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7*生きろ
*SW2.0キャンペーン 『サバイブ』


概要

ゲームシステム ソード・ワールド2.0
GGM clo
GM 希望者
開催頻度 GMが居ればいつでも
突発セッションの有無 歓迎
セッション部屋 #SW2夢の宿
雑談部屋 #SW2夢の宿裏
個人CC部屋 #SW2夢の宿CC
大衆CC部屋 #SW2夢の宿酒場
制限人数 なし
新規参入 歓迎
キャンペーン方針 GM次第
エロ方針 GM次第
禁止事項 相手がNGな行為
時間帯 主に夜ですがいつでも可
他キャンペーンからの持込
他キャンペーンへの持ち出し
注意:四肢切断等のR-18G要素があるセッションがしたい方は個別のセッションchをご用意ください。



管理運営側から重要事項
 キャラクターのwikiページ名は
 SW2.0サバイブ/●●(キャラクター名)
 でお願いします。


+ 《 サヴァイブの舞台と歴史 》

《 サヴァイブの舞台と歴史 》

【 歴史 】

 「かつて人族は世界中に存在し、大地を統べていたという。ならば世界は人族の領土であり、その統治権は人族にある。全ての領土の開拓、すなわち奪われた世界の開放は人族の為すべき使命である。」

 かつての大破局から100年後、<人族原理主義国家>を主体として、その大義の元に行われた再征服運動(レコンキスタ)は、ジハドとともに発令され人類は東方へ進撃、その地を支配していた蛮族を撃滅し、現在の融和国家の大本となる植民地を手に入れました。途中、北部にて蛮王とその側近の部族に相対し、進撃は押しとどめられたものの、彼らと正面からぶつかり合う事を避け、数を武器に人類は進路を南周りに変更し、進撃を続けました。その軍勢は東の果てにまで達し、東西から蛮族領土の包囲を完成させ、じわじわと圧迫を加えていました。しかし…

 その時、突如として姿を現したのは、無数の魔神の軍勢でありました。最初は蛮族による反撃かと思われた彼らは、しかし何者にも味方する事なく、有象無象老若男女の区別なく、ただ無秩序に破壊と殺戮を広げていきました。幾ら切り伏せても、まるで尽きる事がないかのように現れ続ける魔神兵。彼らの召喚元を探るために招集された精鋭部隊は、北東の地に巨大な<門>が口を開いており、其処から雲霞の如く魔神たちが吐き出されている、という報告を最後に連絡を絶ちました。魔神たちが数を増すにつれ、北東の地は異界の理が自然法則を押しのけて広がっていくようだった。尽きぬ魔神たちの進軍に壊滅的な打撃を受けた人族の軍勢は、北東の占領地を放棄して西へと撤退を始めました。しかし、魔神の進撃は終わりはしませんでした。撤退する人族の軍勢を追いかけるように、津波の如き異形の群れが、通り道にあるもの全てを貪り喰らいながら進軍を始めたのです。

 死の津波は、しかし北方ではその勢いを削がれ、堰き止められました。蛮族領土の支配者たち、蛮王とその側近の部族を始めとする強大な上位蛮族たちが、魔神の群れを、狩るべき強敵、<名誉ある戦い>の対象と看做し、大挙して魔神と戦い始めたのです。一方で、人族軍と同じく南に進路を取り、追いすがった魔神の群れは、人族の占領地を破壊しながら、次第に人族軍との距離を縮めていきました。このままでは、人族の本拠地たる西方領域まで魔神が到達してしまう。
危機感を覚えた本国は、遠征軍に撤退を禁じ、何としても魔神の群れを喰い止め本国の防波堤となる様に厳命しました。彼らは絶望的な戦況を、あらゆる力を掻き集めて乗り越えようとしました。その一つが本国から放逐、或いは亡命してきた蛮族の戦士たちの受け入れであり、また血の犠牲を払う事で勝ち取ったドラゴン族との同盟です。しかし、本国から要求され続ける過度な負担は遠征軍に不満を募らせ、また本国の承認を得ないまま行った蛮族との融和策やドラゴン族との同盟は、本国からの不信感を買う事に繋がりました。

 最終的に、遠征軍は戦争の最中に<融和国家>として本国から独立を宣言、本国も追認するしかなく、これ以降2つの人族主導の国家間には亀裂が入ったままとなりました。PCは、この<融和国家>の出身、或いはそれを活動拠点とする冒険者となります。


【 融和国家での蛮族の立ち位置 】

 基本的に、融和国家に流れてくるのは、本国に居られなくなった弱者や名誉を失った者たちです。彼らは難民として西に流れ、生きるために共闘を余儀なくされた存在なのです。強力な、或いは野心家の蛮族は融和国家に与さず、国境で人族を攻める存在となります。融和国家としても蛮族を中枢に置く事は避けたいとしていますが、何分強力な戦力なので最低限の権利を保証する事にしました。それが武勲をあげ名誉人族となった蛮族が自治領を得る権利です。融和国家に流れる蛮族はあくまで<蛮族領土>にて弱者とされるはみ出し者であり、ある意味で身の程をわきまえた存在でありました。そのため、上位蛮族は融和国家には原則存在していません。<蛮族領土>の価値観では、<融和国家>で人族と手を取り合わざるを得ないという時点で弱者であり、名誉を投げ捨てているも同然なのですから。


【 敵対する国々 】

 PCたちが属する<融和国家>の北東には<蛮族領土>が広がっています。彼らは統率の取れた単一の集団ではなく、無数の部族に分かれた王政を敷いており、最も強大な存在がその頂点に立って支配する、という形を取っています。彼らの主力は現在<魔神領土>と常に死闘を繰り広げており、<融和国家>に対しては散発的な攻撃があるのみです。その為、人族は未だ命脈を保っていられるのです。

 <融和国家>の南東からは、魔神の軍勢が攻めよせています。彼らの本拠地は北東の果てであり、そこから現れる無数の魔神たちが破壊と殺戮を繰り広げながら、周囲に津波の様に広がっているのです。彼らの主力は<蛮族領土>の軍勢と戦いを繰り広げていますが、無差別に押し寄せる異形の群れは<融和国家>の領土にもひっきりなしに侵入を繰り返しており、目下のところ最も交戦機会の多い存在となっています。

 <融和国家>の西方には、人族の最大拠点である<人族原理主義国家>が存在しています。彼らは<魔神領土>と<蛮族領土>への盾として<融和国家>への支援を行っていますが、彼らに取って人食いの化け物である蛮族を国民として受け入れている<融和国家>は同じ人族として理解しがたい存在となっており、それに頼らざるを得ない現状を苦々しく思っています。独立を承認せず独立戦争を勃発させるような直接的な敵対行為こそありませんでしたが、嫌がらせや圧力、支援の出し渋りは日常茶飯事であり、ある意味で<味方の顔をした敵>であるともいえるでしょう。


【 その他の地域 】

 北西の外洋の向こうには、妖精たちの住まう聖地、妖精界があると言われています。妖精使いの業はここから伝わってきたといいます。才能があるものが何かの呼び声を聞いて彷徨っていると、何時の間にか妖精界にいる事があり、そして気がつくと本土に戻り妖精の声を聴けるようになっているのだとか。この領域は次元結界と海の妖精に守護されていて、物理的な方法では行き来する事は出来ず、人族、蛮族、魔神の侵入を阻んでいるのです。

 蛮族領域と魔神領域、融和国家を分ける国境の一部は山岳地帯になっており、この山岳一帯はどの国にも属していない中立地域です。この地には多数のドラゴンが住んでおり、どの勢力も侵攻することは出来ないでいる程に強力な戦力を有しています。融和国家はこの地に住むドラゴンたちと盟約を結んでおり、戦力を借りる事が出来るのです。

 大陸を北回りに抜けられる航路は全てを凍てつかせる氷の海と吹雪を伴う大嵐に阻まれ、南方沿岸まわりは魔神領域に支配されるために、現在の東方についての情報は途絶しています。かつては魔神領域として知られる地域以東にも広大な大地が広がっていたという伝説が僅かに残るばかりとなっています。
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+ 《 融和国家の貴族・王について 》

《 融和国家の貴族・王について 》

【 新しき貴族 】

 <融和国家>は<人族原理主義国家>からレコンキスタに応じて進撃を行った貴族の一部が植民地にて内政官となり独立後に改めてその地を領土とする貴族が集った国家です。そのため<融和国家>の貴族は<人族原理主義国家>の貴族文化を元にしつつ現地に適応した体制を整えています。

 独立騒動によって<人族原理主義国家>により取り潰された貴族もあれば、本家と袂を分かった貴族もあります。いずれにせよ独立以前と比べて貴族たちの財政は逼迫しており、また戦争による人的損失により領主を失った領土や後継者を喪失した老貴族も珍しくはありません。

 このため、<融和国家>は国家貢献した実績ある人材を血筋に関係なく貴族として叙勲する事で国家内政を整えており、武勲と商売に勝る実績なしとして、一般民衆や大商人から貴族に成り上がる者が多く出始めています。

 歴史の権威なき貴族は<人族原理主義国家>においては嘲笑の的ですが、今生存するために血を流す必要に迫られている<融和国家>においては、新たな貴族が増える事は新たな盾となる味方が増えるとして歓迎されています。もっとも、権力抗争は依然として存在するのですが。


【 王と円卓議会 】

 <融和国家>は生まれたばかりの新しい国であり、歴史の権威を有していません。それ故に国家を統治するための由緒正しき血筋の王族もまた存在しません。しかし国家である以上、王という国家元首の存在は必要不可欠であり、<人族原理主義国家>と対等である事を誇示するためにも<融和国家>も統治者たる王を戴いています。

 <融和国家>建国の要となった大貴族達は公爵の地位となり、王は公爵の当主の中から選挙で選ばれます。世襲制は認められておらず、在命である間が任期となり、王を輩出した公爵家は次代の王となる権利を剥奪されます。公爵家のいずれかが廃滅した場合、侯爵家のいずれかが公爵へと引き上げられます。こうして公爵から王となった貴族は『騎士王』の称号を得ます。公爵家と王が集う会議は『円卓議会』と呼ばれ、この『円卓議会』が<融和国家>の中枢となっています。

 現在の<融和国家>は建国から30年(レコンキスタ勃発から100年)経過しており、現騎士王は在位2年目の3代目国王となります。


【 NPCとしての王と公爵家 】

 騎士王と公爵家の具体的な人物像や政治思想についてはレギュレーションとして設定しません。公爵家の数も設定しません。GMが王や公爵家を演出する場合、それぞれのGMの描く設定となり、他のGMの設定に影響しないとします。

 このため、PC設定を<融和国家>の騎士王・公爵家に関連づける内容とする事は非推奨とし、実際に設定してもそのPCのPLのGM時の設定でそうなっているとして扱い、他GMの設定にやはり関与しないとします。そしてPL参加時ではその卓のGMの設定が優先します。GM間で設定を共有する事は可能です。


【 人族原理主義国家について 】

 <人族原理主義国家>は公式に存在するダグニア地方のセフィリア神聖王国の政治体制や国策・宗教的方針に準ずるものとします。ただし、セフィリア神聖王国とは全くの別国であり、当然ながらルールブックに掲載されている公式NPCは存在しません。そしてこの国の重鎮においても<融和国家>同様にレギュレーションとして固定の設定はしないものとします。
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+ 《 冒険者の立ち位置と冒険者の酒場 》

《 冒険者の立ち位置と冒険者の酒場 》

【 コンキスタドールという冒険者 】

 <融和国家>の冒険者は「コンキスタドール」という役職を背負っています。コンキスタドールとはレコンキスタ(再征服運動)において開拓の最前線に立つ勇者達の総称であり、特に民間志願者からの冒険者がこう呼ばれています。コンキスタドールは従来の冒険者の業務だけでなく、開拓村に関しては治安の番人として捜査権限を持つ臨時の保安官、そして村長が許可すれば裁判官も兼任する。これにより指名手配犯や現地で発覚した犯罪などの容疑者をその場で確保し、村長の許可のもと臨時裁判に掛けて処罰する事ができます。

 コンキスタドールという外部からの民間調査員が開拓村の自治権に踏み込む強力な権威を有している理由は、開拓村内部で隠蔽される不祥事に対しての牽制と威嚇という外圧そのもののためにあります。それほどに重要な役職であるものの、危険性も高いために成り手は多くてもすぐに物理的に消えてしまう事は日常茶飯事で、そのためコンキスタドールは人手不足であり、故に脛傷持つ者たちがまともに素性調査もされず(できず)登録し、そこからコンキスタドール全体の信頼を損なう事件が発生する事は残念ながら珍しいものではありません。


【 コンキスタドール・バッジ 】

 コンキスタドールはその権限を有するがゆえにそれを証明するバッジを有しており、このバッジは冒険者登録時に個別に用意される特注のもので、偽造対策が施されています。これは身分証明書でもあり、そして万一の時に死亡を確認するためのものでもあります。このバッジは冒険者にとって非常に重要なものであり、これを有さない冒険者は山賊と見做されてもおかしくはありません。そのためバッジを紛失する事は重過失として扱われ、その再発行時には不名誉(総合名誉点が冒険者レベル×10点減少する)を被ります。第三者にバッジを盗まれる、拾われるなどされて詐欺師の身分詐称の道具にされうるからです。バッジを有する冒険者の詐称は重罪であり、死刑もありうるが、まずこれを紛失しない事が冒険者の基本中の基本となるのです。

