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小説所 其の二

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とある廃工場の一角。

辺りには、埃がこんもり積もったテーブルや椅子が並んでおり、奥にはキッチンらしきものもある。
どうやらここは食堂らしい。
しかしやはりここが工場だからなんなのか、周りの壁や天井を見上げると、向きだしの黒ずんだ配管とご対面するハメになる。
天井は所々陥没しており、その先には暗褐色の雲や、その雲の隙間から申し訳程度に薄らと月の姿が見える。

船で約10分程。冥界と聞いて少し緊張していたが、船から軽く見渡した限りでは現実世界とあまり変わらないようだ。
まぁ、暗いので実はあんまりよく見えてないのだが。とりあえず海・・・川?は普通だった。

「俺はここを住処にしててね。」

雲の色と同じ色の髪を持つ少女・・・死神がそう言った。
その腰まで届くであろう長い髪をうなじの辺りで紐で結んである。
名前をサイ、というらしい。(しかし本人は偽名といってるので、おそらくそうなのだろう。)某動物を真っ先に連想したが、それは言わないでおく。
ちなみに僕の名前は綾霧シノ。思春期真っ盛りのピチピチの14才。
そして今はサイにボーっと見とれていて

いきなり視界がぐらついた。

気づけば、鉄錆だらけの床に頬をひっつけていた。
「・・・え?」
「人が話しかけてやったのに無視か。随分といいご身分だな。」

…不思議なことにサイはその場から一歩も動かずに僕を転ばせたらしい。
「あ・・・す、すみません・・・。」
軽く彼女は一瞥しただけで、大して気には留めていないようだ。
「ここは、潰れてる筈なのになぜか水道が通っているからな。人目につくのも嫌だしちょうどいい。」
「へぇ・・・。」
言われてみれば、どこからか水の滴る音が聞こえる。
しかし、こんな薄暗闇の中で水の音が聞こえてくるというのは、何というか不気味だ。

と、湿っぽい冷風が吹いているにも関わらず、いきなり彼女が身に纏っていたローブを脱いだ。

何が起こったのか理解できず、一時硬直。そして。
「!! な、な、なに・・・を・・ふく・・・あ」
もはや言葉にならず、意味不明な羅列となっている。
「シャワー室までここにはあるからな。ちょっとひと浴びしてくる。」
片頬に軽く笑みを浮かべて一言。

いや、そうじゃなくて。
色々と言いたいことがあったがうまく思考が回らず、ただ顔を真っ赤にしてサイの方を凝視して(本当は逸らすべきなのだろうが)突っ立っているのみ。てかあれわざと?

サイは特に気にした風もなく、おそらくシャワー室があるのであろう方向へすたすたと歩いていく。
周りが暗く彼女の姿がよく見えないのは幸運なのか不運なのか。

やっぱり彼女の方を凝視して(本当に本当に逸らすべきなのだろうか)突っ立っていると、食堂を出ようとしていたサイが唐突に振り向いて一言。
「純情だな、少年。」
水の落ちる音と共に、彼女は食堂を出ていった。

…どうやらわざとやってたらしい。
さすがは死神と言うべきなのか侮れない。というか、怖い・・・。


by レフィ
ファンタジーは専門外なので、ひたすら趣味を貫く(協調性無しか
そちらの方面は皆様にお任せしますんで、頑張ってください(死

後、そろそろ名前を決めないとまずいだろう、ということで勝手に決めてしまいました。
よくよく考えたら、今回の展開何となく狼と香辛料っぽいような。
サイはホロというか、エーブと被る。性格は結構違うけど。

