80. 名無し募集中。。。 2009/06/21(日) 21:59:46.14 0
ついこの前入学したと思ったのに気がつけばもう中3
周りはみんな恋してるのにあたしはそんな感情知らない

「りーちゃん、宿題やった?あたし今日やってなくて・・・」
あたしに声をかけてきたのは鈴木愛理
中1で同じクラスになってから3年間ずっと一緒
今では一番の親友だってお互い思ってる

「うん、やったけど愛理が忘れるって珍しいね」
あたしはがノートを渡すとなぜか嬉しそうな戸惑っているようなそんな表情の愛理
「う、うん・・・ちょっと・・・昨日は・・・夏焼先輩とたまたま会って・・・」
顔を赤らめて話す愛理

そう、最近あたしの親友の愛理も恋って言うのをしているらしい
相手は高等部の「夏焼先輩」。
うちのクラスでも人気があるらしくてよくみんながキャーキャー騒ぎながら
その名前を口にしている
あたしはその「夏焼先輩」って人の顔を知らないけどみんなの話を聞く限り
軽いし、遊んでそうな感じ・・・。

愛理はそんなことないってかばうけど・・・
あたしは愛理の味方だから・・・そんな軽い人はやめるようにっていつも言ってる
愛理が傷ついてほしくないから・・・
86. 名無し募集中。。。 2009/06/21(日) 23:06:38.37 0
お昼休みにお弁当を持って屋上に向かう梨沙子と愛理
その途中で先生に呼ばれちゃう委員長・愛理
「りーちゃんごめん、先行ってて」な愛理

教室に戻るのもアレなので一人屋上に行く梨沙子
91. 名無し募集中。。。 2009/06/21(日) 23:37:21.03 0
屋上でお弁当を広げる場所を探す梨沙子
「あ、いいところ見っけ」
給水塔の上に続くはしごを見つけて登っていく梨沙子

そこで壁にもたれて眠っている女の子を見つける梨沙子
(うわ・・・すごい綺麗な人・・・こんな人うちの学校にいたんだ・・・
高校生だよね・・・)
だらしなく結ばれたネクタイの色を見て判断する梨沙子
94. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 01:08:01.90 0
見つめているうちにゆっくりと目が開いていく女の人
「んぅ・・・」
「(あばばばば・・・ど、どうしよう・・・お、起きちゃった)」
「眩しいなぁ・・・??あれ・・・?誰?」
目の前にいる梨沙子を見て一言発する女の人
「あ・・・え・・・えっと・・・えっと・・・」
緊張やらなんやらで上手く話せない梨沙子
「・・・??まぁいいや、もうお昼休み?」
「あ、は、はい・・・そうみたいです・・・」
「ふーん・・・」
興味なさそうに脇に置いていたパックのジュースのストローに口をつける
95. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 01:11:58.56 0
「・・・」
「・・・ズズー」
「・・・あの・・・お弁当・・・食べないんですか・・・?」
恐る恐る聞いてみる梨沙子
「・・・もう食べちゃった・・・」
梨沙子を見ることもなく遠くを眺めている少女
そんな少女の整った横顔を見つめながら
今で経験したこと胸の高まりに戸惑いを覚えている梨沙子
103. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 08:41:28.64 O
「早く食べちゃわないと昼休み終わっちゃうよ」遠くに視線をやったまた話す少女
「あ、は、はい」
慌ててお弁当を広げる梨沙子


この時のあたしは思ってなかった
愛理に傷ついてほしくないって思ってたはずなのに
自分が愛理を傷つけることになるなんて…
121. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 21:43:53.87 0
「君、名前は何ていうの?」

あたしがお弁当に手をつけようとしたら、その子がいきなり名前を聞いてきたから戸惑ってしまった
その子といるあたしはドキドキして変になってる
いつもと違って上手く人を接することができない