 人族のバッジと蛮族のバッジは基礎となるデザインが異なっており、蛮族が人族と同じデザインのバッジを有するには名誉人族とならねばなりません。

 なお、このバッジにはもう一つ重要な役割があり、それは冒険者個人への牽制であり、冒険者がコンキスタドールの役目を乱用悪用した際に個人を突き止めやすくするためです。依頼に向かった冒険者の個人情報が依頼帳簿と名簿とバッジとで明確であるがゆえに、冒険者自身をも監視しているのです。


【 冒険者の酒場の依頼制度について 】

 コンキスタドールを認定する冒険者の酒場は国家直営であり、その店主はキャリアを積んだ役人や名声を得て国家からの信用を得たかつての冒険者です。冒険者の酒場は融和国家の支配下として登録された開拓村から保護料を国税とともに徴収しており、開拓村は冒険者の酒場に依頼を出す事を許可されます。その際の依頼料はその保護料から捻出されるため、新たに開拓村が冒険者への報酬を用意する必要はありません。個人として冒険者の酒場に依頼する際は自前で報酬を用意する必要があり、かつ、それなりの名声が必要です。有象無象の村民や町民は必要な信用証明が存在しないとして依頼する事はできません。

 ただし、名声を有する著名人が、依頼できぬ身の人々から依頼されて冒険者の酒場に依頼を代行する事は非常に多いのは事実です。この場合、依頼内容が依頼代行人の名誉の変動に直結するため、代行人は依頼を持ち込む人々が信用できるかどうかを見極める必要があります。こうした依頼代行は代理人に大きな苦労が伴うのですが、困難の時代故に依頼代行を依頼する者は溢れており、彼らから仲介料を得るだけで暮らしていけるほどの需要があるため、本業を引退し仲介者に専念するセレブも存在しています。

 このように冒険者への依頼には信用証明たる名声が必要であり、それを介さない依頼を酒場が受け持つ事は許されておらず、発覚すれば店主は背任罪で罰せらます。このような経緯から、依頼の裏取りは依頼として冒険者に提示された段階で既に完了しており、依頼人が裏取りを巧妙に回避して冒険者に罠を仕組んでいれば、その依頼人は最悪国家反逆罪として罰せられます。


【 冒険者の酒場という施設について 】

 冒険者の酒場は厳密な許可制に基づいて看板を掲げており、その代表は酒場というよりは役所のように大きな施設です。酒場という通称は冒険者が待機する軽食店舗および宿泊施設が必ず設けられる事からのものであり、正式には「コンキスタドールハウス」という施設名で、冒険者の酒場の他には「厄介詰め所」という別称もあります。しかし言いづらさや職務の重責からその名で呼ばれる事はまずありません。普段冒険者が集うのはこの軽食屋であり、依頼斡旋所としての機能は別棟にあります。そこでは依頼人との面会部屋や冒険者名簿や顧客名簿を保管する厳重な事務所などがあります。斡旋所ではまさに役所のように複数の窓口があり、そこに座った事務員達から冒険者は依頼を斡旋される事となります。

 こうした複合施設としての冒険者の酒場は都市部かつ主要のもので、酒場の関係者からは「本部」「中枢」「役場」と呼ばれています。町のような中規模の集落や都市部内の貧民が集う区画では、文字通り酒場が流用され、その店主が依頼斡旋を兼業する事もあります。この兼業店主は冒険者としての実績をあげて引退した叩き上げである事が多く、都市育ちではない者たちにとってはむしろこちらの冒険者の酒場こそがイメージとして支配的で、冒険者の多くは大多数の開拓村出身故に「冒険者の酒場」という通称が国内でまかり通る要因となっています。

 兼業酒場の店主は依頼を斡旋した際、都市部の複合施設へ報告書を送る事が義務付けられており、複合施設間でも冒険者の情報が交換され共有されています。これにより情報が最も集まる首都の冒険者の酒場は地方で活動している冒険者の情報を得られているのです。これは冒険者にとっても初めて訪れる地方で身分を疑われても都市斡旋所に問い合わせれば身分を証明できるというメリットともなっています。ただし、書類がその時に届いていればの話ですが。


【 冒険者と商人 】

 冒険者は数多発生する国内の問題を主に武力を前提に解決します。そのためには高品質の武具や消耗品、活動のための食料などの投資や維持経費が必須となります。そして冒険者の酒場にはトラブル解決を訴える依頼が掲示板に張り出されており、公開可能なこれらの依頼を眺めるだけでも敏腕商人は将来の損益を見越した商機を見出します。

 このため冒険者の酒場には相場を図るため、そして上客となりうる冒険者とのコネクションを求めて商人やその使者が集っています。「役場」であればそうした商人が駐在する小さな商店街も存在し、その場で必要な消耗品、武具、そして騎獣と幅広い取引の手続きを行う事ができます。兼業酒場では流石に商品を持ち込めないために手形取引となり店に購入物を引き取りにいかねばなりません。

 彼らの存在によって冒険者が調達できるアイテムは多岐にわたり、金さえあれば非売品以外は手に入るとさえ言われています。この便宜は商人による冒険者への投資としての特別な処置で、一般民衆が冒険者と同じアイテムを購入できるわけではありません。酒場内で彼らと取引するためにはコンキスタドール・バッジが必要となります。

 こうして酒場には冒険者だけでなく商人も集い、軽食屋には一般客も集います。そして彼らの財布を目当てに賤業とされる売春婦達も集います。危険な仕事を終えたばかりの気が立った冒険者の鬱憤を通行人からその身に逸してくれる娼婦たちの営業は其のために黙認されています。冒険者の酒場とは依頼斡旋所としてだけではなく、全体が一つの市場そのものなのです。

 人が集えば当然事件や事故も多発するために冒険者の酒場は治安が良いとはいえません。しかし酒場の治安の乱れに負けてしまうような冒険者はそもそも結果を出せないとされ、警邏が少数駐在する程度にとどまり、彼らもよほどでなければ動く事はありません。彼らが動く前に、冒険者がバッジとともに背負う名誉と其の力が現場を収束させる事も珍しくはないからです。


【 奇妙な噂 】

 世界の何処かには『夢の宿』と言われる資格ある冒険者だけがたどり着ける謎の冒険者の酒場が存在し、そこでは見た目麗しい美女美男子の冒険者が集って、酒場でありながら淫売宿のように性行為に興ずる姿があり、外部の何者にも咎められる事なく放蕩を楽しむ事ができるという噂があります。しかしその宿から出ると、その宿そのものの記憶は消滅し、冒険者として活動している間は決してそこにたどり着く事はできないとも言われています。資格とは何かは語られず、そして記憶が消えるというのになぜそのような場所があるとわかるのかという事もあり、冒険者の酒場では荒くれ者の下衆な妄想として笑い飛ばされる話ですが、その噂は決して埋没し消え去るような事なく永遠に噂として残り続け、その桃源郷のような酒場は故に『夢の宿』と呼ばれているのです。
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+ 《 サヴァイブでの特殊な情勢など 》

《 サヴァイブでの特殊な情勢など 》

【  開放街道 】

 南西部の<人族原理主義国家>から<融和国家>をつなぎ、そして<融和国家>から海岸沿いに東方へ伸びていた人族領域の生命線たる長大な街道です。この街道の東側は<蛮族領土>を南と東から包み込むように伸びており、やがて蛮族領域をも突き破って<融和国家>へと繋がるはずでした。しかし道は円となる事はなく、<蛮族領土>に阻まれたまま未完成で終わっており、その果てはエンドラインと呼ばれます。現在エンドラインは魔神領域の最奥に位置しており、<融和国家>から東方へ伸びる街道は国境の対魔神前線によって事実上封鎖されています。人族がエンドラインに再び到達し領土を取り戻した時、それは蛮族と魔神との戦いにおいて優勢にあるという証となるでしょう。人族が支配する開放街道の長さは、人族にとって勝利のバロメーターそのものなのです。


【 守りの剣 】

 守りの剣は人族が安寧の日々を送るにあたって必要不可欠な魔剣です。しかし古代遺産であり量産技術が喪失している現代において守りの剣は圧倒的に不足しており、そのために守りの剣の安置所は厳選されます。その安置は円卓議会の採決によって戦略的重要性の高い集落を基本として決定されます。たとえば資源鉱山や有数の巨大市場、前線での要となる要塞などです。

 都市にまで発展した集落は稀なので基本的に都市規模の集落には守りの剣が与えられますが、都市へ至る途中の町となればその判断は難しく、そのため守りの剣が存在する町とそうではない町が混在しています。村に至っては決して与えられる事はありません。

 町に置かれる条件として、名声ある強力な武力集団が逗留している事があげられます。これは守りの剣の奪取が警戒されているためです。防備が薄い町に守りの剣を置く事はかえって破壊や簒奪を狙う強力な外敵を招くとし、そのため防備に回す余力の少ない町は守りの剣が与えられないという危機が乗算される日々を生き抜く事を求められます。皮肉にもその事が冒険者に仕事を供給し、結果的に「名声ある強力な武力集団」を要する町となっていくのですが。


【 食料と隊商 】

 <融和国家>において人々の空腹を癒す食物は数多の小さな畑からの農作物と森表層での狩り、そして南西の<人族原理主義国家>から輸入されており、特に食品輸入によって<融和国家>は維持されています。。<融和国家>は蛮族と魔神との戦いのために人手と土地を奪われており、自給自足が困難なためです。比較的安全な後方で開拓団や難民が農園で働いていますが、一つ一つの規模はとても小さく、見渡す限りの大農園は存在しません。これは大規模農園を蛮族や妖魔、魔獣から保護できる兵士を融通できない事、また大規模な食料生産施設は空を飛んだり巨大だったりする魔獣や蛮族の獲物として目立ってしまうために、大規模化が阻まれているためです。

 このために開拓村の一つ一つの人口規模は小さく、多くて100人、平均として50人程度となります。少ない人口では1人の損失が致死的な状況を招くために生存第一として開拓村は要塞化されており、畑なども要塞の内部に作られています。

 開拓村と同様に町や都市も人口数は通常のラクシアよりも低めであり、その分、集落の数が増えています。これら多くの集落をめぐる隊商はより重要な意味を持っており、<融和国家>と<人族原理主義国家>を結ぶ街道は食品貿易で絶えず隊商が渡り歩いており、そしてそれら隊商の物資も狙われる事となり、護身のために隊商は目立たない少人数で活動し、冒険者や傭兵を雇用するなどして重武装しています。時に大規模なキャラバンが結成される事もありますが、これは国家の急務として国からの要請でなされるもので、前線への人員・物資輸送が主な内容となります。


【 近海と河川 】

 物資の流通は陸地だけではなく水運と海運も重用されています。得に河川は流通だけでなく生活用水工業用水などの必需もあって人族の生命線であり、河川の維持は人族領域の死活問題に直結します。これら河川の維持に重要な役割を果たしているのがエルフ達です。水場に強いエルフ達は船を脅かす水棲の敵対生物に対して最良の種族だからです。

 エルフ達は河川だけでなく近海貿易においても強力な守護者として活躍しています。海は河川以上に危険な敵対生物で溢れており、エルフの守護あっても近海を超えて外洋を航海できません。また近海であっても海を縄張りとする強力な魔神とも時に遭遇し、エルフもろとも貿易船が沈む事は珍しくありません。しかし近海の航海は短時間での大規模な輸送を実現可能なために廃れる事はありません。

 こうしたエルフの護衛や頑丈な船を必要とする水運は資本に猶予のある大商人が行っており、水運は彼らの独占状態となっています。<融和国家>、<人族原理主義国家>ともに、商人が危険に萎縮するのを軽減するために沈没保険などの政策もとっており、独占状態故の腐敗もはびこっていますが、人族にとってなくてはならないために国も黙認する他ない状況となっています。


【 人族の空 】

 魔導器文明の遺産であるマギテックエンジンを活用した飛行船は<人族原理主義国家>に試験品が一隻存在しますが、実用化はされておらず、空運は全く機能していません。ペガサスやピポグリフなどの飛行可能な騎獣を活用した小規模な輸送は存在しますが、それら騎獣の絶対数の問題で運送規模としては雀の涙です。さらにそれら騎獣も飛行時はとても目立ってしまうため、空飛ぶ蛮族や魔獣の餌食となる可能性が非常に高くなってしまいます。得に蛮族領域付近の空域はガルーダ達が制空権を握っており、一度人族の空中輸送隊を見つければどこまでもこれを追いかけて壊滅させてしまいます。このため、空を飛ぶ事は自殺行為としてみなされており、飛ぶにしても地形追随飛行が強く推奨されています。

 <融和国家>はドラゴンと盟約を結んでいますがドラゴンライダーはペガサスライダー以上に希少であり、また盟約を結んでいるのはドラゴンのごく一部でありその大半は敵対状態のままとなっています。そのためドラゴンの支配する山岳はドラゴンライダーであっても非常な危険な空域なのです。

