萌えっこもんすたぁSS保管庫内検索 / 「5スレ>>231」で検索した結果

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  • 5スレ>>231
    「さて、と。ともしび山に行く前に、あいさつ回りにいかないとな……。それよりも……」  モンスターボールをポイと放り投げて、ハブネークを外に出してやる。 「えっと、あれ?」  中に入ったばかりでいきなり呼び出されたハブネークが何故というように首を傾げる。 「お前さんの名前を聞いてないからな。教えてくれないか?」 「えと、私の名前はハブネーク、私は、マスターって呼べばいいかな?」 「好きにしてくれ。歩けるな?」 「えええ、外、歩くの……?」  俺は一つため息をつく。思ったとおり、人間の前に出るということが相当怖いようだ。 「俺の傍を離れなきゃ大丈夫だ。お前に何かしようとするやつがいたら、俺が張り倒してやる。人間相手なら負けないさ」  安心しろ、と、ハブネークの頭を軽く撫でてから、俺は家を出た。  あいさつ回りの途中、育て屋の前に行った時、爺さんと萌えもんトレーナーらしき男がなにやら話している...
  • 5スレ>>238
    窓ひとつない、倉庫のような地下室。 好奇心、欲望、復讐、潜入。それぞれの動機により、そこには4人のトレーナーが集まっていた。 (怪しまれずに潜入できればいいけど……) 『……ようこそロケット団へ、入団志望の諸君』 白衣の男性がモニターに映り、集められた人々に向けて話を始めた。 『今から入団の儀式を執り行う。指示に従って行動してくれたまえ。  まずは、各自のバッグから道具を取り出して、整理する"フリ"をしてくれたまえ。  ……そう、フリだけで結構だ。終わったらそのままカバンを閉じていい』 (こんな意味の分からない儀式に何の意味があるのかしら) 恐らく同じ事を考えているであろう、彼らは黙々と指示に従う。 『次に、隣の人とバトルを始めてくれ。……なに、模擬戦闘だ気を張らなくていい。  手持ちを繰り出したら、そのまま手持ちを入れ替える"フリ"...
  • 5スレ>>234
    朝六時。 ベッドの片隅に置いた目覚ましのベルの音も、 百メートルちょっと先の市街地から聞こえるけたたましい車やバイクのエンジン音の助けを借りることなく、 俺はゆっくりと、両目を開いて布団の中から飛び起きる。 視力のせいで霞んだ視界を凝らしながら、ベッド脇の机をまさぐり、眼鏡を手にした後、それをかけると、 自分の周りの世界が一気に鮮明に、美しく変化していった。 カーテンを開けると、辺りはまだ薄暗く、少量ながら雪がちらついている。 薄暗くとも差し込んできた光は、豆電球一つしかない俺の部屋を十分に明るくしてくれた。 両腕を天井に向けて精一杯伸ばし、それから大きな欠伸を一つして、俺は部屋を後にする。 何ら変わりは無い、俺にとってはごく普通の、何の変哲も無い朝である。 「おはよう、ジュペッタ」 階段を降りて、キッチンへと向かった俺は、 俺よりも早く起きて朝食の準備をしてくれたジュペッタに挨拶を...
  • 5スレ>>237
    2月の夕方の厳しい木枯らしの吹く中、俺は家への帰路を辿っていた。 俺も嫁も病院の検査の結果、正体不明の毒物に体を蝕まれていたことが判明したが、摂取し続けなければ 次第に効果は薄れるモノだと分かり。苦しい禁断症状に耐えて、リハビリを続けた結果、 先日、二人ともようやっと退院出来た。 そして今日は久しぶりに会社へ勤務復帰した帰路である。 ポツポツと街灯がつき出し、人気もほとんど無くなった閑静な住宅街の通りを歩いていると。 少し先の電柱の下にダンボールのようなモノが置いてあることに気がついた。 いや。アレは間違いなくダンボールだな。・・・そして間違いない。そのダンボールからは明らかに「何か」が顔を覗かせている。 出来るだけ目を合わさない様に、と、自信に言い聞かせながら歩を進める。目など合わせた瞬間、俺は間違いなくそいつを拾ってしまうからだ。 俺はいかにも不自然に首をダンボールとは反対方向に向け...
  • 5スレ>>230
    結局、この日は体が痛みずっとベッドの上であった。 彼は1日中考えていた。 『ここ』のこと、『自分』のこと。 ――――自分?俺の名前は…えっと…確か、"セツナ"だったか…? 「自分の名前に自信が無いなんて…」 年齢は18~9くらい。そういうことは思い出せた。しかし、 「それ以外はさっぱりだな~…」 自分の生い立ち、家族、好きなモノすらも。 自分がどこにいたのか、どこに『生きてきた』のか。 なぜか、思いだせない。 まるで、自分が自分で無い様で歯痒かった。 「だぁぁぁっ! 考えてても仕方ないし……寝るっ!」 と 彼は言い、そのまま布団にくるまった。 ――――――2日目。 「……んんっ」 陽射しで目がさめる。今日はなんだか体が軽く感じられた。 ドアを開き、隣の部屋へと入る。…どうやらダイニングのようだ。 ログハウスのような木造で、二階もあるようだ。どこか、懐かしい感じがした...
  • 5スレ>>239
    【デートシリーズその1 -フシギバナ編-】 約束の時刻は午後1時。 本来ならばとっくに到着していておかしくない時刻だ。 「遅いな」 組んでいた両手をほどき、時計を確認する。 既に1時半をまわったところである。 女性は準備に時間がかかるとは聞いていたのでイライラはしないが、それでも待つのは苦手だ。 人の流れもまばらな2番道路で、俺は退屈な時間を持て余していた。 更に待つ事10分、ようやく今日の待ち人の姿を遠目に確認する。 さすがに文句の1つでも言ってやろうとしたのだが… 「お、お待たせしましたご主人様」 急ぎ足でこちらに近づき、申し訳なさそうに肩をすくめる彼女を前に、そんな気持ちは吹き飛んだ。 いや、本当はただ見惚れていただけなのかもしれない。 「出かける準備に時間かかっちゃって。遅くなってごめんなさい」 そう言った彼女のいでたちは、普段の快活な姿とは全然違ったもので…。 爽やかな花柄...
