サーティンレラン
名無しオンライン sage 2006/08/05(土) 13:35:36.89 ID:u5C8MJgY
今日は夏らしい暑さなので、アイス屋として名高い『サーティンレラン』に出かけた。
俺を出迎えてくれた店員は新人なのか、見かけない1顔1髪のもにこだった。
「いらっしゃいませもに~」
「只今、当店では『真夏の雪だるま大作戦!』を敢行してるもに♪」
「キングサイズにキッズ1スクープ付いて、お得もに~」
早速、キャンペーンの内容を説明してくるもにこ。
フレーバーを選ぶのも面倒なので、適当に目に付いた物を頼んだ。
「じゃあ、ロリポップのキングにサンライズのキッズで、雪だるまお願い」
「お兄ちゃん、お目が高いもに♪少々お待ちくださいもに~」
そう言うともにこは、見事な手際でコーンの上にアイスを積み上げていく。
あっと言う間に雪だるまがコーンの上に姿を現した。
「お待たせしましたもに。こちら、真夏の雪だるまになりますもに♪」
清算を済ませ、アイスを受け取ろうとした俺は、驚きのあまり持っていたアイスを落としそうになってしまった。
何を隠そう、今まさに眼前で起こっている状況が、あまりにも不自然過ぎるからだ。
「うわっ、お兄ちゃん大丈夫もに?」
「あ・・・ぁ、だ、大丈夫・・・です」
大丈夫じゃないのは、もにこ・・・お前の方だっつーの。
だってお前、明らかに注文前と比べて髪の段数が増えてるだろッ!しかも露骨にッ!
もにこの髪の根元から2段、よく見れば俺の手にしているアイスと同じ色をしているではないか。
「あ、あのさ・・・君の髪ってそんなんだったっけ?」
「そうもに。これはエルカプモニアの伝統的な髪型もに♪」
「じゃあ、その髪から溶け出るように流れる液体は・・・?」
「これは汗もに。いやぁ、今日は暑いもに~汗がドロドロもにぃ」
そう言いながら、頬を伝う自称:汗を舐め上げるもにこ。
美味しかったのか、満面の笑みを浮かべる。
一気に食欲が失せた俺は、眼前の光景を断ち切るかのように頭を振ると、早足で家路に着いた。
帰宅した俺は、電話に駆け寄るとボタンをプッシュする。
「あっ、もしもし──」
──数十分後。
サーティンレランに一台のトラックが停車した。
「いらっしゃいませもに~♪」
「こんにちは。我々は、謎肉処理場から派遣された回収班の者ですが──」
最終更新:2007年07月28日 22:16