ウサギコグ姉 アリス?




420 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/08/14(火) 11:05:44.53 AfGv/03Y

もに子は早足でビスク地下水路を歩いていた。
探検を始めた当初は、薄暗く静かなこの地下水路が怖かったけれど、
日が経つにつれて恐怖は薄れた。
もに子様がいつまでも暗闇を怖がっているわけにはいかないのだ。
けれど、今日は妙に地階が怖かった。
こんな薄暗かったもに。
それにどうしてこんなに静かもに?
……やだやだ、怖がっている場合じゃないもに。
今夜は忙しいもに……!

   ざくっ。

ふと、もに子は足をとめた。
物音がする。
ほっとして歩く速度を落とした。
人がいると思うだけで、心強くなる。


421 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/08/14(火) 11:06:13.22 AfGv/03Y


  ざくっざくっ。

すぐそこの部屋からの物音のようだ。
脳筋がゴーレムでも狩ってるもに?
  ざくっざくっ。

「?……」

なんだか、音が変だ。
まるで何かを刻んでいるような……。
いつもならこんな激しい音はしない。
だけど、狩りの最中なら邪魔しない方が……。

  ざくっざくっ。

一度、音のする部屋の前を通り過ぎたもに子だったが、ぴた、と足を止めた。

  ざくっざくっ。

……どうにも気にもに。
そっとドアに近寄る。
音を立てないようにドアを少し開けて中をのぞき見た。



422 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/08/14(火) 11:06:36.34 AfGv/03Y


  ざくっざくっ。

部屋の中で、ウサギフード装備のコグニ姉さんが、赤い肉塊に何度も何度も
ジョーカーサイズを突き立てていた。

  ざくっざくっ。

エルモニーらしき赤い肉塊は、男が、女かさえ、もう判別できない。
「ひッ……!!」
カラン!
持っていたチョッパーが床に落ちた。

   ざくっ……。

少女の動きが止まった。
肉塊にジョーカーサイズをつきたてたまま、彼女はくるりと振り向いた。
--2番の顔、6番の髪型、そして返り血に染まってるウサギフード装備。
「びぎゃあぁぁぁぁぁあぁ!!」
もに子はその場から一目散に逃げ出した。


423 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/08/14(火) 11:07:04.86 AfGv/03Y

あれは何もに!!
誰か!誰か!助けるもに!!
足がもつれてうまく走れない。
一階への階段がある手前の角を曲がったとき、一瞬心臓が止まった気がした。
そこにはさっきのウサギフード装備のコグニ姉さんが立っていた。
全身を真っ赤に染めたコグニ姉さんが、無表情にもに子を見つめていた。
悲鳴が喉の奥で凍りついた。
コグニ姉さんの手が、がつっともに子の口をつかむ。
「モニコノ……ウデヲ、アシヲ、クダアイ」
メキッとあごの骨がきしんだ。

                  BAD END



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最終更新:2007年08月14日 21:15