【 開拓村の発足 】

 開拓村は当然ながら誰にも手入れされていない険しい大自然を切り開いて外敵を警戒しながら最低限の施設を建造してやっと村が発足します。最前線の〈融和国家〉ではいつ襲撃があるかわかったものではありません。平坦な大地をそのままに村を作った場合、畑などの生産施設を建設しやすくなり、経済としては豊かになれますが、防衛を塀だけに頼るために襲撃を受けると致命的な被害を蒙ります。

 そのため、まず建造するのは防衛のための砦です。平地のままにしておかず、土塁を築いて柵を建て、内側に見張り台や迎撃のための櫓をたてる、その中央にまた土塁を築いて緊急避難施設もかねた簡素な出城を建設します。生産施設はその砦内部の空き地に用意する事となります。蛮族や魔神、山賊の襲撃に備えるために建設速度も大事になります。このため村建造には大量の資材や人手、それらを用意するための大量の現金、そして人夫を守るための護衛が必要になります。開拓村とは簡素な城を作るに等しい事業であり、村の拡張は塀を新たに外部に作っていく事で成されます。ラクシアにおける年輪王国の由来、それがこの世界では村単位で行われているのです。

 しかしすべての村に出城を作れるほど余裕も時間も勇敢な人手も現実的にはありません。出城を作ったものの、災害によって失われ再建できずに放置されている村もあります。このようにどうしても城を作れない場合、土塁と櫓が建設されるに留まり、こうした「標準的」な村は常に襲撃の危機に苛まれ、砦の防衛力で蛮族達との力の差を埋めづらい村は低位の妖魔にも侮られ、こうした村であるほどにゴブリンや山賊などが付近に出現します。出城を有する村も、拡張していくと平野に施設が広がっていき、高さを活かした防衛が困難となっていきます。冒険者の庇護を必要とするのは、こうした防衛力に難を有する村であり、そしてそうした村が全体として大部分なのです。防衛施設のない村は人族の悲願で、それに近い姿は比較的安全な<人族原理主義国家>の後方でようやく見受けられます。

 村の発足にはこうして莫大な資金を要し、国家として取り組んでいかねば大商人の財力といえどすべてを賄うなどできません。<融和国家>は不足する資金や食料を<人族原理主義国家>から借り入れています。この負債と必須の前線が、<融和国家>と<人族原理主義国家>を共存・共闘させる楔となっています。


【 民間人の武装と戦術 】

 人族は蛮族よりも脆弱で、妖魔であればともかく上位蛮族相手ともなれば単純な肉体戦闘能力ではとても叶うものではありません。妖魔であっても虚弱な一般人にとっては恐ろしい存在です。そのため蛮族とも戦える冒険者や専業戦士の存在が常に必要となりますが、その数は全く不足しています。そうした中で強くなれない人々はその弱さを補うための武装を整える必要があります。

 弱さを補う武器の筆頭は飛び道具です。狩人の弓は村の防衛にて重要な戦力となり、経験を重ねる事ができた狩人は英雄となり、騎士並の頼り強さを誇ります。次に長い柄をもった武器、槍です。集団でまとまった強固な槍衾はケンタウロスの襲撃を退け、土塁の柵から一方的に敵を突き刺せます。これらの欠点は攻める事に不向きであるという事ですが、そもそも打って出れる程に並の人族は強くありません。さらに損失を許容できるほど数に優れてもいません。防衛に専念し、直接武力で敵を倒せる英雄の到着を待つ、それが人族の基本戦術です。

 もし英雄の到着前に門が破られた場合、彼らは直接その身で進撃を食い止めなけれればなりません。しかし一般職に従事する人々が専門的な長期訓練や高額な武具を用意などできません。そこで「安く用意でき、短い時間でも習得できる戦闘技術」が求められます。それが「フェンサー」による安く済む軽装で急所を狙う戦術なのです。「フェンサー」は民間人の戦闘技術として常に危険と隣り合わせの<融和国家>では習得が(特に村では)強く推奨されています。クロスボウは狩人ほど弓に熟練する時間を取れない民間人にとって打撃力を狩人と肩を並べられる頼もしい武器ですが、重量があるのが難点とされます。投石は弾薬に困らないというメリットから籠城時の強い味方としてスリング部隊は頻繁に見受けられます。


【 人族と人族の戦い 】

 <融和国家>では常戦場の意識から、民間人であっても戦闘技術を有している存在は珍しくはありません。それが治安においては逆効果となっている一面もあります。強盗や山賊の多くは帰る場所を失った人々であり、その中には実戦経験者も多く存在します。物資に不足する犯罪者集団にとっても「安く済む」フェンサー技能は蔓延しており、これらの敵性人族に立ち向かう場合、金属鎧が重要になります。そのため、都市や町の治安を専業として担う警邏はフェンサー技能ではなくファイター技能を有するか、軽くて安い粗悪な金属鎧を装備しています。町中での金属鎧での着用は<融和国家>において、過剰な警戒ではないのです。人族に対する備えとしてのファイター技能は、町中に潜伏している変身能力をもった蛮族との戦いにおいて皮肉にも貢献しています。


【 ガメル貨幣とガメルメイカーについて 】

 ガメル貨幣は人族の存在する地域であれば必ず存在し、それ以外の貨幣は存在しません。ガメル貨幣には金貨や銀貨、銅貨など取引に必要な単位が揃えられています。これらの貨幣は金や銀などの資源で作成されていますが、重要な事として、全ての貨幣には「ガメル鉱石」を含んでいます。このガメル鉱石は自然に存在しておらず、ではどのように得られるかというと、ガメル神から直接現世へと送られてきます。それも造幣済みの貨幣として。ガメル鉱石と希少資源で作られたガメル貨幣は、ガメル神の祭器「ガメルメイカー」を通じて生み出されます。

 ガメルメイカーは現在<人族原理主義国家>の首都と<融和国家>の首都にて厳重に保管されています。<蛮族領土>に流通しているガメル貨幣は奴隷の資産を奪ったものや、略奪で奪われたものです。ガメルメイカーは所有者が随時貨幣を任意に生み出せるものではなく「インフレ」あるいは「デフレ」にならないように調整されて自動的に生み出されます。ガメル貨幣の偽貨幣はガメル鉱石を含んでいないためにガメル神の「ディテクト・トゥルーコイン」の魔法によって看破されます。ガメル貨幣はそれ自体が特殊なマジックアイテムであり、何かしらの理由で損壊・喪失した場合、代わりに新たな貨幣がガメルメイカーから生み出されます。

 このガメルメイカーは古代神の召喚と引き換えに得られるもので、人族の両国家はガメルメイカーを得るためにガメル神の最高司祭を喪失しており、現在において再びガメル神の召喚を成せる程の徳を積んだ司祭を有していません。ガメルメイカーが存在しない国家は、ガメルメイカーを有する国家に隷従する事を強いられます。これ故に国家分裂は最小限に抑えられ、各国家は中央集権を成しています。ガメルメイカーを手に入れる事は独立国家としての保証を手に入れる事でもあり、そしてこれが奪われる事は国家が簒奪された事を意味するのです。そしてガメルメイカーもまた魔剣として迷宮を生み出す事があり、自らが簒奪されそうになると迷宮を生み出してこれを妨害します。噂ではガメルメイカーは人格を有しており、その人格はガメル神を召喚し破滅した大神官であるとの噂もありますが、民間人はそれを確認する術を持ちません。


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+ 《 魔神都市と解放作戦について 》

《 魔神都市と解放作戦について 》

【 魔神都市 】

 かつて人族が建設し住んでいた都市や町を魔神が支配しているものです。魔神は人々の虐殺こそを最大の楽しみとしており、物資の略奪には興味を示さず、建造物についても神々の像などのシンボルの破壊にしか興味を持っていません。そのため魔神都市には破壊されずに廃墟化した市街地が残り、そこには逃げ延びた人族の資産が未だ手付かずで多く残っています。魔神都市には当然ながら魔神が跋扈しており、また凄惨な死を与えられた人々のアンデッドも彷徨っています。

 魔神都市の何処かには小さなゲートが1つ存在しており、そのゲートを守る魔神の守護者ゲートキーパーが存在します。このゲートキーパーこそが魔神都市の支配者であり、ゲートキーパーと同格あるいは格上の魔神は存在しません。このゲートはキーパーの配下である魔神のためのものであり、配下魔神が倒されても短時間でこのゲートから再び配下魔神が復活して現れます。ただし無尽蔵にというわけではなく一定数まで増えると配下魔神は出てこなくなります。ゲートキーパーを倒せばゲートは消滅し、配下魔神は残ったままではあるものの復活してこなくなり、これを駆逐する事で魔神都市の開放が成されます。

 人族は数でもって騎士団で都市に攻め込むも、即復活してくる魔神に消耗戦を強いられ敗退を繰り返し、やがてゲードキーパーを倒せる実力者が存在しなければ開放が成らない事を理解しました。このため魔神都市の解放作戦では強力な冒険者にゲートキーパー討伐の依頼が出される事となります。

 守りの剣が存在する魔神都市においては、守りの剣が鎮座されている場所にゲートが開いている事が多くあります。そしてほぼ間違いなく守りの剣が破壊されずに残っており、しかし剣の欠片の供給が途絶えているために守りの剣は機能を喪失しています。多くの魔神が守りの剣を破壊しない理由は、これを破壊せずに置いておけば人族が必ずやってくるため、これを返り討ちにする愉悦を味わうためです。時として蛮族の一部がこの気に乗じて魔神都市に攻め込む事もあり、実際にゲートキーパーを倒した蛮族に都市が奪われ、守りの剣が破壊された事例も存在します。魔神都市の開放は対蛮族の要ともなるため、その開放は人族にとって全てに優先する最重要事項なのです。魔神都市を人族と蛮族が同時に攻略を開始する事も稀ながら存在します。

 魔神都市には生きた人間が集う事があります。彼らは自ら魔神を崇拝しその力の恩恵に預かる者たち、すなわち魔神崇拝者です。彼らは自己保身のために家族を魔神に生贄として捧げ、時にみずから率先して家族を殺めた、自由意志によって魔神を主とした既に戻れぬ者たちです。特に魔神に気に入られた者はデーモンルーラー技能を与えられ、あるいはデーモンプリーストとしてラーリス信仰に目指めるなどして崇拝者の中で支配階級となっています。魔神はこうした魔神崇拝者に対して一切親愛の情を抱いておらず、人間が進んで人間を殺める光景を楽しみに眺めるためだけに彼らを黙認しており。時に戯れに災厄を広めるためとして魔神崇拝者に開拓村に入り込ませて騒動を起こすよう指示を出す事もあります。幸いな事にこうした魔神崇拝者はその数そのものは多くはなく、1つの集団での総数は10に満たない事が常で、魔神都市に滞在を許された彼らは、遺された資産や家屋を我がものとして未来なき今を堪能しています。


【 難民街 】

 魔神に奪われた領土から着の身着のまま逃げ落ちてきた人々の集う貧民街です。街とは名ばかりで簡易なテントが立ち並ぶだけのものであり、生活環境としては劣悪そのものです。難民街は町や都市の城壁の外側や離れた平野に発生し、貧困のさなかにある人々は旅人やキャラバンに施しを求め、時に食い物や金を求めて犯罪者に堕する者たちが溢れて街道の治安を脅かしています。危害を咥えずとも場当たり的な売春や腐敗食品の売買が頻繁に発生しており、また、餓死する者、病死する者、重症を悪化させて死亡する者が毎日の様に発生しており、それらあふれる死体うぃ焼く薪代もないために死体は浅い穴に埋められるか野ざらしとなって山と積まれ、もともと低くはない集落での流行病の発生率を跳ね上げています。更に悪い事に、こうした放置された死体がアンデッドと化して惨劇を発生させる事もあり、難民のアンデッドの対処は町や都市部の憲兵や冒険者の重要な職務となっています。

 このため難民と市民・町民は互いに疎みあっており、内紛に発展しかねない一触即発の状況となっています。国家は彼ら難民を開拓団として各地に派遣するなどして対応していますが、前線に近い開拓地へ向かう事を拒否する者たちが移動を拒み、その規模は拡大しています。

 魔神都市の開放は彼ら難民に職と安全な住処を与える事に直結しており、移動を渋る難民たちも開放された都市がやがて後方となればそこへの移住のために移動し、これが現状難民街縮小に効果的な最善の政策となっています。


【 魔神都市の奪還 】

 魔神都市の奪還は奪われた領土の復活及び都市に生まれた難民街を縮小させるために最重要事項となっています。そのための手段としてはいくつかあり、主な例としては「騎士団と民兵による討伐全面制圧」「冒険者による自主的探索の結果によるゲートキーパーの撃破」「現地民兵の拠点拡大の結果の全制圧」となります。

< 騎士団と民兵による討伐全面制圧 >

 騎士団によって主導されるもっともオーソドックスな解放作戦です。ゲートキーパーの討伐のために騎士団を、そして配下の魔神を抑えるために志願した民兵を用います。もっとも短期的に開放を実現できる攻勢作戦ですが、その反面、騎士団の手に負えないゲートキーパーであれば大損失を必至とし、さらに作戦実施までに長い準備期間と資金を要するためにに失敗すれば再度作戦を行うのは難しいという諸刃の刃です。

