豆太郎
伝説の消毒SS 豆太郎登場
名無しオンライン sage 2006/05/10(水) 09:50:05.27 ID:v96IsYA3
処分場送りの所を救ってやりバナミルを売り歩かせているうちのもに子、
客商売と言うことでなりだけはちゃんとさせているものの、
給料は0、食事も必要最低限しか与えない過酷労働をさせている。
しかもドン臭いこのもに子何かにつけて失敗ばかりするものだから
その度に鉄拳制裁、だいぶ酷い仕打ちもした。
そんなもに子だが今日、夕方露店を見に行ってみると普段露店を開いている場所には居なかった
逃げたか?と思ったがよく見ると路地裏の方で小さく蹲っている。
俺は「チッ!サボりやがって」と小さく舌打ちしてもに子に近づく
俺の存在に気づいたモニ子はハッとしてこちらに振り向き気まずそうな顔でこちらを見る。
また起こられて酷いことをされる、そう思ったのかもに子は近づく俺に条件反射のように
「ごめんなさいモニ、ごめんなさいモニ」と謝ってきた。
なんか普段とは様子が変だ
よく見てみるともに子の顔には涙のあとがはっきりと写り目は赤く腫上がっている。
俺はその異様な顔が気になって「泣いていたのか?何があった?」そう尋ねる、
もに子は気まずそうに目をそらし何も答えない。
「言わなきゃ何も分からないぞ」そう言うとモニ子は視線をそらしながらこう答えた
「豆太郎がいないんですもにぃ・・・」答えると同時にまた瞳から涙が溢れ出す。
豆太郎とはもに子が俺に拾われる前から飼っていた小さなエイシスイクシオンのこと
どんな時もいつも一緒で露店の時も看板代りに使っていた。
そういえば豆太郎が見当たらないな・・・
名無しオンライン sage 2006/05/10(水) 09:50:27.50 ID:v96IsYA3
今朝も変わらずバナミル売り・・・
今のご主人様に拾われてからこれが私の日常。
昔私はペットの豆太郎を連れてビスクの街中を歩いたと言うだけで処分場に通報され職員に追われていた。
エルモニー処分場、そこに送られたモニーは生きたまま処理機に放り込まれ謎肉に加工されると言う、
エルモニーの私たちにとっては恐怖の対象、送られればまず生きて帰ってはこれないだろう。
そんな時助けてくれたのが今のご主人様だ。
助けてもらった時はまるでラルファク神のように思えた、しかしその正体はマブ教徒よりも酷く残忍な人だった。
彼は私に露店の売り子として働いて欲しいと言ってきた。
もちろん助けてもらったお礼はするつもりだった、彼にいつまでやればいいのかと聞くと
彼は一生売り子として働くんだよ!と今までの優しい態度とは一変、
荒々しい口調でそう答えた。
逆らえば処分場へ送り返す・・・そういって彼は私を殴り服従させ、それから私の地獄のような売り子生活が始まったのだ。
商品が売れ残っているというだけで殴られた、
誤って自動飲食で商品や材料に手を付けてしまおうものなら
手足を縛られ狂暴なオークの群れに投げ入れられ殴る蹴るの暴行を受ける、
そして死にそうになると安全な所にいる彼が私にHAかけ・・・そうやって一昼夜そんな仕打ちを受けたこともある。
そんな地獄のような生活の唯一の支え、それがイクシオンの豆太郎だ。
私が始めてテイムしたエイシスイクシオン、それからはどんな時でも一緒。
彼に拾われて売り子にさせられた時、そんなペットは捨てろと言われた。
私は彼に必死にすがりつきそれだけは止めてとお願いした、
殴られ蹴られしながら必死にお願いした結果、
彼はそんな私に呆れ、とうとう豆太郎と一緒に居ることだけは許してくれたのだ。
そんな私の大切な豆太郎が居なくなってしまった・・・
今朝露店の準備をしているちょっとの間目を離していると豆太郎は居なくなっていたのだ
いくら呼んでも帰ってこない、ペットウインドウにも反応がないどうやら別エリアにいってしまったようだ・・・
どうしよう豆太郎に何かあったら・・・
探しに行きたい、でも露店をサボったことがばれたら彼にどんな酷い仕打ちを受けるだろうか・・・
それは容易に想像が出来た、そして頭の中でそれを思い描き身震いする。
それでも豆太郎だけは!気が付くと私は露店を放り出し走りだしていた。
その日の夕方まで色んなエリアを探して回ったが豆太郎は見つからない、
今朝露店を開くはずだったビスク西に戻ってくると私は悲しさのあまり泣き出してしまっていた。
名無しオンライン sage 2006/05/10(水) 09:50:49.78 ID:v96IsYA3
「豆太郎が居ないくなってそれでお前は露店をそのままにして探し回ってたというわけか」
俺は泣きじゃくるもに子を家まで連れて行き話を聞いていた。
わんわん泣きじゃくるもに子、そんなもに子の頭を優しくなで慰める。
もに子は少し驚いたようなそぶりを見せると何とか泣き止んでくれた、
それもそうだろう今まで散々酷いことをした俺が急に優しくなるだからな。
しかし豆太郎を捨てるといった時あれだけ抵抗したもに子だ、
居なくなればどんなけ悲しい思いをしているかというのは容易に察しが着く。