  • 5スレ>>236
    外伝       とある萌えもんの話ですよ ----------------------------------------------------------------------        夜遅く、海の中から1人の萌えもんが飛び出した      その萌えもんは空腹だった。日中は人目を避けて洞窟に篭っているからだ      その萌えもんは、今日もまた食料を求めて夜空を舞う・・・・・・      途中で、その萌えもんは、食料を探していたキャモメの群れに出会った。そこで一緒に食料を採ることにした      食料を見つけた後、キャモメたちは楽しそうに話をしていた キャモメ「なんかねー、わたしたちをむりやりつかまえて、ひどいするひとたちがいるんだって」 キャモメ「こわいよねー」     「・・・・・・・・」      その萌えもんは自らの過去を思い出した・・・ ...
  • 5スレ>>233
    小さな島の中に、人がまだ踏み入れていないような、一つの洞窟がある。 ひっそりとしていて、生き物がまったく居ないような洞窟。 物音と言えば、水が滴る音だけが聞こえるだけだ。 殆どの人が存在すら知らない中、研究者やコレクターに噂が流れた。 洞窟の一番奥にある、微妙に日差しの入る場所に幻と呼ばれる『カイオーガ』が存在している。 多くの研修者やコレクターが洞窟の中に入り、そして出てこなくなった。 流石に多くの人が帰らなくなると、島の住人にも洞窟が知られ、恐れられるようになった。 そんな洞窟を目指し、今日も一人の少年がその島へやってきた。 今まで洞窟を目指した者達とは違い『自分はトレーナーだ。』と言った。 そして、その少年は島の住人が止める中、何かに惹かれるように洞窟へと入った。 ・・・ ・・ ・ 俺は、何かに惹かれるように洞窟へ入った。 トレーナーの中にまで聞こえてくる、不思議な噂は俺の耳にも...
  • 2スレ>>231
    「……ん」  マスターが寝返りを打ったのか、膝の重みで目が覚めた。  いつのまにやら居眠りをしていたらしい。  ……随分気が楽に……?  眠ってしまうまではどうしても涙が止まらなかったというのに……。  今では涙は乾き、濁流のようだった心も落ち着きを取り戻している。  結論は出た。整理もついた。後は、マスターが起きたら行動するだけである。 「マスター、そろそろ退場の時間になりますよ」  以前の無口な彼がよくそうしてくれたように、頭を撫でる。 「……に……な……? ……手? やわらかい……?」  どうやら、私が膝枕をしていることがマスターを混乱させているようだ。  起きたばかりの虚ろな視線が辺りを彷徨う。 「起きてください」 「ん……」  なんの動作だろうか、マスターは右手で床をぺちぺちと叩いている。  それがあまりにも可笑しくて私は笑みを思い出した。 「ふふ……」  平和で穏やかな時間。マ...
  • 4スレ>>231
    「おや?コンパンのようすが……」 BBBBBBBBBBBB  何気ない普通の日のはずだった。いつものように俺は萌えもんマスターになるべく、野生 萌えもんをゲットしながらジム戦に向けてのレベル上げを図っていた。  その途中、最愛のコンパンは経験の粋を集め新たなる形へと姿を変えようとしていた。紛 れもない、進化である。博士にもらった萌えもん図鑑も躍起になって解説を始めた。  全身に光を帯び、彼女はあふれ出る生命の圧力をコントロールしようと、息を荒げ胸を押 さえる。いじっぱりな彼女はその苦痛にも一言すら発さない。  しかし、俺は傲慢で自分勝手にもその進化を止めてしまった。萌えもん図鑑から特殊な光 がコンパンへ照射され、進化のエネルギーを奪う。驚いたコンパンは一瞬俺へ顔を向けたが 、すぐに気を失ってしまった。  草むらを抜け、俺の膝枕で彼女を休めた。彼女のやわらかいふわふわの触覚が服越しに俺 の...
  • 5スレ>>25
    個室に入院しているラルトスの様子を見に行く。 もともとエスパータイプで体そのものがさほど丈夫な種では無かったため、少し治療が長引いているのだ。 「やあ。体の調子はどんな感じかな?」 「はい……大分…よくなりました…」 「そっか、それは良かった。早く退院できるといいね」 「ありがとうございます………あ、あの…」 「ん?」 「他の…皆は…?」 「ヒマナッツとブルーか?二人とも一足先に全快して、今は元気にしてるよ」 「よかった……」 会話が途切れる。 人を恐怖の対象として見ていただろう萌えもんとの会話は、決して急かしてはいけない。 本人が言葉を紡ぐのを、気楽に待つことが基本だ。 「……あのっ……」 「ん?」 「私達…どうなるんですか…?」 三人のトレーナーだった少年はそれまでの自分の萌えもんと生活することを禁止された。 そのため、ひとまず三人は萌えもんセンターで見習いの立場で暮らすことになってい...
  • 4スレ>>23
    「「しんそくっ!」」  もえもんバトルで、二人のウインディが戦っている。  ほぼ互角の戦いを繰り広げた二人は、最後の技も同じものを選んだ。  ぶつかりあうウインディ、衝突で砂埃が巻き起こり、結果がわからない。  二人のトレーナーが、手に汗を握り、視界がはれるのを待つ。  やがて砂埃は風に流され、満身創痍で立つウインディと、同じ状態で地に伏すウィンディが現れた。 「なぜ、私は負けた?」  倒れたウインディが悔しそうな顔で問う。 「なぜ? 簡単なこと!  あなたに足りないのはッ! 情熱思想理想思考気品優雅さ勤勉さ!  そして何より―― 速さが足りない!」 (ネタで返すなよ)  勝った方のトレーナーが、呆れ顔で自分のウインディを見る。  勝ったウインディは、どこか満足気な顔だ。 「そうか、私の実力不足か」 「「「え?」」」  倒れ伏すウインディを除いた全員が、予想外と言った顔をしている。 「ま...
