- 613. 名無し募集中。。。 2009/07/30(木) 23:53:10.88 0
- どれだけ気を失っていたのだろう
はっとして目を開けるとみやがあたしを抱きしめて眠っていた
「みや・・・?」
耳元で小声でそっと囁いてみる
するとん・・・?って言いながらゆっくり目を開けたかと思うと
あたしにやさしく微笑みながらまたんーって目を閉じた
ねぇ、みや?今ね、あたしすごく幸せ・・・
つい最近まで恋がこんなに幸せを感じるものだなんて思ってなかったの・・・
だからね・・・そろそろみやに色々聞きたいの・・・
真野先輩って人のこと・・・今までのこと・・・・・・ももさんのこと・・・
- 623. 名無し募集中。。。 2009/07/31(金) 12:11:56.95 0
- 目が覚めて最初に目に入ったのは、うちの腕の中で眠っている梨沙子だった
昨日抱きしめたまま寝ちゃったみたい
夏にも関わらず朝までくっついて寝てるなんて・・・なんか嬉しいな
朝からちょっといい気分
おでこにちゅっとキスをして、起こさないようにそっと体を離す
ずっと同じ格好でいたせいか、体があちこちだるかった
んーと大きく伸びをする
梨沙子が起きるまでいつもの習慣でメールなどをいじっていた
すると突然、タイミングよく電話が鳴った
「・・・真野先輩?」
どうしたんだろう?こんな朝から・・・
他の部屋に行くわけにも行かず、ベッドから離れて小声で電話に出た
「もしもし?」
「あ?みや。ごめんね、朝から」
「いえ、どうしたんですか?」
「いや、こないださ、みや電話くれてたじゃん?」
「・・・え?」
「そういえば掛け直してなかったなって今気付いて。ごめんね?なんかあった?」
- 624. 名無し募集中。。。 2009/07/31(金) 12:27:36.57 0
- こないだ・・・
そうだ、あのメモを拾った時だ
あの時、真野先輩に電話をした・・・メモ拾いましたって言いたくて・・・
これ、誰のメモですか?って聞きたくて・・・
その時の感情がフラッシュバックしてきて、思わず頭を抱える
「みや?大丈夫?聞こえてる?」
あのことを思い出した瞬間、何かに刺されたように胸に痛みが走る
まただ・・・また、この前と同じ・・・
満たされてた心に穴が空いていく・・・
胸の中にモヤモヤが出来ていく
胸の中が曇っていく
「・・・・先輩。あの・・・」
・・・あのメモの字は・・・ももですか・・・?
会ったんですか?ももは今何してるんですか―――・・・?
喉まで言葉が出かかった時、うちは急にはっとした
我に返ったように後ろを振り返る。そこにはスヤスヤと眠っている梨沙子
うちはさっきまでの考えを消すように頭を振ると、ベッドにゆっくり近づいた
- 625. 名無し募集中。。。 2009/07/31(金) 12:37:21.06 0
- そっと梨沙子の手を握る
うちは・・・うちは今この子が好き・・・・
梨沙子への想いはこないだケンカして再確認したばっかりじゃん・・・
ちょっともものこと思い出したくらいで何動揺してるんだろう・・・
もうあの子のことはいいんだ
過去にふたをしよう・・・ももが今何してるか知ったところでどうしようもないんだから
今度こそ・・・忘れよう
今度こそ・・・絶対に・・・
うちは一回深呼吸をして、真野先輩に言った
「いえ、なんでもないです」
あのメモはスタジオに落ちてたってことにしてキャプか熊井ちゃんに届けてもらおう
うちが持ってたって仕方ない
握ったままの梨沙子の手を見つめながら、先輩との電話を切った
- 632. 名無し募集中。。。 2009/07/31(金) 13:25:41.44 O
- みやの手の温もりを感じてゆっくり目を開ける
「みや・・・?」
「おはよ、梨沙子」
あたしが呼ぶとにこっと笑っておはよって頭を撫でてくれるみや
朝起きると好きな人がいて一番におはよって挨拶できることがすごく嬉しくておもわずみやに抱きついた
「梨沙子どうしたのー?」
「なんでもないもーん」
なんて言いつつじゃれ合う
今日はみやは朝から部活、午後からはスタジオにこもって練習なんだって
部屋でご飯作って待ってようかな
- 640. 名無し募集中。。。 2009/07/31(金) 18:41:07.38 0
- 「今日、みやの部屋でご飯作って待ってる」
「え」
「いい?」
首を横に傾けて聞いてくる梨沙子
・・・・・・嗚呼、可愛い!!!!
