ガープス身内レギュ:大規模戦闘シナリオテンプレート


★ 1.概要 ★


このシナリオは冒険者であるPCを前線指揮官とした大規模戦闘を遊ぶためのテンプレートです。このテンプレートを利用するためには、まず冒険者がなぜ指揮官という権限を有せるのかという理由付けが必要となるでしょう。そしてそれは単純に不足している指揮官の穴を一時的にでも埋める必要があるからとすればよいでしょう。前任者が戦死したり行方不明になってしまったり、もともと前任者がおらず正式な指揮官が着任するまでの代役を求めていたり、見込みのある冒険者のスカウトの前準備としての様子見や、演習相手が欲しいといったものでも構いません。PCは冒険者である前にCP350超えの逸材であり、人間とは比較にならないタフさを有している超越種であるため、という死ににくい指揮官を欲したから、という理由でも構いません。PCの部下となる部隊の構成員はただの人間ですので、不満があろうともPCに逆らう事は雇用主の立場もあり、まずできません。その上でPCは部下と親交と信頼を深めるべく地獄の訓練を共にする事もあるでしょう。重要な事は、PCが一騎当千の英雄として数多の兵士が戦い合う戦場を暴れ回る事なのです。

このテンプレートにおいて、PCは自身のHPの心配よりも、率いる部隊の損耗にこそ気を配らねばなりません。このシナリオにおいてはPCの敗北とは部隊の壊滅に他なりません。PCが雇用された理由は兵力をできうる限り温存させ、維持兵力を残していく事です。このため、PCは部隊の損耗を最小限に抑えながら敵軍を粉砕し、合戦に勝利する事を第一の目的とします。


+ ★ 管理用コピペテンプレート ★
《 リザルトテンプレおよび基本報酬・名誉 》

215/-/- 【大規模戦闘:】 
GM:
参加PC:「」() 「」()、「」()
習得CP:12
取得現金:戦果報酬
取得名誉:戦果名誉

PC「」部隊
部隊兵科:
指揮技能:指揮「」Lv、戦術「」Lv
基礎戦力:「 」+「総合士気修正:  」=「」
士気修正:「 」+「武装: 」+「地形: 」+「天候: 」+「時間: 」+「他: 」
損耗率度:「0」%
累積疲労:「 」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
敵「」部隊
部隊兵科:
指揮技能:指揮「」Lv、戦術「」Lv
基礎戦力:「 」+「総合士気修正:  」=「」
士気修正:「 」+「武装: 」+「地形: 」+「天候: 」+「時間: 」+「他: 」
損耗率度:「0」%
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
R数/現在時刻:「1」R目/「13:00」(1R10分)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
戦場 「集落→集」「森林→森」「平野→平」「山岳→山」「丘陵→丘」「河川→水」

「 」―「 」―「 」―「 」―「 」
「①」―「②」―「③」―「④」―「⑤」
「集」―「森」―「平」―「山」―「丘」

部隊配置 「名前/配置場所(数字)」
PC「/1」「/1」「/1」「/1」「/1」
GM「A/5」「B/5」「C/5」「D/5」「E/5」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
攻城戦-籠城戦 [場所:対応数字/侵入部隊制限数]
「外:1/∞」「梯:2/2」「壁:3/4」―「庭:4/6」―「本:5/4」

PC「/1」「/1」「/1」「/1」「/1」
GM「A/5」「B/5」「C/5」「D/5」「E/4」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
兵 科 名     | 集落| 森林|   平野| 丘陵| 山岳| 河川/橋|  雨| 強風| 濃霧| 夕暮夜明| 夜間| 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 
【歩兵】【工兵】| 防+1| 防+1|   ±0| 防+1| 防+2|  -6/-2| ±0| ±0|  +1|   ±0| ±0| 
【射手】    | 防+1| 防+2|   ±0| 防+2| 防+3|  -6/-2| 攻-1| 攻-2| 攻-3|   攻-1| 攻-2| 
【騎兵】    |  -2|  -3|攻+2/突+4|  -2|  -3|  -6/-2|  -1|  ±0|  -2|    -1|  -2| 
【砲兵】    | 攻-2| 攻-3|   攻-1| ±0| 攻-2|    -6| 攻-1| 攻-2| 攻-3|   攻-2| 攻-3| 

★ 2.推奨所持技能 ★


最重要:「指揮」「戦術」
重 要:「戦略(陸戦)」「情報分析」「地域知識:帝国(地方・少国家)」
需 要:「天文学」「気象学」「指導」「外交」「管理」「交渉」

戦 力:効果力攻撃能力/広範囲攻撃能力/疲れ知らず/超タフネス


★ 3.シナリオの流れ ★


①オープニングフェイズ(指揮官着任)
PCが雇用主に部隊の指揮を取り、敵軍を打ち倒すように依頼されるフェイズです。
冒険者という流れ者が部隊の指揮を取る事について、依頼主から指揮権を得るという体裁は重要です。

②ミドルフェイズⅠ(合戦準備)
敵軍の情報を集めたり、自軍の結束を固めて部隊を強化するフェイズです。

③ミドルフェイズⅡ(行軍ランダムイベント)
雇用主の敵である敵軍を実際に打ち倒すべく戦場へ向かうフェイズです。

④クライマックスフェイズ(合戦開戦)
戦場に到達し、敵軍と実際に戦い合う決戦フェイズです。

⑤エピローグフェイズ(残有戦力確認)
敵軍を討ち果たしたのか、はたまた敗北し撤退したのか、その戦果を確認するフェイズです。


★ 4.指揮官の着任と部隊の配属 ★


+ 《雇用主と私兵》 《シナリオチャート》
● 雇用主と所有部隊 (全切上処理)
雇用主 戦果報酬 戦果名誉 基本配属部隊
村長 (100-平均損耗率)×5+500 平均損耗率÷1+5 《民兵隊一覧》
町長 (100-平均損耗率)×10+1000 平均損耗率÷8+10 《傭兵部隊一覧》*
領主 (100-平均損耗率)×15+1500 平均損耗率÷6+15 《正規兵部隊一覧》*
 *騎兵指定条件:騎乗技能Lv12、もしくは移動力10以上の移動手段
 *砲兵指定条件:投石器Lv12
帝国 (100-平均損耗率)×20+2000 平均損耗率÷4+20 《正規兵部隊一覧》《航空部隊》**《特殊部隊一覧》***
 **空騎指定条件:飛行手段、もしくは騎乗/妖怪技能Lv12+飛行技能12Lv
 ***砲兵指定条件:何かしらの砲術技能Lv12