…あれ? 気がつけば主人公の一人称が僕に変わってる(核爆

「・・・胸、大きかったなぁ・・・。」
裸の衝撃(?)から我に返った彼はそんなことを思っていた。すると・・・

タッタッタ・・・

下のほうから足音らしきものが聞こえてきた。
(なんだろう・・・)
そう彼はのんびり思っていると、

「やっほ~♪」

足元の床がパカっと開き、ローブを纏った少女が飛び出してきた。

「・・・どなたですか?」
「あ、君がおね~ちゃんが連れてきた人だね。私はフィーナって言うの。よろしくね。おに~さん♪」

そういって抱きついてきた。

「ちょ・・・あの・・・。」
「あ、ごめんごめん~。」

彼女は彼の体から離れた。

「あなたも死神ですか?」
「そうだよ~。あ、あと呼び方フィーナでいいよ~。」

彼女も死神らしい。
そして、彼は、彼女を観察し始めた。
(歳は12歳ぐらいだろうか?小さい。手も体も・・・胸も・・・)
そんなことを考えていると

「あ、おに~さん失礼なこと考えてるでしょ。もう・・・喉仏を本当の仏にしちゃうぞ♪」
「ご、ごめんフィーナ・・・」

…笑顔で恐ろしいことを言った。
死神は恐ろしい・・・。そう思う彼であった。

「お、フィーナか。」

サイの声だ。シャワー浴び終わったのだろうか?
そういって、振り向くと・・・。

「あ、え・・・。裸・・・」

生まれたままの姿のサイがいた。
彼は慌て・・・ることができなかった。
なぜなら、彼の首に鎌が当てられていたからだ。

「こっち見るんじゃねぇぞ・・・。お前の存在忘れてたわ・・・。」
「はいぃ!!」

命の危険を感じ、彼はすぐ後ろを向いた。

「・・・ちょっと~。わたしは放置~。もう、らぶらぶだねぇ~」

フィーナがそんなことを呟いた。
(いや、ラブラブって・・・。)
そんなことを思う彼であった。


by key
某小説のヒロインの妹っぽいキャラを出してみた。
そして、もはや放浪に行く気がない・・・。
次の方、フィーナをどうぞかわいがって(ry
※何の小説の何のキャラか知りたい方はkeyを見つけ次第訊いてください((

「ふぅ・・・じゃ、さっぱりしたところで今後のお前のいきさつを説明してやる」バスローブを着たサイが言う。一応でかい鎌も持っていた。

「今からお前は冥界へ送られる。もちろん冥界へは船で行く。ただし・・・」
サイは1拍おいてフィーナの方を指さした。
「このバカ姉貴が勝手に船をながしちまったせいで明日まで船が来ないんだ・・・」
「だってぇ~ 暇だったんだもん」と、フィーナは笑顔混じりで答える。

「っで、それでだ。お前には今日1日ここに泊まってもらわなくてはならない。こっちは不本意だがな」
「え・・・そうなのか・・・」彼は答える。
「あらあら~実は貴方も望んでるんじゃないの~?サイ。」と、これはフィーナのセリフ
「うるせぇ、鎌で頸動脈切り裂くぞ、バカ姉貴」
「あら、こわ~い」

「話がそれたな、続けるぞ」サイは1息おいた後椅子に座った。

「明日お前は否が応でも冥界に行ってもらう。それで、向こうで裁きを受けてお前の逝き場所が決定する。ま、ほとんどの奴が地獄に逝ってるがな。」
「どのくらいの割合で・・・?」
「そうだな・・・100人に98人は地獄行きだな」
「創価・・・ってえぇ!?」思わず彼は大声を出す。
「うるせぇよ。次叫んだら時空の歪みへ送り込むぞ、馬鹿野郎」
「だって、100人中98人は地獄ってほとんどの確率じゃないか!」
「そうだ。」
「で、その基準はどう決まってるんだ?」
「それは俺にも分からん。」サイがそう言うと、横からフィーナが口を挟んだ。
「あら?私は棒倒しで決めてるって聞いたことあるわよ」
(何だよ、そのテキトーな決め方は)
彼はそう思ったが、さすがには言葉に出せなかった。
「話を続ける」サイは側にあった牛乳を少し飲んで話し始めた。
「俺らは船でお前を送り届ける それが仕事だ。」
「ああ・・・大体分かった。」彼はそう答えた。
「あら~、そういえば。」横からフィーナが言う。
「裁く時って名前が必要じゃなかったっけ?」
「あ」サイは間の抜けた声を上げた。
「あらあら。仕事熱心の貴方がこんな事を忘れるなんて、男の子を前にして緊張しているのかなぁ?」
「う・・・うるさいうるさいうるさい!」サイが顔を真っ赤にして否定する。
「あらあら、顔を真っ赤にしちゃって、ほんと、かわいいんだかr」フィーナがそういおうとした瞬間、サイの方からでかい鎌がフィーナの顔めがけて飛んできた。
「よっと、危ないなぁ」フィーナは片手でそれを止めた。
「ったく・・・次は容赦しないからな。」サイは息を荒くしてそういった。
「で・・・俺の名前の件は・・・」彼はそういった。
「ああ、忘れてた。じゃあ・・・お前は【キレオ】でいいな。」サイがそういう。
(・・・ネーミングセンスなさ杉)
彼はそう思ったが口には出せるわけ無い
「じゃ、明日も早いし、さっさと寝ろ」
「え、俺はどこで寝れば、」かr・・・キレオが聞く
「創価・・・開いてる部屋はないし・・・」サイが悩んでいたときだった。
横からフィーナが「あら?キレオとサイが一緒に寝れば良いんじゃない?」と、いった。
「え・・・ええっ!?」キレオとサイがそう叫んだ。
続くのか?これ(

どうも、最近精神が安定しないカツサンドです(
今回は思いっきりサイの性格改良(何&幽霊の名前が決定しました。
どうぞ、かわいがってあげて(ry
あと、サイとフィーナの関係ですが・・・


