ニートクラッシャー
名無しオンライン sage 2006/06/22(木) 08:08:56.44 ID:xNtIXPd7
人々が殺しあう戦乱の世界WarAge、私はそんな世界で戦いに明け暮れる毎日を送っている、
この世界では私のような女であろうと己に力さえあれば生きていける。
初めてPresentAgeからこちらの世界に来た時、変わり果てた世界に愕然とした、
ガレキと化したビスクの町並み、
そこには大好きだった人々の姿も無い、辛うじて生き残った人の顔には笑顔は無く不安と絶望だけが覆っていた。
Preの武閃で武術を学んでいた私、この力はこの戦いを終わらせる為にあるのでは無いか?
私はそう思い、アクセル様の元ビスク軍の一員としてこの戦いに身を投じている。
こちらの世界に来て驚いたことがもう一つあった、エルモニーの数が以上に多いことだ。
エルモニー人権宣言以後、両軍ともにエルモニーを大量に動員し戦果を上げさせている、
しかしエルモニーは戦果を上げる為に手段を選ばない、
開戦直後、各地で両軍のエルモニー達が今まで虐げられてきた鬱憤を晴らすかのように起こした大量虐殺や略奪はあまりにも有名だ、
ノアストーンの暴走で辛くも生き残った各地の一般人や無害中立がこれで犠牲になった、
そしてそれは各地に生息していたmobにも及び絶滅に追いやられたmobも少なくない。
今では軍の高階級の殆どがエルモニーによって占められているが、
私と同じニューターや他種族の幹部の中にはそんなエルモニーのやり方を嫌い、
正々堂々軍人として騎士として武の精神を重んじる者たちも少なからずいる、
私もそんな中の一人と自負しているつもりだ。
名無しオンライン sage 2006/06/22(木) 08:11:02.54 ID:xNtIXPd7
今日もアクセル様に定時報告を済ますと遊撃任務につく、
私は軍隊として大勢で連携して行動するよりもソロやPT単位で遊撃任務につくことが多い。
今日はヌブールからアルビーズにでる、そして一路CC1を目指した。
現在はアルビーズの森の二つのCCは中立地帯だ、もしかしたらELGが落としに来ているかもしれない。
途中無害中立とすれ違ったがやり過ごしCC1の入り口の影から中を覗う、
「いた!」
中では一人のELG兵が罠を使って白蛇をせっせと狩っている、
1顔に6髪の女性の私が見ても愛らしいと思うもに子、
腰にはヤーナ・タングンがぶら下っていることから私と同じPreからWarに来ている人間だろう。
階級はAmateur、見逃しても別に問題は無いだろうと思ったがそのもに子を見て違和感を覚える、
もに子はアマとはいえドロップの危険があるWarAgeでカーミラ装備を身に纏っている、
その可愛らしい容姿はこの血なまぐさい戦乱の世界では余りにも不釣合いである。
私はすぐに金稼ぎのためだけにWarAgeに出入りしている軍人の話を思い出した、
彼らは本隊戦や戦闘には参加せず、かといって生産などをして協力する訳でもなく、
こういった場所でせっせとmobを狩りドロップ品だけをpreに持ち帰り金にしているという。
しばらくするともに子は白蛇からとったアイテムを抱え笑みを浮かべると
意気揚揚と入り口とは反対側の出口方面へ走っていった、
そして暫くすると今度は私の隠れている入り口の方からCC内に入り
また同じ場所にやってきて同じように罠で蛇たちを一網打尽にし始めた。
間違いない・・・
これではこの戦争で散っていった人々や日々命をかけて戦っている両軍の兵士に余りに失礼ではないか?
