- 355. 名無し募集中。。 2009/07/26(日) 11:39:48.44 0
- 食欲がない。
昨日泣きすぎたせいか頭がガンガンする。
最悪の朝だった。
学校に行く支度をして、行ってきますと玄関のドアに手をかけて・・・止まる。
このドアの向こうに、みやはいるんだろか・・・。
いたとして、あたしはどう接すればいい?
笑えばいい?泣けばいい?
何もなかったように話しかけられたら、どうすればいい?
もし・・・もしも、別れようって言われたら・・・
そんなことばかりが思い巡る中、ゆっくりドアを開けた。
「みや・・・・・」
「・・・・おはよ」
- 356. 名無し募集中。。 2009/07/26(日) 11:45:33.90 0
- 逃げるわけにもいかず、みやの後ろに乗る。
挨拶を交わしたきり二人は何も話さなかった。ただ自転車を漕ぐ音だけが響いていた。
そんな沈黙を破ったのはみやだった。
「・・・ごめん、梨沙子」
「・・・・なにが?」
「ごめん・・・」
みやの言葉の続きを待つ。
何もやましいことがないなら、きっと全部話してくれる。そう思ってた。
でも、みやはそれ以上何も言わなかった。ごめんしか、みやは言わなかった。
ねぇみや。ごめんって、何に対してのごめんなの?
昨日あたしを追いかけなかったこと?写真を見て泣いてたこと?
・・・・それとも、「別れよう」のごめん?
心のどこかでみやならちゃんと全部話してくれるって思ってたあたしにとって、ごめんの一言は終わりの言葉にしか聞こえなかった。
「みや、自転車止めて・・・」
「え・・・?」
「降りる・・・」
- 357. 名無し募集中。。。 2009/07/26(日) 11:52:55.22 0
- みやはあたしの言葉に自転車を止めて振り向く
「梨沙子・・・?」
あたしの顔を覗き込んで泣きそうな顔で見つめてくるみや
そんなみやからの視線を避けるようにあたしは顔をそらす
泣きたいのはあたしの方だよ・・・
- 360. 名無し募集中。。。 2009/07/26(日) 12:27:33.53 0
- 「あたし・・・わかんない・・・みやのこと・・・
ちゃんと言ってくれないとわかんないよ・・・」
涙をこらえて思っていることをみやに伝える
だけどみやの口からはごめんしか出てこない
そんなみやの様子を見て思わず
みやはあたしと別れたい?って言葉が口から出そうになった
だけどその一言を言ったら全てが終わってしまう気がして・・・ぐっとあたしはこらえた
- 363. 名無し募集中。。。 2009/07/26(日) 12:49:11.41 0
- 「あたし、今日は一人で行くから」
これ以上みやと一緒にいると涙をこらえきれなくなりそうで
あたしはみやの顔を見ずに走った
そのまま教室まで一度も止まらず走り続けた
そして自分の席に着くと溢れてくる涙を隠そうと机に突っ伏した
- 367. 名無し募集中。。。 2009/07/26(日) 13:59:55.63 0
- そんなあたしを見て友達は眠いだけなのかと思ったのか肩をトントンとしてくる
あたしは慌てて涙を拭い俯き加減に頭を上げる
「なに?」
「えへへ、梨沙子おはよ!」
「梨沙子、これ見て」
そういってクラスメイト達があたしの前に出したのは・・・ティーン誌?
「ねぇねぇ、梨沙子ってさ、もう・・・経験済み?」
「なにが?」
「何って・・・H・・・に決まってるじゃん」
そう言ってその子たちが指さすのは「エッチ特集」って書かれているページ
その文字を見た瞬間みやとのエッチを思い出してまた泣きそうになる
だけど友達はみんなそんなこと知らないから心配かけちゃいけない
だからあたしは無理やり笑顔を作って
「したよ」って答えた
- 370. 名無し募集中。。。 2009/07/26(日) 14:37:29.73 0
- あたしの言葉にきゃーと嬌声が上がる
そしてどんな感じ?とか、どこでしたの?とか質問攻め
あたしはそれに耐えきれなくなって
「エッチしたからってそれでずっと幸せでいられるわけじゃないから」
ガタンと立ち上がり、みんなが呆然としている中、教室を飛び出した
- 372. 名無し募集中。。。 2009/07/26(日) 15:57:36.16 0
- 「りーちゃん!?」
委員会の書類を取りに寄った職員室から戻ってきて教室に入ろうとした瞬間に、走り出てくるりーちゃんと擦れ違う。
「ちょっと! りーちゃん! もうすぐ授業が始まるよ!」
背中に向けて叫んだけど、そのまま行ってしまった。
追いかけるにも書類を抱えてるから叶わなくて、とりあえず自分の席に書類を置いてから、呆然としているクラスメートに尋ねる。
「なにがあったの?」
「さぁ? 全然わかんない。Hの話してたら、いきなり、エッチしたからって幸せなわけじゃない、とか叫んで出て行っちゃった」
「・・・・・・」
どうしたんだろう? もしかして、夏焼先輩と何かあった?
胸苦しさを感じる私の背中に、神経を逆撫でする不快な言葉が浴びせかけられる。
「フられたんじゃないの? 夏焼先輩に。ま、あんな子、夏焼先輩が本気で相手にするわけないし」
眉をひそめてそちらを一瞥すると、いつだったかりーちゃんに絡んでいた子が、嘲るように口を歪めている。
・・・こんな人たちこそ、本気で相手にしても仕方ない。
視線を外して、どうしよう、追いかけようか、と考えているとチャイムが鳴って。
私はひとまず自分の席についた。
最終更新:2009年07月27日 15:55