 そのための冒険者を事前に雇用し、ゲートキーパーに冒険者をぶつける事もありますが、その場合騎士団の面子が潰れてしまうために冒険者が雇用されるのは解放作戦そのものの破綻直前です。さらに逆転し開放に成功しても尻拭いをされた騎士団という汚名が冒険者への逆恨みを招きます。雇用される冒険者は依頼主の性格をよく吟味する外交能力が求められます。また、迅速な解放作戦の性質上、冒険者は魔神都市内部をじっくり探索する猶予はもてないでしょう。

< 冒険者の自主的探索の結果によるゲートキーパーの撃破 >

 魔神都市を「魔剣の迷宮」のように見据えて都市を探索し、残された財産という遺物の略奪の果てにゲートキーパーが討伐されるのを待つという長期的かつ消極的な作戦です。この作戦のメリットは公的資金の損失をほぼ皆無に抑えられ、負担を背負うのは危機に挑む冒険者だけという点です。デメリットは、開放されるまでの期間は冒険者の力量次第で未知数という点です。

< 現地民兵の拠点拡大の結果の全制圧 >

 勇敢な民兵が主導する解放作戦です。民兵は主に都市を故郷とする現地民であり、家族友人の仇討ちなどの理由によってその士気は騎士団を遥かに上回ります。しかし民兵であるために力量不足は否めず、短期的な開放は成しえません。

 そこで彼らは橋頭堡を魔神都市に築いて籠城し、仲間を増やして拠点に投入し、やがて魔神を駆逐するという市街戦を試みます。要塞とかした拠点であれば攻め込む事は難しくともいくらかは持ちこたえられるからです。しかしこの解放作戦は残念ながら、上記2つの作戦より遥かに達成率は低く、民兵の生存は困難で、これまでに都市開放の成功例は皆無です。魔神の総数は少なくとも、短期間で魔神が補充されるために、籠城戦は最悪の相性として民兵を襲い、やがて飲み込まれてしまうからです。これこそが魔神に人族の都市があっという間に奪われてきた理由なのです。

 しかし難民街での生活に限界がきた難民は勇敢ゆえに無謀に走り、そして全滅を繰り返してしまうのです。この悪循環で難民街に残るのは諦観に打ちひしがれる無気力な人々ばかりとなり、状況は悪化の一途を辿ります。


【 魔神都市での略奪に関して 】

 魔神都市に残された市民の財産などは、公的に「喪失した」とされ、誰のものでもない「財宝」として扱われます。貧乏人も金持ちも、魔神に都市を奪われれば平等に残してきた財産の所有権を喪失します。このために都市で金や物資を略奪しても、罪には一切問われません。難民にとってはたまったものではありませんが、彼らに都市を奪還できる力が存在しない以上、不満は抱いてもその政策に逆らう事はできません。

 この理由は、奪われた都市の資産は誰にも管理ができないため、そして難民の証言は信用がならないためです。難民はこれからの生活に不安を抱えており、それを少しでも補うために財産の申告を過剰に報告するからです。持てるだけの財産を持って逃げて残してきた金がないとしても、まだ残してきた財産があると主張できてしまうのです。たとえ真実でもそれが確認出来ない、例えば盗まれていた場合はもともとどれだけ財産がそこに具体的にあったのかという事を証明できる手段がないのです。騎士団や冒険者が解放後に略奪をしなかったとしても、難民はそれを信用しません。損失した財産があれば、彼らは略奪された証拠だと言い張り、「返金」を求めるためです。逃げ延びる際に隣人の財産を盗んだ者も当然おり、盗んだ金は申告などされません。管理不可能な財産の還元などそれを可能とする手段が存在しないために、管理不可能な財産はもはや財産ではないとする他ないのです。

 かつて誠実な騎士が略奪を禁じて都市解放後に財産の還元を行おうとしたところ、こうした偽証の嵐に飲み込まれ、善良な騎士は怒れる民衆に逆恨みを買い、その不穏は「略奪者から略奪を」というスローガンに過激化して反乱が発生し、惨劇が発生してしまいました。誠実な騎士は誠実故に弱者を攻撃できないと知っている彼ら弱者の槍によって生命を失う事となりました。その都市は別の騎士団に鎮圧されましたが、都市は魔神に支配されていた時よりも荒廃してしまいました。この教訓から、「魔神都市の財産は財産として認めず」という方針が国内に広まり、民衆も実際の悲劇からそれを認める事となりました。

 略奪許可は皮肉にも確かな効果となって現れました。はびこる魔神の群れから身を隠して略奪するためには確実に金目のある施設に踏み込む慎重さを冒険者、そして火事場泥棒に与え、その結果市民の資産は手付かずのままとなり、金持ちの商人達の屋敷が集中的に荒らされました。普段からアコギな商売で搾取する金持ちの財産が奪われ、民衆の資産の損失は少ないという事実は、難民の鬱憤を大いに甘く刺激しました。「いけ好かない金持ちが自分と同じ貧しさに堕ちる」という事が彼らの不満を和らげ、治安が改善したのです。また、騎士団主導の解放作戦に民兵として参加すれば、より多くの武勲を積んだ者の順番で住む場所を任意に得られるとした事で、「もっといい家に住みたい」「貧しい家に押し付けられたくない」という感情が難民を刺激して民兵として立ち上がらせたました。魔神都市は下克上の現場として、最底辺に堕ちた彼らの復権の場としての需要を発生させたのです。

 こうして魔神都市に眠る財産は「迷宮に眠る財宝」として民衆にも認められ、冒険者は気兼ねなく略奪という探索を行えるようになったのです。とはいえ、もともとの財産が他人の手に渡るという事実は感情として面白くありません。略奪によって短期的(セッション1回分)に利益を高く上げた冒険者はPTもろとも民衆から「略奪者」として不名誉な称号を得る事となります。そのため、名誉を重視する冒険者は略奪を控える事が重要となります。

不名誉称号 略奪利益基準 減少総合名誉点
火事場泥棒 目安報酬額の1.5倍以上2倍未満 20
略奪者 目安報酬額の2倍以上3倍未満 50
略奪王 目安報酬額の3倍以上 100


【 奪還都市の問題 】

 魔神から開放され人族の手に戻った都市といえど、すぐに平穏が戻るわけではありません。家に住む人や仕事に従事する人々の顔ぶれは大きく変わっており、魔神支配以前の都市とは全く異なる姿がそこにあります。長年積み重ねられた現地文化は半ば崩壊し、新しく移住してきた者との文化が衝突しあうようになります。彼らをつなぎとめるのは見えてきた安定と今そこにある不安定です。未だ油断できないが希望を掴んだという事実が彼らをかろうじて内戦から遠ざけています。治安の回復には長い年月がかかり、その過程で再び理不尽に命を失う人も発生します。しかしもはや彼らは難民ではありません。戦後を戦後でなくすために復興を目指す、確かな市民なのです。

 解放後の都市は様々な病根を抱えており、その解決には荒事が必要な事が溢れかえります。冒険者にとって魔神都市は開放以前も、そして解放後も、食っていく分には申し分がないほど「魅力的な職場」なのです。

【 魔神都市の規模とゲートキーパーの強さ 】

 魔神都市の規模は「村」「町」「都市」の3段階を基本とし、規模が広くなるほどに都市を支配するゲートキーパーは強くなります。その目安が以下の表となりますが、時折規模に見合わない高レベルのゲートキーパーが出現する事があります。魔神にとって領土の蹂躙は娯楽でしかないので、彼ら魔神の合理性を見出す事は困難です。騎士団は動くだけでも莫大な資金と人員を要し、解放後もある程度安定するまで現地に治安維持のために逗留しなければなりません。このため出来得る限り解放作戦実施の数を減らしていきたいというのが彼ら騎士団の切実な本音です。冒険者はそうした腰の重い騎士団の剣として期待されています。

規模 門番のレベル目安 騎士団の腰の重さ
5~7 他にもっと重要な場所へいかねば
8~11 赤字がひどくて後が辛いので冒険者に任せたい
都市 12以上 面子に賭けてやるしかないけど門番強すぎて辛い
* 門番の配下は門番のレベルの2/3ほどに抑えられるか、1/3ほどの低レベルに留まりながら総数を増やしてくるかのどちらかが基本です。


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+ 《 恩賞種、つまり人族の奴隷について 》

《 恩賞種、つまり人族の奴隷について 》

【 欺瞞の人種平等政策 】

 原則として人族は<人族原理主義国家>と<融和国家>ともに、「奴隷」を認めていません。それは<蛮族領土>に奴隷として奪われた人々、その家族の身を引き裂く悲しみのため、同じ蛮族となってはいけないというスローガンが共有されているためです。そのため、相手の意思を無視しての人身売買取引も両国ともに禁止され、発覚時は殺人に匹敵する重罪として扱われています。

 その反面、奴隷としてではない別の形式で事実上の人身売買が公然と行われており、それは民間においても需要あり、眉をひそめる者はあれども制度廃止に至る目立った活動にまでは至っていません。奴隷という形式ではない事実上の奴隷、それを「恩賞種」といいます。この「恩賞種」とは、国の発展に尽力した人材に、名誉とともに与えられる人材であり、その人材となる種は「ナイトメア」「ルーンフォーク」「ハイマン」です。

 恩賞種は国の財産として扱われ、個人の権利は認められません。幼い恩賞種や主を失った恩賞種はシーン神殿預かりとなり、主を得るまでそこで育てられます。主を得た彼ら彼女らは、大半は性的奉仕を強制されます。彼らを1人の人族として社会的に扱うようにとするものは、主のみが発行を出せる「自由権」だけです。「自由権」は<融和国家>が蛮族との共闘を必要とした際に恩賞種への配慮として定めたもので<人族原理主義国家>では存在しません。しかし<人族原理主義国家>をルーツとする<融和国家>では恩賞種に対する差別意識は強く残ったままです。「自由権」を得た恩賞種は以後、主がいなくとも別の主へ配分されるために身柄を確保されなくなります。この発行には資金(5,000G)だけでなく「劣等人種を人並みに扱う恥知らず(50点)」という不名誉をかぶるため、発行機会は稀となっています。

 <人族原理主義国家>からの弾圧や虐待から逃れて幸運にも関所を超えて<融和国家>にたどり着けた恩賞種であっても差別からは逃れられません。発見され次第やはりシーン神殿預かりとなり、新たな主人が見つかるまで勾留される事となりますが、戦う力があると認められた場合、冒険者となる事が許可されます。この場合、主人は冒険者の酒場の店主となりますが、自由権の発行は義務ではないため、大半の恩賞種は行き場もないために発行も望みません。冒険者の恩賞種には冒険者の酒場ほど自由を保証してくれる場がないのですから。

種族名 必要消費名誉点 恩賞受取手続き資金 備考
ナイトメア 150 10,000G 恩賞種、金庫番指定可能
ルーンフォーク 100 5,000G 恩賞種、金庫番指定可能
ハイマン 200 20,000G 恩賞種、金庫番指定可能
ダークドワーフ 不可 不可 非恩賞種
蛮族捕虜 不可 不可 非恩賞種、禁制品


【 ナイトメア 】

 ナイトメアは生まれ落ちた時に母親をその角で加害し死に至らしめる、そして唯一生まれながらに穢れを持った種族として、もっとも古い時代から被差別種として弾圧の対象とされています。彼らはその突然変異的な出自故に恩賞種として管理はされていません。しかし、人族より生まれし蛮族としての不名誉は人生についてまわり、まともな職にありつける事は非常に難しくあり、もし良識ある主人を得られたなら幸運という他ないでしょう。そのため冒険者として生きる道が彼らにとって自らが自らであり続けるためにもっとも適した生き方となります。ですが、誰もが冒険者になれる勇気を持てるわけではありません。そうした者たちは恩賞種に自ら志願し、名誉ある人族に美しい不老の肉体で奉仕する生活を選びます。でなければ貧民に安金で体を任せる日々を送る他ないからです。ナイトメアの恩賞種は自らの意思で性奴隷化を選んだ者として内心はどうあれ従順な態度を見せます。


【 ルーンフォーク 】

 ルーンフォークは大破局以後人手不足であった人族を助けた偉大なる奉仕種であり、人族の友という地位を得ています。しかしジェネレーターから生成される彼らは「人未満である」という意識を人族に抱かれ、そしてルーンフォークもその意識を生成時に刻まれており、人族を主人とする奉仕者として自認するよう設計されています。民間ではルーンフォークがもっとも広まっている恩賞種であり、ルーンフォークの従者を得た一般民衆は成功者として見なされます。人族の奉仕種族として見なされているものの、犬同様に時に人族以上に愛玩される事は珍しくありません。もっとも、虐待も、ですが。ルーンフォークが冒険者となる場合は主人の命令が一般的ですが、主を持たないルーンフォークも存在します。主を持たないルーンフォークは通常は役人に回収され再配分されるのですが、主人が「自由権」をルーンフォークに与えた場合、ルーンフォークは単独で活動する事を許されます。そうして独立したルーンフォークが冒険者になるケースも存在します。恩賞種の中では比較的差別被害が少ないのがこのルーンフォークといえるでしょう。


