ブランドデザイナー→処分場員




549 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/01/22(月) 00:08:46.36 OsJa5sEJ

ここ城下町ビスクで露店を開いている、ブランドデザイナーのにゅたこがいる。
「はぁ・・・売れない・・・」
彼女は古参の裁縫屋で固定客もいるのだが、
裁縫製品は基本的に長持ちするため頻繁には売れない。
しかも、最近の値下げ合戦の中で、彼女はずっと自分価格なので買う人も少なかった。
「やっぱり値下げしていくべきかな・・・」
と、そんなにゅたこに1本のtellが入る。
「すみませ~ん。作って欲しい物があるモニー」
それは、彼女の目の前にいる、もにこからだった。
にゅたこはエルモニーはあまり好きではないが、今は貴重な客だ。
彼女は露店を素早く閉じ、tellを返す。
「はーい。何を作って欲しいですか?」
「スタクロMG一式頼むモニ。いくらぐらいになるモニか?」
「わかりました、少し待ってね」
原価、手間賃、個数、ルーレットの難易度、、セットによる割引、etc・・・
それらを計算し、にゅたこは値段を出す。
「スタクロ一式MGで10kになります。」
それを聞いたもにこは怒って言い返す。
「なんでこんなに高いモニ!スタクロ一つの原価は500g以下だモニ!セットなら大目に見ても5k位だモニ!お前ら裁縫屋はぼったくりモニ!」



550 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/01/22(月) 00:10:01.73 OsJa5sEJ

「ぼづたくりだなんて・・・」
これでもかなり安く見積もった、と言おうとしたが止めた。
こんな客と交渉を続けてもこちらが損をするだけ。
にゅたこが交渉を打ち切ろうとしたとき、もにこは思いにもよらないことを言い出した。
「こうなったらモニが自分で作ってやるモニ!おまえはモニを手伝うモニ!」
「そんな無茶な・・・」
「わかったなら、さっさとそのハサミを渡すモニ!
ブラデザハサミならいい物が作れるモニ」
「え、ちょっと、これはダメよ!」
抵抗するにゅたこからもにこは強引にハサミを奪い取る。
「このハサミがあれば、スタクロぐらい簡単モニ!」
「あっ、シップない人がそれを持ったら・・・」
にゅたこの恐れていた事態が起きた。
もにこの手に渡ったハサミは突然、全体にひびが入り粉々に砕けてしまった。
「あ、こわれたモニ」
「あ、あ、あぁ・・・」
大切なシップハサミが壊れてしまい、にゅたこは呆然と立ち尽くした。
そんなにゅたこの前でもにこは平然としている。
「ま、どうせシップなんだし、幾つ壊しても問題ないモニね」
その台詞を聞いたにゅたこは自分の中の何かのスイッチが入ったのを感じた。
「おまえなんかに頼んだモニが馬鹿だったモニ。もう帰るモニ」
くるりと反転し帰ろうとする。
「待って、もにこちゃん・・・」
「ん?」
振り返ったもにこが見たのは、自分に対してカタナを振り上げるにゅたこの姿だった。


551 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/01/22(月) 00:13:01.70 OsJa5sEJ

「もぎいいぃぃぃぃぃ!」
もにこは右肩を深々と切り裂かれ、尻餅をつきながらあとずさる。
傷口からは真っ赤な血が溢れていた。
逃げるもにこに、にゅたこは一歩、また一歩と距離を詰めていく。
彼女らの周りには突然の騒ぎに多くの野次馬が集まっていた。
その間に、にゅたこは、もにこの前まで来た。
そして、もにこに再びカタナを振り上げる。
「やめるモニ!おねえちゃん、モニ何でもするモニ!
だから許してモニ!」
そんなもにこの言葉も、にゅたこの耳には入らなかった。
にゅたこはカタナを振り下ろした。
しかし、彼女は野次馬の中から飛び出した影に気付かなかった。


キィン・・・


弾くような金属音。
にゅたこのカタナは飛び出した、フルプレこぐおの盾に受け止められていた。
「どうして、こんな可愛いもにこちゃんにこんなことをするんだ!」
こぐおはもにこをかばいながら言った。
一方のにゅたこは激昂していた。
何故かばうの
何故こんな奴を
何故モニコン共は
何故こんなクズ達を
何故こんな下等生物を
様々な思考の結果は・・・

殺す



552 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/01/22(月) 00:20:54.38 OsJa5sEJ

にゅたこはこぐおにダッシュし斬りつけるが、盾で防がれる。
「生産で僕に勝てるわけないよ!」
その一言がにゅたこの怒りを爆発させた。
「この・・・このっ・・・」
にゅたこはカタナを下げたまま、震えている。
と、次の瞬間・・・
「このモニコンがあぁぁぁぁぁぁ!」
目にも止まらぬ神速の太刀。
にゅたこはこぐおの懐に飛び込み、カタナで切り裂いた。
盾を構える暇さえ無かった。
「がっ・・・はっ、そんな・・・」
腹部からほとばしる鮮血がにゅたこを汚す。
こぐおは地面に倒れる。
「もにこちゃんは・・・僕が、守っ・・・」

ザシュ

倒れたこぐおの背中ににゅたこは無言で、カタナを突き刺した。
「さぁ、つぎは貴方・・・」
にゅたこは、すぐ側のもにこを見た。
「・・・・・・っ!」
もにこは、もはや言葉すら発せなかった。
身体中から汗が流れ、顔は、涙や汗や血や鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。
にゅたこはもにこに冷然と、しかし重く言い放つ。
「さようなら・・・死んで」


553 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/01/22(月) 00:21:27.49 OsJa5sEJ

もう何度斬ったか分からない。

にゅたこの足下には全身から血を垂れ流す物体があった。
いつしか周りの野次馬達も消え、夕日がにゅたこを照らしていた。
「おやおや、これはまた派手にやりましたねェ」
にゅたこが振り向くと、一人のパンダがいた。
「一部始終、見せてもらいましたよ。こいつはあっしが処分しときます。」
「・・・・・・」
血まみれの物体を袋に詰めると、パンダは言った。
「ところであんた、中々いい太刀筋をしているねェ。処分員にならないかい?」
「・・・処分員」



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最終更新:2007年07月29日 21:45