これからは展開を早くしていこうと思いますの候
第二章が始動するんだってさ。
内容はどうやらトレイキョウに戻った話からだってさ。
2nd OP:oblivious
from:Kara No Kyoukai Theme
songer:Kalafina
LAP72 何故…
「………」
呆然とした。
あり得ない、あり得ない、あり得ない。
そんな馬鹿なことがあってはならない。
俺の目は、焦点を合わせることを拒んでいる。
今、俺はブレイクダークを瓦礫の海の真ん中に止めている。
周りの瓦礫からは、若干だが煙があがっている。
目の前に倒れている長いコンクリートの棒は、かろうじて元の姿「ビル」という形を維持していた。
その下には、完全に原型を崩した鉄の塊が下敷きになっている。
傍にタイヤが転がっているから、これは旧型の車なのだろう。
そこらじゅうにそんな景色が広がっているのだ。その瓦礫の上にはいたるところにツタが生えていたのだった。
俺は、確認のためもう一度真後ろに落ちている看板を見る。
赤の背景に、飛び出てくるイメージで描かれた黄色の文字。
その両端には、ホワイトキャットとブレイクダークの絵が描かれている。
その黄色の文字を、もう一度うつろな声とともに発してみた。
「F-FIRE…実行…委員会…トレイキョウ…本部…」
そう、俺は、ブレイクダークを瓦礫の海の真ん中―――トレイキョウに止めている。
かつての栄光は、もうない。
トレイキョウは……知らない間に、壊滅していたのだ。
それは当然、ジャスティスウィングの本拠地がつぶれていることを言うのであって…
その場に膝をついた。声にならない声がのどを通り越した。
ジャスティスウィングも、壊滅したのだ。
超展開自重しろなんて声は一切聞こえませーん。
LAP73 運び屋との出会い
「おい、アンタ」
不意に声をかけられた。
後ろには、髪を伸ばしっぱなしにした男と、立派な髭を蓄えた男がいた。
「…何でしょうか?」
虚ろな目で二人を見つめる。
「お前、リュウサトウじゃねぇか」
俺が振り向くと、ひげを蓄えた男は目を丸くして驚いた。髪を伸ばしっぱなしにしている男も隣の男の言葉を聞いてうなっている。
「俺の名前はスティーブ・シュガル。こいつ、トレイプスと一緒に運び屋の仕事をしているんだ」
そういってひげを蓄えた男は手を差し出してきた。
今度は俺が目を丸くする番だった。
「じゃあ、貴方達は…」
「リュウサトウは豪快な男と聞いたんだがな…まあいい。その通り、俺達はF-FIREパイロットだ」
俺は、横耳にトレイプスの言葉を聞きながらスティーブの手を握り返した。
確かに、そこの瓦礫の奥には二台のF-FIREマシンが止まっている。
「ところで、お前行方不明だって話を聞いたんだけど…」
どうやら、一応俺がこの世界から消えたことはニュースになっていたようだ。
しかし、ここですこし疑問が生まれる。
「そうだ、かれこれ半年も姿をくらまして何をしていた」
「え?」
確か、俺は幻想郷に1年近くいたはずなのに…
でも、異世界同士の行き来なのだから、時間が多少ずれていても辻褄が合う。
ただ、答えに困った。
本当のことを言うのも気がひけたので…
「ちょっとF-FIREの実力を上げていたんだ」
「ああ…勤勉だな、お前」
胸が痛むが、仕方がないだろう。
さて、次はこっちが聞く番だ。
「どうして、トレイキョウはここまでぐしゃぐしゃなってんだ?」
そう聞くと、二人は目を見合わせた。
そして、トレイプスが口を開いた。
「貴様、こんな世紀のニュースを知らないのか」
「だいぶ辺境の地で鍛えてたからな」
「そうか…」
トレイプスはスティーブに視線を投げる。
「お、俺がしゃべんのかよ…」
「貴様がしゃべろ」
スティーブは一つ大きくため息をつくと、神妙な表情で語った。
その内容は次のとおりである。
ここで脇役の登場。
別に重要人物には発展しないから大丈夫だったりするよ。
LAP74 新たなる戦場へ
まず、俺の失踪事件がニュースで大々的に放送された途端、ブラックタイガーの動きがとてつもなく発展した。そして、それに対抗するかのように、政府特別秘密機関であったジャスティスウィングは、その存在を世に公開した。
そして、世界はジャスティスウィングvsブラックタイガー一色に染まったのだが…ここで事件が起こった。
サンダーオーシャンにて、両組織が対立していた時に、サンダーオーシャンにて大規模な爆発が発生した。その理由は、ニュースでは不明とされていたそうなのだが運び屋として宇宙を駆け回る二人には、ある情報が手に入ったそうだ。