PC一人に与えられる部隊は1部隊のみを基本としま。リザルトレートの低い雇用主ほど、所有する部隊は貧弱となり、さらにPCの数によっては、より悲惨な状況になりえます。このため、GMは合戦相手となる敵軍を、その戦力規模に見合ったものに合わせる事を推奨します。そのバランス調整のために、GMはPCに与える部隊を任意に限定して与えても構いません。その上で、PCが少数だけど複数の部隊どうしの合戦を遊びたい、と求めるのならば、PCが率いる部隊を一人一部隊から一人二部隊に増加する、あるいは名無しの指揮官NPCを同行させ、PLにその采配を行ってもらう等の処理にしても構いません。なお、《航空部隊》と《特殊部隊》は常備部隊ではなく、実験部隊としての意味合いが強い非主力部隊となります。

● シナリオ導入ランダムチャート 【 現場の事情 】 
1D6 戦況 人材募集理由 作戦目的 即敗北条件
1 守勢な上に劣勢だ 前任者が死んだ 敵を全滅させよ 自軍全滅
2 守勢に持込膠着中 前任者が戦時行方不明 敵司令官部隊を撃破せよ ゲスト友軍部隊の撃破
3 守勢からの逆転間近 前任者が重症につき 陣地を指定ラウンド数死守せよ 指定ラウンド数を超える
4 攻勢だが逆転間近 前任者が押し付けてきた 要所を占領せよ 要所を占領される
5 攻勢だが膠着中 活躍を見てみたい 敵軍陣地を突破せよ 自軍陣地から敵撤退
6 快進撃の攻勢 演習相手が欲しい 敵陣地を占領せよ 自軍陣地の占領

● シナリオ導入ランダムチャート 【 裏方の事情 】 
1D6 雇用主 戦略目的 戦闘相手 雇用主が得ている確定敵情報 今調達可能な武具Lv
1 自治体長(村長規模) 資源確保 害獣 何も得られていないに等しい 2Lv:粗悪 まで
2 宿場町長(町長規模) 安全確保 賊徒 「部隊数」のみ 3Lv:平凡 まで
3 男爵騎士(町長規模) 名声確保 妖魔 「兵科構成」のみ 3Lv:平凡 まで
4 商人組合(領主規模) 顧客確保 死霊 「指揮官技量」のみ 4Lv:良品 まで
5 子爵伯爵(領主規模) 領土確保 敵国 「部隊数」「兵科構成」まで 4Lv:良品 まで
6 公爵侯爵(帝国規模) 権利確保 混沌 「部隊数」「兵科構成」「指揮官技量」 5Lv:最高 まで

★ 5.部隊ステータス ★


+ 《部隊の基礎能力値》《兵科の特性》《武装の品質》
● 部隊の基礎能力値の概要
戦力 部隊の基本打撃力を表す。士気による変動を受ける。数値×10人が基本兵数となる。
兵科 「歩兵」「射手」「騎兵」「工兵」「砲兵」の5種に分かれる。環境によって士気が変動する。
士気 練度でもあり打撃力の変動に関わる。最低値は0。数値は基本値で武装の士気修正は未適応。
統率 指揮判定の難易度修正に関わる。部隊の損耗率に影響を受ける。
武装 部隊の初期装備の品質と、士気への影響を表す。
損耗 部隊の負傷率を表す。初期値0%。最大100%。戦闘行為によって上昇し、休憩によって減少する。


 ★ 兵科の特性 ★
 ● 歩兵
 ・同区域にいる友軍部隊が攻撃対象となった際、その対象を任意に自身へ移す。
 ● 射手
 ・【攻撃】時、「射手」以外の防御側は打撃力が「0固定」となる。
 ・同区域にいる友軍部隊の防御時の士気を「+戦力」する。これは重複しない。
 ・【防御】時、武装による士気修整が無効化される。
 ● 騎兵
 ・【移動】時、移動先が「平野」「集落」だった場合、さらに隣接区域へ、合計2区域まで移動できる。
 ・【移動】時、1区域の移動に留まった場合、その移動後に【攻撃】あるいは【突撃】を行える。
 ● 工兵
 ・【移動(待機)】を行なうと「柵」を設置できる。敵部隊は柵を超えて自軍陣地方角へ移動できない。
 ・「河川」で【移動(待機)】を行なうと「架橋」を行える。「架橋済の河川」の地形修正は「砲兵」以外+4改善される。
 ・「柵」「橋」は共に損耗を累計25%与える事で破壊できる。当然ながら「柵」「橋」は攻撃も反撃もしない。
 ● 砲兵
 ・【移動】【攻撃】【撤退】しか行えない。
 ・隣接区域の敵部隊へのみ【攻撃】可能。
 ・隣接区域への【攻撃】時、「砲兵」以外の防御側は打撃力が「0固定」となる。
 ・【防御】時、武装による士気修整が無効化される。
 ● 空騎
 ・「飛行能力」を有する。詳細は《飛行の扱い》を参照。
 ・飛行中の【移動】時、最大2区域まで移動できる。
 ・飛行中の【移動】時、1区域の移動に留まった場合、その移動後に【攻撃】あるいは【突撃】を行える。

●武装の品質 士気修正 概要
1Lv:最悪 ±0 戦闘用でも狩猟用でもない、その場しのぎの劣悪極まる装備。
2Lv:粗悪 +1 戦闘用ではないが狩猟に使え、そのまま対人戦に利用できる装備。
3Lv:平凡 +2 戦闘用に作られたまともな武具。
4Lv:良品 +3 現時代において優れた技術を用いて作られた高品質武具。
5Lv:最高 +4 現時代においてこれ以上の武具はないだろうという最高品質武具。

★ 6.部隊一覧 ★


+ 《民兵隊》 《傭兵部隊》 《正規兵》《航空部隊》 《特殊部隊》
● 民兵部隊一覧
部隊名 戦力 兵種 士気 統率 武装
 《 一般人 》  4 歩兵 0 至難:-2 1Lv:最悪(士気±0)
 一般的な若人。まったく訓練されておらず、武装も最貧弱。
 《 民兵隊 》 4 歩兵 1 難:-1 2Lv:粗悪(士気+1)
 基本的な訓練を終えたばかりの一般人。 最低限の槍とナイフで武装しているが心もとない。
 《 狩人隊 》 2 射手 0 難:-1 2Lv:粗悪(士気+1)
 獣を狩って生計を立てる一般人。猛獣で慣らした技術と度胸は民兵として十分。

