受験生って大変だね。もう変態過ぎるよパトラッシュ

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ピーチクパーチク鵙ちゃんかわいいな。ひひゅ、ひひゅ。



「盗んだのは、女らしいな。偶に、神野殿が酔った挙句に口走ってるとか何とか。と、こいつはもう鈴さんも知ってたか。手紙にあったな」
「はい。……単に盗んだ、だけではないのですか?」
「そりゃもちろん。人が悪いな"姉さん"も。あんたの勘の良さを知らない俺じゃないんだが?」
「……姉さんは、やめてください」

冴原心貴と羽橋鈴音が話し始めて、一刻(約三十分)ほどになるか……。
鈴音は茶を準備し、こぽ、と器に注いだ。立ち込める湯気が幽々(ゆゆ)と揺らいでいる。

「盗まれた、というだけでしたら、何も浪人の方に助けを求めずとも深草の主に求むべきでしょうから……」
「だな。人格者である深草士郎なら、盗みに遭った程度で打ち首にしたりはしないだろう。名刀であるにしてもな。
自分で信を置いた者に預けたにも関わらず、打ち捨てちゃあ全くにおかしな噺だ」
冴原は、軽く礼をいい茶を飲んだ。茶器を掴む手は、大きく逞しく、実に男らしい手である。

「で、盗まれた理由(わけ)だが…ふむ、こいつはあまり、鈴さんには言いたくはないんだが」
またもや、茶の湯を喉に通し、
「床(とこ)での話らしいんだな、これが」
「…です、か」
羽橋鈴音が首を傾け、思わず、苦い笑みを浮かべてしまったのは致し方の無い事であろう。
床とは無論、男と女のあれやこれやの事であり……。

「ふふ……」
鈴音はどうやら、話の大筋を把握したようで……。
秋天(そら)に向け、うろこの並ぶ、湿(し)、と雲棚の風が爽やぐ。

「さて。どうにも鈴さんは何も彼も分かったみたいな顔をしてるみたいだから、もう話さなくてもいいか?」
冴原心貴が、にやり、と頬を吊り上げる。
刻まれた数筋の皺は、三十の男にはいささか不釣合いな、修羅場をくぐってきた男の皺である。
「人が悪いです、心貴さん」
「これでお互い様だ。まぁ、俺もせっかく仕入れたものを無駄にするのはいやなんでね」
茶を傾けながら、冴原は続けて……。


事を全て語り終えたのは、そろそろと、日が首を傾げに入る頃合であったろうか。
火を恋う冷たい風が山嶺より流れ、秋萩の天辺をなぞる。
冴原心貴は外に出でて、羽橋鈴音も見送りへと外に出ている。

「そういや、カヤ嬢は今日もこれか?」
言って、両の腕を口許へと持っていき、剛けた(たけた)指にて、笛を吹く真似をする。
「はい。今のこの時間なら…ちょうど、吹いているときかもしれません」
「そうか。久々に逢ってもみたかったんだがな」
カヤの性については冴原は知らぬが、鈴音とカヤの仲については、薄々とであるが感づいている。
流石に祝言を挙げている仲とは思ってもいないであろうが……。

「鈴さんのことだから心配はしないが、あまり無茶はするなよ?」
「大丈夫だと思います。カヤにも釘を刺されましたので……」
「はは。そりゃ、鈴さんにとっちゃ一番の"くすり"だろうな」
「私、そんなに危なっかしいですか?」
「あぁ。何かしでかしそうな雰囲気は大いにある。こわい恐い姉さんだ」
「あ…また、姉さんと……」
「俺は人が悪いんだ」
「もう……」

鈴音は苦い笑みを浮かべ、冴原は楽しげな笑みを浮かべ。
一縷の風が吹き、鈴音の鈍色の長い髪が、凛、と涼しげに靡く。

「ん……ほう」
風に、すこし眼を瞑りながら冴原心貴は歩き、拾う。近くの小川が、ぴちゃり、と飛沫いて(しぶいて)いる。
「それは……」
「こりゃ…萩、だな」
土の混じる枝葉に、仄かな、淡い紫の花が咲いている。
風に誘われ、やってきたものであろう。

「秋萩町に萩とは、なかなかにおもしろみがあるな。見るかい?」
「有難うございます。ん……土の、香い(におい)がしますね」
白い指で掴み、鈴音は萩の香いを、すぅ、と通す。
「香い、といえば」
「ん?」
「心貴さんから、血の香いがしていますけど……」

言った後……。
鈴音は、零れ落ちる白湯のようなしずやかさで、指から萩を舞わせた。
地に向け、はら、と……。

「くく。叶わないな、鈴さんには」
自嘲気味に笑い、
「あぁ。どこぞの小屋に忍び込んだ晩の日に、な。『弱気を助け強気を挫く』は今でも健在だからな。斬るかい?」
「いいえ……」
ゆるる、と鈴音はかぶりを振った。
地に横たわっている、萩に、目を向けて、ふ、と視る。