やはりエルモニーはこういう人種なのか、諦めにも似た怒りがフツフツと湧き上がってきた。
私は戦技マスクをかぶり手にもったモルゲンを強く握るともに子の前に立ちふさがった、
それを見るなりもに子は必死に命声を始める。
「無害もにぃ生産もにぃ、殺さないでもにぃ。」
普通それは中立のセリフ、軍に所属している者がそんなこと言っても
仲間に報告されるリスクを考えれば敵軍の兵士が見逃さないのは分かりきっている、
これで見逃してくれれば儲け者とでも思っているのだろう。
私はそんなもに子のセリフを無視してモルゲンを振り上げる、
もに子はそれを見ると諦めた素振りをし只佇み何の抵抗もしようとはしない。
ここで死んでもドロップは何もしない、丁度良い村までのテレポだとでも思っているという事が簡単に想像がついた。
そんな簡単には殺しはしない・・・。
私はそんなもに子の後ろに素早く回り込むとスニークを決める、
そして気絶したもに子のよくセットされた6髪のポニーテールを掴むとそのまま引きずりCC1を出た。
名無しオンライン sage 2006/06/22(木) 08:11:44.46 ID:xNtIXPd7
ムトゥーム墓地下層、CC攻略作戦以外殆ど人の訪れる事の無いこの場所、その地下に広がる空洞にもに子を運び入れる。
ずっとポニーテールを掴んで引きずって来たにも関わらずもに子は未だスニークでぐっすり眠っていた、
私は持ち物のから気付用のワサビを取り出すともに子の口にねじ込む。
「もげぇぇええ!ゲホゲホ!」
もに子は気が付くとワサビを吐き出すようにむせ返った、そしてしばらくして落ち着くと回りを見渡し呆然としている。
自分がなぜ村に居ないのか不思議に思っているのだろう、森CCで意識が飛び次に気がつくのは村のはずそう思っているに違いない。
そして傍らに佇む私の存在に気が付くと驚いた表情でこちらを見ている、
「どうしてもに子はこんな所にいるもにぃ、ここはどこもにぃ?」
相当錯乱しているのか、はたまた暗さで私の顔が確認出来ないのか
私がさっき自分を襲った敵軍の兵士だということも気づかず問いかけてきた。
しかし私は無視、うっかり受け答えをし言葉を発してしまい名前を知られるようなヘマはしない。
私は無言のままニートクラッシャーの構えをとった、
「・・・どうしてこんな所にいるもにぃぐへぇえええ!!!」
カーミラ装備で可愛らしく着飾られたもに子の小さな胸にモルゲンが食い込む、
今ので肋骨が折れたのだろう、骨の折れる鈍い音と共にもに子は激痛で顔を歪めうずくまっている。
「うぅぅぅうう・・・痛いもにぃぃぃぃい・・・」
この一撃でもに子のHPが半分以上減る、元々戦闘向けのスキル構成では無いのだろう、
かといって生産に特化したスキルでもないように見える、ただ金儲けのため、
効率の良い金儲けになる白蛇を狩る事のためだけにwarageに来ていることを改めて確信する。
軍に属しているのもアマチュアのアイテムドロップボーナスを利用する為、
何の志もない、中立として活動する勇気もない軍を隠れ蓑にする只の害虫、例え敵軍の兵士だとしても嫌気がする。
私はそんな事を頭の中で巡らせながらHAを唱えもに子にそれをかけ全快させた。
もに子は驚いた表情を見せたがその刹那、顔はまた苦痛に歪む。
再び放たれたニートクラッシャー、モルゲンが胸にめり込んだからだ、そしてまたHAをもに子にかける。
「もうやめてもにぃ・・・お兄ちゃん助けにきてもにぃぐへぇえええ!!!!」
HAで全快したもに子の命乞いを遮るように私はニートクラッシャーを放ち続けた。
この行為を数回繰り返す頃にはようやくもに子もその意味に気が付いたようだ、
何もドロップしないのであればせめてそのこれ見よがしに身に付けているカーミラ装備を壊してやる・・・。
それを悟るともに子は可愛らしい1顔に涙を浮かべ必死にお願いをしてきた。
「このお洋服だけはやめてもに・・・これはお兄ちゃんに買ってもらった大事な物もにぃ!