● 傭兵部隊一覧
部隊名 戦力 兵種 士気 統率 武装
 《 傭兵歩兵隊 》 4 歩兵 1 難:-1 3Lv:平凡(士気+2)
 《 傭兵弩兵隊 》 2 射手 0 難:-1 4Lv:良品(士気+3)
 《 傭兵騎馬隊 》 2 騎兵 1 至難:-2 3Lv:平凡(士気+2)
 戦場で生きる糧を得る荒くれ者。平均的な戦力として安定するが、扱いづらい。

● 正規兵部隊一覧
部隊名 戦力 兵種 士気 統率 武装
 《 軽装歩兵隊 》 4 歩兵 2 並:±0 3Lv:平凡(士気+2)
 《 重装歩兵隊 》 3 歩兵 2 並:±0 3Lv:良品(士気+3)
 《 弓兵隊 》 2 射手 3 難:-1 3Lv:平凡(士気+2)
 《 弩兵隊 》 2 射手 1 並:±0 4Lv:良品(士気+3)
 正規兵として訓練を受けた軍人。バランスがよく扱いやすい。
 《 軽装騎馬隊 》 2 騎兵 2 難:-1 3Lv:平凡(士気+2)
 《 重装騎士隊 》 1 騎兵 3 至難:-2 4Lv:良品(士気+3)
 騎兵の訓練を受けた軍人。最強の一角だが、その分扱いにくい。
 《 工兵隊 》 3 工兵 0 並:±0 3Lv:平凡(士気+2)
 野戦築城を役目とする特殊兵科。だいたい土木工事特化の魔物が雇用されている。
 《 カタパルト砲兵隊 》 2 砲兵 1 並:±0 4Lv:良品(士気+3)
 後方からの支援砲撃を行なう部隊。戦果は陣取る地形に完全に依存する。

● 航空部隊一覧
部隊名 戦力 兵種 士気 統率 武装
 《 ヒポグリフ隊 》 1 空騎 0 至難:-2 3Lv:平凡(士気+2)
 《 ワイバーン隊 》 1 空騎 2 至難:-2 4Lv:良品(士気+3)
 馬よりも貴重な騎獣を運用する超少数精鋭の航空戦力。

● 特殊部隊一覧
部隊名 戦力 兵種 士気 統率 武装
 《 銃兵隊 》 3 射手 2 至難:-2 5Lv:最高(士気+4)
 《 カノン砲兵隊 》 2 砲兵 1 至難:-2 5Lv:最高(士気+4)
 銃という文明レベル4の産物、あるいは妖術による高火力射撃部隊。

★ 7.基本的な部隊の連携運用指針 ★


+ 《連携のすすめ》
歩兵:全ての兵科の守り神。最前線に立って肉壁になろう。そして死のう。
射手:歩兵に守られながら一方的に攻撃を仕掛けよう。歩兵がいなければ死ぬ。
騎兵:機動力のままに突出して孤立すると死ぬ。突撃は歩兵のいる区域にしよう。歩兵がいなければ死ぬ。
工兵:戦闘をさせてはいけない兵科。柵をつくり、橋をかけて友軍の支援に専念を。
砲兵:接近されると何も出来ないので歩兵や工兵の柵に頼ろう。いなければ死ぬまで砲撃だ。
総合:事前準備で地形を把握しておこう。でないと何も出来ない兵科が出て死ぬ。天候は祈ろう。

★ 8.合戦のための情報収集 ★


+ 《敵情把握》 《地形・天候把握》 《演習と訓練》 《武具調達》
● 《 敵情把握 》
 重要技能 : 「戦略(陸戦)」 「情報分析」
合戦の前に知るべき敵の情報があるならば、それは「部隊数」「兵科構成」「部隊指揮官の技量」の3種は欠かせないものだろう。雇用主の情報解析能力によってはせっかくの情報も台無しという場合もあるだろう。そういう時、冒険者は雇用主や周囲の腹心から敵情に繋がるであろう情報を聞き出し、それをまとめあげてあらためて情報を解析し、敵軍の内情を想定する事ができる。冒険者は「部隊数」「兵科構成」「部隊指揮官の技量」の3種の内から知りたい情報を指定し、「戦略(陸戦)判定」と「情報分析判定」双方に成功する事で、その情報を推測として得る事ができる。他の情報を知りたい場合も同じように二種の判定を行なう事で情報を推測する事ができる。ただし、2種目には「-3」、3種目には「-6」の修正を受ける。

● 《 地形・天候把握 》
 重要技能 : 「戦略(陸戦)」 「情報分析」 「天文学」「気象学」
合戦に向かうにあたって、戦場となる地形を把握している事は、していない事よりも遥かに重要である。冒険者は雇用主から戦場となる地域を聞かされた際戦略眼と地域知識の情報から、実際に兵を運用する地形を、帝都にいながらにして想定できる。冒険者は「戦略(陸戦)判定」と「地域知識:帝国(地方・少国家)判定」を行う。これに成功した場合、即座に「戦場の地形決定ダイス」を振る事ができる。そうして地形情報を得た場合、さらに合戦時の天候を予測する事ができる。「天文学判定」あるいは「気象学判定」に成功した際、1D6を振り、指定の天候を予測できる。この天候予測は、実際に戦場到達時での天候決定ダイスにおいて、予測した天候に向かって出目が1点分増減する。

● 《 演習と訓練 》
 重要技能 : 「指揮」 「指導」
配属された部隊が貧弱極まりない雑兵である事もあるし、連携が取れず指揮が阻害される事もある。そんな時、冒険者は「指揮」と「指導」の技能を有していれば、それによって訓練を行い、士気を向上させる事ができる。まず部隊の「統率」で指定された修正を受けた「指揮判定」を行なう。この時点で冒険者はこの部隊を実戦で指揮する際に受ける「初めて指揮をとる事による-5修正」を無効化出来る。次に、訓練による士気上昇値として「+1」あるいは「+2」のどちらかを指定し、「指定した数値×5」のマイナス修正を受けた上で「指導判定」を行なう。これに成功すれば、指定した数値だけ、部隊の士気が合戦終了まで上昇する。これらの判定に失敗すれば、士気を上げる事ができないまま合戦に参加する事となる。この演習と訓練は代行を依頼する事はできない。

