もに子inダーイン山




210 名前:名無しオンライン 投稿日:2006/09/10(日) 19:47:46.70 QQuoW+DU

「いらっしゃいませモニ、お姉ちゃん、
 切れ味の良いロンソはいかがですかモニ~! コダチも有るモニ~!」
モニ子が露店で武器を売っている。
その品物は一般的に需要の多い、言ってみれば無難な物ばかりだった。
モニ子の露店にニュタ子が足を止めた。
(ちっ、鼻めと(鼻の穴の意味)女か…可愛い子ぶっても通じなさそうモニね…なら子供っぽく母性本能に訴えるモニね)
「お姉ちゃん、モニ子のお店で買って欲しいモニ、
 売れないと怖いお兄ちゃんにいじめられるモニィ~」
(……思った通りだ、心配そうに眉をひそめやがったモニw)
そんなモニ子の思惑など知らず、ニュタ子は武器はまだそれほど消耗してはいなかったが、善意で購入することにした。
「うん、良い出来だね…
 それじゃこのロンソ願いね!」
そう言うとニュタ子は背負ったリュックを一端どけ、モニ子から受け取った武器を背負い込む。
それを見て、モニ子が何かに気がついた。
「あ、お姉ちゃん、そのリュックって…」
「あぁ、これね。
 この前ネオクで修繕してもらったんだ、一杯入るよ!」
「良いモニね~、モニ子のリュックはあまり入らないモニよ~
 せっかく買ったクロースもお兄ちゃんに取り上げられちゃったモニィ~」
それを聞くと、ニュタ子の表情がまた曇る。
「そっか…可愛そうにね…
 そうだ、私たちと一緒に取りに行こうか?」
ニュタ子はそう言うと、パーティーの仲間を呼んで、次の狩り場を相談し始めた。
(馬ァ鹿、嘘に決まってるモニ、
 モニ子はあえて初心者ぶってるだけモニ、こうすれば馬鹿な偽善者が引っかかるモニよw
 拾いに行くクロースも、すぐに他のモニコン共にボッタ値で売りつけるモニw
 やっぱりダッチワイフは考えることがエロしか無いモニね…プププッ)


211 名前:名無しオンライン 投稿日:2006/09/10(日) 19:48:31.42 QQuoW+DU

そしてパーティのメンバーが集まった。
ニュタ子の神秘サムライ、パンダ男の棍棒持ち鍛冶屋、そしてリーダーの賢者コグニ姉さん。
みな熟練の強者らしく、その立ち振る舞いは非常に様になっていた。
「これならオークなんて目じゃ無いモニ!
 モニ子に続くモニ~~!!」
突撃の合図を送りモニ子が勇んでオークの群れに飛び込んでいく。
(糞脳筋共が、せいぜいモニ子のために働くモニ!
 一応モニ子も働くふりだけはしておくモニがね!)
モニ子は戦力としてはまったく役にはたっていない。
コグニ姉さんの補助魔法のおかげで、傷つくことはほとんど無いが、打撃を与えることも出来ていない。
ただ採掘作業で培った基礎体力が有るだけで、武器に関しては全くの素人のようだった。
そもそもやる気自体が全くない訳だが…
それをニュタ子がサポートし、稲妻を纏った剣は容赦なく豚共を切り裂く。
しかし、パンダは動こうとしなかった。
何か思い詰めた様な表情でそれを見つめ、コグニ姉さんに何かを相談していた。

そして、そのままダーイン山中を抜けオーク達の楽園に辿り着いた。
ほとんど走りっぱなしで剣を振り続けていたニュタ子にも、流石に疲れが出ている様だった。
「ニュタちゃん、一端戻って!」
それを見て取ったコグニ姉さんの合図で、今度はパンダがモニ子と共同戦線を張ることになった。
このパンダ男も十分な鍛錬をしているらしく、その力強いモルゲンの一撃はオーク達に容易く致命傷を与えている。
そして、戻ったニュタ子は回復の魔法を受けながら、バナミルを飲みスタミナを回復させている。
そのニュタ子にコグニ姉さんが何かを語りかける。
ニュタ子が驚いた様な表情を見せるが、それでも諭す様なコグニ姉さんの言葉に、悲しげな表情で何度か頷いていた。