【 ハイマン 】

 ハイマンは大破局時に発見された、魔法文明時代の遺産種です。彼らが発見された当初、その数は1000人に満たず、また、30歳で寿命を迎えるという短命が判明する過程でその数を一気に激減させ、一時期はもはや絶滅を待つ他ないほどに衰退しました。<人族原理主義国家>は希少な遺産である彼らの維持のための保護政策を施しました。その過程で彼らの生態調査は進み、そして彼らは「人族にあらず」という判断を下されました。魔法文明時代の記憶と礼儀を有する彼らは「いと尊き人」として当初「ハイマン」と名づけられたにも関わらず、かれらは種としての脆弱さに「人族の価値なし」として、保護種から一転して被差別種として扱われ始めました。ハイマンという種を性奴隷種とし、武勲を上げた人族の慰み者とする差別政策が敷かれたのです。それが皮肉にも、300年後の現代にまで彼らという種を存続させる事となりました。ハイマンは寿命の短さと突然死の特性ゆえに「継承と相続に難ある美形種族」として「面倒のない性奴隷」としての適正を有してしまっていたのです。そして彼らが恩賞のトロフィーとして価値を見出された事で“恩賞種”が確立してしまったのです。

 彼らは偉人の慰み者、そして愛人として貴族たちや名を挙げた騎士に抱かれ、時に女主人に買われていき、生まれてくる子供がハイマンであれば同じく恩賞種に、人間であれば従者として育てられる事となります。この文化は現代にまで続き、ハイマンの愛人を手に入れるために武勲を望む冒険者や騎士を大いに増やし、対蛮族との戦いで役立ちました。そして今もなお、その文化は対魔神も加えて存続し続けています。恩賞種といえばハイマンであるというほどに、その立場は階級化し、ハイマンには財産の相続権が認められていません。

 彼らは貴族や金持ちの愛人である以外に見かけるケースは冒険者が大半です。魔力に秀でた彼らは寿命の短さ故に兵科としてまったく重用されませんでしたが、冒険者という民間の戦力としてなら申し分はないためです。恩賞種といえどハイマンの扱いに怒りを覚える者は確かにおり、彼らは愛人の名目で実子同然に迎え入れる事もあります。しかし不幸にして主人に不幸があれば、その幸福はそこで途絶えます。そうしたハイマンが自由権という主人からの最期の愛とともに冒険者として流れてくるのです。


【 ダークドワーフ 】

 蛮族に与して剣の加護を剥奪され蛮族種となったダークドワーフ、その難民もまた事実上の奴隷に貶されています。特徴的なのは、ダークドワーフは「名誉ある報奨」としての恩賞種として認められていない事です。人族を裏切り、優れた武具を上位蛮族に献上し、その武具で殺されてきた人族にとって、ダークドワーフに対する感情は凄惨苛烈で、ナイトメアへ向けられる悪意を遥かに超える加害性を有します。

 彼らが人族の社会から求められる理由はイグニタイト加工の技術の根幹たる黒炎です。<融和国家>に流れてきた上で庇護を求めるダークドワーフは、鍛冶ギルドを支配するドワーフ達に管理されます。人間に次ぐ人口を誇るドワーフは寛容にもダークドワーフを職人として滞在する事を許可します。その対価として、彼らドワーフのプロ意識から外れる賤業(悪臭と不清潔な環境で行われる(皮なめしなど)の作業工程をダークドワーフに振り分けます。ダークドワーフの職人が武具において携われるのはイグニタイト加工に関する武器制作のみであり、それ以外の武具作成は禁じられています。その加工にはドワーフが火山から採取する鉱石あってのものなので、ダークドワーフはドワーフに逆らえません。

 過酷な環境に置かれるダークドワーフですが、自暴自棄となった彼らが黒炎の力で放火行為に走るという危険性も同時に認識されています。もはや他に行き場がないとなった彼らがさらに追い詰められれば黒炎による無理心中で反撃する事は当然だからです。このためにダークドワーフは日常的な性的暴行といった蹂躙行為からある程度守られています。しかし暴走すれば黒炎ですべてを焼き払いうるという特異な能力が、なおさら差別感情を強くさせてしまうという悪循環になっています。人族の社会では、貴重な鉱山資源をダークドワーフの「テロ」から守るために、ダークドワーフを鉱山労働者として使う事はなく、入る事すら冒険者という例外を除いて許されません。

 ダークドワーフは恩賞種ではないために「職の選択肢が極端に限られる1個人」として扱われます。それは事実はどうあれ表向きは最初から自由であるとされるために「自由権」を得られないという事でもあります。ダークドワーフがドワーフによる支配から逃れる方法は冒険者になるか、名誉人族が統治する蛮族自治領に住む以外にありません。騎士団や警邏に入れるにはダークドワーフの出自は社会的に穢れすぎています。反面、出自を問わない戦士業、すなわち冒険者においては、ダークドワーフは生命力の低下を補うように素早くなった体質や黒炎による戦闘術もあって役に立つと認識されています。そのため、冒険者の酒場はドワーフのギルドから戦闘術を有するダークドワーフを引き抜いており、ドワーフとしては反乱を起こされれば厄介な戦闘技能者を放逐できるためにこれを受諾しています。

 冒険者の酒場という超越的な武力集団の権威こそが、民間の差別感情からダークドワーフを保護する最大の自由権となる。これはダークドワーフに限らず、他の蛮族種族にとっても同様となっています。


【 蛮族捕虜 】

 蛮族との戦いで無力化され捕虜となった敵性蛮族です。これらの蛮族には例外なくエンジェルリングが装着されており、意識が封印され仮死状態となっています。エンジェルリングはふとした弾みではずれないように目隠しも兼ねた拘束具の構造になっており、専用の鍵で管理されています。この蛮族捕虜はドレイクやバジリスクといった上位蛮族の人間形態であり、憎らしい蛮族を性の慰み者とするために捕らえられています。この捕虜に関しては恩賞種としても両国ともに認められておらず、その売買は厳禁です。エンジェルリングから開放された蛮族が暴れた場合、その被害は甚大となるためです。しかしこの性の玩具の危険性は<融和国家>に戦いを押し付けている<人族原理主義国家>においては舐められており、希少な蛮族捕虜は密売ルートを通じて<融和国家>から<人族原理主義国家>へと密輸されます。取引が発覚すればその時点で処刑が義務付けられており、取引に関わった者は蛮族を後方に引き入れたとして反逆罪が適応されます。極稀に政治的情勢下から「嫌がらせ」として密輸が当局から黙認されるケースも存在しますが、当然後に政治問題化するために冒険者にも絶対に見逃さずに処刑するよう酒場からも厳令されています。

【 恩賞種のPCの扱いについて 】

 PCが恩賞種に含まれる種族の場合、舞台設定上は自由権を得た者、あるいは冒険者の酒場の店主を主人とする者として扱います。このため、一人の人族として扱われる権利、そして冒険者の酒場という武力集団の権威にPCは差別から保護される事となります。PCに対してNPCが差別行動を行う場合、それは冒険者の酒場への敵対行為となります。冒険者が恩賞種の冒険者に差別的な言動を行う場合、コンキスタドールの活動を妨害するとして厳重注意、最悪、冒険者の酒場から除名されます。難民として素性を隠し主人も自由権もなく冒険者として活動しているという設定は禁止します。


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+ 《 PCのダルクレム信仰について 》

《 PCのダルクレム信仰について 》

【 ダルクレム信仰PCの運用指針 】

 公式設定に記される記述ではダルクレム信仰は「他者を信用しない」とあり、これが人族と相容れない理由となり、そしてPCの信仰として不適切な理由もなっています。これはパーティー活動を行う冒険者の指針として和を乱すものにほかならないためです。このため、PCでも運用が
可能なように、<融和国家>におけるダルクレムの教義設定に変更が入っています。ゴッドブックに記載されているダルクレム信仰はバルバロスのものであり、<融和国家>の教義ではありません。その代表的な差異として「他者を信用も信頼もしない」という箇所が排除されています。そして「友のために戦う」「個人から受けた恩を返す」「仇を受ければ復讐を成し遂げる」といった義理人情が重視されています。

 こうした信仰の具体的な参考指針としては「修羅の刻」の陸奥圓明流伝承者や「ベルセルク」のガッツが存在します。


【 グレンダール信仰との違い 】

 グレンダールを信仰する者は騎士や遊歴の聖戦士など領民や国民といった弱者を保護する職務を負った人々であり、それは弱者の保護と同時に弱者を戦闘から排除する事を前提としています。弱者を戦闘から遠ざけ死から離す事で、未来の騎士やそれを支える労働者の損耗を軽減し、国家の維持を優先しています。グレンダールは公共のために戦う者たちの信仰なのです。

 ダルクレムを信仰する者は傭兵や民兵など、民間にありながら戦闘を職務とする人々、その中でも凄絶な運命に翻弄された人々が多くを占めます。彼らはかつて体験した激しい戦闘行為によって故郷や家族など戻るべき場所を喪失した者や、それを最初から有していなかった者たちです。彼らは公共のためにという動機よりも個人的な動機のために戦います。その主な動機は復讐と、義憤、そして友誼です。彼らは公共のため、国家を維持する弱者のためよりも、自身の肩を支え合う戦友や命を捧げるに足る個人のために戦います。ダルクレムは私事のために戦う者たちの信仰なのです。

 ダルクレム信仰とグレンダール信仰の大きな違いとしてはもう一つあり、それは「若者の消耗」を許容するか否かに直結しています。グレンダール信仰は「破壊と再生」を司り、それは戦いの破壊はあくまで再生のための手段であり、その再生は若者をいかに保護し、次世代として残すかを重視しています。ダルクレム信仰は「破壊と開放」を司り、戦いはあくまで開放のための手段とし、そこでは若者という弱者であっても戦場に立つ意思を見せたのであれば戦士として認め、そして散る事を誉れとして良しとします。それがグレンダールとダルクレムの特殊神聖魔法と教義の差異の理由であると解釈されています。グレンダール信仰から見ればダルクレム信仰は次世代を消耗させる公共の敵となり、ダルクレムから見ればグレンダール信仰は個の感情と挟持を踏みにじる敵となるのです。この優先度の違いから、グレンダール信徒とダルクレム信徒は直接的な敵対関係には至っていないものの、「同じ会議室にこいつらを同席させるな」と言われるほど犬猿の仲となっています。


【 人族領域でのダルクレム信仰の勃興 】

 <人族原理主義国家>という唯一の人族の領域に蛮族の主神たるダルクレム信仰が信徒を増やし始めたのは、魔神の出現にともなう人族領域の大喪失を起因としています。当時はまだ<融和国家>は生まれておらず、ただただ難民たちがひたすらに西進する他なかった時代でした。故郷や家族、友人や恋人を魔神によって喪失した難民たちの悲しみと嘆きは、それを防げなかった騎士団や傭兵たちに怨嗟となって向けられました。あと一歩で蛮族を包囲できるとして沸き立っていただけに、その敗北は民衆に許容できぬ絶望を抱かせ、暴徒化させました。興奮した難民たちは、彼らを保護し誘導するために並走している騎士団や傭兵へ石を投げ、敗残兵と侮辱し、今すぐ転身して蛮族と魔神を滅ぼせ、できなければ死ね、と罵倒し続けました。

 守るべき民衆から呪いを絶え間なく浴びせられた彼らは精神をも病む者が続出し、そしてついに我慢の限界を超えた者達によって、命令なき暴徒鎮圧という名の虐殺事件が発生してしまいました。虐殺事件を起こしたのは傭兵よりも騎士達に多く、彼らは虐殺の主犯として反乱軍とみなされ、鎮圧され、捕縛された者も処刑されました。ライフォスやティダン、グレンダールやザイアなどルミエル神を信仰する騎士達はこの事件について「難民も国民であり、国民あってこそ国があり、そして国あってこそ騎士がある」と難民を弁護し、これまで以上に難民を含む民衆を積極的に保護し、現<融和国家>の領土への避難を達成させました。この難民たちの大規模退避のために騎士団は絶え間なく血を流し、優秀な武官を多く喪失する事となりましたが、決死の献身を実際に難民に示す事により暴徒化は沈静化しました。しかし、この犠牲の甘受こそが、ダルクレム信仰が人族に派閥として認められるほど大規模なものになる理由ともなりました。

 守るべき難民たちから差別を受けた者たちの中で、難民を「傲慢なる弱者」として蔑視する者たちが溢れかえり、実際に難民から被害を受けた者たちがルミエル神の信仰を棄教する事例が相次ぎました。その中には難民から陵辱を受けても我慢を強いられた女性騎士や、八つ当たりで家族を私刑で殺害された騎士もいました。彼らはもはや難民たちのために戦う理由を見いだせず、復讐といった私怨や、曖昧な群集のためよりも戦いを捧げるに足る個人のために戦う道を選択しました。