● 《 武具調達 》
 重要技能 : 「管理」 「商人」 「外交」 「交渉」
配属された部隊の武装が貧弱な場合、冒険者は武装強化を試みる事ができる。冒険者が調達できる武具は「1Lv:最悪」の武具となる。この品質を上げていくためには、複数の指定技能を成功し続ける必要がある。指定技能は「管理」「商談」「外交」「交渉」の4種類であり、一種の判定に成功する毎に調達できる武具の品質Lvが「+1」されていく。ただし、判定に成功する毎に、次の判定に「-2」の修正が追加されていく。さらに実際に部隊へ配備するための資金として「品質Lv×200×戦力」gの経費を必要とする。武具調達できるのは冒険者一人につき1部隊分までとなる。この武具調達は他の冒険者に代行を依頼できるが、代行者は判定に「-2」の修正を受ける。

★ 9.行軍 ★


+ 《ランダムイベントチャート》
合戦準備を整え、戦場へ向かって出発した際、戦場に到着するまでに何があったかを決定する。GMは以下の行軍ランダムイベントを2回行う事。

《 行軍ランダムイベント(2D6) 》

【2~3】強行軍
道や橋が物理的な障害によって封鎖され、迂回を余儀なくされる。遅れた足を取り戻すため、無理な行軍を行わざるを得ない。合戦終了まで全部隊の士気が「-1」、あるいは全部隊の損耗率「+5%」のどちらを選択するかを冒険者の代表者が決定する。

【4~5】メディイイック!!!
敵の小規模な部隊と交戦。問題なく撃退するも、全部隊が損耗率+5%。
冒険者のいずれか一人が、「医師」「応急処置」「手術」「診断」のいずれか一種の判定を「-5」の修正を受けて行える。成功させると、成功値だけ全部隊の損耗が軽減される。

【6~9】 平穏にまさるものなし
特に重要な出来事といえるものはなかった。

【10~11】珍しき歓迎
行軍途中にある村や町にて、自発的な糧秣の支援を受けた。
全部隊が損耗率-5%。全く損耗していない場合、合戦終了まで全部隊の士気が「+1」する。

【12】快適な行軍
過剰な苦役とは程遠い、順調極まる行軍を行えた。
合戦終了まで全部隊の士気が「+1」。

★ 10.戦場環境と地形効果 ★


+ 《夜戦地形構造》 《天候》 《時間》 《陣取り合戦》 《タイムオーバー》 《攻城戦地形構造》
● 野戦地形構造
地形名 歩兵・工兵士気補正 射手士気補正 騎兵士気補正 砲兵士気補正
2.集落 【防御】+1 【防御】+1 -2 【攻撃】-2
3.河川* -6 -6 -6 -6
4~5.森林 【防御】+1 【防御】+2 -3 【攻撃】-3
6~8.平野 ±0 ±0 【攻撃+2】【突撃】+4 【攻撃】-1
9~10.丘陵 【防御】+1 【防御】+2 -2 ±0
11~12.山岳 【防御】+2 【防御】+3 -3 【攻撃】-2
*橋のない河川から移動した部隊は次ターンまで河川の修正を半分うける。
*橋のない河川の士気修正は、PCにも敏捷を使用する判定に修正が適応される。

戦場は5つの区域にわかれており、それぞれの区域には地形が存在する。この地形は2D6を振って決定する。これら区域は地形決定した順に隣接しあっており、一回の移動で隣接する地形へ移動できる。合戦開始時、PC部隊は一番最初の区域に布陣し、敵部隊は最奥の5番目の区域に布陣して対峙する。一つの地形には複数の部隊が同時に存在する事ができる。一番目の区域を「PC陣地」とし、5番目の区域を「敵陣地」とする。

例えば、1D6を5回振り、「1:平野」「2:平野」「3:山岳」「4:丘陵」「5:集落」の順番となった場合、PC部隊は「1:平野」に布陣し、敵部隊は「5:集落」に布陣する。「2:平野」からは「1:平野」と「3:山岳」に行き来できるが、「4:丘陵」へ向かうには「3:山岳」を経由しなければならない。

戦場に部隊が到着した際、GMは以下の天候決定ダイス1D6を振る。そして出目で指定された天候が、到着時に戦場を包み込んでいる天候となる。この天候は1D6ラウンド持続し、その後ラウンド開始時に再びGMは天候決定ダイスを振る事。その際、変更前の天候に向けてダイス目が1点分増減する。さらに、合戦準備によって天候予測に成功している場合、それら一連の天候決定ダイスにて、予測した天候に向けて出目が1点分増減する。

● 天候決定ダイス(2D6) 
天候名 歩兵・工兵士気補正 射手士気補正 騎兵士気補正 砲兵士気補正
2.霧  +1 【攻撃】-3 -2 【攻撃】-3
3~4.強風 ±0 【攻撃】-2 ±0 【攻撃】-2
5~6.雨 ±0 【攻撃】-1 -1 【攻撃】-1
7~8.曇り ±0 ±0 ±0 ±0
9~10.晴れ ±0 ±0 ±0 ±0
11~12.快晴 ±0 ±0 ±0 ±0

基本的に合戦は「昼間」である13時に会戦となるが、事情に寄っては時間をあえてずらして戦場に向かう事もあるだろう。暗くなる前に決着をつけたいならば昼間にぶつかり合うように動き、逆に夜襲で決着を付けたい場合は夜間に動く事もあるだろう。そして望まぬ時間帯に戦闘となる事もあるだろう。このように通常の冒険セッションと同様に、GMとPCは合戦の目的に応じて全軍が戦場に到達する時間を指定する事ができる。なお、合戦においての1ラウンドは10分として扱う。

● 時間修正一覧
時間名 歩兵・工兵士気補正 射手士気補正 騎兵士気補正 砲兵士気補正
明け方(5~7時) ±0 【攻撃】-1 -1 【攻撃】-2
昼間(7~16時) ±0 ±0 ±0 ±0
夕方(16~19時) ±0 【攻撃】-1 -1 【攻撃】-2
夜間(19~5時) ±0 【攻撃】-2 -2 【攻撃】-3