212 名前:名無しオンライン 投稿日:2006/09/10(日) 19:49:21.16 QQuoW+DU

ニュタ子の活躍で三人の首領豚は倒され、雑魚豚達を容赦なく始末したパンダ男さんとコグニ姉さんのおかげで
モニ子は巨大な豚の姿を目にしていた。
「驚いた? あれがここの主よ!」
コグニ姉さんが子供に何かを教える様な優しさでモニ子に言葉をかける。
「驚いたモニ…こんなに大きいモニか?」
(この馬鹿アマがw モニ子は何度だって見たことがあるモニw
 アンタらよりもちょっとだけ頭の良いモニコン奴隷共が、モニにはいくらでもいるモニw
 そいつらにちょっと頼めばいくらでも連れてってくれるモニwww)
「大丈夫よ、私たちがついているから…
 私たちが守ってあげるから、モニちゃんが簡単に死ぬ様なことはないわ!」
そう言ってコグニ姉さんがモニ子の背中を押した。
(まったく…アンタら脳筋共が強いって事はわかってるっつうの!!
 この馬鹿コグニは…コグニの癖に馬鹿って、存在自体に意味ねぇモニィィィw)
モニ子は吹き出してしまいそうなその心を隠しながら、いつもの様に突撃の合図を送り、殴りかかろうとした。

「ある採掘所での話だ…
 人の邪魔のためならMPKも辞さないという迷惑極まりない採掘師がいた…」
モニ子が殴りかかったのと、パンダ男さんがそんな事を言ったのは同時だった。
巨大なオークが足下のちっぽけな存在を睨み付ける。
「堀場の外道は一切無視で、狙った鉱石しか掘ろうとしない…
 人が堀場維持のために外道を掘りに行くと、その隙に湧いた狙っていた鉱石をすかさず奪う…
 挙げ句にクレームが来るとモンスターの大群を引っ張り込んでくる…」
「なっ、お兄ちゃん、何を言っているモニ?
 早く手伝って欲しいモニィ~!」
そんなことを言っている間に、巨大なオークの一撃は軽々とモニ子を吹き飛ばした。
「モニギャァァァァ…お兄ちゃん助けてモニ!
 お姉ちゃん、早く助けてモニィィィィ!!」
地面に叩き付けられたモニ子が振り返ると、仲間であった三人の姿は見えなかった。
「ど、どういう事モニ!?
 お姉ちゃん、モニ子を助けて欲しいモニ!!」
そんなことをしている間にも、王を守るために周囲の豚達が魔法の詠唱を開始する。
「今日はインビジPOTは用意していなかった様だな…
 晒され堀り師のモニ子さんよ!!」
パンダの言葉が終わると、次々にその詠唱が完了した。


213 名前:名無しオンライン 投稿日:2006/09/10(日) 19:50:16.25 QQuoW+DU

「モニィィィィィィ!!」
魔法のターゲットにされたモニ子に、空から焼けた石が落ちてくる。
その一撃でモニ子は再び吹き飛ばされ地面をのたうつが、すぐさまその体を次の魔法が狙う。
本来ならばそれだけでも命を失うことが出来たのかも知れない。
しかしコグニ姉さんのかけてくれた補助魔法は、障壁となり攻撃力を和らげ容易く命を失わせてはくれなかった。
それは、その分だけこの苦痛の地獄が長く続くと言うことを意味していた。
「痛いモニィィィイィ!! モッ、モニィ!?」
モニ子の体が油でもかけられていたかの様に燃え上がった。
「モニィィィイイィィ!! 熱い…熱…モニギャァァアアアアァアァ!!!」
その焼けただれたなかで、何かが腕に当たった感触があり、モニ子はそれを見つめる。
それは剥がれ落ちた顔の皮だった。
「モニィィィィ! モニ子のォォォオ…
 モニの顔… モニ子の可愛い顔がモニィッィィイィィ!!」
再び焼け石がモニ子を襲う。
その一撃はモニ子の左肩に突き刺さり、腕が弾け飛び大きく血しぶきが上がる。
「モニヒギャァァァァッァアアァ!!
 腕が…モニの腕、モニの腕がモニィィィ!!」
モニ子の目の前に、見慣れた腕が転がっている。
今までずっと慣れ親しんだ自分の腕が、自分の体では無い物体として目の前に転がっている。
その衝撃だけで、既にモニ子は発狂寸前であった。