「素敵な心です」
「それは良かった」
空に浮かぶ露は白く、天つ空に向けて風音を誘い、夙夜を通し飽きず絶えずに閃めゆく。
「いつぞやの傷は、まだ癒えてないんでね」
冴原は背を向け、歩き、小川にかかる、ちいさな流木のような橋を渡る。
しきりに鵙(もず)が、鳴いている。
手をひら、と振り、冴原心貴は去っていった。



明日は模試だ。
こんなときのために、ボクは伝家の宝刀「六角形鉛筆」を忘れない。
①問題が分からない
②鉛筆転がす
③よし、この選択肢にしよう
④やったぁ、こんなに早くこの問題が解けたぞぅボク天才
センター試験でも重宝するテクニックだと思われ。



須賀深草の通りより時雨坂(しぐれざか)を往き、八青木(やつあおき)の町並みをくぐる。
それから、駕籠屋の道先(さき)に続く三郎坊橋(さぶろうぼうばし)を渡り、流れる川の上を渡りきった後に木立を見受け、進んで往くと、其処に鰻屋〔山戸田〕がある。
昼の暮れ入りの候では、客は二人と少なく、小さき母屋の如き店の中は、静々と鎮かである。

秋日向、未の中刻……。

チュニックにデニム、腰に大刀を携えた長い黒髪の女は立ち上がり、勘定を済ませ外へと出る。
依条四季川和良丞(いじょうしきがわ かずらのじょう)は、今日の条越流の稽古は常から休みとしており、よく、こうして遊山がてらに山戸田の料亭に鰻を食いに来るのである。

橋の欄干に背を凭れ、巾着袋より桃を取り出し、器用に皮を剥く。
片手にもちながら、鱗のかかる、しかし日和の好き空を振り仰ぎ、

「――なんだ。見覚えのある面(おもて)だな」

三郎坊橋、中程の間……。
百(どう)、とせせらぐ川の橋上、見受けられるは、山戸田の方の木立沿いより男が三人。
一人は小柄で、きち、とした轟々たる気を煮詰めるかのような袴を着けた神野助六、二人は浪人である。
明九茂幸成(あぐも ゆきなり)はポロシャツにワークパンツ、當道護法(とうどう まもる)はよれた袴を身に着けている。

「おぼえていたか、女」
神野は、一歩前に進み、大刀の柄の頭に手を添える。
「なに、そう忘れやしないよ。三度(みたび)も、こう来られてるからな」
「ふふ、それもそうか。ならば聞く」

りぃ…ん。
鞘を疾り(はしり)、刀身の剛る音……。
辺りに人はおらず、これに驚くは騒々とさざめく木立のみである。

「我が主、深草出水守士郎(ふかくさ いずみのかみ しろう)が名刀〔二分亀〕の在処――どこだ」
「さぁて、知らないね」
構えられた刀には目も暮れず、悠然とし、依条は手にする桃をかじろうとする。
甘やかな蜜が口に広がるかといった転瞬、

「たわけが!」

神野は、いつの間にか手にしていた石塊を、投げた。
依条の身に直接は当たってはいない。
が……。

「――――お前」

ぼとり、ぴしゃり……。
艶めく雫を光らす、桃が依条四季川和良丞よりひゅ、と弾き飛ぶ。
幾分か遠い処に落ち、いまでは空気に甘香を添えるのみとなり……。

依条は、おおよそ捉えることの出来ぬ速さで、刀を抜いた。

「桃の落とし前。どうしてくれるか、聞こうか」
彼女の赤眼に、鋭く刺突(つく)かのような気がこもる。

すす…ゆらり……。
刀は、幽かなる、然し目の前の尖(さき)へと向けられ……。

「あんたの体で払わせてやりますぜ!」
先に、動いたのは、當道護法である。
目を迸らせ、薄髪を散らしつつ、抜いていた大刀にて袈裟に繰り出し、
「が……」
響く川の水音に乗り、捌かれた直後に峰にて首を打たれ、三郎坊の橋に突っ伏した。

風が一(ひとつ)吹き、そより……。

「流石は道場を持つだけの腕前か。――明九茂殿」
「は……」
「挟むぞ。走れ」

次に動いたのは浪人、明九茂幸成である。
体躯(からだ)を、地を駆る鼠の如く、疾、と走らす。

「鋭!!!」

走りざまに、向けて一薙ぎ……。
それを女の身にしては軽々と流し、捌き、
「ち……広い橋だ」
依条は毒づいた。
走り抜けた明九茂は、たと、と橋の境まで駆け、
――正面、依条の向うにいる神野助六と合わせ、ちょうど彼女を挟む形となっている。

