鍛冶屋と剣士とモニコンと… ダークサイド




244 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:50:25.05 6Hr6vmmF

鍛冶屋と剣士とモニコンと… ダークサイド

薄暗いランダル洞窟の一角、コウモリの巣になっている洞窟の隅で、剣士モニ子は目を覚ました。
体中がズキズキと痛い…
全身にまとわりついたモニコン共の体液が、耐え難い異臭となって感じられる…
そしてその異臭が、自分の受けた仕打ちを嫌がおうにも思い出させて、泣き出したい気分になる。
どうして自分ばかりこの様な仕打ちを受けなければならないのだろう…
どうしてエルモニーと言うだけで、こんなに辛い思いをしないといけないのだろう…
守ると約束したはずの親友さえ、守る事はできなかった。
自分が下手に連中を刺激してしまった為に、親友も最悪の事態に巻き込んでしまったのかもしれない。
剣士モニ子の耳には、今でも鍛冶屋モニ子の悲鳴が染みついている様な気がした。
(……そう言えば、鍛冶屋モニ子ちゃんの姿が見えないモニ…
 まさか処分場か、もしくはモニコンの館に売られてしまったモニ?
 いや、あのモニコン達に捕まって、奴隷にされてしまったのかも知れないモニ…
 早く見つけて助けてあげなきゃ…今度こそ、守ってあげなきゃ!)
剣士モニ子はフラフラとした足取りではあったが立ち上がると、ゆっくりと歩き出した。
クロースシャツにこびり付いたモニコン共の体液がパキパキと嫌な音を上げる。
内股に、まだ乾ききっていない体液が体内から伝ってきてこの上なく気持ちが悪い…
(まずは、体を洗わないと…それに着る物も用意しないとモニ…)
とりあえず、ヌブール村の池で水浴びをする事にした。
(最低限、人前にでれる程度に綺麗になればそれで良いモニ…
 早くしないと鍛冶屋モニ子ちゃんの足取りがわからなくなっちゃうモニ!!)


245 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:51:05.28 6Hr6vmmF

それから1週間ほどがたった…
しかし、鍛冶屋モニ子の足取りはなかなか掴めず、例のモニコン達にも出会えないでいた。
「誰か、いつもここで露店してた鍛冶屋モニ子ちゃんの事知ってる人はいないモニか?
 何か知ってる人がいたら、教えて欲しいモニ!」
呼び込みの声に混じって、人捜しの声がビスクの街に響く。
剣士モニ子は、warageに参戦する事もなく、毎日聞き込みをしていた。
そのせいで体が鈍ってしまったのか、最近は妙に体が重いし、妙に太ってしまった様な気がする…
それでも、そんな事よりも今は鍛冶屋モニ子の足取りを何とかして掴む事が先決だった。
と、そこに街を巡回中の一人のガードが足を止めた。
「あの、何か知ってるモニ…か?」
視線を上げて、一瞬戸惑った。
そのガードは、ビスクのガードではなく、エルモニーを目の敵にしている処分場のガードであった。
「けっ、モニ糞にも一応は言葉を理解するだけの脳味噌は有ったって事か?
 もう数日ここで商売してれば、俺がぶった切ってやった物を…」
「あの…ここで…その、
 露店をしていたモニ子ちゃんのこと、知りませんモニか?」
剣士モニ子は勇気を出して、処分場ガードに問いかけてみた。
処分場のガードは、目を細めてその姿を睨み付けた。
「害のあるモニ糞じゃねぇ…ってか?
 まぁ、奴には一応借りがあったな…」
多分に侮蔑を込めて考え込む様に口にする。
「少なくとも処分場にしょっ引かれちゃいねぇな…それ以前に殺ったって話も聞いちゃいねぇが…
 …テメェもあまりいい気になってこの町をうろつくんじゃねぇぞ…さっさと別の所に行きな!」
粗野なパンダガードはそう言うと、鍛冶屋モニ子の銘が入ったチョッパーを肩に担いで、威圧する様に巡回に戻っていった。
脅迫めいた事も言われたが、少なくとも処分場送りにされたり、処刑されていない事がわかっただけでも、
剣士モニ子には嬉しかった。


