第三十七話
「切迫感」
トラックの荷台の酒樽にそっと近づく警備員。
時間がスローモーションのように曹操は感じた。
警備員はゆっくり酒樽を開く。
警備員「おい!何だこれは!」
呂伯奢は息をすっと吐いて、
呂伯奢「それはワインでございます。どうです一口?上物でございますよ。」
警備員「……なら、頂こうか。」
数分後。
呂伯奢「ここまで来ればもう大丈夫ですぞ、曹操様。」
呂伯奢が曹操の酒樽を開いた。
荷台にはたくさんの酒樽が用意されていた。
曹操「こんなに酒樽が…。」
呂伯奢「用意するのに時間がかかりましたがね。間に合ってよかった。」
曹操「それで、出かけていたのか…。」
曹操「しかし、もし私が入っていた酒樽が開けられたら…。」
呂伯奢「あなたは大いなる神の天命を受けたお方でありましょう?もし、見つかったのなら、それまでの男だったという事です。」
曹操「天命…か。」
最終更新:2006年11月23日 21:58