《 陣取り合戦 》

GMは戦場の中心たる3番区域に「要所」を設置してもよい。「要所」はPC側のものでも敵側のものでもない空白の「陣地」である(「陣地」については後述の★合戦の手順★《陣地占領》を参照)。この要所は敵対部隊がいれば【占拠】は行えず、そして2R連続した【占拠】を行わなければ占領できない。【占拠】中に敵部隊が「要所」に侵入してくると、【占拠】の継続はリセットされる上に、敵軍を排除しないと再【占拠】は行えない。PC軍と敵軍はこの「要所」をめぐって戦闘を繰り広げる事となるだろう。GMはこの「要所」がどちらかに占領された時点で合戦終了としてもよいし、占領できなかった側の全部隊の士気が次のラウンドからラウンド終了時に「-1」ずつ低下していく中で戦闘続行の扱いとしてもよい。これによる士気低下は要所を奪取する事で解除される。また、GMはPCと敵側の初期陣地をなくして要所をめぐる戦いに集中させてもよい。

《 タイムオーバー 》

GMは合戦のタイムリミットを設定してもよい。10R(戦闘開始から100分後)を超えると敵増援が現れ撤退する他ないという状況や、糧秣が尽きてもはや飢える前に決着をつけるほかないという状況などをシナリオに組み込めば、敵味方共に積極的に動かざるをえないであろう。タイムリミットがすぎればその時点で目的不達成とする他に、以後ラウンド経過する毎に士気が減っていく、あるいは損耗率が上昇していくとしてもよい。

《 攻城戦 》

野戦における会戦ではなく攻城戦を行いたい場合、以下の攻城戦地形構造を利用してもよい。攻める側は城外から城壁や門を破り、中庭に踏み入り、そこから籠城側の拠点である本丸に攻め入る事になる。籠城側は本丸が占拠されないように攻め側を追い払わねばならない。籠城側は合戦開始時、望む場所に兵を配置できる。

● 攻城戦地形構造
地形 隣接 侵入可能数 歩・工兵士気修正 射手士気修正 騎兵士気修正 砲兵士気修正
【城外】 門・梯子・城壁 制限なし ±0 ±0 ±0 ±0
 城外は攻城戦を行なう軍の拠点となる。城壁には梯子を経由しなければ移動できない。
 城外に布陣する射手は、「城壁」「梯子」に布陣する部隊へ【攻撃】を行える。
【梯子】 城外・城壁 2 ±0 ±0 - -
 梯子は城外あるいは城壁で【移動・待機】を行うと設置できる。
 梯子に布陣する部隊は梯子に布陣する敵部隊の自軍陣地へ向けた移動を無効化できる。
 籠城側は敵部隊のいない梯子で【移動・待機】を行うと任意で梯子を解除して即城壁へ移動可能。
 梯子には騎兵と砲兵は侵入できず、射手は【攻撃】を行えず友軍への士気修整も無効となる。
【門】 城外・中庭・城壁 2 ±0 ±0 ±0 -
 門には「扉」があり、これは損耗率100%で破壊される「工兵」の「柵」と扱う。
 門は【占拠】でき、占領中の部隊が【移動・待機】を行なう事で「扉」の開閉が行える。
 門では砲兵は【攻撃】ができない。
【城壁】 梯子・門・中庭 4 ±0 ±0 - -
 城壁に布陣する射手は、「場外」「梯子」「中庭」に布陣する部隊へ【攻撃】を行える。
 城壁には騎兵と砲兵は侵入できない。
【中庭】 門、城壁 6 ±0 ±0 -2 ±0
 中庭に布陣する射手は、「城壁」「門」に布陣する部隊へ【攻撃】を行える。
【本丸】 中庭 4 ±0 ±0 - -
 本丸は籠城戦を行なう軍の拠点となる。
 本丸に布陣する射手は、「中庭」に布陣する部隊へ【攻撃】を行える。
 本丸には騎兵と砲兵は侵入できない。



★ 11.合戦時の部隊戦闘ルール Ⅰ ★


+ 《戦場の雄》 《行動値決定》 《合戦初動》《部隊支持》 《部隊から部隊への攻撃》 《陣地占領》《飛行の扱い》 

《 戦場の雄 》

戦場に参戦するキャラクターは「英雄」「部隊」の二種類となる。「英雄」はPCのように一騎当千の素質を持つ超越者を表す。英雄にはPCだけでなくNPCとして敵味方双方に存在する事もある。「部隊」は「英雄」に率いられる、一人では無力に等しい有象無象の兵士を表す(英雄がいない場合、部隊の中のリーダーが指揮をとる)。この「英雄に率いられた部隊」を「隷下部隊」、「英雄のいない部隊」を「雑兵」、「隷下部隊のいない英雄」を「孤立した英雄」とする。これにより、戦場には「英雄と隷下部隊」「雑兵」「孤立した英雄」の3種類が存在しうる。

《 行動値決定 》

合戦では「指揮官の戦術技能Lv×0.7」あるいは「指揮官の行動値」を比較し、それらが高い順から行動を行なう。

《 合戦初動 》
戦場への布陣時、PC部隊代表と敵部隊代表が戦略判定対決を行なう。勝利側は即座に隣接区域へ任意の部隊が移動できる。その後に合戦の1ラウンドが開始となる。

《 部隊指示 》

このシナリオの部隊戦闘では英雄の行動の他に隷下部隊へ指示を行える。英雄の後に隷下部隊を行動させても、隷下部隊の後に英雄を行動させても、どちらでもよい。ただし英雄と隷下部隊を別行動させる事は出来ない。英雄と隷下部隊は常に共に行動し、英雄の移動する場所へ隷下部隊も移動する。

● 部隊指示行動一覧(1ラウンドにいずれか一つ)
【移動】 隣接する地形に移動する。あるいはその場の布陣を継続する。英雄自身の移動も兼ねる。
【攻撃】 同じ区域に布陣している敵部隊に攻撃を仕掛ける。
【突撃】 同じ区域に布陣している敵部隊に防御を顧みぬ攻撃を仕掛ける。
【防陣】 敵部隊からの攻撃に備える。次ターンまで指揮判定と戦術判定に「+2」の修整を受ける。
【占拠】 相手陣地区域にいる事が条件となる。補給路・退路を絶ち、敵軍の士気を低下させる。
【撤退】 戦場の最端区域でのみ選択できる。戦場より離脱する。敵軍に占拠された陣地では行えない。

《 部隊から部隊への攻撃 》

① 指揮統制
攻撃側と防御側で互いに「指揮判定」を行う。攻撃終了まで自部隊の士気が成功時は「+1」され、失敗すると「-1」される。この時、損耗度合いによって指揮判定に修正がかかる。