246 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:52:02.70 6Hr6vmmF

ふと、横を見ると例のガラクタの山が随分と大きくなってきている。
鍛冶屋モニ子の定位置は、既にガラクタの山に占拠されていた。
「まったく…奴隷モニ子はさっさと掃除するモニ…」
そう言いながらガラクタをどけてゆく。
「いや、腕の悪い鍛冶屋がガラクタを量産しまくるのが悪いのかも知れないモニね…
 こんな騒がしい所じゃ集中できないんじゃないモニか?」
出来損ないの剣を、錆かかった鎧を…一応水路に落とさない様に注意しながら、更にガラクタの山の奥に放り込んでゆく。
(ここはあの鍛冶屋モニ子ちゃんの場所なんだモニ…だからここは綺麗にしておかないとモニ…)
剣士モニ子にとって、そこには特別な場所だった。
いつも笑顔の鍛冶屋モニ子がいて、そこに行くといつも元気になれる場所だった。
それが薄汚れたガラクタに浸食され、無くなってしまう事が耐えられなかった。
まるで鍛冶屋モニ子という素晴らしいエルモニーの存在自体が消えてしまう様な気がして…
すると、そのガラクタの奥に、見慣れた装備品が見えた。
(これってもしかして…)
すぐにその装備を手に取ってみる。
(そうだ…鍛冶屋モニ子ちゃんに教えられたとおりの工夫がされているモニ)
いつもの部分に、いつもの銘がしっかりと刻まれている。
(やっぱり鍛冶屋モニ子ちゃんの作った装備モニ!
 でもどうして、MG品で壊れてもいないのに捨てられてるモニ?)
その見慣れたチェイン装備を手に取ってみると、中に手紙がしたためられているのに気が付いた。
その手紙には、突然姿を消す事を許して欲しいと、事の顛末が書かれていた。
処分場ガードになった知り合いの薦めでこの島を離れる事。
危険な事に巻き込みたくはないので、この島に剣士モニ子を残していく事。
この島で最後に作った生涯最高のMG装備を託すので、大切にして欲しいと…
そして、無事に新天地が見つかったら、いつかきっと迎えに行くから、と書かれていた。
その手紙を見ていたら、涙が出てきた。
このガラクタの山に隠されていた最高のMGロンソはきっと私の力になってくれる。
このMGチェインは砕ける瞬間まできっと、私の身を守ってくれる事だろう。
消耗しきって、装備品として使い物にならなくなっても、大切な宝物にしようと思った。


247 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:52:58.58 6Hr6vmmF

「あなた、随分と精が出るモニね?」
更に数日後、ビスクの街を歩いていると、そう言って数人のモニ子達が声をかけてきた。
聞き込みをしていたのはつい数日前の事だ、きっと目を付けられていたのだろう。
体調が良くならないので、実戦の勘を取り戻そうとpreを中心に活動していたのが裏目に出た様だ。
そこにいたのは、大正装備やシルフ、ヴァルキリー装備に身を包んだモニ子達だった。
おそらくはお兄ちゃんとやらが商売用の服装として買って与えたのだろう。
(ハズレモニ…またいつもの嫌がらせモニね…)
エルモニーという種族…というよりも、モニ糞達は自分よりも立場が下だと思った相手には容赦がない。
ネチネチと嫌み、嫌がらせは当たり前、こちらが少しでも抵抗しようとすれば、
容赦なく例のお兄ちゃんや処分場ガードを呼びつける。
処分場ガードも、一応奴隷商売もしている為、お兄ちゃん持ちのモニ糞は相当の事がなければ捕まえる事はできない。
聞き込みの間、この手の嫌がらせは毎日の様にあった。
逆にお兄ちゃん持ちになってしまえば楽かも知れないが、剣士モニ子にはその考えは全く無かった。
鍛冶屋モニ子との約束を破りたくはなかったから。
モニ糞達の視線が、胸元に集中している事が露骨にわかる。
お兄ちゃん証明のプレートが付いているかどうかを確認しようとしているのだ。
そして無いとわかれば容赦のない嫌がらせが始まる。
「人を探してたモニよ!
 けど、今日はちょっと暑いモニね~」
見せつける様にしてクロースシャツの胸元を少しはだけた。
それは剣士モニ子に取っては、ほんの些細な抵抗だったが、モニ糞達にとっては目の前に格好の獲物が現れた事を意味していた。
「なにコイツ? お兄ちゃん持ちじゃないモニ~?」
「お兄ちゃんのいないエルモニーは水没させても良いってお兄ちゃんが言ってたモニ!」
モニ糞達が剣士モニ子に群がってはおちょくり始める。
初めは軽い言葉での嫌がらせだったが、それは暴力に変わるまでほんの数分しかかからなかった。