 ダルクレム教団の直接的な基盤となった組織は、当初は過激化した傭兵集団のひとつといった存在でしたが、私事のために戦場に立つ事に開き直った彼らはさながら敵である蛮族「バルバロス」のように勇ましく捨て身で敵を粉砕し続けました。彼らの戦いは凄まじく、時には勝利のために現地民の土地を焦土とする事も辞さない彼らは畏れと共に「ヴァンダル」として怖れられ、彼らもその名を自らの組織名として気に入りました。そうした苛烈な戦いの中でダルクレムの声を聞いた者がはじめて発生し(その名はガイゼリックと残されています)、その頻度は高くないものの、じわじわとプリースト技能者の数を確実に増やしていき、ついに彼らは魔神都市を彼らのみで奪還して都市を支配するに至りました。やがてヴァンダルの支配する都市に、<蛮族領土>から落ち延びてきた蛮族や、故郷を失い死地を求めていた戦士たちが続々と集まるようになり、損耗激しいヴァンダルは彼らを受け入れ、勢力としての規模を維持し、そして拡大していき、<融和国家>が誕生した際に、「円卓議会」は彼らのこれまでの功績に報いるため、そして彼らを戦力として活用していくためにダルクレム信仰が容認されたのです。

 ダルクレム教団は宗教派閥としての発言権を有していますが、もともと公共奉仕を否定して生まれた集団だけに積極的な議論の参加は全く行われず、彼らの権利に侵害する内容以外は賛成も否定もしないという態度を貫いています。その自衛以外に興味をもたない不干渉な態度は内政に無関心とみなされ、積極的に公共奉仕を行う事を良しとする宗派からは煙たがられています。とはいえ、焦土作戦を躊躇なく実行する武装集団が内政に興味を示さない事はかえってありがたいと、キルヒア派閥から認識されています。


【 蛮族領土から見た融和国家のダルクレム信仰 】

 <融和国家>にてダルクレム信仰が発生したという情報は<蛮族領土>の上位蛮族の多くが知るところとなっています。人族に依存するラミアや吸血鬼達であれば確実に知っています。しかし彼ら「バルバロス」から見ての人族のダルクレム信仰は「軟弱を肯定する邪教」と見なされ、ダルクレム信仰として認められていません。プリースト技能を有さないダルクレム信徒の人族には主神を侮辱されたとして通常以上に敵意を示します。ただしダルクレムプリースト技能者に対しては神聖魔法の加護によってその態度を和らげますが、単独の力で正義を示すバルバロスとして自らの信仰の正しさを立証するために、人族とのダルクレム信徒との戦いはなおさら避けられないものとなります。

 そうした中、人族のダルクレム信仰に理解を示すバルバロスも存在します。代表的な種がトロールやフォモールで、その武人としての誇り高い性質から気の合う機会が多いようです。もっとも、彼らと友誼を育んでも、最高の友情の確認の儀式としての決闘を求められどちらかは死に至るのですが。



レギュレーション

  • このレギュレーションは仮運用となります。状況をみて修正していきます。

  • このレギュレーションの登録キャラクターは、基本的に全員「真鍮の鎖亭」の冒険者となります。
  • 真鍮の鎖亭は融和国家国内に最大数の店舗をもち、首都に本部を置いています。この冒険者の酒場のない主要な集落は無いとまで言われています。
  • エンブレムは特殊な紋様が刻まれた鎖となり、コンキスタドールのバッジの基本デザインとなっています。
  • また10Gを払うことによって、エンブレムのモチーフとなった紋様が刻まれた真鍮の鎖(1mまで)を購入することが可能です。

  • CC部屋に関しては、どこの街にもあり、どこの街にもない、不思議な宿(2F宿、1F酒場)が舞台となります。
  • この宿は空間を共有していて、どこの国から入っても同じ宿に入ってしまいます。それ以上は不明です、この事から通称夢の宿と呼ばれています。


  • キャラメイクは#SW2.0夢の宿 または#SW2.0夢の宿裏で行っていただきます。
  • 別キャンペーンからの持ち込みキャラを登録する場合は、GGMに相談ください。
  • E-SW2レギュとはキャラクター共有を行っております、E-SW2レギュで使用していたキャラクターはGGMへの相談なしにこのレギュへの持ち込みが可能です。

  • 基本ルールブックⅠ・Ⅱ・Ⅲが必須です。
  • サプリメントは「アルケミスト・ワークス」「バルバロステイルズ」「ウィザーズトゥーム(WT)」「カルディアグレイス(CG)」「イグニスブレイズ(IB)」を使用します。
  • 戦闘技能はIB、魔法はWT準拠とします。
  • 「ルミエルレガシィ(LL)」「フォルトゥナコード(FC)」は必須ではありませんが、参加するPLとGMの合意があれば使用しても構いません。アイテムデータはLLを使用することを推奨します。
  • 博物誌(フェイダン・ザルツ・ユーレリア)掲載の流派ルールは利用可能です。但し、キャラクターの個性化のため、一人のPCは一つの地域の流派にしか入門する事は出来ません。同じ地域に属する流派であれば複数の流派に入門する事も可能とします。
  • 「カルゾラルの魔動天使」及びそれに掲載された「種族:魔動天使」の利用を禁じます。他のゲームブック(ミストキャッスル・ツアーetc)に関しては、所持するGMはデータをセッションに使用しても構いませんが、PLがキャラクター作成時やアフタープレイでこれらのサプリメントのデータを利用する事は出来ません。
  • 蛮族PCは「種族:ドレイクナイト」「種族:バジリスク」「種族:ダークトロウル」「種族:バルカン」「種族:ケンタウロス」は禁止とします。他の蛮族PCは使用可能です。
  • 第二の剣の神々のうち、ダルクレムについては、レギュレーションにおける社会的な背景からプリースト技能を習得する事が出来るとします。それ以外の第二の剣の神々への信仰は、その反社会的な性質から固く禁じられています。
  • CG掲載の「デーモンルーラー技能」については、レギュレーションにおける社会背景、影響を鑑みてPCは習得・使用不可とします。
  • グループSNEの公式エラッタ公式Q&Aは全て適用します。一度目を通しておいてください。



ローカルルール

セッションについて

  • セッションの進行に関係のないこと(GMへのセッションでの要望や雑談等)は裏チャンネルやトークで行いましょう。相手の登録キーワードを添えるのを忘れずに!(GMは「GM」などをセッション中のみキーワード登録することをお勧めします)
  • GMは、特殊なセッションを実施する場合(死亡の可能性が高いバランスでの戦闘を予定している、や 参加者の好みがわかれるようなシナリオ等)や、実験的なセッションを実施する場合(初心者GMや、バランスのよめない戦闘等)には、募集要項にその旨をはっきりと明記しましょう。PLはそれらを確認した後、参加希望するかどうかを選んでください。
  • PLで参加希望をするときに時間制限やNG行為などがある場合、参加前に全員にはっきりと伝えましょう。また、予定時間を大幅にオーバーしたりしてそれらに触れた場合には、そのPLが抜けることをGM、その他参加者は認めましょう(セッションの予定時間と照らし合わせて制限時間があきらかに厳しい場合はGMはそのPLの参加を認めないようにしてください)
  • R-18セッションを行う場合、セッション参加者はお互いに趣味嗜好、苦手、禁止等を必ず確認しあいましょう。GMは可能ならばそのセッション中に起こりうる行為をPLに伝えましょう。
  • どんな事があっても相手に自分の趣味嗜好、プレイスタイル等を押し付ける事は止めましょう。

○ セッション事故の救済としての、セッション結果の放棄と撤退の宣言について。 ○

 GMは万能ではありません、その為、レベル帯に相応しくない強敵を出してPCを全滅させてしまう事もあるでしょう。
 また、コンセンサス確認のミスで、PLが望まない行為を行ってしまうかもしれません。

 そのような場合、PLはそのセッションで得た結果をすべて放棄する事が出来ます。
 勿論、PLが納得できる状況での全滅やロスト等であれば、その結果を受け入れる事を推奨します。
 あくまでGMやPLの想定外が発生した時や、GMの悪意によってPCに不利益を与えられた場合の保険です。

 また、結果放棄を必要とするほどの状況ではないものの事故が発生してしまった場合のために、
 PLは冒険の失敗と引き換えにPCの生還を果たす逃走を為す『撤退』の宣言を行えます。
 この宣言はPT単位で適応され、これを行うと、その時点で戦闘は終了し、そしてシナリオもPCの任務失敗という形で終了します。
 何かしらの偶然から敵対者はPCを拘束できなくなり、そしてPCは偶然にも安全な場所まで移動できたとする演出となります。
 既にPCのいずれかが死亡していたとしても、その遺体も結果的に保護されたとできます。
 任務失敗により会得する基本経験点は500点に留まる事となり、これが撤退宣言の主なペナルティとなります。

○ セッション後に続くオリジナル永続効果について。 ○

 ☆オリジナル永続効果の適用について。
  ・レギュレーションとして、GMはどのような効果をPCに与えてもよいとする。
   しかし、その使用については十分に注意し、問題の種になりかねない事を認識すること。
  ・適用にあたっては、今回予告、プリプレイと十分にPLとの話し合いを行うこと。
  ・また、PLの意にそぐわないオリジナル永続効果、ならびにセッション後にまで影響する
   『肉体、精神に関するロストと死亡を除く効果(データーあり、なしを含む)』は何のペナルティもなく破棄して良いとする。

 ☆永続効果適用PCの運用について。
  ・オリジナル効果を適用されているPCを持つPLは、その旨をキャラクターシートに分り易く明記しておくこと。
  ・永続効果を適用されているPCを使うPLは、事前にGMにその旨を説明すること。
  ・さらに、GMは別のGMによって与えられた永続効果が適用されているPCを参加拒否することができるとする。

登録数について

  • 参加者一人につき、「初期作成3枠」「7レベル作成1枠」「11レベル作成1枠」のキャラクターメイキング権が与えられます。
  • 「初期作成枠」で作成したPCはセッション参加数が6回に達すると、「初期作成1枠」が新たに与えられます。
  • セッション参加数が6回以上のキャラクターは、プレイヤーの任意で引退が可能です。
  • セッション参加数が5回以下のキャラクターをどうしても引退させたい場合は、GGMまで相談してください。

キャラクター

  • キャラメイクは、基本5回まで振って、その中から選んでキャラメイクをしてください。人間の冒険者生まれの場合は、心技体ABCDEFを一まとめとして一回とします。
  • 冒険者以外の生まれは能力値ダイス(ABCDEF)を振った後に選択してよいとします。。
  • キャラクターの設定(年齢等)は、冒険者として信用されるであろう設定にしてください。(登録キャラ全て、冒険者の宿に認められたキャラクターであるため。年齢は最低でも目安の-2歳でお願いします)
  • キャラクターシートの経験点の部分には作成時の初期経験点の3000点も含めて記入してください。(初期技能と経験点で3000になる)
  • セッションごとのキャラクターの能力成長の時、ダイスを振らなければ能力の成長をさせないこともできるとします。
  • 「夢の宿」レギュとはキャラクター・チャンネル共有を行っております。「夢の宿」レギュで使用していたキャラクターはGGMへの相談なしにこのレギュへの持ち込みが可能です。
  • 「夢の宿」レギュからのキャラクター持ち込みに際しては「任意の所持品」「現在の所持金」「現在の名誉点」を保持した上で、望むなら完全リビルド(同経験値、同冒険回数の同設定キャラを最初から作成)、若しくは技能、戦闘特技のみのリビルドを行うことが出来ます。
  • また、このキャンペーンでは性別で男性、女性以外にふたなりを選択しても構いません。
  • キャラクターメイキングの際は、こちらの自動生成CGIを利用しても構いません。

リビルドに関して

  • 戦闘特技、技能特技については、キャラごとに2回まで自由に可能、それ以上どうしても変更したい場合はGGMに相談してください。
  • Q&A、エラッタ更新時について
  • 各キャラは、+1回の特技変更権(最大2回、リビルド権未使用で2回使える状態エラッタ等が更新されても、3回更新できることにはならない)と、キャラ完全リビルド権を得ます。
  • 完全リビルドは同経験値、同冒険回数の同設定キャラを最初から作成という形になります。
  • このさい、元のキャラが所持していた名誉点、アイテム、所持金、名誉点が絡むコネクション等は全て初期化されます、ご注意ください。(能力成長は元の冒険回数分行えます。)
  • ただし、リビルド後に7レベル以上となる場合は高レベル冒険者作成ルールに則って、初期所持金と、初期名誉点が貰えます。
  • ルルブ新しく購入した等の個人のゲーム環境の変化によるリビルドの希望は、GGMにお願いします。

戦闘特技等

  • チャージは、チャージの効果で移動できるわけではないとします。また、「また、自分が存在する乱戦エリア内の対象に対して、この騎芸を試みることはできません。」の文は移動前と移動後が同一の乱戦エリア内だった場合使用できない、ということで扱うとします。
  • トランプル+スーパーチャージは、不可能としておきます。
  • 両手利きの効果で二回攻撃が可能になるのは片手武器(1H、1H両、1H投)を二つ装備している場合のみとします。(キック系や尻尾は含みません)
  • 一回の主行動では、複数の技能を組み合わせて使用するようなことは不可能とします。(両手利きで接近武器+射撃武器の二回攻撃等。マルチアクションは例外)
  • 回避のできない技能を使ったラウンドでも、回避のできる技能の使用条件(装備の重さなど)を満たしていればその技能で回避判定をしてよいとします。
  • 筋力の半分よりも重い射撃武器を装備している場合、フェンサー技能での回避判定は不可能とします。
  • 行動を強制するような魔法を他PCに使用する場合、相手プレイヤーに了解をとってください。