その爆発は、ある組織によって引き起こされた。
その組織名は――――「X」
その名を聞いた瞬間、また俺は世界が暗転した錯覚に襲われた。
幻想郷で零に封印されてから、俺はあの夜のレースの後にデスシャドーが言い放ったことは嘘だとばっかり思っていた。
だが…半分は当たっていたのだった。
その謎の組織Xは、そのあとも次々とF-FIRE協定に組み込まれていない生命惑星を理由不明の爆破で木っ端みじんにしていった。
だが、あまりにも大々的過ぎるその犯行は、逆に現実感を感じさせなかった。
しかし、事態は急変した。
それは、ブラックタイガーがジャスティスウィングから逃亡していた時のことなのだそうだ。
その時、ブラックタイガーの部下たちはトレイキョウ内のある宝石店から膨大な金額の宝石を盗んで逃走した。事態を聞きつけたジャスティスウィングはその後彼らを追撃。その追いかけっこの舞台がトレイキョウ中心部に入ろうとした時だった。
ブラックタイガーの車両が、ものすごい勢いで爆発したのだ。
その爆発は、一瞬にしてトレイキョウ中心部を焼け野原にし、その爆発ともに生まれた猛烈な爆風によって出来た竜巻の影響で、トレイキョウ郊外も滅茶苦茶にされた。
始めは、それがブラックタイガーの自爆テロだとうわさされたが、ほとんど同じ要領でブラックタイガーの本部があったとされる惑星も、それごと爆破された。いまでは、デスシャドーとその一味は行方不明となっているらしい。
しかし、俺が出る前にあいつらは幻想郷を出ているから、見つかるのも時間の問題だろう。果たして、連中は今どこにいるのだろうか。
「残念な話だが、この惨事を見れば解るだろう」
トレイプスが明後日の方向に顎をしゃくる。もうこれ以上トレイキョウの崩れ去った様子は見たくはなかったが、現実から逃避してはいけないとどこかの理性が主張していたのも嘘ではない。
「で、聞きたいんだが」
「ジャスティスウィングのことだろう?」
言いたいことを先に言われ、言葉に詰まってしまう。
俺の固い表情に気がついたのか、スティーブは俺を見ると笑顔を浮かべた。
「心配すんなって。連中は生きてる」
「何処にいる?」
生きていることぐらいは予想がついた。あいつらは、こんな町の崩壊後時で死ぬほど柔ではない。
だが、連中が今どこにいるか、こればっかりはわかりようもない。
でも、二人の表情が曇ったのを見て答を悟った。
「分からないなら、いい」
ふっと表情が緩む。
「すまねぇな。お前の力になれなくて」
「知らないことを聞いてもしょうがねぇだろ」
ジャスティスウィングのメンバーが生きていても、まず全員が固まっているとは考えにくいだろう。おそらく、この銀河系にここが散らばっている。
しばらく銀河系をさまようしかねぇかな。
そして、もう一つ疑問に思ったことを口にしてみる。
「F-FIREはどうなったんだ?」
「あ、そうか。お前何もしらねぇのか」
スティーブは短く整ったあごひげを撫でながら、周りの様子を見渡した。
「パっとみるとF-FIREというスポーツ自体が壊滅したように思えるな」
「安心しろ、それも無事だ」
そう言ってトレイプスは何かカードを投げてきた。
受け取ってみてみると、それは新しいF-FIREライセンスカードだった。
何が変わってるというわけでもないので、はてと首をかしげると、ある変更点に気付いた。
F-FIRE実行委員会本部の住所がここトレイキョウから移動していた。
「俺達は知っての通り運び屋でな。仕事の一環としてF-FIRE実行本部からリュウサトウに新しいライセンスを渡すよう頼まれていてな。見てわかるとおり、F-FIRE実行本部はトレイキョウからマリンフィールドに移動したことでF-FIREの開催を守った」
確かに、F-FIRE実行委員会本部の住所にはマリンフィールドと書かれている。
「何かひっ駆ることがあるならそこに行くといい。いろいろとわだかまりが解消できるだろう」
俺は一通りそれに目を通し、間違いがないことを確認すると、腕に常備しているミニマグネットのライセンスポーチに、前のライセンスカードと入れ替えた。
「情報提供感謝する」
「他のメンバーが早く見つかることを祈るぜ」
俺は運び屋二人と固く握手を交わす。
そして再び、ブレイクダークに身を躍らせた。
ブレイクダークを発進させようとして、ふと引っかかることがあった。
「転移ゲートはどうなった?」
コックピットのふたを開け、まだそこ立っていた二人に聞く。