248 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:53:51.29 6Hr6vmmF

「ちょっ、やめるモニ! 痛いモニよ!!
 同じエルモニー同士、話せばわかるモニ!!」
「なにコイツ? 何か言ってるモニ~
 けど、お兄ちゃん持ちじゃない下等生物の言葉なんてわからないモニ~w」
それでも暴力を続けるモニ糞達は、スキル的にはたいしたことのない連中だろう。
露店メインでそれほど鍛えてはいないのか、若干の戦力はあっても、
warageで鍛えた剣士モニ子には、その動きは酷く単純で緩慢な物に感じられた。
とりあえず、極力避けに徹してどうしても避けられない所は盾を出して身を守る事にするが、
予想以上に体が鈍ってしまっているのか、なかなか避ける事ができない。
そして、街着としてクロース装備だった事が悔やまれた。
仕方がないので何とか盾でしのぐ事にした。
「コイツ下等生物の癖に盾なんか出してるモニ、生意気モニー!」
「そう言う時は、確かチャージド系モニね!
 喰らえ、必殺チャージドフィスト!!」
モニ糞の一撃が盾の死角から伸び、下腹部に痛烈にヒットした。
「モッ、モニィィィィィ!!!!!」
剣士モニ子は今まで感じた事のない激痛にのたうち回っていた。
おかしい…体の事もそうだが、この程度の攻撃は今までに何度も受けている。
普段ならこの数倍の衝撃のチャージ攻撃をねじ込まれているが、この衝撃はそれ以上の激痛に感じられた。
「やったモニ~ ちゃんとスタン効果してるモニ?」
「よっしゃ~、じゃ今のうちモニ! 」
うずくまった剣士モニ子に、モニ糞達の容赦のない暴力が襲いかかる。
こんな時は、一撃で体力をゴッソリと奪っていくwarageの屈強な戦士達ではなく、非力な露店要員であることが恨めしく感じる。
確実な痛みが、酷く緩慢に襲いかかってきて、その分痛みから解放される事ができない。
「行くモニよ~ ヘラクレスシューート!!」
「モッ、モギィィィィ!!」
誰かが力任せに蹴り飛ばしてきた。
背後の壁に叩き付けられ、その後地面に叩き付けられる。
(おかしいモニ…どうして同族なのに、こんな仕打ちを受けるモニ?
 どうして鍛冶屋モニ子ちゃんみたいに、このモニ糞達は仲良くしてくれないモニ…)
それでも、剣士モニ子は何とか再び立ち上がろうとするが、体がなかなか上手く動いてくれない。
そこで緊張の糸が切れたのだろうか、失禁する様な、奇妙な開放感の様な感覚を味わった。
(どうして…どうしてモニ?)