  • 5スレ>>205
    ここはカントー屈指の商業都市ヤマブキシティにある萌えもんセンター。 各トレーナーにあてがわれる個室の中で、3人は難しい顔をしている。 「はぁ…」 「意外に難しいんですね」 「…………」 2月13日、時刻は23時をまわったところだろうか。 小さな三角形のテーブルに、向かい合うように座っている彼女達の中心には、1冊の本が置かれている。 『初心者でも出来る! 簡単☆女の子のお菓子作り』と銘打たれたその本は、彼女らの主から毎月少しずつ渡されるお小遣いをはたいて買ったものだ。 それだけに、3人の表情は真剣そのものである。 「……時間はあまりない。すぐに行動に移すべき」 クールにそう言い放ったのはオニドリル。頭が良く、戦闘力も高い。彼女らの主も、よく旅の道程やバトルの作戦を相談している。 「でも、もう少し工程をしっかり覚えないと。失敗作なんて渡したくないし」 それに対し反論するのはフシギバナ。彼女らの...
  • 5スレ>>27
    わたしはルージュラ、こおりエスパーの萌えもん 身長140cm、体重は4・・39.6kg! 趣味は踊り、夢は素敵な雄萌えもんと添い遂げること わたし達の種族には雄が居ない なので子孫を残そうと思ったら、他のひとがた萌えもんと結ばれる必要があるのだ ある日、わたしのマスターであるおじいさんが日課の釣りに行くというので着いて行くことにした なんでもニョロゾが欲しくて欲しくてたまらないらしい ニョロゾはあんまり好みじゃないのよねぇ・・・内臓透けてるし・・・ 近くの池に向かう途中、通りかかった草むらで雄のケーシィに出会ったの 同じひとがた萌えもんだし、おじいさんもケーシィも戦う意思なんてないし、ってことで おじいさんの釣りを見学しながら色々お話してたの そのうちお互いの萌えもんの話になってきて 聞けばケーシィは雄の数が多くてフリーな雌ケーシィを探すのも大変だって言うじゃない こりゃラッキ...
  • 5スレ>>28
    どこか現実離れした感覚……… あぁ、これは夢だ俺は今夢を見ているのか 泣き声が聞こえる………誰かが泣いている? あれは、女の子? それに女の子の近くに男の子が……あれは俺だ 幼い頃の俺……それじゃあ、あの女の子は俺の知っている人? 「ねぇ、どうして泣いているの?」 幼い俺がその女の子に言っている、女の子の方もその声に答えている 「ひっく、皆が私にひどいことするの」 「それなら大丈夫だよ、何があったら僕が守ってあげるだから一緒にあっちに行こう」 幼い俺が女の子に手を出す、女の子の方は手と幼い俺の方を交互に見て伸ばされた手を取る 「行こう」 幼い俺が女の子を引っ張って行く……待ってくれ、その子は一体誰なんだ……… 「目覚めよ愚民どもよ、今こそ目覚めるのだ。さぁ愚民ども我のために動き出すのだ。」 「オ~~~~~ルハイィィィル、プリ、目が覚めたようだな愚民ども」 なんという目覚ましだ、誰だこんな...
  • 3スレ>>235
    おつきみ山の上のほう、岩がいっぱいならんでいるところ。 お日さまが応えんしてくれる中。わたしは今、一人でとっくん中だ。 「てーいっ!」 ごがん、とかたから大きな岩に向かって体当たりする。……けれど。 「はあ、はあ……はあ……」 かちかち岩にはきずひとつ付かない。 かちかち岩というのは、わたしが名前をつけた固い岩だ。 あんまりに固いからそう名前をつけた。 何度かちかち岩に体をぶつけてもうまくいかない。 一回きゅうけいする。小さな岩にすわってわたしは考えている。 いきおいを付けているつもりなんだけど、なぜかうまくいかない。 この前テレビで見たひとがやっていたのは本当にすごくて、 かちかち岩より大きな岩がこなごなになっていたんだ。 ますたーはそのひとを見て、すごいなあ、って、かっこいいなあ、って すごくきらきらした目で言った。 「……っつう……」 ずきずき、とかたがいたむ。 お日さまと空もい...
  • 1スレ>>235
    「よろしくな」 人間はボールから出された私に言った。 どうやら彼が私の主人らしい。 とりあえずよろしくと返しておいた。我ながら無愛想だ。 彼はやや渋った顔になる。それでも笑顔は崩さなかった。 隣にいるポケモンは彼のポケモンだろうか。 印象的な赤い瞳はとても穏やかだった。 ふぅん・・・ 前に人間と一緒にいたポケモンに話を聞いたことがあった。 《人間と一緒にいて楽しかったの?》 《楽しかったね。戦いは辛い時もあったが、一緒に頑張れた》 《・・・どうしてここに?》 《いや、元々ここにいたのさ。主人が当時俺を捕まえてな。それは鮮やかなものだったぜ? 俺が若かったっていうのもあるんだけどな》 悔しがるわけでもなく、何処か嬉しそうな顔つきだった。 《でも、主人は体があんまり良くなくてな》 《・・・病気?》 彼はやや表情を硬くし、頷いた。 《旅自体も結構無理をして続けていたんだが、とうとう中断するこ...
  • 4スレ>>233
    ふぅ……カントーに来るとはしゃいでいたが、以外にも田舎に来てしまった。 親父め、トキワに出勤するんだからそっちに家を建てればいいのに、土地代の関係でマサラにしやがって。 ゲーセンもカラオケもないし、家でMH2やるのも飽きたし、 だから外に出てみようとしたのがそもそもの間違いだった。 NEETはNEETらしくPCの画面に張り付いていればよかったと、オーキド研究所内部で俺は思っている最中。 何故、引越しの荷物も片付け終わっていないのにここにいるかって? ちょっと休憩にと散歩をして、草むらに入った瞬間変なジジイに拉致されたんだ。 なんでも、もえもんも持たずに草むら入るんじゃねえとかなんとか。 そのジジイは自分の知識の量の多さを自慢しながら、こんなことを言いやがった。 「すまんが今人手が足りなくてのう、ちょっとトキワの電気屋でこのメモにあるメモリ買って来てくれんか?」 いや、で...
  • 3スレ>>238
     運営サイドに‘毎年の申請’をし、ハピナスに留守を任せ、俺たちはある場所に来た。 「……狐。」 この場所に来たからにはいつものふざけた事はしていられない。 「いつでもどうぞ。」 半身に構え肩まであげた片手を俺に向ける狐。 九尾の由来となる尾と髪が風になびき躍る。 「……参る。」 ……風と一体となり駆け抜ける俺を狐が迎え撃つ。 ―――  白銀山。 そこは道を極めんとする猛者達が修行の場とする霊山である。 紫煙の主と言われる現チャンピオンの数代前、 赤い帽子をトレードマークに数々のトレーナーを打ち倒し、 ロケット団を壊滅させたチャンピオンもここで修行した事で知られている。 カントーの隣であるジョウトと呼ばれる場所にある山。 九尾の妖狐と紫煙の主がチャンピオンになった時、 休暇と引き換えにこの場所での修行の許可を出させたのだ。 しかし、その場所は当時地震と噴火の...
