを人に頼まれてするのなら、いちいちこんなふうに封印しませんよ。僕はそんなお人好しじゃないんでね。さて、僕の任務は終わったんだ。デスシャドー様の元へ帰って報告をしないといけませんね」


 と言い残すと、私の腕の中で粒子分解をしてそのまま消えてしまった。


 と思ったがまたさらに粒子分解された零が元の姿に戻っていく。何かいい残したことでもあるのかと、ナイフを携えて様子をうかがっていたが、形を現した零の表情は非常に驚きを隠せなかった様子であった。

 まあ、
「え?何が起こったんでしょうか?」
 と、おどおどしていた様子を見ていればそこまで注意してみなくても分かっただろう。


 で、原因はこっち側にあった。


「あんた、リュウをそのままにしておいて勝手に逃げようとすんじゃないよ。粒子分解を操る能力をもったものがお前だけとは限らないことを忘れていたんじゃないのか?」


 その聞き覚えのない低いトーンの声のする方を振り向くと、腕組みをしている萃香がものすごい形相で零を睨みつけていたのが見えた。


 萃香も私同様、今回の新たなる事件に対して怒りを抱いている様子だった。


 零はその様子を見て、肩をすくめて見せた。そして、


「おっと、幻想郷の人たちは能力者たちの集まりでしたね。トレイキョウにずっといたから全く分かりませんでしたよ」


 という。そして、
「まあ、あなた達にかまわなくても帰れるっちゃあ帰れるんですけどね」
 と言って、また粒子分解を始めた。


「無駄だと言っているだろう!!」
 すぐさま萃香が零を実体化しようとするが、今度はうまくいかない。


 何か零の周りの空間にバリアのようなものが張っており、萃香の能力の干渉を拒否している。


「くっ…」


 与えるパワーをあげても焼け石に水。守られたエリア内で零は完全に消滅、移動してしまった。


 後に残ったのは先ほどからずっと漂っている沈黙と、このなんとも言えない虚無感のみだった。私が睨みつけた先では、まるでこんな状況に陥った私たちをあざけ笑うかのように夕日が沈んで、時は宵の刻に入った。


 私はしばらく零が去っていった方角を睨みつけていたが、再びリュウの封印された赤い玉に焦点を戻す。


 私が赤い玉から離れている間に、お嬢様はその赤い玉の近くに膝をついて様子をうかがっていた。


 私はお嬢様の元に駆けつける。


「リュウ……」
 あのお嬢様でさえも動揺に絶句していた。まさかこんなことになるとは予想していなかったんだろう。


 他のメンツを一通り見まわすが、状況が把握できていないアリス以外は誰一人としてまっすぐより上を見ていられた者はいなかった。


 皆、首をうなだれて声の一つも発さない。


 まるで、不意の事故で死んでしまった友人の葬式みたいだ。現に、その例えはほぼ今回の事件に当てはまる。


 アリスが封印された時の黒い玉よりはふたまわり以上大きいうえ、色だって黒から赤になった。それに、アリスの時よりも中の状態があまり見えない。かなり厳重に封印されたようだ。


「……咲夜」
 急にお嬢様が立ちあがって、こっちに背を向けたまま今までに聞いた事のない低いトーンで私の名前を呼んだ。


「…なんでしょう」
 私は、お嬢様のその様子に少々おどおどしながら聞く。


 と、ゆっくりと振り返ったお嬢様の目は、赤い満月が昇った時にお嬢様が覚醒した時と全く同じ、またはその時よりも邪悪な目になっていた。


 まだ宵の刻だというのにここまで力がはみ出ているということは、私以上にお嬢様が怒っていることにつながる。


 お嬢様がその禍々しさを隠すそぶりは一切見せずに、
「あの男をたたきのめす。紅魔館の全勢力を持って」
 と予言したことは、いまでも私は覚えている。


 幻想郷で特に目立っていたあいつを、紅魔館の大切なメンバーを、私の彼氏を、目の前でこんなふうに加工されて、誰が黙っていようか。


 私は一も二もなく快諾した。




「ええ」




第一章「幻想郷伝説」 第三編「邪悪に充ち溢れた封印」




っつか、だいぶ長くなったな…60話って…

因みに、次回からは本を大量に読み漁ってラノベを書いている今に書いた文章になります。

多分、今までよりましな文章が書ける自信はある。展開もマシにできる自信がある。

というわけで、今後ともごひいきにしてくれると嬉しくてドナルドと一緒に踊ります。









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最終更新:2010年03月21日 21:19