249 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:54:43.60 6Hr6vmmF

気が付くと、暴力は止んでいた。
原因がなぜかはわからないが、目の前のモニ糞達は何か信じられない物を見た様な目で、こちらを見ている。
「あ、どうしよう?」
「あのさ、その…私たちあなたが…お兄ちゃん無しの野良モニーだと思ってたモニよ…
 だから…その…」
「あ、あなただって悪いモニよ? お兄ちゃん証明のプレート持ってなかったんだから…
 常に身につけてる決まりモニよ!」
モニ糞達が何かを言っているが、何の事なのか理解できない。
(な、なにモニ? 何を言っているモニ?)
何の事なのか理解はできないが、危機は去ったらしい事を理解して、その場に崩れ落ちる様に剣士モニ子はしゃがみ込んだ。
足下に、生暖かい何かが触れた。
(何だろう…血…じゃないモニね…柔らかくて…生暖かくて…)
朦朧とした意識で、それを手に取ってみる…
そこには拳よりも一回りほど大きな、エルモニーの形をかろうじて留める物体が、5つほど血まみれで転がっていた。
どれも出来損ないの人形の様にいびつな形にひしゃげて、ただの肉の塊になっている事が理解できた。
そして、それがモニ糞達にはお兄ちゃん持ちの証明だと誤解させたのだった。
(は…ははは…)
なぜか、笑えてきた…泣きたい気分なのに、笑えてきた。
(子供…私の…赤ちゃんモニ…
 モニコンに孕まされて…モニ糞に…生まれる前に殺されて…)
剣士モニ子は涙を流しながら、虚ろに笑いを上げながら、それをかき集めた。
(肝心の母親は、それに気が付きもしないで…友人捜ししてて…
 この子達を殺したのは、私モニ!
 やっぱり私が弱いから! 鍛冶屋モニ子ちゃんを守れなかった、この弱い私のせいなんだ!!)
剣士モニ子は涙を流しながら、鬼の様な形相でその肉塊をかき集めていた。


250 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 00:55:41.10 6Hr6vmmF

「隊長、偵察部隊からTELL来ました、ELGのモニコン部隊を発見したそうです!」
剣士モニ子は洞窟の奥にどっしりと腰をおろしてその報告を聞いていた。
「モニ糞部隊の方は俺がやる! 
 モニ糞狩りの為にわざわざ処分場ガードを引退してきたんだ、俺はその担当で良いんだろ?」
かつて処分場ガードだったパンダが、親友の銘の入ったチョッパーを肩に担いでギッっと白い歯を覗かせる。
「全く…アンタはそれが大好きだな… じゃ、俺はモニコン部隊の方に行こうか! 
 隊長、お供させてもらうぜ!」
そう言ったニュタ男も、パンダと同じく処分場ガード仕様のプレート装備だった。
彼は鍛冶屋モニ子の知り合いで、脱出を勧めた張本人でもあった。
そして、処分場ガードの中でもモニ糞殺しが何よりも好きなパンダガードと共に
モニコン、モニ糞狩りの山賊部隊にやってきていた。
「あぁ、任せるモニ…
 私はモニ糞も、モニコン共もどちらも許せないけどモニな…」
剣士モニ子の声を聞いて、パンダがPT仲間に号令をかけて出て行った。
「隊長、それじゃ、こっちもそろそろ行きましょうか!」
山賊仲間が声をかける。
「よし、出陣するモニ!!
 このダイアロス島からモニコンとモニ糞の事如くを駆逐するモニ!!」
剣士モニ子の号令で、山賊達が鬨の声を上げる。
いつの日か、きっと鍛冶屋モニ子ちゃんは帰ってくる。
その時はきっとモニコンもモニ糞も存在しない、平和なダイアロスで彼女を迎えてあげたい。
だから、今は…この島に存在する全てのモニコンも全てのモニ糞も排除しなければならない。
モニコン部隊に向かって疾走していると「生産無害です」と叫んでいるモニ子を見かけたとの連絡が入った。
「隊長、位置はこの先ですぜ、どうしますか?」
「決まっている、エルモニーなら生かせ、モニ糞なら容赦なく殺すモニ!」
一行は囮の一人を先行させると、様子を見る事にし、その横を通り過ぎらせると、
すぐにモニ子は誰かに連絡を取ろうとした。
剣士モニ子の手が振り下ろされた。
モニコン狩りの景気付けにはちょうど良い獲物だった。

251 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/01(日) 01:03:15.86 6Hr6vmmF

長文失礼しました。
前回の鍛冶屋の話の最終話部分から差し替えと言う事で、
本来考えていた消毒バージョンも書いてみました。
なかなか話がまとまらなかったり、伏線回収できてなかったりと支離滅裂だし、
前回と合わせたらどれだけ無駄に長くなるんだって話ですがw
そこら辺は書き手の力量不足って事で、多めに見てあげてください…orz



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最終更新:2007年08月14日 20:34