「え?あたし?」

「そう君」

「あたし梨沙子・・・菅谷梨沙子」

やっとあたしは自分の名前を名乗ったけど、まだあたしはあなたの名前を知らない

「ふーん・・・梨沙子っていうんだ名前・・・」

その子は興味あるのか無いのか、そっけない態度であたしのことを見ている

「もしかして愛理の友達?」

「そうだけど・・・愛理のこと知ってるんですか?」

「少しだけね・・・君のこともうちに話して聞かされてたから・・・」


122. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 22:05:14.76 0
「あたしのことも・・・?」
「うん、一番仲良しなんだーって」
まっすぐ見つめられてドキドキする・・・
「そ、そうなんですか・・・」
赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて俯いていると
急にその人があたしの方に手を伸ばしてきた

「ホント可愛いね」
「ふぇ・・・」
気づいたら頭を優しく撫でられていた・・・

「じゃあ私約束あるから行くね
また会えるといいね」
124. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 22:16:00.08 0
(バタバタバタ・・・ガチャッ・・・)
「りーちゃーん、ごめーん!!」
大きな音がしたかと思うと屋上にやってくる愛理
「あ、うぅん、いいよ」
「先生の話はすぐ終わったんだけど・・・」
そこで顔を赤らめる愛理
「うん(あ・・・まただ・・・)」

「えへへ・・・さっきここ来る間に・・・夏焼先輩見かけて・・・」
「また夏焼先輩?愛理、やめときなって。あたし、顔知らないけどいい噂聞かないよ?」
「噂は噂だよ、夏焼先輩はそんな人じゃないもん、
あれは話したことがない人が勝手に想像してるだけ!
じゃあ今度りーちゃんにも紹介してあげる!!絶対りーちゃんも気にいるから!」
「えーいいよーあたしは」
「だめー!!りーちゃんにも認めてほしいし応援してほしいんだもん・・・」
「愛理・・・」
128. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 22:28:56.24 0
「うん、4時間目サボって寝てた
今日はいい天気で気持ちいいよ」
愛理に向って優しく微笑む先輩
「また先生に怒られちゃいますよ?」
「あはは、ホントだね。じゃあうち約束あるから行くね
・・・あ、梨沙子ちゃんだっけ?愛理が言ってた通り可愛いね」
そう言い残すと屋上から出ていく先輩
129. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 22:33:51.32 0
「ラッキー・・・先輩に会えちゃった・・・」
そうやって胸を押さえる愛理

「それにしてもりーちゃん、ずるーい!!夏焼先輩といっぱい話して!!
なーんてね、えへへ、綺麗な人でしょ?」
自慢げな表情であたしのほうを向く愛理
「あーうん、あの人が夏焼先輩・・・」
「そうだよ、あー夏焼先輩彼女いるのかなぁ」
なんて言いながら地面を指でいじいじする愛理

と思っていたら急に顔を上げてあたしをキラキラした目で見てくる
「あ、そうだ!今度ライブ行こうよ!」

「ライブ!?え、あ、愛理、そんなの興味あったっけ・・・?」
愛理の意外な発言にびっくりしちゃうあたし

「夏焼先輩ね、バンドでボーカルやってんの!ホントカッコいいから!!」
「あれ?夏焼先輩ってバスケ部じゃあ・・・」
「部活でしょ?それとは別にやってるんだよ、行こうよ、ね?りーちゃん!」
「え、う、うん・・・いいけど・・・」
「ホント!?やったぁ!!」
つい頷いちゃったあたしに大喜びの愛理
130. 名無し募集中。。。 2009/06/22(月) 22:41:38.09 0
その頃・・・
「みや、どこに行ってたのさー!?」
教室に戻ってきた雅のもとに駆け寄ってくる千奈美
「ごめんごめん、あまりにもいい天気だったから屋上で寝てた」
「もう!あっ!さっきから1年生が待ってるよ?」
教室のドアを指さす千奈美
「ごめん、興味ないや、適当に断って」
「またー?もおう・・・しょうがないなぁ」
ぶつぶつ言いんがらも結局言うこと聞いちゃう千奈美
最終更新:2009年07月05日 17:11