B.シャラフ(Byambasurengiin Sharv, b.1952)
ヘンティー県生まれ。68年中学校からウランバートルの師範学校音楽教育科に入り、卒業後72年より中学校の音楽教師、75年にウラル音楽院へ留学、作曲をB.ギバリン、N.プゼイに師事。83~86年音楽舞踊中学校にて音楽理論講師、86~87年民族歌舞団コンサートマスター、87年よりモンゴル作曲家同盟声楽作品部会代表、90年より作曲家同盟幹部。92年国家賞。83年に作曲した交響曲第1番において編成にオルティンドー(モンゴル民謡の一大形式で追分のように音を引き伸ばし装飾をつけて歌うのが特徴。歌い手として大河ドラマ《北条時宗》の音楽にも参加した
N.ノロブバンザド(1931-2002)などが有名。)を加えたことで注目された(ただしオルティンドーのこのような使い方は初めてではなく
D.ロブサンシャラフ(b.1926)が1961年に自作・民族楽器オーケストラと混声合唱のためのカンタータ《祖国、その堅き存在》でオルティンドーをパートに加えている)。作品は海外でも評価され85年ユネスコのアジア音楽祭でカンタータ《この世の太陽(同名のオルティンドーの歌がある)》が好評をもって迎えられ、88年には第3回レニングラード国際音楽祭で交響曲第2番が演奏され当該音楽祭でも最も優れた作品の一つとして顕彰された。その実績があってか、2001年にはヨーヨーマから委嘱を受けている(《ヘルレン河の伝説》)。2003年のオペラ《チンギス・ハーン》(チンギスの幼年時代から即位までを描いた。祝祭オペラとするためなのか弟殺しや盟友の裏切りなどのいくつか陰惨な場面が省略されている)はよく演じられ、海外で取り上げられる予定もある。
代表作
オペラ《チンギス・ハーン》(台本:P.バダルチ)(2003)、管弦楽曲《広大なる世界》、《馬頭琴とオーケストラのための協奏曲》(1990)、馬頭琴、オルティンドー、室内管弦楽のための《ヘルレン河の伝説》(2001)、《箏とオーケストラのための協奏変奏曲》(1999)、《交響曲第2番》(1987)
録音
最終更新:2013年09月05日 21:06