716 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:15:28.69 ID:4OqnkOPCo
[3/16]
とある山の麓には広大な樹海がある。
この樹海の奥には、とんでもないお宝が隠されているという伝承が残されている。それを求めて様々な人物が宝を取りに行った。
能力者や権力者、本当にいろんな人が、こぞってこの森の奥に行った。
そして、それを取りに行った人は誰一人として、戻ってくることはなかった。
協力な能力をもったものも、強い用心棒を雇ったものも、全員だ。その数なんと五百人。
彼らがどうなったかは、誰も知らない。
そしていつしか、この樹海には恐ろしい化け物が潜んでいるという噂がたつようになり、樹海を訪れる人間はいなくなった。
717 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:17:22.88 ID:4OqnkOPCo
[4/16]
そんな樹海の中に三人の男性がいた。
一人、は手に大きな斧を持った、大柄な男。
一人は、長い槍を背負った、長身の男。
一人は、一本の刀を腰にさしたどこか嫌な雰囲気をまとった男だ。
斧を持った男が言う。
「昼間だってのに薄暗くて不気味なとこじゃのう」
槍を持った男が神経質そうな甲高い声を出す。
「ちょっと変なこと言わないでくださいよ、斧Pさん。只でさえ化け物がいるって噂なのに」
槍を持った男の不安そうな台詞を聞いた斧Pが盛大に笑い出す。
「ガハハハハハハ!!槍P、お前まさかびびってんのか?!カッコわりぃなぁ!」
「そうだぞ槍P」
刀を持った男が口を開いた。
二人はハっとなって、刀を持つ男、刀Pを見た。この男は滅多な事では喋らない。喋るとすれば、それは人を殺すときだけだ。
718 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:19:15.15 ID:4OqnkOPCo
[5/16]
「化け物ごときに恐れをなすとは、我ら闘剣衆の名折れだ」
闘剣衆。日本のどこかに存在すると言われる、戦闘集団だ。基本三人のチームで動き、一組で町を滅ぼすほどの強大な戦闘力を持つ。そして、この三人の男はその闘剣衆の中でもエリートだ。
「真に恐ろしいのは、我ら闘剣衆だ」
刀Pはそう言うと再び口を閉ざした。
「だ、だよなぁ!俺ら闘剣衆より怖ぇものなんてねぇよなぁ!」
慌てたように斧Pが言った。槍Pも慌てたように、
「で、ですよねぇ」
と言って笑った。斧Pも笑った。刀Pは笑わなかった。
719 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:20:12.84 ID:4OqnkOPCo
[6/16]
三人は無言で道なき道を歩き続ける。
ふと、斧Pが言った。
「嫌に静だな」
「確かに。まるで森全体が死んでるみたいです」
槍Pと斧Pの言う通り、樹海の中は本当に何の音もしなかった。風も吹かないので、木々のざわめきすらも聞こえない。
「化け物が、命と言う命を、すべて食い尽くしてしまったのかもしれぬな」
刀Pがまた口を開く。
「えぇ?!刀Pさん、さっき化け物なんていないって」
「拙者は化け物がいないなどとは言っておらぬ。それに……」
そこで区切ると、刀Pは続けて言った。
720 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:23:23.79 ID:4OqnkOPCo
[7/16]
「化け物がいた方が、楽しそうではないか」
そう言って刀Pは笑った。
刀Pの笑顔を見て、二人はゾッとした。それはけっして、親しみの持てるようなものではなく、それこそ化け物のような笑顔だった。
721 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:24:16.82 ID:4OqnkOPCo
[8/16]
「ん?」
刀Pが笑うのをやめて、歩みを止めた。
「ど、どうしたんだ?」
斧Pがおずおずと聞く。
刀Pは斧Pの問いに答えず、突然走り出した。
「あ、おい!」
「刀Pさん、待ってください!」
二人も刀Pの後を追って走り出す。
刀Pは常に強いものとの戦いを求めている。故に、何処に強いものがいるかがわかるのだ。もしかしたら、刀Pの行く先に強者が、化け物がいるのかもしれない。
二人が走っていると、突然視界が開けた。
今まで薄暗い森の中を歩いていた二人は突然差し込んできた光に思わず顔をしかめる。