「20~39%:-1」 「40~59%:-2」 「60~79%:-3」 「80~99%:-4」

①-② 突撃効果
【突撃】を選択時、自部隊の士気がこの攻撃終了まで「+2」する。攻撃終了後は、次の自身のターンまで士気が「-2」される。

② 攻撃と防御の戦術対決
攻撃側と防御側は「戦術判定」で対決を行う。この判定の勝利者を「優勢側」とし、敗北者を「劣勢側」とする。攻撃が成功すれば防衛を食いやぶった事となり、攻撃が失敗すれば逆手を取られて逆攻勢をかけられた事となる。

③ 戦果確認
優勢側は「(戦力+士気)D6」を算出し、劣勢側は「{(戦力+士気)÷2)}D6」を算出する。これは切り上げ処理となる。この算出された数値を「打撃力」とする。攻撃側は損耗率が「+防御側の打撃力」%され、防御側は損耗率が「+攻撃側の打撃力」%される。これにより損耗率が100%となった部隊は壊滅したと扱われ、無力化される。

例:
  • 冒険者(英雄)は戦力5士気1の歩兵部隊を率いて、戦力5士気1の山賊歩兵部隊(雑兵)へ【攻撃】を仕掛けた。冒険者と山賊は「指揮判定」を行い、冒険者は成功させ、山賊は失敗した。これにより冒険者側が士気が「+1」され、山賊は「-1」された。

  • 冒険者と山賊は「戦術判定」で対決を行い、冒険者が勝利した。これにより冒険者の攻撃は成功し優勢に立ち、山賊の防御は失敗して劣勢となる。

  • 互いに戦力に士気を加えて打撃力の算出を行なった所、冒険者は「(5+1+1)D6」となり、打撃力は7D6となった。山賊は「{(5+1-1)÷2}D6」となり、打撃力は切り上げられて3D6となった。この結果、冒険者側は7D6から21%の損耗を山賊に与え、山賊は冒険者に2D6からの9%の損害を与えた。

《 陣地占領 》

戦場に配置された相手陣地は、部隊がその場に到達して【占拠】を行なう事で占領できる。ただし、敵陣地に敵部隊が配置されている場合、【占拠】は行えない。敵部隊に自軍陣地が占領された場合、次のラウンドからラウンド終了時に自軍全部隊の士気が「-2」され、さらにこれは重複していく。占領された自軍陣地は自軍が被占領下の陣地へ帰還した時点で開放され、占領による士気低下もリセットされた上で解除される。

《 飛行の扱い 》

英雄の中には飛行手段を有しているものもいるかもしれない。その場合、飛行中の英雄および部隊は以下のように処理をする。

  • 【移動】時、「柵」などの地上移動阻害要素を無視できる。
  • 【移動】時、待機を含めた移動待機終了時に「着陸」を選択できる。着陸後は同じように「離陸」を選択できる。
  • 【占領】を行えない。
  • 「射手」と「飛行中の存在」以外からの【攻撃】【突撃】対象にならない(射程10M以上の攻撃手段を有する英雄は攻撃可能)。
  • 攻撃対象となった際、友軍の「歩兵」の保護を受けられない。
  • 「空中」という「地形」にあるとし、その地形修正として「+2」を受ける。
  • 部隊は「雨」「強風」「濃霧」の天候では士気修正が「-3」され、「夜間」には士気修正が「-2」される。
  • 英雄と隷下部隊がどちらかしか飛行手段を有していない場合、英雄は「孤立した英雄」となり部隊は「雑兵」となる。


★ 12.合戦時の部隊戦闘ルール Ⅱ ★


+ 《英雄から部隊への攻撃》 《部隊から英雄への反撃》 《部隊壊滅後の英雄》 《英雄の対決》 《英雄の反撃》

《 英雄から部隊への攻撃 》

  • 英雄の攻撃射程は一律「同区域」となり、対象範囲は以下となる。英雄による隷下部隊の保護については、後述の《英雄どうしの戦い》においての隷下部隊へ向けられる攻撃の自身への移し替えの可不可を表す。

● 範囲別攻撃対象一覧
範囲 攻撃可能部隊数 部隊内の攻撃対象 英雄による隷下部隊の保護
単体 任意1部隊 英雄、隷下部隊どちらか 可能
任意1部隊 英雄、隷下部隊どちらか 可能
範囲 任意1部隊 英雄、隷下部隊どちらか 可能
広範囲(0~49M)・丙 自部隊+ランダム1部隊 英雄、隷下部隊どちらか 可能
広範囲(50~99M)・乙 自部隊+ランダム2部隊 英雄と隷下部隊共に 不可
広範囲(100~M)・甲 自部隊+ランダム3部隊 英雄と隷下部隊共に 不可

  • 部隊はPCからの攻撃に対して回避行動を行えない。ただしPCからのダメージ攻撃に対して「戦術判定」で被害を軽減できる。ただしその際の戦術技能Lvは戦術技能Lv×0.7の切り捨てとなる。「戦術判定」に成功すると、英雄から受けるダメージは半減する。その上で防護点を適応し、実際に適応するダメージを算出する。

  • 算出された適応ダメージが指定の「一人あたりのHP」を0以下にした場合、英雄は部隊を損耗させる力を有しているとし、部隊は「英雄から受けた適応ダメージ÷基礎戦力(切り上)」に等しい値だけ損耗率が上昇する。

  • 英雄が行った攻撃の対象範囲によって損耗率は変動する。変動値は「単体:変動なし」「扇・範囲:1.5倍」「広範囲/100M以上:2倍/50M以上:1.5倍/49M以内:変動なし」となる。

  • 部隊は英雄からの攻撃により損耗率が上昇した際、さらに英雄が行った攻撃の対象範囲によって士気が低下する。低下値は「単体:変動:-1」「扇・範囲:-2」「広範囲/100M以上:-3/50M以上:-2/49M以内:-1」となる。注意点として、これらは重複せず、最も低下する修正が優先して適応される。これにより被害を被った部隊の士気低下は、彼らの次のターンまで持続する。
  • 英雄は攻撃を行なうと2点分の疲労を負う。この時英雄が《疲れ知らず》を持っているなら1点となり、《超タフネス》があれば疲労は一切しない。