  • 5スレ>>248
    俺はジュペッタの気持ちを、表情と彼女の身振り手振りで理解している。 いや、それが果たして正しいのかどうかは分からないから、理解した「つもり」になるのだろうか。 ジュペッタと会話をすることが彼女の気持ちを正確に知る一番の方法なのだろうけど、 それだとジュペッタの命を削ることになってしまうから却下だ。自分の都合で彼女に迷惑をかけるわけにはいかない。 「……よし」 洗面所で一人、俺は呟く。 超心理学、オカルト、都市伝説……etc。 そういうものは微塵も信じない俺だが、今回はこれに望みを賭けてみる事にした。 超心理学の一種、言語を使用せずに精神を使って相手に自分の意思を伝える能力、 テレパシーである。 - episode 2  以心伝心 - 「……分からん」 仕事の帰り。 俺は市街地の本屋に訪れていた。 ここの本屋は他の本屋よりも群を抜いて品揃えが良い。 ハッキリ言っ...
  • 5スレ>>211
     ――2月14日。  それはある意味一年のうちで、最も甘く溶かされた一日。  女の子も、男の子も。  人間も、萌えもんも。  誰もが胸の裡にほんのりと燻るものを抱え、心を浮き躍らせる。  惑い、昂ぶる無数の想い。  それはあたかも、一つの巨大な鍋に注ぎ込まれ掻き乱されるチョコレートのように、  たやすく蕩けて見えなくなってしまいそうなほどに儚くて――  だから、誰もが希うのだ。  この、バレンタインデーという特別な日が。  誰にとっても貴く、尊く、心安らかな一時であれと。      =====================================================   萌えっ娘もんすたぁ異伝・紫水晶ver.       番外編・Ⅰ 『尊くあれ、甘き聖よ』 ===================================================...
  • 5スレ>>269
    「ハッキリ言うよ。君…………死 ぬ わ。」 「はぁ…そうですかぁ………ってえぇ!!??」 本当に自分が出したのかと疑わんばかりの奇声が教会に響く。 「じょ…冗談…ですよね!?」 「なんで占い師が冗談なんて言わないとだめなんですか。 そんなんじゃぁ商売あがったりですよ~」 なんて、あっさりした答えが返ってくる。 続けて、 「多分、私の見たところだと…せいぜい七日以内ですね~… 死因は……恐らく他殺…いや自害…?」 …死因まで出るなんて驚きだが、自害…つまり自殺。 どうしてまだ少ししか来ていないこの場所で自殺なのかと疑問に思ったが、 それは心の内に留めた。 「ど…どうも有難う御座います…」 「顔色悪いよ~?もっとしゃきっとしなさいよ~男の子でしょう?」 俺は顔には出さず、声にも出さず ((しゃきっとできるわけがねぇ~!!)) と心の中で叫んだ。 「それじゃぁ、またなんかあったらいつでも呼ん...
  • 5スレ>>204
    毎年行われる、製菓会社の陰謀のイベント日。 別に、気にしたって始まらないことは分かっているんだけど それでも何もしない側から、渡す側になった という違いは 何だか大きく感じられた。 『 如月の14の日に。 』 ここ一週間ほど前から、そわそわしてしまって落ち着かない。 分からない外国の言語がもっと分からない。 皆の声がいつもより遠い。 そうしたことの原因は、二年生のプクリンさん…というより、例の製菓会社の陰謀の日にあった。 2月14日、バレンタインデー…外国では恋人たちの日だけど この国では女の子が、男の子に気持ちを伝える日になっている。 今までは、馬鹿馬鹿しくて付き合う気にすらなれなくて、ずっと無視していた。 …でも、今回はこれまでとは違う。 ――― どうしても渡したい存在が、いる。 調理室には昼間に入れておいた物を取りにきたのか、シャワーズさん...
  • 5スレ>>215
     二月十五日のバレンタイン   時計の短針が十二時を示し、バレンタインになったばかりの十四日。  皆が寝静まった頃にシャワーズが台所へとやってくる。  できるだけ音を立てずに静かに動く様子は、萌えもんバトルなんかよりも真剣だ。  最小限の明かりをつけて、ごそごそと棚からボールや泡だて器やハート型の型を出していく。  テーブルにそれらと本を並べ終えたシャワーズは一つ頷き、冷蔵庫からチョコレートを取り出す。  冷蔵庫の中には、すでに型に入れられ冷やされているチョコが数個並んでいる。  これは昼間にシャワーズの仲間が主のために作ったものだ。  一緒に作ろうと誘われたのだが、恥ずかしさのあまり断ってしまった。  一度断ってしまうと、参加したくても声をかけづらく、興味のないように振舞ってしまった。  結果、誰にも知られないように、真夜中にこっそり作るということに。 「これで...
  • 5スレ>>241
    ここはどこにでもありそうな洋菓子店。 しかし、この店は普通の洋菓子店と少しだけ違っていた。 その洋菓子店は"萌ッ娘洋菓子店"と呼ばれ、 その店の店長の性別が不明なのである。 「はーい、朝礼始めますよー」 「はい、マスター……ではなく、今日は『店長』なんですね」 店長と呼ばれた人はその身をウェイトレスの制服を包んでいる。 中性的な顔立ちと少し高い背がウェイトレスの制服と相まって、 麗人の様な雰囲気を醸し出している。 注意深く見ればこの洋菓子店のマスターである人間と同じ顔をしているのが判る。 そう、この店長はマスターが女装した姿なのである。 「バレンタインフェアですからね。男性客の皆様にサービスする為に、  今日1日は『店長』で通しますので、そのつもりでお願いしますね」 「配る為のチョコレートは既に大量生産して、冷蔵庫にありますよ」 「はい。ありがとうございます。ニド...
