お庭アルター




186 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/12(火) 00:50:50.96 8/Kv49Wt

「いくらMGだからって15,000Gのファインシルクローブなんてぼったくりもに!」
ビスクで露店を開いていた俺に向かってこんな台詞が発せられた。。
あたりを見回すとそれらしき もにこ が近くに立っていた。

「info見て頂けませんか?染色してあるんですよ」
とっととフィルター入りにしてもよかったのだが俺は一応こう答えた。
ター・フルークの花びらを使った逸品だ。文句をいわれる筋合いは無い。

「それで?もに」
俺は驚いた。これが所謂「リアル脳筋」か。
トレバルを売っている親方の友人から
話に聞いてはいたが実物を拝むのは初めてだ。

「ター・フルークという花は異常な耐久力があって・・」
「ダイアロス島全域で見ても限られた場所にしか・・」
「稀少価値が高いので値段は高くなるのが・・」
人の話を理解できているのか怪しい相手に説明するのは大変だ。
なんで付き合っているのやら・・我ながら飽きれる。

小一時間後、
散々説明した甲斐あってどうやらもにこは納得したようだ。
ああ、疲れた。とっとと失せろ・・全く・・


187 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/12(火) 00:51:22.80 8/Kv49Wt

「そんなに貴重な花なら高く売れるのも当然もにね」
「その花が咲いてるところを教えて欲しいもにっ!コグニートのお兄ちゃんっ!」

一転、もにもにしながらこう言って俺に迫ってくるもにこ。
    • 2顔か。美容も営業しているため判別がついてしまう自分に嫌気がさす。

「先程言ったとおり、ター・フルークは非常に堅いんですよ」
「生半可な収穫スキルじゃ手におえませんよ」
ター・フルークはその価値ゆえ取り合いも激しい。
勝手だが、出来ることならあまり同業者は増えて欲しくないというのが本音だ。

「それなら平気もにっ」
「うちのFSには収穫専門がいるもにっ」

「ですが・・」
と、言いかけて俺は気づいた。
明らかにヤバい目つきの男たちが俺のほうをじっと見ていることに。
さて、どうしたものか・・相手の言いなりになるのも癪だが・・


188 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/12(火) 00:52:00.78 8/Kv49Wt

「分かりました。ですがまずはあなただけご案内します」
「なんでもに?」
一斉に男たちが武器を持ち直す。

「・・あまり同業者が増えると儲けが減っちゃいますよ?収穫者さんは信頼できます?」
もにこがピクっと反応する。何か思い当たる節でもあるのだろうか。
「・・、それは困るもに」
「では」

リコールアルターを唱える。ビスク東へのアルターだ。
もにこは後ろに向かって目配せした。

もにこがアルターへ入り、俺もそれに続く。・・よし、ついて来ないぞ。
レクスールへ出て、アルター。もにこが入り、俺も続く。
ガルム回廊へ入り、アルター。もにこが入る。
俺は、入らない。



手元の時計は、21:00を回ったところだ。
あの洞窟の中には暗殺者や御庭番が居る時間である。
愚かな来訪者を、彼等は歓迎してくれるだろう。
彼女が八つ裂きにされる光景を思いながら、俺は笑みを浮かべた。

    • さて、あのもにこが帰ってこないとなれば
当然あの連中も黙ってはいない筈だ。
ビスクには迂闊に近寄れないな。まあ、どうにかなるだろう。



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最終更新:2007年08月14日 20:23