抱きしめながら梨沙子の頭をワシャワシャ撫でる
「いいに決まってるじゃん!
鍵、持ってるでしょ。
梨沙子はいつでも来ていいんだから・・・ね?」
「いひぃーっ♪」
ギュッと少し力をこめると梨沙子特有のクセのある笑い方をした
少しはにかんでる感じがたまんなくカワイイ・・・
- 643. 名無し募集中。。。 2009/07/31(金) 19:47:06.47 0
- 「あのね、みや。あとね、どうしても言いたいことがあるんだけど」
「なーにぃ?」
抱きしめたまま頭を撫で続けていると、梨沙子が突然そんなことを言った。
言いたいことってなんだろう?「好き」とか言われちゃうのかな♪
あーもーどうしよう♪
ウキウキして梨沙子の言葉を待つ。
「あのね」
「うんうん」
「腰が痛い」
「・・・え?」
「すっごい、腰が痛い」
「・・・・」
少しの沈黙の後、体を離してあは♪と笑い合う。そしてさっと部屋から逃げようとして、すぐに服の裾を掴まれた。
そうだよね、あれだけ腰振らせれば痛くなるよね普通・・・・。
やばいよ。梨沙子の笑顔が怖いよ。
どぎまぎしてるうちをよそに、梨沙子はうちの耳元に顔を近づけてきたと思うと優しい声で囁いた。
「・・・いつか、あたしもみやの腰痛くしてあげるね」
それだけ言うと、梨沙子は顔を真っ赤にして部屋を出ていった。
しばらくしてその言葉の意味を理解すると、うちは焦ってその後ろを追いかけた。
多分、うちの顔も梨沙子に負けないぐらい真っ赤だった。
- 661. 名無し募集中。。。 2009/08/01(土) 15:31:03.18 O
- 部活の準備があるから一度家に帰るって言うみや
ママはすごく残念そうでまた絶対来てねってみやの手を取って話す
みやもぜひお願いしますって言ってくれてすごく嬉しかった
あたしはここでバイバイするのも寂しいから一緒にみやの家へ
「みや?」
「ん?」
「ありがとね?うちに来てくれて」
「お礼を言うのはうちの方だよ。
こちらこそありがとう
なんかさ、ああやって受け入れてもらえてすごく嬉しかった」
そう言ってみやがぎゅっと手を握ってくれるからあたしはみやの肩に頭を乗せてみや、大好きって言った
- 679. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 01:40:51.87 0
- みやが部活で家を出て行って一人になる
みやは好きに使っていいって言ってくれたけど
やっぱりどうしたらいいかわからないから一番慣れているみやの部屋にいることにした
部屋に入って一番に見てしまうのはやっぱり机の上
あの時、みやがフォトフレームを抱えて泣いているのを見た・・・
きっとあの時何かがあったんだと思う・・・
だけどみやがあたしのことを好きって言ってくれている
だからあたしはみやを信じたい・・・
そう思ってデスクのところに向かって椅子に座る
すると机の上に二つ折りにされた・・・
「メモ・・・?・・・あー!もしかして・・・ラブレター・・・?」
あたしはただ興味津々で・・・勝手にそんなことしちゃいけないってわかってたのに・・・
メモを広げる・・・するとその中には
「・・・!!・・・・・・もも・・・・・・さん・・・」
ももさん・・・そう・・・みやがずっと好きな・・・きっと今も・・・そのももさんの連絡先
「な、なんで・・・?なんで・・・」
なんでみやが持ってるの・・・?
なんでこんなに大事に置いているの?
ねぇ、みや・・・?ももさんに連絡した・・・?