  • 5スレ>>284
    立春の頃―― 暦の上では春になったとはいえ、まだまだ寒いものだ。 だから、こうやってコタツという日本人の崇高な発明におんぶに抱っこという状況もまたいいものなのである。 足元から伝わる温もりが本当に心地良い。 伝播した温かさで蕩けた脳味噌から、ドロドロの思考を垂れ流しながら、俺は楽園を満喫する。 ミカンでも食べようかな、と手を伸ばした先で手と手がぶつかった。 ちなみにこのミカン、最後の一個である。すなわち、取り合いとなるのは自明の理。 加えるならば、俺はこの相手にくれてやりたくなかった。 「心が狭いわねぇ、ご主人様。たまの休日くらい、コタツでミカンを食べてもいいんじゃない?」 読者諸兄よ。この発言をどう捉えるであろうか。 無論のこと、この発言だけを鑑みれば俺が萌えもんに愛情を注がないド外道トレーナーと認識されかねない。 だが、この俺を極悪非道のトレーナーと認識するのは些か早計である。 勿論、...
  • 5スレ>>268
    あるトレーナーの家の話。 家の中ではモルフォンが掃除をしている以外は、誰もいない。 マスターは仕事、アメモースは買い物に行っているためである。 「ひゃくごじゅいちの~、ってもう493匹もいるんですよね~♪」 家の中には綺麗好きなモルフォン1人の、のほほんワールドが形成されていた。 ピンポーン。 「もるふぉーん!」 「はいはい、今開けますよ。」 そのワールドをかき消す音。ドアベルの後の呼び声は「ドア開けて!」の合図である。 玄関のドアを開けると、両手にコンビニのビニール袋を提げたアメモースが飛び込んできた。 「ただいま!あー楽しかった!」 「お帰りなさい…って、またたくさん買い込んできましたね。」 「何よ、そのやれやれみたいな言い方。いいじゃん!楽しいんだから。」 満足げな顔のアメモースに比べ、モルフォンは困り眉毛で苦笑していた。 アメモースは机に袋を置き、買ってきた物を整理し始める。今...
  • 5スレ>>208
    ※どうも、零です。 企画、もえもん学園を舞台にした、零作、第二弾です。 今回は、剣道部の合宿の物語のハクリューとサンダース視点。 剣道部ということで、鳥嫁氏、メッケーモサヌ初号機氏、440の人氏のキャラをお借りしています。 お暇があればぜひどうぞ。 「おいハクリュー」 「!?…はい」 「みんなを集めろ」 今日の部活が終わり、みな帰り支度も済ませたところで、突然ウソッキー先生が部室にやってきた。 あまりに突然すぎて(今までのウソッキー先生の性格を考えると)驚いたが、とりあえず言われた通りに部員全員を集める。 「…サンダースは?」 「今日はサッカーのほうだと思います…」 「そうか、まぁならいいや、それでだな、明日から3連休だよな?」 「そうですね」 「つーわけで明日から合宿するぞ」 「「…は?」」 あまりに予想外な言葉に、カモネギさんとストライクさんは二人揃って、意味がわからない、...
  • 5スレ>>242
    春は二人の誕生日。 二人の出会いを祝う日。 その日は彼女からお気に入りのモモの実を貰い、私はやすらぎのすずをプレゼントした。 チリンと小気味良い音をならすそれは、彼女の所在をより確かなものにしてくれる。 大人しくて素直で、聞き分けのいいヤツだった。純朴という言葉がよく似合う。 今でも、たまにそんな春の出来事を思い出す。 聞こえないはずのあの音が聞こえる。 「またぼうっとしてる。あんたの誕生日なんだからちっとはやる気出しなさいよ」 「なんで自分の誕生日なのに夕食買出しにつきあわにゃならんのだ……」 隣で手にスーパーの袋をぶら下げて歩く少女は私を見上げてムッとしたような顔をする。 ああまたこいつは、私に哀愁にひたる暇さえ与えてはくれないようだ。 「袋の中、卵も入ってるんだからねっ! 落として割ったりしたらあんたのあたまにべっちょり塗りつけてやるんだから!」 そりゃあ恐ろしいと、私は肩を...
  • 5スレ>>206
    さて、今日は何の日かご存知だろうか? 2月14日に行われる熱熱々な者はさらに熱くなり、寒い者はさらに寒くなる行事。 そう、バレンタインだ。 俺も今までそういった行事には無縁の日々だったのだが、今年はそうじゃない。 何しろ、家が騒がしいからだ。 一人部屋に残りベッドの上に寝転がる俺。 リビング・台所の方からはカチャカチャ混ぜる音と色々な声。 そう、萌えもん達がチョコレートを作ってるのだ。 色々心配ではあるが… ―――――――― ―――――― ―――― ―― 「――ま、ますたー…?」 …おっと、いつの間にか眠っていたらしい… 目を覚ますと、ヤジロンが立っていた。 「…ん、どうしたヤジロン…」 「あ、あのぉ……ば、ばれんたいんちょこを……」 ヤジロンの手にはお世辞にも綺麗とは言えない包装で包んだチョコレートがあった。 「ん、ありがと。」 くちゃくちゃになった包装紙を綺麗に...
  • 5スレ>>293
    ***おぼえないけどサンダーさんにあなをほるをやらせてみた*** 「やってみてくれるかな?」 「・・・やってやるよ、ちょっと待ってろ。」 そういうとサンダーは裏の倉庫からヘルメットとスコップを持ってきた。 そして物凄い形相で地面を掘り始めた。 「うわ、すごい迫力・・・サンダーどうして僕をそんな怖い顔で見るの・・・?」 「うるさい!そこから1歩も動くなよ!」 地面の中に消えて僅かにザクザクと地面を掘る音が聞こえる。 「ん?なんか足元がグラついて・・・」 突然サンダーが地面から出て攻撃してきた。 「ぎゃぁあああッ!」 「そら、言われたとおりにやったぞ。」 「な、なんでそんな・・・怒ってるの・・・ガクッ」 ***おぼえないけどサンダーさんになきごえをさせてみた*** (どんな声だすのかな?ちょっと楽しみ、かわいいのかかっこいいのか) 「イ"ェアアアアア!!」 「...
