祝!第一章終了!
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なんでこんなに時間かかってんだよwww
ネタではなく300話ぐらいまで伸びそう…
LAP71 旅立ち
「ホントに…行くのね…」
俺の前で、初めての落涙をお嬢様は見せた。
「申し訳ありません。しかし、今生の別れではありません。いずれまた会えるでしょう」
「私は500年この世界に生きている。けど、こんなに胸に刻まれた一年はなかった。感謝するわ」
お嬢様は、涙顔の上に無理矢理笑顔を乗せた。
声をかけたかったが、いくら声をかけてもなごり惜しくなるだけの様に思えた。
「リュウ…」
魔理沙もアリスも、涙目どころではなく、頬を涙が伝っている。
「だから、今生の別れじゃねぇんだって。絶対戻ってくるよ」
「本当ですね!?」
目を赤くはらした文がその言葉に食いかかってくる。
「嘘だと言ったら本当に承知しませんよ!」
「ああ、その時は幻想郷の住人全員で俺のことをぼこりにくるといい」
頭をぽんと叩いてやると、それがスイッチになってしまったか、文が滝のように涙を流し始めた。
そして、今度は目線を美鈴に向ける。
「お前には、本当に世話になった」
「そんな…こちらこそ、本当にありがとうございました」
がっちり固い握手を交わした。
「こっちに帰ってくる時は、もっと中国武術の腕をあげてからにするよ」
「期待してますよ」
「ふん…別にあんたなんか帰ってこなくてもいいけど…」
後ろでそっぽを向いていたフランドール様が口を開いた。
「お姉様の悲しい顔は見たくないから、一回は帰ってきなさいよ」
「かしこまりました」
なんだかんだいって、フランドール様も俺のことをなごり惜しく思ってくれているんだな、と思ったらなんだか嬉しくなった。
そして、最後に残ったのは、誰よりも涙を流している、咲夜。
「絶対戻ってくるって言ってんのに…」
「だって、だって…」
涙を流しながらだだをこねる様子は、子供みたいだ。
でも、今回ばかりはこちらが妥協することはできない。
「しょうがないんだ。出会いがあれば別れがある。一期一会っていうことばがあるじゃないか」
「じゃあ…最後に一つだけ…」
そういうと、ずっと下を向いて泣いていた咲夜が、目を上げた。
「思い出を…頂戴…?」
「……もちろん」
俺はそう言って咲夜に歩み寄る。
咲夜は俺が近くまで来るのを待っている。
そして、俺は咲夜の傍まで行くと、咲夜の肩を両手で持って、
その華奢な唇に、自分のそれを近づけた。
「……んっ…」
お互いの唇を啄ばみあう、淡いキス。
それが、舌を絡めあう濃厚なキスにかわるまで、さほど時間がかからなかったのは意外だった。
「……っちゅ…んく…んんっ……」
咲夜の口内を自分の舌で丁寧になめまわした後、バニラの淡い香りがした咲夜の口から自分のそれを離した。
「しばらく一人にするけど、元気にやってろよ」
耳元で、俺はそう優しく囁いてやった。
そして、俺は咲夜に背を向けて歩き出した。
咲夜のほうには一回も振り向かなかった。
振り向くと、俺が泣き出しそうだったから。
最後ぐらい、格好をつけたかった。
「用事は済ませたかしら」
ブレイクダークの横に立っていた紫が声をかける。
すでに、幻想郷と現実世界を結ぶ道は作り終えたみたいで、その道はしっかりと浮かび上がっていた。
「ああ、お陰さまで」
「そう…じゃあ…」
そういうと、紫は、自分の帽子のリボンをしゅるりとほどいた。
「このリボンは、自分が念じた時に一度だけ、この世界に通じる道を出してくれる。もしあなたが本当にこの世界の戻りたくなったら、そのリボンに念じなさい…」
「…絶対無くさないように持っておくよ」
俺はブレイクダークのハンドルに、それをしばりつけた。
「それじゃあ…また近いうちに会えるといいわね」
「そうであることを願うぜ」
俺はブレイクダークに飛び乗った。
「…じゃあな、幻想郷」
もうすぐ去ろうとしている幻想郷の景色を目に焼き付けてから、静かにコックピットを下ろした。
そして、静かにブレイクダークを、その世界と世界の亀裂に進めていった。
最後に、現実世界に戻る手前、
「またくるぜ」
と囁いた俺は、かっこよかっただろうか。
その答えは、これからまた共に戦っていく相棒、ブレイクダークのみが答えを知っているだろう。
Fine.
To Be Continue!
うひー、疲れた。
一章が終わったことに少なからず安堵。
1st ED:Link
from:Asura Cryin ED
songer:Angela
最終更新:2010年06月28日 18:36