- 687. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 12:00:58.99 0
- 部屋でメモを見つめたままボーっとしていると急に玄関からがちゃがちゃと音が聞こえる
「みや・・・?」
忘れ物かな?慌ててメモを元あった場所に置き玄関に向かう
「みや、どうした・・・の・・・って・・・あ・・・」
「あ・・・えっと・・・梨沙子ちゃん・・・?」
「は、はい・・・」
玄関にいたのは真野先輩・・・。
「えっと・・・あの・・・みやは?」
「み、みやは今日は部活で・・・」
「あーそっか・・・夏休みだもんね。ちょっといい?」
そう言ってきょろきょろしている真野先輩の手にはきっとここの部屋の鍵・・・
みや・・・真野先輩にも鍵渡してるんだ・・・
そう思うとちょっと涙が出そうになって思わず下を向く
そんなあたしをよそに真野先輩は慣れたように靴を脱いでリビングに向かった
- 693. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 14:41:16.13 0
- 真野先輩はリビングを通って迷うことなくキッチンへ行く。
そして戸棚を開けたと思うと、そこに入ってたいくつかのタッパーやお皿を手に取った。
「これみやに貸してたやつなんだけど、そろそろうちのがなくなりそうだったから」
そう言って持参の紙袋にそれらを入れていく真野先輩。
そういえば・・・前マンションの前で会った時もご飯の差し入れ持ってきたって言ってたし・・・
きっと二人の間ではこれが日常のやり取りなんだろう。
あたしの知らなかった二人の世界を目の当たりにして、少し胸が痛い。
・・・合鍵を持ってるのも、みやのご飯を作るのもあたしだけだと思ってたんだけどなぁ・・・。
「あ、そうだ。漫画もついでに返してもらおうかな」
そう言ってさっさとみやの寝室に向かう真野先輩。
真野先輩があまりにこの家に馴染みすぎてて、ちょっと焦って追いかける。
すると、先輩が部屋の真ん中で立ち止まっていた。
「・・・・?」
どうしたんだろう?固まってる先輩の視線の先を辿る。
「あっ・・・」
そこには、さっきあたしが無造作に置いた例のメモがあった。
- 694. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 14:55:27.46 0
- おそるおそる先輩の顔を覗き込む
先輩は目を見開いたまま手を震わせてメモを取る
「・・・な、なんで・・・みやが・・・」
「え・・・?」
「・・・・・・そんな・・・」
「真野・・・先輩・・・?」
先輩はメモを握ったままただ立ち尽くしていて、あたしはその姿を見ているしかなかった
- 698. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 17:51:42.43 0
- いつものように合鍵を使ってみやの部屋にいると例の梨沙子ちゃんがいた
みやを応援するって決めたはずなのに
こうやってみやがいない時に梨沙子ちゃんを部屋に入れている事実に嫉妬してしまいそう
だからあたしは梨沙子ちゃんの視線を避けるようにキッチンに向かった
今までみやに会うための口実のように差し入れしていたご飯
だったら・・・って預けてくれたこの部屋の合鍵
きっとみやは拒まないと思うけど・・・これからはこういう差し入れも自重しなきゃ・・・
「これみやに貸してたやつなんだけど、そろそろうちのがなくなりそうだったから」
紙袋にタッパやお皿を入れながら切なくなる
梨沙子ちゃんはあたしをずっと見ていた
「あ、そうだ。漫画もついでに返してもらおうかな」
それが耐えきれなくなって大きな独り言を言いながらみやの寝室へ・・・
その瞬間あたしは息が止まりそうになった・・・。
机の上にはあの日なくしてしまったと思ったピンクのメモ・・・
「・・・な、なんで・・・みやが・・・」
「え・・・?」
「・・・・・・そんな・・・」
梨沙子ちゃんがずっと声をかけてくれてたけど
あたしはそれに応えることが出来なくてふらふらとみやのベッドに座り込んだ
- 715. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 23:30:47.06 0
- 放心状態のような真野先輩にそっと近づいて声をかける
「真野先輩・・・?」
ちょんちょんと肩を軽く突くと真野先輩ははっとしたように顔を上げた
「大丈夫・・・ですか・・・?」
「あ・・・う・・・うん・・・ごめんね・・・急に」
「いえ・・・でもそのメモ・・・」
「あ、こ、これ?なんでもないよ」
そういってポケットにメモをしまおうとしている真野先輩
でもあたしは聞くなら今しかないって思った
そのメモを書いたであろうももさんのこと・・・
それにみやはライブハウスの娘さんだって言ってたけど
真野先輩がみやと本当はどういう関係なのか・・・
「あの!!」
「な、なに?」
「あたし、そのメモ、さっき読んじゃったんです・・・ごめんなさい!!」
「・・・」
「そのももさんって人、みやと関係あるんですよね?