  • 5スレ>>299
    ある萌えもんとマスターのおはなし 「ここか?」 「も、もう少しみぎのほう…ひゃ」 「大丈夫か?」 「は、はぃ ちょっと敏感な場所なのでどうしても声が…」 「…わかった。なるべく優しくするからな?」 「はい、マスター」 触れてしまったつぼみの周りから、そこに溜まっていた蜜が俺の指に流れる。 ふと、それを舐めてみた。 「…ほんのりあまいな」 「そんなものを舐めてはダメです…汚いし…」 「そんなことないだろう?」 「でも!」 「すまんすまん、なんとなくな…滅多にこんな機会は無いだろうし」 「はあ、もうしないでくださいね?」 「わかったよ、じゃあちゃっちゃと終わらせちまぞ?」 そうして俺は彼女のつぼみへと手を伸ばし… 彼女、フシギソウのアリアの頭のつぼみと葉の隙間に落としてしまったバッジを拾い上げることに成功した。 「もう、今度からは不用意...
  • 5スレ>>289
    「……あれ? ご主人さま……?」 リザードが夜中に不意に目を覚ますと、そこにはトレーナーの姿はなかった。 ここはタマムシシティのもえもんセンター。 今日、一行はタマムシジムのジムリーダー……エリカに勝ち、早めにセンターで休むことにした。 特に一番活躍していたリザードは、疲れていたのか、部屋についてすぐに寝てしまったのだ。 そして今、夜中の二時という中途半端な時間に起きてしまい、今の状態になっている。 きっとすぐに帰ってくるだろう……そう思い、もう一回寝ようとしたが、やはり不安になった。 (やっぱり……ちょっと捜そう) 仲間を起こさないように、足音を立てないように歩いて、リザードは受付に向かった。 受付には、昼夜問わずにジョーイさんがいる。外にいったなら絶対にジョーイさんが見ているはず。 そう思い、リザードはジョーイさんに質問をしてみることにした。 「あ、あの……私のご主人さ...
  • 5スレ>>261
    この世界の天空には我々の常識を超える存在がいるとされていた―――― 誰も見たことがなく―――― 何にも触れられず―――― 歯向かう相手もなく―――― その存在は幻の如く―――― だが、確かに「ソレ」は存在する―――― 我々が生き、存在している大地を見下ろしている天空に―――― それは・・・存在していた。 ~~~天空の女王~~~ ここは・・・何処だろう 暗い・・・ 奈落の底のような暗さだ いや・・・奈落の底がどんなものか知らない俺にとってはこれが奈落の底そのものだろう それに・・・全身が痛い 体が悲鳴を上げている 痛すぎる もしかして俺は死んだのか・・・ だが、痛覚はある じゃあここは一体―――― 意識が覚醒する 暗い世界に光が差し込む 「ここは・・・何処だろう」 見慣れぬ場所で俺は寝っ転がっていた居た―― 「場所を確認しないと・・・痛」 ...
  • 5スレ>>290
     ―――AIをB-21100に設定します。  ―――行動パターン確認中……  ―――ERROR! ERROR! 致命的な問題を発見しました。  ―――萌えもん図鑑内プログラム『ポリゴン』との接続を切断します。 「ああ、やっぱ駄目ね」  普通のユーザーにとっては恐怖の対象でしかない「ダンッ」の警告音を眉一つ動かさず聞くのは僕だけだと思う。  後ろで湯気をトーストにはもう少し待ってもらい、後処理を行う。  毎朝毎晩出来レースに付き合ってくれる健気な愛機の電源を落とし、接続を物理的にも切断する。  抜き取った数十本のケーブルを乱雑に投げ捨て、すっきりした図鑑を操作する。これも毎朝毎晩の事だ。  この作業をする度に、AIにではなく機械そのものに人格をあったらいいとつくづく思う。  何だかんだ言っても現実に作業するのは器だ。ならチューニングやクリーニングの際に休息の心地よさを感じてほしい。  その一...
  • 5スレ>>260
    【デートシリーズその3 -オニドリル編-】 「…では、明後日出発ということで」 「ああ、それでいい。その前に買い出しに行かないとな」 ここは、とある田舎の萌えもんセンター。 周りは険しい山々に囲まれ、センター内の人の数もまばらである。 俺達が何故こんな辺鄙な所にいるかというと、近く開かれる萌えもん地方大会に出場するため、まずは この山を越えなくてはならないからだ。 「…明日は休養日に?」 「そうする。ここに来るのだって大変だったんだ。休んでもらわないと山越えなんてできないよ」 ジョーイさんと数名のスタッフ以外に、目立った人影が見当たらないフロント。 そこに備え付けられた椅子とテーブルで、俺とオニドリルは定例の作戦会議を開いていた。 他の皆には、センターの簡易個室で休んでもらっている。 今頃はサンドパンの入れてくれたお茶でも飲みながら、まったりと談笑でもしている事だろう。 「…了解。皆に...
  • 5スレ>>222
    テーブルの上に所狭しと並んだ、数々の料理。 この料理の為に俺の所持金が8割ほど使われてしまったのは正直悲しいが、今日は特別な日だ。 「さあ皆、料理はまだまだ沢山あるから、今日はいっぱい食べてね」 エプロン姿の母が、蔓延の笑みを浮かべた。 そりゃあ、久しぶりのわが子の帰還、それと久しぶりの来客だしな。 自分の料理の腕を奮えて、蔓延の笑みと同時に、満足げな表情が窺える。 「ねえ、はやく食べようよー」 目の前に出ている料理に目を輝かせ、今にも喰らいつかんとしてるエレブー。 食べることに関してはパーティ1の執着を持っている。 そしてパーティ1の食欲を誇る。 「分かった分かった、ちょっと待ってろ。 ――ということで、まだ図鑑完成は残ってるけど、萌えもんリーグ制覇ということで、今日は盛大に祝おう! それじゃ……いただきます!」 「いただきまーす!」 俺の声に続き、エレブーの声が、他の仲間達の声...
