中華人民共和国と
オスマン帝国間の平和友好に関する条約
中華人民共和国及びオスマン帝国は、
両国政府と人民の親善がアジア及び世界の平和及び安定に寄与することを希望し、
両国間の平和友好関係を強固にし、発展させるため、
平和友好条約を締結することに決定し、このため、次のとおりそれぞれ全権委員を任命した。
中華人民共和国 総理兼外交部長 周恩来
オスマン帝国 宰相 スレイマン
外務大臣 ムハンマド・アリー三世
第一条
1 締結国双方は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。
2 締結国双方は、前記の諸原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。
第二条
締結国双方は、そのいずれも、アジアにおいても又は他のいずれの地域においても覇権を求めるべきではなく、また、このような覇権を確立しようとする他のいかなる国又は国の集団による試みにも反対することを表明する。
第三条
締結国双方は、平等及び互恵並びに内政に対する相互不干渉の原則に従い、両国間の経済関係及び文化関係の一層の発展並びに両国民の交流の促進のために努力し、一方の締結国に対して如何なる特殊権益もこれを要求しない。
第四条
1 締約国双方は、互いにその文明を尊重し、大民族主義と地方民族主義に反対する。
2 締約国双方は、中華人民共和国政府が中国唯一の合法政府であり、東北三省が中国に包括されることを確認する。
3 中華人民共和国政府は台湾及びその付属島嶼が中国に帰属するものと主張し、オスマン帝国政府はこの主張に対し理解を示す。
第五条
1 この条約は、批准されるものとし、アンカラで行われる批准書の交換の日に効力を生ずる。この条約は、十年間効力を有するものとし、その後は、2の規定に定めるところによつて終了するまで効力を存続する。
2 いずれの一方の締結国も、一年前に他方の締約国に対して文書による予告を与えることにより、最初の十年の期間の満了の際またはその後いつでもこの条約を終了させることができる。
以上の証拠として、各全権委員は、この条約に署名調印した。
一九九一年六月二十五日に北京で、ひとしく正文である中国語及びトルコ語により本書二通を作成した。
政務院総理兼外交部長 周恩来 中央人民政府代表
大宰相 スレイマン
書記官長兼外務大臣 ムハンマド・アリー・パシャ3世
最終更新:2009年03月04日 04:42