真野先輩もももさんのこと知ってるんですか?一体3人はどんな関係なんですか?」
- 718. 名無し募集中。。。 2009/08/02(日) 23:51:32.44 0
- 梨沙子ちゃんの必死な形相にあたしは戸惑う
この子・・・こんなにもみやのこと好きなんだ・・・
そう思うと悔しくて・・・
やっぱりあたしはみやのことまだ諦め切れてないんだって思い知らされた
「どんな関係って?」
「何って・・・だから・・・その・・・」
そう言って俯いた梨沙子ちゃんの首筋にあたしはあるものを見つけて固まる
――――キスマーク・・・
二人は付き合っているんだし、付き合っていればこんなの当り前・・・だけど・・・
あたしは動揺を隠すように淡々と答える
「あたしとももは幼馴染。学校は違ったけどずっと仲は良かった」
「おさな・・・なじみ・・・」
「それで、ももとみやは中学からずっと同じ部活の先輩後輩だった
あたしはももに紹介されてみやと知り合って今に至る
簡単に言うとそういうことだけどそれが知りたかったの?
梨沙子ちゃんは何が知りたいの?」
自分でも意地悪な聞き方だってのはわかっていた
だけどもうあたしは止まりそうになかった
- 750. 名無し募集中。。。 2009/08/04(火) 11:36:56.88 0
- 「梨沙子ちゃんは、どこまでもものこと知ってるの?」
黙ってる梨沙子ちゃんにさらに質問を投げかける
「・・・何も。あたしがみやから聞いてるのは、好きな人がいたけど突然いなくなっちゃったってことだけです・・・」
「えっ、じゃあなんでもものこと・・・」
「前にみやが寝言で言ってて・・・だからその人かなって・・・」
悲しそうに俯いた梨沙子ちゃんを見てはっとする
・・・この子も、色んな思いと葛藤したり悩んだりしてるんだ・・・
不安になったり、悔しくなったり・・・きっと私と同じように・・・
なのに、ついむきになってしまった自分が恥ずかしい
「・・・このメモを書いたのは、確かにそのもも。みやが好きだった人だよ」
「・・・・・」
「でも、これは私がももから貰ったメモで・・・みやは会ったり電話したりしてないと思うよ?」
「・・・・・はい」
「なんでみやがコレ持ってたのかは私も分かんないけど・・・今みやは梨沙子ちゃんが好きなんだから、ね?」
信じてあげな?と、ちょっと年上ぶって頭を撫でた
セフレだった私がこんなこと言う資格ないとは思うけど
でも、みやが梨沙子ちゃんを大事にしてるのは事実だから
多分、ももを大事に出来なかった分まで梨沙子ちゃんに愛情を注いでると思う
みやはそういう子だ
- 751. 名無し募集中。。。 2009/08/04(火) 12:13:57.96 0
- 「みやのこと、よく分かってるんですね」
そう言って私の隣に腰かける梨沙子ちゃん
その言い方は決して嫌味っぽいものではなく、思ったことがただ口に出たという感じだった
「あたしは、たまに分からない時があるんです。みやのこと」
「あはは。みやは分かりずらいとこあるからねぇ」
「・・・でも、あたし最近思うんです。もし、好きな人が突然いなくなったら・・・」
「え?」
「例えばみやがあたしの前からいなくなったら・・・あたしは絶対に忘れられないと思うんです・・・」
「・・・・」
「だから、分かりたくなかったけど、みやのももさんへの気持ちが少し分かるんです・・・」
みやのことを好きになればなるほど、ももを失った時のみやの気持ちが痛いぐらい分かるんだと、
梨沙子ちゃんは切なそうに笑った
「なのに、みやはあたしに優しくしてくれる」
「うん」
「あんなに辛そうに泣いてたのに、次の日には優しくしてくれるんです」
「・・・うん」
「嬉しいけど、そういうところはまだ、みやのこと分かんないんです・・・」
- 754. 名無し募集中。。。 2009/08/04(火) 13:07:26.07 0
- 寝言でももと呟いたみや
机の前で泣いてたみや
それでもあたしの側にいたいと言ってくれたみや
色んなみやを思い出してたら、無意識に真野先輩に本音を溢していた
そんなに知り合いでもない人にあたしは何言ってるんだろうって思ったけど
真野先輩はうんうんと真剣に聞いてくれた
「みやが側に居てくれるならそれでいいって思ってたけど・・・」
「うん」
「みやといると舞い上がっちゃって、やっぱ一番がいいなって思っちゃうんです・・・」
「うん・・・」
「ももさんのことだってあたしなりに受け止めたつもりなのに、すぐに揺らいじゃう・・・」