  • 5スレ>>258
    『こちら上空偵察班。現在ヤマブキは完全に封鎖状態にある。ターゲットにより完全に支配された模様。 管制からの指令を待つ。地上班は各ゲート前にて待機。繰り返す。地上班は各ゲート前にて待機……』 ヤマブキの茜色の上空には巨大な鳥の影が幾つかあった。絶えず鳴り響くプロペラとモータの音。 事態はついに大きな局面へと、向かおうとしている―― 「……えー現在私はヤマブキの高度七百メートル上空にいます!こちらからも見て取れるように… 中央交差点の様子をご覧ください。車一台たりとも走っていません。人の流れも現在殆どありません。 代わりに、黒ずくめの服を着た集団が…あたりを見張っているのでしょうか?あちらこちらに姿を確認できます。 一体街中で何が起こったのでしょうか!?一角の小規模な爆発から早くも四時間が経過しようとしています。」 陽が沈もうとしている――そんな中、様々な時間が入り乱れては一つの未来へと収束し...
  • 5スレ>>274
    「くっそぉ…あのサイドンめ、覚えてろ!」  ベッドに包帯とベルトでぐるぐる巻きに固定されたカイリキーが唸るが、 「いや、それはただの自業自得だろうに。」  すっかり完治し、ベッドの上で鎌を研いでいた(萌えもんは普通の生物より傷の直りが早い) ストライクが呆れて返す。 「あたいはマスターが気になるんだっ!」 「そんな事は百も承知だ、長い付き合いだからな。」  ジョーイに届けて貰った砥石から鎌を離し、研ぎ具合を確認し、もう一方の鎌を研ぎ始める。 「だからと言って、その身体で出て行ってもどうしようもあるまい。 私達に出来るのは、次のチャンスにむけて万全の体制を整える事だ。」 「……あたい達は、あたい達に出来る事をしろってことかよ。」  彼女は頷いてその通りだ、と示した。 「……次は、勝とうな。」 「……当然だ。」  磨きぬかれた鎌の刃が、決意に燃える4つの瞳を映していた。       雨のあが...
  • 5スレ>>202
    目を開けて最初に飛び込んでくるのは、真っ白な天井。 しばらくすると白い服を纏った人間がせわしなく私の目の前を通り過ぎていく。 私のことなど気にもかけない、まるで私の存在など無いのではないかと思わせるように。 外の世界へと出て、私を待ち受けていたのは、永遠の孤独。 「社長、今月分のラインです」 「社長、来週の日曜日、ラジオ放送への出演の依頼が来ておりますが……」 いつもと変わらない日常。 シルフカンパニー11階、社長室には毎日せわしなく白衣を来た社員たちが訪れる。 予算や生産などの会社の運命を左右する重大な話もあれば、 ラジオ、テレビ番組への出演依頼など、社員たちの用件は多種多様。 社長はそんな彼らの話をしっかりと聞き、自分の意思をを伝え、 側近の秘書も休む暇も無く記録をしている。 そんな年中忙しく働き続けているシルフカンパニーの人間達をボール越しに、遠めに眺める萌えもんが一人...
  • 5スレ>>262
     タマムシシティとヤマブキシティのほぼ中間に位置する場所。  大きな町から少し外れているが、そんなところに俺たちの家は存在する。    俺の名前はアキラ。カントー限定ではあるが、一応、マスタートレーナーの称号を持っている。  過去に一度だけチャンピオンの座にも着いたことがあるけど、それはかなり昔の話。これもカントー限定だけど。  現在はタマムシに開園したもえもん保育園の先生をやっていたり、あのワタルから半ば無理やりもえもんGメンの一員に  入れられたり、はたまたカントー各地のジムでトレーナーの指導をしてたりといろいろやっている。  他の地方への遠征とかはしません。可能な限り。    あ、横に居るのは妻のライラ。実は元パートナーもえもんだったりする。ちなみにサンダースでした。  とあることで殆ど力が使えなくなり、今の姿になってしまったんだけど、それはまた別のお話。  そんな俺たちは8人の娘た...
  • 5スレ>>264
    「なぁ、ミロカロスひとつ聞いていいか?」 「何ですかマスター、唐突に」 「もえもんと人間とのあいだに子供って出来るのか?」 「・・・・・・え?えっ?・・・えぇぇ!!!なんですかいきなり!」 「いやさこの前ニコニコ見てたらさ、孕んでるコイルが磁石と螺子・・・いやボルトか?まぁそこは拘らないとして。 振ってる動画があったのさ」 「・・・何でそこで人ともえもんが~ってなるんですか!孕んでるって決まったわけでもないのに!」 「ん・・・まぁ其れは措いといて。で、どうなのさ?」 「・・・私も詳しくは知らないのですが、人間の体液はもえもんの毒になることもあるっていうのは マスターもご存知であると思います」 「あぁ詳しくは知らないがそうらしいな」 「それ、つまり人間の体液を無毒化する薬があるんです、ちょっと待ってくださいね(がさごそ)」 「ん?どうした?」 「ありましたありました、はい!これがその人間の体...
  • 5スレ>>253
    『妾は同じ人間の前に二度も姿を現さない。 それは一度その人間を見れば、たいていは次に会う価値など薄れてしまうからだ』 ――人間は嫌いじゃ、矮小で愚かで醜い。 1つだけ、妾(わらわ)があの愚人を目視する理由がある。妾があの滑稽な生き物を道楽として楽しむときだ。 吹雪の止まぬここ双子山は、妾がゆいいつ安心して羽を休められる場所だった。 大人でも迷うような入り組んだ地形、加えて凍てつくような寒さ。人が足を踏み入れるには過酷な環境だ。 そんな場所に訪れる人間を愚かと呼ばずしてなんと呼ぶ? 先ほどまで、この絶海の孤島である双子山の深層で惰眠をむさぼ……否……羽を休めているところだった。 妾は自身の心音以外のなんの音もせぬ静寂の支配する世界で、わずかな地上の振動を感知した。 岩盤が崩れる音だ。 巨大な氷山が島に衝突した程度に考えていた。堅牢な島であるゆえ、氷山の衝突などさほど脅...
  • 5スレ>>291
     ザアッと風が心地好い涼しさを運び、草がさわさわと揺れる。頭上に広がる蒼穹からは陽光が降り注ぎ、辺りをまぶしく照らす。 「ねぇ、いいの?」  傍らに立っていたピジョンが尋ねる。 「いいのって、何がだ?あいつらならサイホーンまとめておいてくれてるだろ」 「そーじゃなくて、ほら、その……旅をほっぽらかして私なんかと一緒にいて」  少し頬が赤い気がする。ほんとは嬉しいんだろうに、恥ずかしがり屋が。 「アホ、いーんだよ別に」  そう言ってポン、とピジョンの頭に手を乗せる。 「旅をしてポケモンリーグに挑戦するのもお前と二人でこうしてるのもどっちも大事なことなんだから」  言ってやるとピジョンは顔を真っ赤にして乗せていた手を振り払った。 「べっ、別に、そんなわけじゃっ」 「はいはい。別にかまわね―よ、そういうことで」  そう言って草の上に座り込む。少し間をおいてピジョンも隣に座り、俺たちは並んで座るよ...