「そんな…可愛そう…」
ニュタ子が走り寄り包帯を巻く。
しかし、火だるまになっているモニ子に巻くことは出来ず、すぐに燃え尽きてしまう。
「そんなことをしても焼け石に水よ!」
姿を現したコグニ姉さんが最高位の回復魔法を唱えた。
「モ…モニィ…た、助けて…欲しい……モニィ…」
モニ子は既に酷い有様になっていた。
片腕は吹き飛び、全身の皮は焼けただれ剥がれ落ち…全身血みどろに染まっている。
意識すら有るのかどうか疑わしい。
それでもモニ子は助かりたいと思っていた。
コグニ姉さんにすがりつくモニ子を遮る様に、パンダ男のモルゲンが振り下ろされた。
「お前さんに殺された多くの堀り師達も…そう思っていたんじゃねぇのか?
 そして、お前はその掘り師達を…助けることはなかった、意図的に殺していた…
 そ う だ っ た よ な ? 」
パンダがモルゲンを振り上げる。
「選択肢は二つしかない…
 俺に潰されるか…再び火だるまになるか?」
モニ子は既に動けなくなっていた。
「 そ れ が 答 え か ! 」
パンダがモルゲンを豪快に振るった。
濡れた雑巾を床に叩き付ける様な嫌な音が響き、モニ子の体が吹き飛んで行く。
その体が温かい光に包まれた。


214 名前:名無しオンライン 投稿日:2006/09/10(日) 19:51:16.61 QQuoW+DU

……モニ子は何してるもに?
確かいつもの様に武器屋して、馬鹿なニュタ子にボッタクリで武器売りつけて…
今日も材料を堀に行かなきゃモニ。
邪魔な腐れ堀師共にはギガスでもぶつけてやるモニ。
なにか文句言われても、馬鹿なモニコン共が擁護してくれるから問題ないモニw
最悪、モニコン共を一人吊し上げて「お兄ちゃんに言われた」とか言っておけば良いモニwww
体に衝撃が走った。
ベッドから落ちたのだろうか?
もう起きる時間モニか?
……

覚醒しきらない頭で状況を考えてみる。
目の前には巨大なオークがいる…
ここは確か、ダーイン山モニ…どうしてこんな所にいるモニ…?
先ほどとは比べものにならない衝撃が全身を貫く。
気がつくと拳ほどの大きさの石が腹を貫いていた。
言葉にならない悲鳴を上げて、ダバダバとこぼれ落ちる内蔵をかき集める。
左腕は…
咄嗟に確認したが確かについているモニ。
やはりアレは悪い夢だったモニ…けど、この状況は何モニ!?
リジェネの柔らかな光が体を包む。
痛みが和らいだ。
誰かの声が耳に入った。
「言ったでしょ?
 モニちゃんが… 簡 単 に 死 ぬ 様 な こ と は な い …って」
再び火達磨される状況のなかで、そんな声を聞いた様な気がした。


「偶然とはいえ…敵は討ったよ…
 師匠、安らかに眠ってくれ…」
パンダ男は、自分の師匠であった鍛冶師の墓に、謎肉を一つお供えした…



同じ作者の1乙文?

7 名前:名無しオンライン 投稿日:2006/10/18(水) 20:49:07.65 CcTT2D13

コグ姉さん
「お疲れ、モニ子ちゃん。
 けれどね… 消毒は免除されないわよ」
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「ひぃぃ…許して欲しいモニ…
 モニ子、ちょっと普通のふりをしてみたかっただけモニよ~!」
パンダ男
「ちょうど打ち上がったばかりのロンソが有るのだが…」
ニュタ子
「うほっ良いロンソ」
パンダ男
「 殺 ら な い か 」



  • このコグ姉良いな、正真正銘のドSだw -- 名無しさん (2007-08-17 22:36:47)
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最終更新:2007年08月17日 22:36