「・・・そっかぁ」
「あたしの気持ちも、行ったり来たりなんです・・・」
みやが好きって言ってくれて
それ以上に幸せなことはないはずなのに
みやに優しくされるとどうしても多くを求めてしまう
みやが好きって言ってくれた時は手放しで喜べるけど、ももさんのことで今日みたいなことがあると
あたしの心はすぐに不安でいっぱいになる
みやを信じてないわけじゃない
だけど・・・きっとあたしがみやを好きなのと同じくらいみやもももさんを好きだったと思うから
もしかして、このメモで連絡とったのかな?とか思ってしまう・・・
- 755. 名無し募集中。。。 2009/08/04(火) 14:52:32.19 0
- 真野先輩はしばらく何も言わなかった。そして突然、さっきポケットに仕舞ったばかりのメモを取り出して
元の机の上に置いた
「えっ・・・先輩?」
「これ、私は見なかったことにするよ」
先輩の言ってる意味が分からなくて、あたしは首を傾げる
「帰ってきたらみやに聞きな?このメモ何?って」
「え・・・でも・・・」
「ももって誰?前好きだった人?って、ちゃんと聞くんだよ?」
そう言う真野先輩の顔は至って真剣で、冗談を言ってるとは思えなかった
先輩はまっすぐあたしを見つめて言葉を続ける
「気になるならちゃんとみやに聞きな?なんでこんなメモ持ってるの?って。
どうして捨てないの?って。」
「・・・・」
「さっき梨沙子ちゃん、みやの気持ち分かるって言ったけど・・・だからって我慢することないよ。
付き合ってるんだから、それぐらい言っていいんだよ!なんならこのメモみやの目の前で破り捨てたっていいんだよっ!」
私だったら見つけた瞬間破ってる!なんて言う真野先輩
なんだかあたしを元気づけてくれてるようで、思わず笑顔になった
- 762. 名無し募集中。。。 2009/08/04(火) 21:17:49.60 0
- それから梨沙子ちゃんとは打ち解けていろんな話をした
「へーぇ・・・じゃあみやと初めて会ったのは屋上なんだ」
「はい、すごい綺麗な人が寝てる―って思って」
「一目惚れ?」
「え・・・あー・・・そうなる・・・のかな・・・好きっていうか・・・うんと・・・
綺麗だ―って思って・・・ドキドキしました」
そうやって照れながらもみやとの想い出を離す梨沙子ちゃんはすごく可愛いなって思った
「あの、真野先輩は・・・えっと・・・みやがよく使ってるライブハウスの店長さんの娘さんだって」
「そう、昔みやとカラオケ行った時に歌がすごくうまくてね
それでバンド興味ある?って誘ったの。たまたまうちの常連のバンドがボーカル探しててさ」
「それがBuono?」
「うん、でも初めはあんなに即席なバンドだったのにねぇ・・・すぐに人気が出ちゃって
みやカッコいいもんね?」
「あ・・・は・・・はい」
みやの事を褒めると自分のことのように顔を赤らめながらも嬉しそうな顔をする梨沙子ちゃん
―――ねぇ、みや?
梨沙子ちゃん、こんなにみやのこと想ってくれてるよ?
―――ねぇ、みや?
まだもものこと、忘れられない?
- 784. 名無し募集中。。。 2009/08/05(水) 16:54:46.21 0
- 真野先輩と色んな話をしてると時間が経つのもあっという間で、
気付けばもうお昼になっていた
「あれ?梨沙子ちゃん、電話鳴ってない?」
「え?あ、ほんとだ」
携帯がブーブー鳴っているのに気付いて急いでカバンのところまで行く
ディスプレイを見ると、着信はみやからだった
「もしもし?」
『あ、梨沙子?メール見た?』
「あっ!ごめん、見てなかった!」
一瞬耳から離して画面を見ると、そこには確かに新着メールのマークが表示されていた
『いいよいいよ。今うちにいるんでしょ?お昼一緒に食べようよ』
「あ、うん。あの、今ね、真野先輩と一緒にいるんだ」
『へーそうなん・・・・・・はぁっ!?』
- 800. 名無し募集中。。。 2009/08/06(木) 11:11:52.80 O
- みやの絶叫に思わず携帯を耳から離して真野先輩の方を見る
真野先輩もみやの声が聞こえてたようでクスクス笑っている
「みや、なんて?」
「あ、一緒にお昼食べようって」
「いいじゃん!行ってきなよ」
真野先輩はそう言ってくれたけどせっかく仲良くなれたから…
「あ、みや?じゃあ駅前の噴水広場で待ち合わせね」
『えっ…あ、わかったけどちょっ…』
一方的に電話を切ると真野先輩に一緒に行きましょって誘った
最終更新:2009年08月11日 00:31