タイトル:地域活性化におけるアニメーションを活用した観光政策の運営手法について
※ あるいは「萌えおこし」における住民参加と観光施策の運営手法について?
【背景と目的】
これまで、メディアを活用したまちおこしの手法として、映画やドラマなど、作品の舞台であることを地域が観光資源として活用する「フィルムツーリズム」、地域が主体となってキャラクターコンテンツを創出して商業的に活用する「ご当地キャラクター」は、その話題性から、観光客誘致の手法として広く活用されてきた。
特に近年では、埼玉県鷲宮町(現久喜市)、富山県城端町(現南砥市)をはじめ、アニメーション作品を活用した地域活性化政策が、いわゆる「萌えおこし」として注目を集め、各地で多くの旅行者を集めている。
しかし、これらの活動には地域をあげて振興策に取り組み成功を収めている例がある一方、地元住民とのトラブルが報告される事例や、問題発生を懸念して地元側が意図的に距離を取る事例、企画を実行したものの十分な集客を集められないまま終わる事例も少なくないという課題がある。
また同時に、地域全体の課題として〜〜(↓↓の話をまとめてこのへんに落としこむ)
(※ここに社会から要請されてるとか地域コミュニティへの参加的なこと)
そこで本研究では、1. わが国において行われている「萌えおこし」の現状を把握し、特徴的な動きのある事例を抽出、2. 「萌えおこし」に対して求められている社会的な要請を把握し、3. まちづくりの担い手側の変化、すなわち「萌えおこし」を通じた住民参加・地域ネットワークの形成の視点から、「萌えおこし」における参加と恊働のあり方を明らかにする。
【あれこれ考えていることメモ】
ちょっといろいろヒアリングした中では、アニメーション作品のメインターゲットが若年層であるように、地域を訪れる来街者にも若年層が多く、同様に「萌えおこし」の担い手となる人々にも若年層が多いという話を聞いている。このへんは少しキーポイントになってくる気がする。
卒業研究でわかったことは、「地域ボランティアへの参加を通じて、地元の人とより交流していきたいという意識は醸成されていて、地域社会への入口としての機能は果たしているが、実際に交流を行うところまでが実現している事例はなかった」ということ。今回は、さらにその障壁を乗り越え、地域社会に切り込んでいっている人たちがどういう動きをしているのかが見てみたい。
また、事例を調べていく中で、緊急雇用創出事業や、地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト事業など、補助金と絡めた事業展開を行っている事例がいくつか見えてきた。「萌えおこし」の認知度を活用しつつ、社会問題の解決を両立させようとしてるんじゃないかと予測。
【既往研究と本研究の位置付け】
「萌えおこし」のルーツは、岡田(2009)に詳しい。
埼玉県鷲宮町の事例を北海道大学が継続的な調査を行っていることをはじめ、秋田県羽後町では仕掛け役が経緯を紹介している。
また「萌えおこし」の全国の事例を集めたものとしてガイドブックが数冊刊行されているが、各地の事例紹介にとどまり、その傾向分析やを行うものはない。
(※このあたりにすごくたくさんある萌えおこし関連の論文のまとめ)
【論文構成】
- 1章:はじめに
- 1-1:研究の背景と目的
- 1-2:既往研究と本研究の位置付け
- 1-3:用語の定義
- 1-4:調査手法
- 2章:「萌えおこし」の現状把握
- 2-1:事例のデータベース化
- 2-2:全体の動向分析
- 3章:調査の事前準備
- 4章:各地域の事例調査
- 5章:3章+4章のまとめ
- 6章:結論
【用語の定義】
「萌えおこし」を、ここでは
- アニメーション・ゲーム・コミック・ノベルス等の媒体で発表された既存の作品を、地域の観光資源として再活用するもの
- アニメーション・ゲーム・コミック・ノベルス等の媒体で作品を発表しているイラストレーターが、地域に対して独自に絵を提供するもの
の双方を併せたものと定義する。
(このへんに緊急雇用対策事業になってることの説明)
(このへんに若い人たちがたくさん参加してるらしいことの説明)
- まちづくりに若い担い手を呼び込む新しい動きとなっているらしい
- 社会問題の解決と絡めてプロジェクトを実行する動きがあるらしい
- そもそも「聖地巡礼」と言ってもこれまでの文脈と完全に分離されたオタクの自己満足じゃないの?という議論もままあったりする
しかし、これらの活動にはいくつかの成功例がある一方、地元住民とのトラブルや企画倒れのキャンペーンが多くみられる。そこで、この「映像コンテンツが観光政策として成功する条件」を、運営主体とその展開に着目し、経済効果とその後の地域づくりに与える影響を評価する。
【調査手法】
運営団体に対してアンケート調査を行い、その活動形態の比較調査を行う。その後、活動を通してまちに新しい担い手が生まれている地域について、地域の既存の担い手、新規の担い手の双方にヒアリングを行うことを計画中。
最終更新:2011年10月27日 07:23