百合にしたくなった俺は病気((帰



朝の生温い風を受けて目を覚ます。
「く・・・眩し・・・。」
陥没した天井の隙間から朝日が差し込んでくる。サイは一人ごちながら、ぐっと背伸び。
死神だからと言うわけではないが、サイは日光が苦手だ。普段のローブにフードが付いているのもそのため。

昨日のこと。
結局、フィーナは「工場内見回ってくる~。そのついでに寝る場所探す~。」とか言ってふらりと消えてしまった。文字通り消えた。おそらく死神の能力のひとつなのだろう。
そして、キレオとサイは一緒に寝るわけもなく、サイが毛布だけ与えて外へ追い出した。これも文字通り外へ、だ。
(・・・まぁ、アレは一応霊体なわけだし、寒いなんてこともないだろう。)
同情の心なんてものは一欠片もない。
ついでに、自分の寝た場所は食堂。

「おはよ。」
大小様々な古ぼけた鍋が転がっているキッチンの奥からフィーナがひょっこりと顔を出す。
「・・・そんな所で寝てたのか、姉貴?」
挨拶には応じずに、質問だけ問いかける。
「うんにゃ。食べ物ないか探してた~。んで、一応あったけど、見事に全部腐ってた。」
そりゃ何十年前から建ってる工場なんだから当たり前だろう、それ以前に自分達は死神なのだから、食べ物なんてなくても生きていける。

朝っぱらから変に五月蝿い姉は無視し座っていた椅子から立ち、埃と砂と鉄のにおいが入り混じった空気をすーっと吸い込み、深呼吸。

「ちょっと顔洗ってくる。」
そう言って、昨日お世話になったシャワー室へ若干眠り眼のまま歩き出す。
「あら、また裸になってキレオを誘惑するのかしら?」
大鎌を投げつけたのは言うまでもない。


人間やろうと思えばどこでも眠れるものだ。

錆の粉だらけの地面から身を起こしながら、そんな無駄なことをキレオ・・・いや、シノは痛感する。
別に工場内へ戻ろうと思えば戻れたのが、死神の怖さはとっくに昨日一日で思い知っていたので、素直に外で寝ることにした。
せめてもの情けでもらった毛布は(しかし毛はパサパサ)、枕代わりにしておいた。これぐらいなら許されるだろう。たぶん。

辺りを軽く見回してみる。
前方にはごつごつとした岩山があり、左右には砂塵層に覆われた荒野が広がっていて、その先に辛うじて海が見える。昨日は暗くてよく分からなかったが、やはりあれは海なのだろう。
上空を仰ぐと、まだ光が乏しい太陽と(ほんとに太陽なのかは分からない)灰白色の空が見える。

埃と砂と潮のにおいが入り混じった空気をすーっと吸い込み、深呼吸していると。

「おはよ、キレオ~。」
「眠れたか、少年?」
フィーナは柔らかく笑いながら。サイは皮肉めいた笑みを浮かべつつ。
(姉妹のくせに、笑っててもぜんぜん違うなぁー・・・。)
そんなことを思ったがそれは心の中だけで発言しておいて、こちらはぎこちなく挨拶を返す。

…というか、なぜキレオなんだ。僕にはれっきとした名前があるのに。しかも、サイには名乗ってあるのに。

「あの・・・俺、キレオって名前では」
「お前の名前などには興味がない。」
にべもなく一蹴された。図ったかのように、冷たい風が過ぎ去っていく。
「名前なんてどうだっていいじゃない。あだ名とでも思えばいいのよ。」
どうだって良くないのだが。そんな無邪気な笑顔を向けられても困る。
親につけてもらった大切な名前なわけだし・・・。そういや死神に親っているのか?

…そうだ、親。母さん達今頃どうしてるんだろう?急に僕が死んで悲しんでるよな・・・。
涙腺が緩みかけたが、
「おい、さっさと船着場に行くぞ。」
サイがそういうので、今は頑張って堪えておく。
(大丈夫だ、まだ・・・。大丈夫・・・。)
そう自分に言い聞かせ、砂に覆われ先が見えない荒野を見やる。

そうして三人は、雲がかかり日差しが差さなくなった荒野を歩いて船着場を目指す。


約30分程歩き、足が疲れ始める頃合に船着場に到着。

しかし、いくら待てども船が来ることは無かった。


by レフィ
勝手に第一遍終了みたいな空気にしてしまいました(死
放浪=旅に繋げる為には、船に乗ってどっかいってしまったらもう終わりだろうとか思ったのでw

相も変わらず、繋げにくい展開です。
繋げにくい=じっくりと考える=面白くなる、と言った感じのことを想定して。
一応、この先の展開は自分では何となく見えてます。
しかし、それは書いているときにふと思いついたというだけで、そんなのではあんまり面白くないと思うんですよね。
そしてじっくり考えると、予想外の展開なるかもしれない。それが面白い。

…やっぱ自分はどことなくズレた思考の持ち主のようです((


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最終更新:2009年08月03日 19:38