光に目がなれた二人の目には言ってきたのは二人の人間だった。
722 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:26:43.49 ID:4OqnkOPCo
[9/16]
一人は刀P。
そしてもう一人は、腰に二本の刀を帯びた若い少女だ。
そして、その少女の脇にはには、洞窟があった。少女はその洞窟の少し前にある切り株の上に目を閉じて座っていた。
刀Pの後ろにつく斧Pと槍P。
「だ、誰だてめぇ!」
斧Pが声をあげる。
少女は目を開けると、言った。
723 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:28:25.51 ID:4OqnkOPCo
[10/16]
「そんな大きな声を出さなくても、聞こえますよ」
少女の声はよく聞こえた。まるで、耳元で囁かれたようだった。
「私は綾瀬穂乃香。宝の番人です」
「番人?あなたのような少女がですか?」
槍Pがもっともな質問をした。今、槍P達の目の前にいるのは、どう見たってただの少女だ。
「えぇ。代々ここの宝を守ってきた、綾瀬一族の番人」
そう言って、少し間を開けたあと言った。
「宝はこの洞窟の奥ににありますよ。」
724 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:29:15.29 ID:4OqnkOPCo
[11/16]
「そうか」
刀Pはそう言って、刀を抜いた。
「一つ聞きたい」
刀を向けながら刀Pは問う。
「何でしょう」
「今までやって来た者を切ったのはお前か?」
「はい」
少女は素っ気なく答えた。
725 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:30:19.03 ID:4OqnkOPCo
[12/16]
「そうか」
刀Pは落ち着いていたが、後ろの二人は驚愕した。
「じゃ、じゃああいつが……」
「五百人を殺したって言う化け物……」
斧Pが斧を握る手に力をいれ、槍Pが背中の槍を手に持った。
「悪いが、そこを通らせてもらうぞ」
刀Pが刀を構える。
726 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:31:55.21 ID:4OqnkOPCo
[13/16]
だが、綾瀬穂乃香は三人の男に武器を向けられても、微動だにしない。
「冥土の土産に見せてやろう。闘剣衆最終奥義、三位一体『妖刀苦肉』!」
そう、刀Pが行った瞬間、風が吹き刀Pのすぐ真後ろで声が聞こえた。
「三位一体?残りの二人は何処にいるのですか?」
「え?」
思わず振り替える刀P。そこには二本の刀を抜いた綾瀬穂乃香がいた。そしてその脇には、首を切り離された斧Pと槍Pの死体があった。
727 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:32:43.48 ID:4OqnkOPCo
[14/16]
「な、貴様いつのまに」
慌てる刀Pに向かって穂乃香は言った。
「冥土の土産に見せて差し上げます」
刀Pは思った。真に恐ろしいのは、我々でも化け物でもない。
「綾瀬流『疾風怒刀』」
この、女……。
宝の番人によって切り刻まれた刀Pの意識は闇に落ちていった。
728 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:33:22.18 ID:4OqnkOPCo
[15/16]
「ふぅ。この死体も埋めてあげないと」
死体を見下ろし、呟く穂乃香。
その時、一陣の風が吹いた。
気持ちのいい風を全身に浴びて、穂乃香は呟いた。
「ふふっ。今日も平和ね♪」
こうして、綾瀬穂乃香にとっての日常は過ぎていく。
729 名前: ◆tsGpSwX8mo[sage saga] 投稿日:2013/08/11(日) 23:35:00.51 ID:4OqnkOPCo
[16/16]
綾瀬穂乃香
職業 宝の番人
能力 綾瀬流剣術
詳細説明 とある樹海の奥に眠る宝を守る番人。相当の手練れであり、今のところ無敗。
疾風怒刀 綾瀬流剣術の一つ。目にも止まらぬ早さで敵を切り刻む。
宝 とんでもないお宝。そ例外の情報は綾瀬一族の者しか知らない。
綾瀬一族 宝を守護してきた一族。
闘剣衆 日本のどこかにあると言われている戦闘集団。基本的に三人一組のチームで動く。そして、その中でもより戦闘能力の高いチームにのみ、最終奥義『妖刀苦肉』を使うことができる。