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月の無い、夜。
人気の無い、深夜の廃町。
何も動くものの無い筈のその場所に、一つの影があった。
「……この辺り、かな」
黒いフードを被っており、男か女かは判断しづらいが、声からして女だろう。
背丈は低く、子供くらいしかないが、手には自分の身長を超すほどの大鎌を携えている。
「間違いないな。この辺りに居やがるぜ」
先程の声とは違う声。見ると、大鎌の刃の付け根の部分に顔のような部分があり、
そこから声が出ているようだ。
「……ラース、今回の標的は強いの?」
鎌の持ち主である彼女がそう呼びかける。恐らく、ラースというのが鎌の名前なのだろう。
「そうだな……まぁ、普通のやつと比べりゃ強いかもしれねぇな」
その答えに対し、特に反応を見せる事も無く彼女は町の奥へと進むが、それに対してイラと呼ばれた大鎌も特に何も言わなかった。
「……そろそろだぞ。構えておけ」
イラがそういうと、突然彼女の周りにオーラのようなものが出現した。
それから少し進むと、異型の怪物が徘徊していた。
直立歩行をしており、手に棍棒を持っている姿のこの怪物は「ゴブリン」という名前が似合いそうだ。
「レベル8……数は6か。まぁ、そこそこだな。どうだ、イラ?」
どうやら、イラというのが彼女の名前らしい。
「……私の敵じゃない」
「ははは、まぁそうだな。さっくりやってやれ」
そうラースが言い終わった瞬間、近くの怪物の首が飛ぶ。
「ガッ……!?」
そこでようやく彼女の存在に気づいたらしい怪物たちは、手にした棍棒で殴りかかる。が、
「……力任せじゃ、私には勝てないよ」
いつの間にか後ろに回りこんでいたイラに鎌で斬りつけられた。
残りの怪物たちは恐れをいだいたのか逃げようとするが、勿論逃げ切れる筈もなく。
「……予想より、あっけなかった」
気づけば全員斬り殺されていた。
「まぁ、セブンスの中でも最強と呼ばれてるお前だ。このくらいじゃ張り合い無いだろうな。まぁ、
何にせよ役目は終わりだ。帰るぞ」
セブンス、というのはなんだろうか。彼女が所属している組織のようなものだろうか。
「……わかった」
そう言うと、彼女は飛び上がり、何処かへと消えた。



……さて、
「なんだよ、今のは……」
今の一部始終を目撃してしまった僕はどうすればいいのだろうか。



短編になるかならないかは未定の物。作者は萩が付く人。



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最終更新:2010年07月30日 21:48