神野、明九茂の両名は、徐々に、間合いを詰めつつ、
「もういちど聞く。刀を、何処へやった」
「私ももういちど聞く。私の好物の桃の落とし前を、どうつけるつもりだ?」
倒れる當道へ目を向けながら、依条四季川の条越流の主は、明九茂へ背を向け、神野へと体を対峙させる。

「貴様――いつまで腑抜けるつもりか!」
「心外だな。それはこちらの台詞だ。鸚鵡(おうむ)返しは勘弁願いたいね」
「黙れ!」
刀を八双に構え、神野助六は、轟(ごう)、と気を漲らせる。
天(そら)へと伸びる刀身は、うろこ雲の隙間より差す陽光を鈍く、きぃん、と照らし返し……。

で、あるからにして。
神野助六は、己の眼の先のその鈍く光る色を、
――陽光に耀く鈍色の髪の靡くその姿を、刀の如く錯覚してしまったそうな……。

「助太刀します」



薬売り書いてみたZOY
そしてモノノ怪、もといayakashiの方の化猫を視聴。
何度視てもいいのぅ・・・(三回目
ちなみに、モノノ怪はayakashiの化猫の続編なのです。
まぁ、どっちから見てもなんら問題はないですが。話は全部独立してますしな。
というわけで早速君も見てみよう!



ふ、と浮かび上がるかの如くに現れた羽橋鈴音に、橋上の皆が驚いたのは無理もない。
〔山戸田〕に続く路より出でた鈴音に、最も驚いたのは浪人、明九茂幸成であり、
――それもそのはずで、己の直ぐ背後に、ゾクリ、とする冷たき風景の一節のように鈴音の声音(こえ)が、背筋から、うなじにかけ、至るまでに、ブルリ、感じたからであろう。

「何奴!?」
叫びざまに、明九茂は背後(うしろ)の鈴音に向け、一太刀……。
浴びせる前に、羽橋鈴音は帯に差す塚原文沙(つかはら あやさ)一尺一寸を抜き、
「りぃ…ん」
腹部に斬りを入れ、水月(みぞおちの事)に柄を打ち、ひとつ。

「剣を持つ者、先ずは己を斬る事」
「あ……」
悲鳴を上げ、明九茂は気をうしない、橋の木の香う(におう)土に臥す。
「私は、師からそう教わったのですが……」
くらむ秋空の間、うろこの雲、鈴音は歩き、凛……。

「こんな処で会うとはね」
女師範代は、隣に歩み来た鈴音の参上に、軽くに眼を見張り、
「ふふ…風の噂で」
「ほう。風の噂、ね」
にやり、と笑う。
橋に佇む桃の白きに香りは雄風(かぜ)、川の小流に、日を浴び……。

神野は、急の見目麗しき女剣客、また浪人二人があさり、と倒され、焦り、
「おのれ…女、きさまも手の者か!」
「――――いえ」

転瞬――
羽橋鈴音の眼(まなこ)に、鬼を灯す氷き(さむき)炎が冷たく、冱え(さえ)勝る。

たった、その一言で。
神野助六は、竦然(ゾクリ)と、してしまった。

羽橋鈴音は、鈍色の着物の裾を捌き……。
「任されても…構いませんか?」
尋ねられた依条は、己の血滴る右腕を眺め、
「頼むよ。腕がこんななんでね」
「引き受けました」

風は色亡く、三郎坊の橋を、ひゅるる、と吹き渡り、沁、と……。
鵙は囀り、山戸田の上空(うえ)をくる、くる、と舞っている。

(いつぞやの見学…道場で稽古積む必要がどこにあるんだか、全く)
身を、音無きに消失させるかの如くに閃く鈴音を見つつに、依条四季川和良丞はそのようなことを思った。
「く…」
ず、と神野は後ずさる。
秋の川、せせらぎ、雲間に清雫(つゆ)は枝垂れ……。

りぃ…ぃぃ……ん。

剣閃(ひかり)は冴える。涸れない雪のように。
(――――氷、みたいだ)
依条が視る最中に、神野助六は腕に剣戟を受け、羽橋鈴音の鈍色の髪はさらめき、着物(ころも)は幽かに揺らめく。


しずかな剣閃が、筋を引き……。


「うん? なんだ、気絶したのか」
斬りは腕にしか喰らっていないにも関わらず、神野助六は橋へと倒れてしまった。
鈴(りん)、と羽橋鈴音は刀を鞘へと納め、
「ふふ…男の方ですから、心根は強くあって欲しいものです」
俄かに、苦笑した。



櫻井孝宏、対モノノ怪指南「鵺」についての色々。
「尻尾は蛇、身体は虎・・・一匹で動物ランド(笑)」
「ひとつでお得。SMAPのメンバーを同時に見れた、とか」
「鵺ってSMAPなんですね」
全力で吹いた。


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最終更新:2010年06月01日 21:21