  • 5スレ>>275
    桜舞い散る春、グラウンドに響く運動部の声。 その中の1つで、この学園でも特に人気のある部活が練習をしていた。 「はい、今日の練習はここまで。各自ストレッチしてー」 「「はーい」」 ストレッチを促してるのは、マネージャーにして副部長のマグカルゴ。 部長のはずのドードリオは皆と一緒にストレッチをしている。 「ん~、プラ~、マイ~、もっと強く押して~」 「いや、部長」 「もう少ししゃきっとできないんですか?」 「いいから押して~」 いつも笑顔が絶えない彼女と、勝利の女神と呼ばれているプラスルとマイナンのコンビ。 今日は風紀委員でいないがもう1人、トゲキッスもいる。 少々騒がしいメンバーである。 「ああ、1年生は明日からジャージ持ってきて参加してもいいから。ちょっと厳しいかもだけどがんばりましょう」 「は、はい!」 今年は特に元気な1年生が見学に来ていた。それが彼女、ブースターである。 「こ、これ...
  • 5スレ>>247
    4 まえがき            視点は・・・・・ ---------------------------------------------------------------------------           ~RELIVE~          ~2人だけの絆~      ・・・・・・あの頃のことを思い出したくなんてなかったのに・・・・・・夢で見てしまうなんて・・・・・・      つい先日に、あのひとに心配をかけてしまったばかりなのに・・・・・・      ・・・・・・もう傷つきたくなんかない・・・でも・・・あのひとが私を理解してくれているから・・・・・・きっと・・・・・・・・・       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・きっと?      わたしは、ふと思ってしまった。いけないことだと思いつつも・・・・       あのひとは、ほん...
  • 5スレ>>245
    【デートシリーズその2 -ギャロップ編-】                 ●<キャー フヨフヨ(・ω・ )~ 「お…重かった…」 「男がこんぐらいで弱音吐いてんじゃないわよ、情けないわねぇ」 さいですか…。 この紙袋の量を見て、まだあるとのたまわれますか、貴方は…。 ここはタマムシシティにある、とある喫茶店。 夏。燦々と降り注ぐ日光が、容赦なく体力を奪うこの季節。 店内の冷房が、熱を帯びすぎた体を優しく癒してくれる。 「ったく、あんたが言い出した事なんだから、ちゃんと責任もちなさいよ」 「んな事言ったって、限度っちゅうもんがあるだろ、限度が」 俺とこいつの表情を見れば、体力の消耗具合の違いは一目瞭然である。 「あ~あ、もっと頼りになる男に捕まえられたかったわねぇ」 「さよか」 こいつの憎まれ口にもいい加減慣れてはいるが、今日は特に辛辣だ。 ...
  • 5スレ>>298
    暖かな日差しが窓から差し込む、春の昼下がり。 「……ふう」 微かに額を濡らす汗を腕で拭って、俺はようやく部屋の掃除を終えた。 掃除を行う前はそれほどゴミは出ないだろうと踏んでいたが、俺は几帳面な性格ではないので、長い間掃除をしていなかったせいか、 いざ掃除してみると意外と出る出る。 終わってみれば、目の前には無数のゴミ袋が積み上げられていた。 そのゴミ袋を一旦部屋の外へ出して、俺は改めて綺麗になった部屋を眺める。 ――やはり、綺麗な場所は見ていて気分がいい。そしてご苦労だった俺。 休日の貴重な時間を四時間も労働に費やした自分を称えた後、俺は右手をポケットに突っ込み、 掃除中に掘り出した代物を手に取った。 ――黒色のゴムに、透明なガラス球がついているという、簡素なヘアゴム。 簡素だとしても、俺にとっては色々な思い出が詰まっているヘアゴムだ。 (……髪を結ったジュペッタってどんな感じなんだろ...
  • 5スレ>>272
    寒い季節なのについた場所はぽかぽかと暖かかった。 小さな島、まだ自然がそこらじゅうに残っている平和な島。 ここがナナシマの一つらしい、ぽかぽかして気持ちいいなぁ・・・。 あーうずうずする。 「ここが、1の島や。この辺にはいくつか島があるんやけど・・・まぁ、その中のひとつやな。  今日船をよこしたのは島のパソコン通信を一人で管理しとるニシキっちゅうやつや。  ・・・ここでいっててもしゃーないか、まずニシキにあいにいこか!」 「なるほど、ここのはマサキさんが管理してるわけじゃないんですね。」 「さすがに無理や。」 案内されるがまま入っていった場所、大きなもえもんセンターだ。 やけに大きい機械のところに一人男の人が立ってる。この人がニシキかな? そういえばサンダーがさっきからなんかイライラしてるような・・・。 あーうずうずする。 「よッ、ニシキ。」 「マサキさん、来てく...
  • 5スレ>>209
    「ああ、そういえば、もうすぐバレンタインだな」 ふと立ち寄ったタマムシシティ。 デパートに足を運んでみれば、バレンタイン色に染まっていた。 そして、今が二月の初旬だという事を思い出して、俺はポツリと呟いたのだった。 「あら、それって何なのかしら?」 そんな俺の呟きを拾ったのはキュウコンだった。彼女は興味津々という体で、俺に話題を振ってくる。 まぁ、クリスマスの例もあるし、ここで言わないと後々不味い事になるのは目に見えているので、俺は素直に吐く事にした。 説明は掻い摘んで行った。 すなわち、 一つ、意中の人にチョコをプレゼントする。 一つ、世話になっている人にも渡す義理チョコなる存在もある。 一つ、友達同士で交換する友チョコというのもある。 と、おおまかにこの三つを教えた。 その説明をふんふんと聞くキュウコン。 彼女が頷く毎に、自慢の九つに束ねられた髪が揺れる。 不覚にも見とれている内に、キ...
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