他のことなら何でするもに・・・そうだ稼いだお金全部あげるもにぃ、アイテムもあげるもにぃ、
warageで稼いだお金がpreにも一杯あるもにぃ全部Goldもにぃ!それも全部あげるもにぃ、だから・・・だからこの大事なお洋服だけは!」
もに子はそう言うとトレードを開き必死に持っている金銭やアイテムをこちらに渡そうとしてくる、
どうやらこのもに子、過去から来ているもに子には珍しく主人とはうまく行っているらしい、
しかしだからと言って止める訳は無い、金稼ぎ目的で軍を利用していた事を白状したなら尚の事。
むしろ我侭で自分勝手、挙句無抵抗な者達まで手にかけるエルモニーを愛でるモニコンと言われる人種が嫌いな私にとってはそれも好都合、
私は戦技仮面ごしにニヤリと笑みを浮かべると、もに子が必死にトレードしてきた物を全てキャンセルし
またニートクラッシャーの構えを取った・・・。
名無しオンライン sage 2006/06/22(木) 08:12:14.62 ID:xNtIXPd7
・・・グシャ!ビリビリ・・・カーミラ装備の最後の部位が破ける。
果たして何回もに子の体にモルゲンを叩きつけただろうか?
かれこれ数時間、私達以外誰も居ないであろう墓地にもに子の体にモルゲンが食い込む音と悲鳴だけが響き渡っていた、
HAをかけられていたとはいえ、著しく消耗しているもに子、
さっきまで着ていた自慢のカーミラ装備は目的どおり修理不可能なほどに破れ、破壊されている。
破れた布片にはいたる所に血が付着、その上から途中恐怖と激痛で思わず失禁してしまった尿が覆うように染み込んでいる。
もに子は下着姿も同然の格好をしながら涙と鼻血で顔を汚していた、
周囲は尿の臭いがたちこめ、破れた衣服と共に白蛇のドロップ品が壊れた象さんリュックから溢れ無残に散乱している。
「折角お兄ちゃんに買って貰ったお洋服が、お洋服が・・・うあぁあああうぁあああん!
うっ!・・・ひっく!・・・こんなんじゃもうお兄ちゃんに会え無いもにぃ・・・うあぁああああん!」
せっかく買ってもらった大切な装備品を壊され泣き崩れるもに子、
長時間何度となく受けつづけたニートクラッシャーの激痛よりも大切な人に貰った物を壊された悲しみの方が大きいのかもしれない、
もに子の目からは涙が止め処なく溢れ一向に泣き止む気配はない。
そんなもに子を見つめるうちに私に先ほどよりももっとドス黒い怒りの感情が湧き上がってくる。
本当の意味で”合わせる顔”を無くしてやる・・・。
お前のようなpreの金儲けのためだけに軍を利用してる害虫はwarには要らない!preにも!このダイアロス島にも!
私は足元でうつ伏せに泣き崩れるもに子を蹴り仰向けにさせると
象さんリュックからこぼれたバーニングシードを嫌がるもに子の口に無理やりねじ込む、
そしてすかさずモルゲンを振り上げ、それを渾身の力で振り下ろしもに子の顔を叩き潰した、
モルゲンが食い込むと同時に口から火柱が湧き上がる。
「もぎゃあぁああああああ!!!!!」
私は顔面を焼きながら転げ回るもに子を見るとはっと我に返る、そして逃げるようにテレポPOTでヌブールに帰還した。
ヌブに帰った私は復帰地点の様子をしばらく覗いながらついさっきまでの軍人として人として有るまじき行為の数々を恥じ、嫌悪していた。
例え相手がどんなに酷いエルモニーであろうと、ビスクの名を汚すような行為を、
ましてや自分自身を汚す行為をしてはいけない、これでは嫌っていた筈のエルモニーと同じではないか。
しかしもに子は何時までたっても復帰地点には帰ってこなかった、まだ死なずにムトゥームにいるのだろう。
そんなことを考えながら復帰地点からアルターへ歩みを始め後味の悪さを噛み締めながら私はビスクに帰還した。
余談だがその後、墓地地上ではデミトリの取り巻きのゾンビの中に
「おにぃちゃんまってもにぃ・・・もにこのことキライにならないでもにぃ・・・」と囁きながら近づいてくる
顔が酷く潰れたもに子が混じっていると言う怪談話が両軍兵士の間で実しやかに語られていた。
しかしそれがこのもに子なのか、只の噂話の域を出ない怪談話なのか真実の程は定かではない。
最終更新:2007年07月28日 21:44