「ああ、転移ゲートなら無事だ。昔あったところにそのまま残っている」
「そうか、すまない」
二人に向かって手を掲げ、コックピットのふたを閉めるとそのまま転移ゲートまで走った。
言った通り、転移ゲートは無事に残っていたみたいで、瓦礫の中に、不気味に青白い光の壁がたたずんでいた。
俺はそこに向かって突進し、
「転移、マリンフィールド!」
そう短く叫んで、その壁を突き抜けた。
筆ペンのインクが爆発して、凹んだがために更新が遅れました。
兄上の依頼も先延ばしです…すいません…
LAP75 ギャラクシー杯
マリンオーシャンは、トレイキョウが壊滅した今ではこの銀河一の惑星になった。
惑星の99.9%が海という自然に奇跡が生み出したこの星では、本部が置かれていたトレイキョウよりも、F-FIREが多く開催されることで有名で、毎回わんさか観客が集まる。
他にも、まあ当然ながら全惑星の魚介類の99%はここマリンオーシャンで取られているほか、一度は行ってみたい惑星ランキングでも5年連続1位を取り続けている。
さらに、人が住むところは人工島になってしまうわけだが、その人工島はお金さえあれば、自分のイメージで島の形から景色から、全てカスタマイズできるという素晴らしいサービスを取り入れていて、そのせいか陸地が0.1%しかないのに、人口はトレイキョウ、ポートハーバーに次ぐ第三位に位置している。
そして、各人工島をつなぐ大々的な道路が、惑星の海の上中に張り巡らされている。道路建設事業のお金は、毎年のマリンオーシャン政府予算の80%を占め、毎年膨大な資金をつぎ込んでその網を広げている。
そして、ちょうどマリンオーシャンではF-FIRE2709の13レース目、ギャラクシー杯が開催される様子で、海上に架けられた道路には無数の車、人が行きかっていた。
レースに行けば、ジャスティスウィングのメンバーに会えるかもしれない。いくら本部が壊滅しても、F-FIREマシンが破壊されたというわけではないだろう。マシンが健全ならば、F-FIREパイロットはレースで金を稼いで食べていくのが常識だ。
それに、ブラックタイガーの連中が戻ってきているかどうかの確認もできる。デスシャドーがこの世界に帰ってきて、まず先に手下の招集に手をつけるか、それともアジトの修復に向けての資金を集めにレースに出場してくるか。そこは言ってみなければわからない。
いずれにしても、得られる情報にはレースに出るだけの価値が存在するだろう。
飛び入りでレースに参加するため、俺はクラクションを鳴らしあう車がごまんといる道路を抜け、レース会場まで飛んだ。
ついたときには、もうレースエントリーしたパイロットの説明が終わっていたところだった。
「さて、全マシン6台の紹介が終わったところで…ん?」
実況をしていたアナウンサーが言葉を止めたのと、俺が飛び入りで25ピットにマシンを止めたのは同時だった。
ブレイクダークがレースに乱入したのを見た観客は、マリンオーシャンが音で破裂してしまうのではないかと思う様な歓声を上げた。
「なああんとおおおお!!!半年も姿をくらまし、世間では死んだのではないかと思われていた、あの高速の白隼、リュウサトウとマシンナンバー00、ブレイクダークが飛び入り参加しましたぁあああ!!」
アナウンサーも急にテンションが上がったようだ。スピーカーからノイズが発せられるほどの大音量で叫んでいる。
しかし、俺はあくまで冷静だった。
エントリーしていたパイロットのマシン番号と名前を頭の中で一致させる。
(1番、リンダ・ストーレビッシュ…2番、ディープ…7番、ウルフ…9番、ドレイン=シュパイツレント…20番、ジョン・マグガイア…25番は新人か…)
そこで肩を落とす。
(ジャスティスウィングの面子は……いないか)
確認する限り、ジャスティスウィングのメンバー、そしてブラックタイガーのメンバー、さらにはマイティーまでいない。
そして、ジャスティスウィングの親的役割をしてくれたフォード夫妻の姿もない。
(状況は深刻だな…)
心の中で舌打ちする。手掛かりは何一つとして見つからなかった。
とりあえず、このレースはローカルなパイロットばっかりだ。優勝は軽くできるだろう。このレースをさっさと優勝して、優勝賞金を使って次の情報収集に向かうとしよう。
そんなことを思いながら、俺はレース開始の合図をじっと待っていた。
MJ文庫Jに出す文章に力入れ過ぎてこっちが更新でけへん…
最終更新:2010年06月28日 18:43