消毒されないレラン




314 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/25(水) 19:32:41.87 l0TpupmH

「バナミル34gって高いモニー!!!、ぼったくりモニー!!!!」

 ぼーっとしていたところに奇声が響いて思わずきょろついてしまった。
 発言主は、ヴァルキリー装備のモニ子だった。

「信じられないモニ、バナミルは29gが市場価格モニ!!!!」

 何ヶ月前の話や、このボケ。
 それ以上に、ウチはてめーがその鎧を着る前から34gで売ってるわ。
 大体、1出撃で100本持ってたところで、500gしか差がねーだろうが。
 皮鎧で20本買って行くような客ならともかく、てめーに言われる筋合いはねー!!

 と、叫びたいところをぐっと、ガマン・・・ガマン・・・

「アゲパンが売ってないモニ、やっぱり、アゲパンが一番なのに、わかってないモニ」

 どこの営業妨害か判らないが、ガマンガマン・・・ 

「それに1顔だし、ダサいモニwwwwww」

 プチーンと切れそうになるが、ガマン、ガマン・・・・・・

「やっぱり、モニ子は2顔モニw」

 うるせー、顔なんか、整形でいくらでも変えれるこのご時世に
くだらない事でぐちゃぐちゃ言うな・・・ガマン・・・ガマン・・・

「それに、レラン服なんてださいモニw」

 レラン服の良さが判らないヤツには、判らなくて良い、結構。
 初めて見た時の、あの、コグ姉さんの凛々しさを汚されるくらいなら
そう言われてた方がましだ。

 散々悪態をつき、気が済んだのか、モニ子は居なくなった。
 なんだか、どっと疲れた・・・
 営業妨害もいい所だ・・・気分転換も兼ねて、野菜でも採ってくるかな。


317 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/25(水) 19:37:42.68 l0TpupmH

 露店を片付けていると、声をかけられた。
「いよぉ~、赤レランのぷりてぃーモニ子さ~ん、ミルクティある?」
「心にも無い、お世辞は良いよ・・・コグ姉マニア」
 振り返ると、馴染みのニュタ男さんが笑っていた。
「おつかれさーん、ひどい営業妨害だったな」
 聞かれてたのか・・・ちょっと恥ずかしい・・・根性負けして店を片付ける所を見られるとは。
「あー、うん、まぁ、気にして無いよ、ウチ、収穫に行く所だったねん」
「お、タイミング良かったみたいだな。500個あるかな?」
「ちょっと待ってて、今、出すから」
「そーそー、プリティーってのは、心にも無い事で無いぞ。コグ姉さんが子供の頃は、きっと、こんな感じで、もっと耳が長くて、可愛かったんだろーなー、思ってるから、プリティーには代わり無い」
「腕は細いと思うけどね~」
「モニ子とコグ姉さんとの決定的な違いだな、それは」
 ウムウム頷いてるニュタ男に、ミルクティを売る。
 おまけに焼きトウモロコシをつける。
「まいどおーきに」
「お、サンキュー、さっきのヤツ、トレント狩りで良く揉めてるヤツだから、気にするな」
「・・・うん・・・」
 気にするな、と、言われても、ぐったりする。
「てか、レラン服着て、料理以外の売ってるやつ多すぎ、料理売ってるヤツは無闇に華美だしさぁ」
「あはは・・・料理儲からないからしゃーないねん、ウチも刺身を店に卸した方が儲かるし」
「輸入ミルクが無くなって、バナミル売りとか料理系露店減ったし、まじ、助かってるんだから、露店がんばれよ」
「・・・ん・・・」
 くそー、涙が出てくる、こんな顔見せられない。
 ぐ、っと涙をガマンして、ニカっと笑う。

 そうだ、水没されようと、営業妨害されようと、負けるわけにはいかない、こうやって買ってくれるお客様がいるんだから。


319 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/25(水) 19:40:08.12 l0TpupmH

「焼き芋、焼き芋、おならがぷ~~♪」
 鼻歌を歌いながら、ジャガイモ掘り。森でもこの辺りは静かなものだ。
 売れなかったら、自分で遊べば良いのさ~。
 思わずクワ2本分もすでに掘ってしまった・・・あと1本分掘るかなぁ♪
 やっぱ、収穫楽しい、料理も好きだ、ウン。

『ひどいモニ!!!それは、アタチの獲物モニ!!!』

 誰が叫んでいるかと思えば、さっきのアホモニ子だった。
 ルート争いも、戦闘の花さ~、自分でやられたらイヤだから仕掛けないけど。

『誰モニ!!アタチをMPKしたの!!』

 トレインも戦闘の花さ・・・轢かれて強くなるってもんだ。

『アタチをリザして欲しいモニ、お願いモニ☆ミ』

 五月蝿いヤツだけど、モニコンが蘇生するのかな? 
 モニコンは見境無いからなぁ・・・

『可哀相なアタチを蘇生してモニ、お願いモニ☆ミ』

 しばらくして、ゾーン情報から消えた。
 モニコンから蘇生してもらったのかな~、またウザクなるな~。

 クワ3本が壊れたんで、ついでにトウモロコシ刈りもするか。

 ふと見ると、さっきのアホモニ子が幽霊状態で走ってきた。
 後ろから大量のスプリガンがついて来ている。
 アホモニ子の幽霊がこっちに突っ込んできた。

 そのまま、スプリガンが追いかけて行った。

「な、なんでモニ!?」

 そのままスプリガンにたこ殴りにされていた。
 さ、トウモロコシ収穫するかな。 

「よぉ、収穫はかどってるか?」
 ニュタ男さんが声をかけてきた。
「うん、ばっちり~、そっちは?」
「ばっちり、絶好調だぜ>w<」
 この人『も』モニと見ると容赦ないよなー・・・



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最終更新:2007年08月14日 20:49