《 部隊から英雄への攻撃と反撃 》

  • 部隊は攻撃時、相手部隊の英雄と隷下部隊どちらを攻撃するかを選択できる。
  • 英雄は防御時、相手の隷下部隊あるいは英雄からの攻撃を、自らが受けるか隷下部隊に対応させるかを選択できる。
  • 英雄が敵部隊からの攻撃を隷下部隊に対応させる場合は通常通りの大規模戦闘処理を行う。英雄が狙われ、そして英雄が敵部隊からの攻撃を受けることを選択した場合、その攻撃中に限り、英雄は「孤立した英雄」と扱って後述の《部隊壊滅後の英雄》に準ずる戦闘処理を行なう。

《 部隊壊滅後の英雄 》

  • 隷下部隊が壊滅した英雄、あるいは単身戦場に乗り込む傾奇者は、大半の部隊行動を当然行えなくなり、敵軍のまっただ中に取り残され、「孤立した英雄」となる。孤立状態では、可能な行動は【英雄の行動】【移動】【撤退】のみとなる。孤立した英雄は敵部隊から直接狙われる存在となり、孤立した英雄は敵部隊からの【攻撃】や【突撃】に対処しなければならない。

  • 「戦術判定対決」において英雄は「戦術判定」ではなく、「回避判定」を行う。この回避判定は「敵部隊の基礎戦力(小数点切り上)」に等しいペナルティを受ける。この時「避け」を選択すれば、英雄が優勢に立った際回避成功とみなされ、攻撃は終了する。「受け」「止め」の選択時では、判定に成功すれば敵部隊が劣勢側として打撃力を算出し、それに等しい無属性叩きダメージを英雄はHPに受ける。判定対決に敗北した場合、優勢に立った敵部隊の打撃力に等しい無属性叩きダメージをHPに受ける。

  • これらによりHPが0以下となれば、戦力外となり戦場から退場する。

《 英雄の対決 》

  • 英雄どうしが指揮する部隊の交戦時、英雄は相手英雄と相手隷下部隊どちらを攻撃対象にするかを選択できる。また、相手英雄は自部隊が狙われた場合、その攻撃対象を自身へと移し替える事ができる。英雄の攻撃を英雄が受ける場合、攻撃に対して通常の戦闘ルールに則った回避行動を行える。

  • 英雄攻撃時、相手隷下部隊への攻撃対象を相手英雄が自身に移し替えない場合、英雄は「言いくるめ判定」を行い、これに成功する事で、相手英雄の挑発に成功したとして、強制的に攻撃対象を相手英雄へと向けられる。ただし次のターンまで挑発した英雄は「孤立状態」と扱われる。なお、この挑発は同区域にいる英雄にのみ行える。

  • 英雄が無力化された隷下部隊は雑兵となり、以後の判定基準値は指揮官だった英雄の技能Lvの半分(切り捨て)となる。

《 英雄の反撃 》

  • 英雄が敵英雄あるいは敵隷下部隊と結果的に応戦した場合、その攻撃終了後に英雄は攻撃を行ってきた相手に通常の戦闘ルールに順じた反撃を行える。この反撃を行った英雄は自身が攻撃を行った時と同様に疲労点が蓄積する。これにより、敵英雄と敵隷下部隊双方と応戦した英雄は、その双方に反撃を行うかを選択できる。

★ 13.合戦その後 ★


+ 《死傷者の数確認》 《負傷者の治療と回復》
部隊どうしの戦闘のあと、損耗率が高いほどにそこには阿鼻叫喚の地獄が広がっている。昏倒した敗残兵は言うに及ばず、勝利に貢献した兵士たちも負傷の苦痛にあぐねいているだろう。中には傷が深く戦死した者や、もう助からない重篤者や、二度と戦場に立てない不具者となり、前線から離脱する者もいるだろう。そうした離脱者は損耗率で示された割合の中に含まれる。GMは、さらに合戦の連戦を行なう場合や、生存者や死者数そのものが重要となる展開において部隊から離脱者を出してもよい。

《 死傷者数の確認 》

まず損耗率から全体としての死傷者数を算出する。死傷者の算出式は「戦力×10×損耗率(切り捨て)」となる。例えば「戦力3」の部隊が「損耗率75%」で合戦を終えたとする。戦力1につき兵士は10人を基本とするので、戦力3は兵士30人となり、損耗率75%の内訳は22.5人となり、これを切り捨てて22人とする。その上で離脱者の算出式は「死傷者×20%(切り捨て)」となり、この場合22×0.2(切り捨て)として、4人が離脱者として算出される。こうして部隊は30人から26人となり、戦力としては2.6となる。戦闘ルールとしては、離脱者ではない負傷者はそのまま戦闘を行えるが、損耗率はそのまま引き継ぐ事となる。以後合戦に参加し打撃力を求める場合はルール通りに算出し、2.6は切り上げられて3と扱われる。離脱者は出たが打撃力にはまだ影響はないと言えるだろう。

《 負傷者の回復と治療 》

損耗率は一日毎に5%低下していくが、他の手段としては「手術技能」あるいは「医者技能」があれば、それらの判定の成功値だけ減少するとしてもよい。他に治療に役立ちそうな技能があれば、GMはその判定の成功値だけ同じように損耗を低下させるとしてもよい。その際、それら兵士の治療には判定一つにつき「戦力×2時間」の拘束を要するとする。ただし、魔法などの即時性の高い超自然的な手法ではそれよりも早く回復するとしてよい。また、《死傷者数の確認》時にも同様の判定を行う事で、成功値だけ損耗率を減少した上で離脱者の再算出を行えるが、この時の判定は部隊問わず行えるが英雄一人につき一回しか行えない。

★ 14.部隊編成一覧 ★


+ 《部隊編成例一覧》
以下は敵部隊として登場する敵部隊の編成例一覧表である。GMはシナリオに応じて部隊編成を自由に行ってよい。また、GMは敵部隊管理の負担軽減のために、指揮官の判定ダイスの出目を「1」に固定したり、打撃力の損耗率・ダメージ決定においてダイス1個の出目を「3」に固定してもよい。

 《 暴徒の群れ 戦略Lv10 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
歩兵A 4 2 至難:-2 10 12 (行動値:8.4) 10 無属性1
歩兵B 4 1 至難:-2 10 10 (行動値:7) 10 無属性1
射手 3 0 至難:-2 10 10 (行動値:7) 10 無属性1
運用指針:最寄りの部隊に集中攻撃