一日中探し回ってお腹も空いていることだろう
俺はもに子に焼いた肉を振舞うと酷くやつれているもに子にこれでも飲んで元気を出せとGSPを一本与えた。
疲れていたのだろうお腹が一杯になり安心したのか気が付くともに子はテーブルでスヤスヤと寝息を立てていた。
そんなもに子をベットへ運ぶと俺もその日は眠りについた。
露店を一日中放っていたと言うのに彼の反応は以外な物だった、
彼は路地裏で泣いている私を家まで連れて帰ると優しくなぐさめてくれた、
そして疲れてお腹が空いているだろうとステーキとGSPを私に差し出したのだ。
彼に拾われてから食事といったらミニブレットとミニウォーターボトル、
お肉を食べたのは何ヶ月ぶりだろうか、
その焼きたてのステーキはとても美味しく私のお腹を満たし、不安な心も少し和らげさせてくれた。
彼は本当は根は優しい人なのかもしれない、少し厳しいだけで今までの仕打ちは単に私の失敗に対してだけで
私を虐めたりして楽しんでいるというわけではないのかもしれない、そんな思いが頭を過った。
もしかしたらちゃんとお願いをすれば一緒に豆太郎を探してくれるかも・・・
極度の疲労で眠気が襲う中私は虚ろな頭でそんなことを考えながらその日は寝てしまった。
次の日、私はベットの上で目を覚ます。
確か昨日はテーブルで突っ伏して寝てしまったはずだ、
彼がベットまで運んでくれたのだろうか?やはり彼は本当は優しい良い人に違いない、
推測がだんだん確信に変わっていく。
彼に勇気を出してお願いをしてみよう、そう思うと私は彼の元へ行った。
「これからはもっと一生懸命はたらきますもに、
だから今日一日だけ、一日だけ一緒に豆太郎を探してくれませんもにか?」
昨日彼が見せてくれた私に対する優しさ、きっとちゃんとお願いすれば聞いてもらえる。
そんな確信めいたものがその時にはあった。
名無しオンライン sage 2006/05/10(水) 09:51:15.58 ID:v96IsYA3
しかしやはり彼は彼のままだった、いやむしろ私が思っていた以下の酷い人間だったと言うべきだろうか
私のお願いに対して彼はニヤケた顔で答える。
「何行ってるんだ?豆太郎ならお前の腹の中にいるだろ?それとももう糞にして流しちまったか?」
最初聞いた時私は意味が理解出来なかった。
「まだ気づかないのかよバカもに子、お前が昨日食ったイクシオンステーキとGSPが豆太郎だよw」
やっと意味を理解した私、そして同時に頭の中が真っ白になる。
「だからお前が露店の準備してる時に俺が連れ出したんだよ、
あのイクシオン、肉とツメ1個づつしかドロップしないでやんの、まぁ小さいからしょうがないか」
家族同然の豆太郎を食べてしまった・・・、呆然としながらそう思った瞬間突然吐き気を催す私。
泣きながらゲーゲーと胃液を吐き出しその場に塞ぎ込む。
「おいおいそんな所で吐くなよきたねーなw」そういって彼は笑った
そんな彼を見た時私の中で何かが弾けた
そして私は傍らにあった露店用のリュックからいつも使っているシェイカーを取り出すと私は彼に殴りかかる。
「どうしてそんなことしたもにか!どうして!どうして!」
「四六時中グェグェ鳴きやがって煩いし臭いんだよあのイクシオン、肉とツメはお前に食わしてやったんだからいいだろが!」
彼はそういって私を弾き飛ばす、それでも私は起き上がり彼に殴りかかった。
「うぁあーーーー!!!」私は泣き叫びながら彼を殴り続けた。
流石に何度も何度もシェイカーで殴られた彼のHPは減っていく
チッ!彼は舌打ちをするとホールドをかけ反撃のため魔法の詠唱を始めた。
その詠唱は私の攻撃などでは中断せず魔法は本にチャージされる。
「たく、俺を殴り殺そうなんて何処までバカもに子なんだよお前は、痛い目見せてやらないとな
・・・カオスフレア!」
そういうと彼はチャージした魔法を開放した
次の瞬間赤黒い炎が私を包み全身を焼いていく・・・「ぎゃあぁあああああああ!!!!」
今私はエルモニー処分場の収容房で処分を待っている、
あの後彼は瀕死の私を縛り上げると虚ろな表情で壊れたように豆太郎を呼びつづける私に対し
壊れちまったかもう使い物にならないなと言い処分場に通報、
駆けつけた職員によって私は処分場へと連行された。
エルモニー処分場、そこに送られたモニーは生きたまま処理機に放り込まれ謎肉に加工されると言う
でも私はもう怖くない、むしろ嬉しさでいっぱいだ
なぜなら後一回痛い思いをすれば全ての苦痛から開放され私は豆太郎の所に行けるのだから、
今まで散々痛い思いをさせられてきた私にとってあと一回なんてどうと言うことは無い。
豆太郎のところへ行ったら二人で何をしようか、そんな期待に胸を膨らませ私は笑顔で処分を待っている・・・。
- この作者のヤヴァイまでの攻めがステキだよな… -- (2007-07-29 16:01:47)
- ゲーム設定準拠と言うか設定を上手く使った消毒アイデアは読んでて面白い。 -- もに子は消毒 (2007-08-05 18:56:36)
最終更新:2007年08月05日 18:56