アイテム

  • 魔法の武器(+1武器や属性武器)を購入する際は、魔法の武器にする値段だけを支払う場合(所持している武器を魔化する場合)はアフタープレイで行ってください。魔法の武器そのものを購入する場合(武器の値段+魔化の値段を払う場合)は、シナリオ中に購入機会があればその時点から使用可能です。
  • アイテムの相当品やフレーバー設定などは各自の判断でお願いします。極端にありえない相当品(斧を剣といったり)や伝説の武器の名前などは控えてください。
  • 屋敷などの維持費や劇団の収支のような所持データから自動で発生する金銭の変動は、キャラクターがセッションクリアの報酬を得たとき(GM報酬を割り振った回数も含む)支払うとします。

GM報酬

  • GMも参加PC一人が得ることのできる、経験値、報酬、名誉点をGM報酬として得ることができるとします。(GMのピンはGM経験値に含んでもよいです)
  • セッションで報酬として出したアイテムは全て売却したとして扱い、価格未設定のものは0Gとして扱う。さらに名誉アイテムは普通の名誉点に還元する。
  • GM報酬として得たものは、セッション1回分の報酬をひとまとめに、自分のキャラクターから一人選んで与えることができます。また、セッション終了時の能力値の成長は、経験値などを与えたキャラクターの能力値一つを選んで成長させることができるとします。
  • 上記のGM報酬は、セッション後すぐにキャラを選ばずに後で新しくつくったキャラに与える など、データ管理さえしていれば好きなタイミングで使用していいとします。



禁止事項

  • ローカルルールを無視するような行為。
  • 場の空気を極端に悪くするような言動や行為。
  • セッション中に、ルール議論や言い争いを行って、セッションを停滞させる行為。
  • 緊急の場合を除いたセッション中の無断離席、及び過度の雑談。
  • 風邪、睡眠不足等、健康状態が優れない事を周囲に告げずにセッションに参加する行為。
  • 別のセッションやCC等に参加している等、セッションに集中できない状態でのセッション参加。
  • 趣味嗜好、プレイスタイルを押し付ける行為。
  • 精神衛生面に不備、不調のある状態での本レギュレーションへの参加。
その他、18禁TRPGのサークルとして好ましくないと判断される行為。

その他

  • セッション開催時、参加希望されるPLの方は、参加希望するキャラのデータを提示してください(名前、技能レベル、その他必要と思うことや称号など
   また、GMをされる方も、参加希望されるPLの方にデータ提示の要求を徹底していただけると助かります。

  • GMをする場合、キャラクターに与えられる報酬(遺跡の発掘品の売却で得られるものも含む)は、ルールブックの目安に設定してください。
   依頼の失敗や、参加者の行動などで多少の上下はかまいませんが(下は最低でマイナスの場合もあるでしょう)あまり多くだしすぎると報酬のインフレが起こり、
   ルールブックのアイテム価格が安くなりすぎるのでGMをされる場合は気をつけてください。

施設やNPC

+ 《 GM向けNPC指針 》

《 GM向けNPC指針 》

【 開拓村の村長 】


 魔神や蛮族に奪われ荒廃した領土を再建するために開拓を指揮する村長です。村長は国より騎士の爵位を得ています。村長は村を拡大するための優秀な人材を欲しており、村長とのコネクションの取得はPCが村長から仕事を依頼されやすくなる事を意味します。その際の内容は村の拡大を妨害する危険な害獣や蛮族の討伐が主となるでしょう。

 〔顔見知り:10  友人:30  貴重な友人:150 〕

【 宿場町の町長 】


 村が拡大し周辺の村々の物流の要となった町の内政を預かる町長です。町長は貴族であり、男爵あるいは子爵位となります。町長は更なる発展に向けて優秀な人材を欲しており、町長とのコネクションの取得はPCが町長から仕事を依頼されやすくなる事を意味します。その際の内容は交易の妨害要素となる山賊や蛮族、敵対する組織の妨害など、町の資産を奪おうとする者たちの排除が主となるでしょう。

 男爵/子爵〔顔見知り:40/60  友人:120/180  貴重な友人:600/900 〕

【 都市の市長 】


 町が発展と遂げて地域の中心にまで繁栄した都市の市長です。市長は貴族であり、伯爵あるいは侯爵位となります。市長とのコネクションの取得はPCが市長から仕事を依頼されやすくなる事を意味します。市長は新たな開拓村の増加のために、未開拓地域の探索を行う冒険者を求めており、未開拓地域はすなわちその地域を支配する蛮族や魔神の領域であり、それらの撃滅を意味します。

 伯爵/侯爵〔顔見知り:80/120  友人:240/360  貴重な友人:1200/1800 〕

【 自治領の長 】


 名誉人族に至った蛮族が統治する自治領の長です。彼らは自治こそ許されていますが統治権を有する貴族としては認められておらず、社会的な扱いは開拓村の村長と同じ騎士に準じます。長とのコネクションの取得はPCが長から仕事を依頼されやすくなる事を意味します。自治領は開拓村の防衛のために魔神や蛮族の領域から攻められやすい最前線に位置しているために常に襲撃の危険に見舞われており、依頼の内容は自治領および周辺地域の積極的防衛活動が主流となります。

 〔顔見知り:20  友人:60  貴重な友人:300 〕

+ 《 NPC 》
”△△△”○○○ (種族/性別/年齢)
「セリフを一言!」

軽い解説を3行くらい!

〔顔見知り:  友人:  貴重な友人: 〕

+ 《 開拓村の発展と発展支援 》

《 開拓村の発展と発展支援 》

【 開拓村の発展 】

 開拓村の村長は開拓のために公的資金を発展に投資し、村を盤石にして町への発展を目指しています。その投資の一環が冒険者への依頼です。開拓村は発展のために様々な事業を展開していますが、危険がその成就を阻むものがあります。逆に言えば危険を排除できればその事業は大きく発展する機会を得る事となります。

 開拓村が冒険者の酒場に依頼を出す際に報酬負担を負わないですむのは防衛や治安に関する内容(ゴブリン被害への対処等)に限り、冒険者を使って事業を展開する積極的な依頼(希少な素材の収集等)では開拓村が報酬を負担する事になります。このため、冒険者を発展のために雇用する場合、つまり公金の負担を背負う場合にはその経費を越える利益が見込まれており、その依頼を成功させた場合、その村は発展を進展させる事ができます。防衛依頼にしても(普段から負担しているとはいえ)公金の大量消費が抑えられるので、開拓村は被害が出ても前向きに再建できるのです。

 こうした開拓村の発展は『開拓ポイント』の積み重ねによって成されます。この開拓ポイントは、冒険者が依頼を成功させると、発展の進展を成したとして発生し、総合点の増加によって村の環境が安定していきます。

総合開拓ポイント 開拓村の変化
0 開拓村は貧困にあえぎ、劣悪な物資でなんとか今を生きている
10,000 消耗品や道具が改善され生産活動が改善される
100,000 安定した生活環境へ改善される
250,000 町並の生活環境へ改善される
500,000 人口が増え始め、建設ラッシュが開始される
1,000,000 町への発展を遂げ、正式に村から町へと国より認定を受ける

 依頼成功時で得られる村の開拓ポイントは「平均冒険者レベル×1,000」あるいは「倒したエネミーの最高レベル×1,000」のどちらか高い方です。依頼が失敗に終わった時、開拓ポイントの増加はその半分にとどまります。村が大きく破壊されただけでなく人的資源に大きな被害が出てしまったなどの場合によっては増加がないところか減少する事もあるでしょう。

PCの平均冒険者レベル 一人あたりの報酬額目安 シナリオボスレベル目安
1~2 1,500 3~4
3~4 3,000 5~6
5~6 5,250 7~8
7~8 8,000 9~10
9~10 11,250 11~13
11~12 15,000 13~15
13~14 21,000 15~17
15 31,000 17~

 GMは発展の成長速度を変動させるために、独自に開拓ポイントを変動させる要素をシナリオに組み込む事ができます。また、村が既にある程度発展しているとして最初から開拓ポイントを任意値有しているともできます。それらの変動要素がPCの報酬に関係するとしても構いませんが、その際の変動は報酬目安の3割までに留める事を推奨します。

【 開拓村への寄付 】

 開拓村は常に余裕なき生活を強いられており、支援の手を常に求めています。その最も手軽な支援が寄付です。PCは任意指定の開拓村に寄付(100ガメル単位)を行う事で、寄附金額と同値の「開拓ポイント」をその村に与える事ができます開拓村に寄付を行ったPCは、どの村に寄付を行ったかに関係なく「総寄付金額÷100」点、名誉点が増加します。PCは寄付をする際、匿名である事を選択できますが、この場合名誉点は増加しません。

【 開拓村への投資 】

 冒険者は村長と【顔見知り】以上のコネクションを結んだ場合、資金と名誉点を消費する事でその村長の統治する開拓村に発展設備を建設できます。発展設備を建設した場合、セッションでのリザルト時に利益を算出し、その結果が村が得た開拓ポイントとなります。「投資した村が舞台のシナリオ」においては、その村に存在する設備の利益算出を全て行い、「村以外の舞台のシナリオ」に投資者PCが参加した場合、そのPCが各村に投資した設備の利益を全て算出するとします。これらの設備には自動的に小作人が労役につくため、維持費はかかりません。これらは投資による追加設備であり、投資して建設しなければその施設は村に存在しないという事を示すわけではありませんが、前提設備が必要な施設は既設頻度は高くありません。

 PCは村への個人投資額と消費名誉点を「プール」する事ができます。開拓村が町へと拡大した場合、プールした金額は1.2倍された上でPCに払い戻され、プールした名誉点は【(元開拓村の名称)の名士(総合名誉点+50)】の名誉称号を与えられた上で払い戻され、払い戻された名誉点は消費が可能です。注意として、この投資は匿名で行う事はできません。

施設名 建設費 名誉点 利益計算 前提設備 村全体での建設可能数
小さな漁場 3,000 10 1,000×1D6 3
猟師小屋 3,000 10 1,000×1D6 3
小さな畑 3,000 10 1,000×1D6 3
小さな果樹園 4,500 10 1,500×1D6 3
パン屋 6,000 20 2,000×1D6 小さな畑 2
酒場 6,000 20 2,000×1D6 ビール蒸留所 or ワイン蒸留所 2
ビール蒸留所 7,000 20 1,000×2D6 小さな畑 2
ワイン蒸留所 7,000 20 1,000×2D6 小さな果樹園 2
伐採所 7,000 20 1,000×2D6 猟師小屋 2
風車 6,000 30 2,000×1D6 パン屋・木材加工場 1
水車 6,000 30 2,500×1D6 伐採所 1
狭い牧場 5,000 30 1,500×1D6 小さな畑 or 小さな果樹園 1
木材加工場 15,000 30 5,000×1D6 伐採所×2 or 伐採所・水車 2
皮なめし加工場 7,500 30 2,500×1D6 猟師小屋 2
採石場 7,500 20 2,500×1D6 2
石畳の馬車道 10,000 40 1,500×2D6 採石場 1
立派な川橋 10,000 40 1,500×2D6 木材加工場 1
立派な祭壇 5,000 40 2,500 採石場・木材加工場 3
防壁 20,000 50 3,000×2D6 木材加工場・採石場 1
市場 20,000 50 3,000×2D6 木材加工場・石畳の馬車道 1
小さな港 20,000 50 3,000×2D6 小さな漁場・市場 1
薬局 15,000 40 3,000×2D6 1
淫売宿 3,000 30 1,000×1D6 酒場 3
娼館 10,000 50 1,000×3D6 酒場・市場・薬局 1
* 前提設備は出資者を問いません。


【 開拓村登録 】


開拓村名 パライの村
GM名 唐沢
村長名 あひる村長(アン)
村の特色 (他二同盟領土に近い。お茶の特産品化を狙ってる)
発展設備/投資者 (猟師小屋/1)(M1/ヴェルノ)
発展設備/投資者 (小さな畑/1)(M1/ヴェルノ)
発展設備/投資者 (/)(/)
寄付者名/個別寄付金額 A/0ガメル
寄付者名/個別寄付金額 B/0ガメル
総合開拓ポイント 50000
発展経緯忘備録

開拓村名 リルズの村
GM名 みやび
村長名 カオル・リリルル(ある神に仕えるの巫女の男の娘)
村の特色 融和国家からは近いが、人通りは少ない南西地域にある。
発展設備/投資者 (/)(/)
寄付者名/個別寄付金額 A/0ガメル
寄付者名/個別寄付金額 B/0ガメル
総合開拓ポイント 0
発展経緯忘備録