 《 民兵隊 戦略Lv11 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
歩兵A 4 2 難:-1 12 12 (行動値:8.4) 10 無属性2
歩兵B 4 2 難:-1 12 12 (行動値:8.4) 10 無属性2
射手 3 0+武装1 難:-1 12 12 (行動値:8.4) 10 無属性2
運用指針:最寄りの部隊に集中攻撃

 《 山賊の群れ 戦略Lv:12 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
歩兵 4 3 難:-1 14 14 (行動値:9.8) 10 無属性4
射手 2 0+武装3 難:-1 12 14 (行動値:9.8) 10 無属性3
騎兵 2 3 至難:-2 13 13 (行動値:9.1) 10 無属性3
運用指針:最寄りの部隊に集中攻撃

 《 馬賊の群れ 戦略Lv12 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
騎兵A 2 3 至難:-2 14 14 (行動値:9.8) 10 無属性3
騎兵B 2 3 至難:-2 13 13 (行動値:9.1) 10 無属性3
運用指針:平野めがけて突撃


 《 ゴブリンの群れ 戦略Lv10 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
歩兵A 4 2 難:-1 14 12 (行動値:8.4) 14 無属性3
歩兵B 4 2 難:-1 10 11 (行動値:7.7) 14 無属性3
歩兵C 4 2 難:-1 10 11 (行動値:7.7) 14 無属性3
運用指針:戦力の少ない脆い部隊に集中攻撃


 《 ゾンビの群れ 戦略Lv0 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
歩兵A 5 0 至難:-2 18 10 (行動値:7) 20 無属性5(ダメージボーナスなし)
歩兵B 5 0 至難:-2 18 10 (行動値:7) 20 無属性5(ダメージボーナスなし)
工兵A 4 0 至難:-2 18 10 (行動値:7) 20 無属性5(ダメージボーナスなし)
工兵B 4 0 至難:-2 18 10 (行動値:7) 20 無属性5(ダメージボーナスなし)
運用指針:最寄りの部隊に突撃のみ。膨大な数と動けなくなった死体が道を塞ぎ川を渡る。


 《 正規兵 戦略Lv:14 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
軽装歩兵 4 4 並:±0 14 14 (行動値:9.8) 10 無属性4
重装歩兵 3 5 並:±0 16 16 (行動値:11.2) 10 無属性7
弩兵隊 2 1+武装3 並:±0 14 15 (行動値:10.5) 10 無属性3
重装騎士隊 1 6 難:-2 16 17 (行動値:11.9) 10 無属性5、全属性4


 《 戦列歩兵 戦略Lv:16 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
銃兵隊A 3 2+武装4 至難:-2 16 15 (行動値:10.5) 10 無属性2
銃兵隊B 3 2+武装4 至難:-2 16 15 (行動値:10.5) 10 無属性2
銃兵隊C 3 2+武装4 至難:-2 16 15 (行動値:10.5) 10 無属性2
カノン砲兵隊 3 1+武装4 至難:-2 14 16 (行動値:11.2) 10 無属性2
胸甲騎兵 2 5 至難:-2 15 17 (行動値:11.9) 10 無属性4

 《 剣牙虎実験部隊 戦略Lv18 》
部隊 戦力 士気 統率 指揮官指揮Lv 指揮官戦術Lv 兵士のHP 兵士の防護点
剣牙虎歩兵 3 6 至難:-2 16 16 (行動値:11.2) 20 無属性3
銃兵隊A 3 2+武装4 至難:-2 16 15 (行動値:10.5) 10 無属性2
銃兵隊B 3 2+武装4 至難:-2 16 15 (行動値:10.5) 10 無属性2
カノン砲兵隊 2 1+武装4 至難:-2 16 16 (行動値:11.2) 10 無属性2
工兵隊 3 2 並:±0 16 16 (行動値:11.2) 10 無属性2

★ 15.汎用英雄基礎データ ★


+ 《陸の英雄一覧》
● 陸の英雄一覧
名前 戦略 指揮 戦術/行動 直接攻撃能力 回避 HP 防護
雑魚英雄 12 14 14/9.8 14/単体/切り/無/5D6 避7受9止- 10 全5
奸雄 12 16 16/11.2 14/単体/切り/無/5D6 避8受10止11 50 全5
無双将軍 14 18 17/11.9 18/単体/刺/力場/7D6 避9受11止- 60 無5+全7
妖術軍師 18 16 18/12.6 18/範囲/叩/炎/5D6 避7受9止- 40 無2+全5
救国の英雄 20 25 22/15.4 18/扇/切/無/7D6 避11受13止- 50 全5
ゴブリンロード 10 14 12/8.4 14/単体/叩/無/5D6 避9受11止- 40 全3
ゴブリンキング 12 16 14/9.8 15/単体/叩/無/6D6 避10受12止- 60 全5
ゾンビダディ 12 18 14/9.8 13/単体/叩/無/5D6 避7受-止- 60 全5+ダメージB無
ネクロマンサー 14 18 16/11.2 15/範囲/叩/邪悪/5D6 避8受10止- 80 全5+ダメージB無
ビーストマン 14 18 16/11.2 18/単体/刺/無/7D6 避10受12止- 75 全7
ノスフェラトゥ 16 18 18/12.6 17/範囲/叩/闇/7D6 避11受13止- 100 全7+ダメージB無
混沌災害 10 10 18/12.6 18/広甲/叩/邪悪/5D6 避7受9止- 100 全15

★ 16.GM用オマケチャートおよび一覧 ★


+ 《戦場環境士気修整一覧》
● 戦場環境 士気修正 一欄
兵科名 集落 森林 平野 丘陵 山岳 河川/橋 強風 濃霧 夕暮夜明 夜間
【歩兵】【工兵】 防+1 防+1 ±0 防+1 防+2 -6/-2 ±0 ±0 +1 ±0 ±0
【射手】 防+1 防+2 ±0 防+2 防+3 -6/-2 攻-1 攻-2 攻-3 攻-1 攻-2
【騎兵】 -2 -3 攻+2/突+4 -2 -3 -6/-2 -1 ±0 -2 -1 -2
【砲兵】 攻-2 攻-3 攻-1 ±0 攻-2 -6 攻-1 攻-2 攻-3 攻-2 攻-3

1 2 3 4 5
A A
B B
C C
D D
E E
1 2 3 4 5

-12345- 
A□△□△□A
B凸■□■#B 
C□△≡△□C
D#■□■凸D
E□△□△□E
-12345-
最終更新:2015年11月21日 21:33
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