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3スレ>>206 - (2007/12/21 (金) 00:40:42) の編集履歴(バックアップ)
「おーい、××。ちょっと」
ばんごはんを食べてテレビをみていると、とうさんがぼくのなまえをよんだ。
テレビにむちゅうになっているミニリュウをそのままにしてとうさんのところへいくと、
「××、もう決めたのか?」
「きめるってなにを?」
「そりゃもちろん―――」
―――
さいきん××のようすがおかしい。
どうやらなにかをいっしょうけんめいかんがえているらしい。
ほんをみながらうんうんいっていたり、ノートになにかをメモしたりしている。
べつにそれはおかしいことじゃない。
××はけっこうこだわるひとだから、なにかをいっしょうけんめいかんがえるのはよくあること。
ただ、なにをかんがえているのかをおしえてくれない。
いちどノートをみようとしたけれど、あわててかくされてしまった。
きになる。
―――
こまった。なかなかうまくいかない。
とうさんがなにかしらべるときによんでいるほんをよもうとしたけれど、むずかしくてよめなかった。
とうさんは「ゆっくり考えればいいよ」っていってくれたけど、
こういうのははやいほうがいいにきまっている。
それとさいきんミニリュウがぼくがなにをかんがえているかをしりたがっている。
おしえてあげたいけれど、ちゃんとしたのができるまではおしえるわけにはいかない。
だって、これは――
―――
「ねぇ、ちょっとまって」
ばんごはんをたべて、いつものようにテレビをみようとたちあがると××がわたしをよんだ。
そのことばに、××のおとうさんとおかあさんがすこしうれしそうなかおをする。
「なに?」
「はなしがあるんだけど……」
「うん、いいよ。なに?」
なんだかしんけんなはなしみたいだったので、いすにすわりなおして××のほうをみる。
××はすこしはずかしそうにしていたけど、すぐにかおをあげてはなしはじめた
「なまえを、あげようとおもうんだ」
あげようっていういいかたがすこしきになったけど、わたしはとりあえずうなずいた。
「うん。でもなにに?」
「きみにだよ」
「……え?」
わたしはおもわずぽかんとしてしまった。
そうしているあいだに××のはなしはつづいていく。
「ミニリュウっていうのはきみたちのしゅるいのなまえでしょ?
ぼくたちせっかくかぞくになったんだから、きみだけのなまえがひつようだとおもうんだ。
だから、きみになまえをあげようっておもうんだけど―――わわっ」
××のことばがおわるまえに、わたしは××にだきついていた。
わたしになまえをくれることがうれしかったから。
わたしのことをかぞくだといってくれたことがうれしかったから。
そしてなにより、××と××のおとうさん、おかあさんのきもちがうれしかったから。
「それで、きみのなまえなんだけど」
わたしのからだをどうにかうけとめた××がこえをあげる。
「ミルトってなまえはどうかな?」
そのひから、わたしになまえとあたらしいかぞくができた。