+ 《 町の影響力と派閥支援 》

《 町の影響力と派閥支援 》

【 町を支配するもの 】

 町に発展した村はこれからも発展のために尽力していく事となります。開拓村の村長は男爵位の貴族となり、町の町長となります。町を発展させるのは派閥による内政指針です。開拓村の時代での設備投資はこれからは町に店を持つ商人たちが主流となって行います。彼ら商人達はそれぞれ思惑があり、その成就のために投資先を選んでいきます。この投資先こそ商人たちをスポンサーとする「議員」です。

 町長と議員は「議会」によって政策を決定し、街の色はそれにそって形成されます。彼ら議員は「派閥」を作っており、派閥抗争によって議会は紛糾します。それらの派閥の方向性は、派閥の指針となる信仰によってある程度その方向性を示しています。とある神を信仰する派閥が優勢となれば、町はその神の信仰を色濃く繁栄する町となっていきます。


【 派閥の種類とその成長の目的 】

 派閥はルミエルとカルデアに連なる神々のうちの古代神と大神、そしてイグニスのダルクレムのものが存在します。小神についてはあまりにも信仰規模が小さく、派閥として影響力を有しません。ユリスカロアについては派閥として認められる程度に信徒は存在しています(ユリスカロア信徒とライフォス信徒が結託して蛮族の戦力利用を積極的に推奨し、これが融和国家発足に大きく影響しました)。

 これら派閥は生まれたばかりの町での支持を集めようと政治活動をはじめ、政策のための資金を集め始めます。そして重要な資金用途として「大聖堂の建設」を目指します。大聖堂は町に1つ存在を許される巨大宗教施設であり、その町でどの神がもっとも影響力を有しているかのシンボルとなり、そのシンボルたる大聖堂はその信仰をより強固なものとします。この大聖堂に守りの剣が置かれる事も珍しいものではありません。大聖堂が完成した町はその頃には人口も増え、町の規模は大いに拡大しています。そして大聖堂が存在するという事は「町」から「都市」となった事を示します。大聖堂を完成させた町を「円卓議会」は正式に「都市」として認め、町長は市長となり、その爵位は「伯爵」へと至ります。

 都市へと至った町は次なる目標として「騎士団」の創設を目指す事となり、それが成ったならば市長は「侯爵」へと昇格します。侯爵へと至ればあわよくば円卓議会の重鎮である公爵の後継者となれ、次世代の騎士王を輩出する機会を得ます。


【 大聖堂の建設へ 】

 大聖堂の建設でもっとも必要なのは言うまでもなく建設費用です。荘厳な大聖堂は並の神殿の規模を遥かに超える巨大さとなるため、その費用は「城」の建設費、すなわち「50万ガメル」となります。各派閥は建設費用を集め、その費用を持って町長に建設を申請します。派閥は普段の政治活動資金の他にもこのための建設費を稼がねばならないため、この申請を行えるという時点でそれはこの町でもっとも影響力を持っているという証明ともなります。どの神の派閥が最初に50万ガメルを貯める事ができるのか、その勝者となるために、町の派閥抗争は行われています。


【 派閥影響力について 】

 政治活動には信仰に沿った冒険者運用が含まれます。派閥は勢力拡大のために市民から様々な陳情を受けており、その解決に向けて尽力します。PCはこれら派閥のいずれかから依頼を受け、それを果たす事で『派閥ポイント』を得られます。派閥の影響拡大はこの『派閥ポイント』の積み重ねによって成されます。この派閥ポイントは、冒険者が依頼を成功させると、影響力を拡大したとして発生し、総合点の増加によって派閥の町での評判が安定していきます。

総合派閥ポイント 町での評判の変化
0 派閥は市民に活動を認知されておらず、ごく少数が支持をしているに留まる
10,000 派閥の活動が市民に認知されはじめ、支持者が増加しはじめる
100,000 一部市民から強い支持を受け、派閥に彼らからの陳情が一気に増える
250,000 市民からは頼れる存在とみなされ、市民の性格は派閥の影響を受けはじめる
500,000 大聖堂を建設可能となり、町での影響力を盤石なものとした
開拓村時で「立派な祭壇」が建設されていた場合、祭壇の神の派閥ポイントの初期値は10万点となります。
町長が信仰する神の派閥ポイントの初期値は5万点となります。これは祭壇と重複します。

 依頼成功時で得られる派閥ポイントは「平均冒険者レベル×1,000」あるいは「倒したエネミーの最高レベル×1,000」のどちらか高い方です。依頼が失敗に終わった時、派閥ポイントの増加はその半分にとどまります。町に大きな損失が出てしまったなどの場合によっては増加がないところか減少する事もあるでしょう。

 派閥が派閥ポイントを得た際、信仰する神の種類によって、得たポイントの最終値が変動します。この変動は派閥ポイントが増加した際に必ず適応されます。注意として、ポイントを得るのではなく減少する場合はこの変動は一切適応されません。

神の種類 派閥ポイント増加の変動比率
ルミエル陣営の古代神 3倍
ルミエル陣営の大神あるいはカルディア陣営の古代神 2倍
カルディア陣営の大神あるいはダルクレム 1.5倍
ルミエル陣営の小神 変動なし
カルデア陣営の小神 0.8倍

 GMは派閥成長の成長速度を変動させるために、独自に派閥ポイントを変動させる要素をシナリオに組み込む事ができます。また、派閥は既にある程度固定されているとして最初から派閥ポイントを任意値有しているともできます。それらの変動要素がPCの報酬に関係するとしても構いませんが、その際の変動は報酬目安の3割までに留める事を推奨します。


【 派閥への寄付 】

 派閥は常に人手も金も不足するほどに活動しており、支援の手を常に求めています。その最も手軽な支援が寄付です。PCは任意指定の派閥に寄付(100ガメル単位)を行う事で、寄附金額と同値の「派閥ポイント」をその町の派閥に与える事ができます。派閥に寄付を行ったPCは、どの派閥に寄付を行ったかに関係なく「総寄付金額÷100」点、名誉点が増加します。PCは寄付をする際、匿名である事を選択できますが、この場合名誉点は増加しません。


【 派閥影響力の自動変動 】

 GMは派閥有する町を舞台としたシナリオのリザルト時、PCの活躍と同時進行で他の派閥が影響拡大を目論み、その結果その派閥のポイントに変動をもたらすとできます。その場合、まずどの派閥が拡大を目論んだかを決定するために、以下の表にそって1D6を2回振ります。

1回目 2回目
1 ダルクレム 1 古代神
2~4 ルミエルの神 2~3 大神
5~6 カルディアの神 4~6 小神

 神のおおよその区域が決定されたなら、GMはそこに属する神を任意に1つ指定します。この時シナリオの依頼者となった派閥は指定できず、神が存在しない場合は表を振り直してください。指定したならば、その神の派閥ポイントが「平均冒険者レベル×1,000」あるいは「倒したエネミーの最高レベル×1,000」のどちらか高い方だけ増加します。この自動変動は1回に限らずGMの任意で複数回行えるとしますが、基本は3回とします。この時、既に変動が発生した派閥は指定できなくなります。

【 大聖堂建設レースの決着 】

  大聖堂の建設が認められた時点で派閥間大聖堂建設レースは終了します。勝利派閥は自らの神の信仰の権威を確たるものにし、敗北派閥はその権威の影響下で活動を続けていく事となります。レース終了において勝利派閥と敗北派閥はともに自らの支援者に対して報いようとします。

 大聖堂を建設した勝利派閥に寄付で貢献した支援者はその支援の見返りとして「勝利派閥への寄付金総額÷50」点の『口利きポイント』を得ます。口利きポイントは、この町(都市)で自宅の建設や名誉事業を展開する場合、その際に必要な名誉点の代用として消費できます。自宅建設では自宅拡張や金庫番の雇用にも利用できます。名誉事業に使用する場合、事業を立ち上げる際の50点や、決算時の名誉点投入に利用できます。また、口利きポイントはその都市のNPCコネクションを取得する際にも利用できます。

 大聖堂建設レースに敗れた派閥へ寄付していた支援者は、派閥が建設費を必要としなくなったために、その寄付額が全て払い戻されます。この時、寄付時に得た名誉点はそのまま維持されます。

 注意として、派閥からの報いの基準となる寄付金額には、素性を隠して寄付をした分の額は除外されています。


【 町登録 】


町名 ベーンリー
GM名 共有
町長名/信仰 未定/ユリスカロア
町の特色 冒険者が多い
ルミエル古代神派閥P (ライフォス/0)(ティダン/100,000)(アステリア/0)(グレンダール/0)
ルミエル大神派閥P (シーン/0)(ザイア/0)(ル=ロウド/0)(サカロス/0))
カルディア古代神派閥P (キルヒア/0)(ユリスカロア/150,000)
カルディア大神派閥P (―/0)
イグニス古代神派閥P (ダルクレム/100,000)
小神派閥総合P (ルーフェリア/0)(リルズ/0)(ニールダ/0)
寄付者名/個別寄付金額 A/○○派閥へ0ガメル
寄付者名/個別寄付金額 B/○○派閥へ0ガメル
派閥成長経緯忘備録

町名
GM名
町長名/信仰
町の特色 (例:名酒の素となる麦が名産)
ルミエル古代神派閥P (ライフォス/0)(ティダン/0)(アステリア/0)(グレンダール/0)
ルミエル大神派閥P (シーン/0)(ザイア/0)(ル=ロウド/0)(サカロス/0))
カルディア古代神派閥P (キルヒア/0)(ユリスカロア/0)
カルディア大神派閥P (―/0)
イグニス古代神派閥P (ダルクレム/0)
小神派閥総合P (ルーフェリア/0)(リルズ/0)(ニールダ/0)
寄付者名/個別寄付金額 A/○○派閥へ0ガメル
寄付者名/個別寄付金額 B/○○派閥へ0ガメル
派閥成長経緯忘備録

町名
GM名
町長名/信仰
町の特色 (例:名酒の素となる麦が名産)
ルミエル古代神派閥P (ライフォス/0)(ティダン/0)(アステリア/0)(グレンダール/0)
ルミエル大神派閥P (シーン/0)(ザイア/0)(ル=ロウド/0)(サカロス/0))
カルディア古代神派閥P (キルヒア/0)(ユリスカロア/0)
カルディア大神派閥P (―/0)
イグニス古代神派閥P (ダルクレム/0)
小神派閥総合P (ルーフェリア/0)(リルズ/0)(ニールダ/0)
寄付者名/個別寄付金額 A/○○派閥へ0ガメル
寄付者名/個別寄付金額 B/○○派閥へ0ガメル
派閥成長経緯忘備録



キャラクターシートテンプレート



参加キャラクター

【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
フィリシア clo 初期 13 20 14 ドワーフ どこかピントがずれてるドワーフ戦士
アヤメ clo 初期 16 12 ダークドワーフ 傭われ銃兵
ファリン clo 初期 18 18 ナイトメア ふんわりプリースト
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
シャロン=ロックウェル 唐沢 初期 5 11 27 13 グラスランナー 新しい世界に燃える女
リシェ 唐沢 初期 2 0 19 19 ラミア スペルはRichez
ペトラルカ 唐沢 初期 3 2 人間
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
シア・ボール 龍の音 初期 2 0 16 16 ラミア 夢見る村娘
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
ジュリアン・ガードナー west_117 初期 3 6 19 20 人間 生真面目神官戦士
セオ west_117 初期 3 2 41 10 グラスランナー やさぐれショタシーフ
レイラ west_117 初期 2 0 17 19 エルフ アカデミー上がりの魔術師
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
ヴェルノ M1 初期 3 6 20 18 ウィークリング 勢いだけの蛮族
セリーナ M1 初期 2 0 16 16 人間 学者肌の冒険者
クリアーナ M1 初期 3 3 2 20 ルーンフォーク 主を探すもの
エリク M1 初期 2 0 15 16 人間 英雄志望の若造
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
リア 花音 初期 2 0 14 14 ナイトメア ロリっこ痴女ガンマン
アイシャ 花音 初期 3 0 13 13 ナイトメア スカシューロリっこ
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
エル 緋季 初期 2 0 不明 20 ナイトメア(エルフ) 誰かの息子、誰かの異父兄
ファン 緋季 初期 2 0 不明 20歳前後 ライカンスロープ 人虎拳闘士
ハナダ 緋季 初期 2 1 18 年齢相応 シャドウ 流れ者の軽戦士
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
スメラギ Reyo 初期 11 65 26 25 人間 和装のバイク便冒険者
アルメ Reyo 初期 2 0 19 19 ヴァルキリー NOUMIN
クロウ Reyo 初期 2 0 126 15 エルフ 気分屋のドンファン
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
カーネイ ゆうやん 初期 2 1 28 20代 ラルヴァ 金金金
アルザシュ ゆうやん 初期 3 2 15 14 シャドウ 弩兵
ナベリス ゆうやん 初期 3 6 16 14 ふたなり ヴァルキリー 槍兵
クレイム ゆうやん 7 7 - 16 14 ふたなり ドレイク 呪術師
【名前】  【PL名】 【作成Lv】 【Lv】 【成長】 【年齢】 【外見年齢】 【性別】 【種族】 【プロフィール】
フェレス みやび 初期 2 1 11 16 ミアキス スカウト猫















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最終更新:2017年09月06日 17:33
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