- 811. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 00:32:45.00 0
- ・・・誰かこの状況を説明してほしい
目の前には仲よさげに腕なんか組んじゃってる梨沙子と真野先輩
えっと・・・とりあえず落ち着け、うち
「みーやー、早くー」
「そうだよみやー早くー」
「あ、うん・・・」
動揺してるうちをほっぽって二人は楽しそうにちょっと先を歩いてる
いつの間に仲良くなったの?
ていうかなんで一緒にいるの?
いや、それ以前に二人って知り合いだったっけ・・・?
電話で梨沙子と真野先輩が一緒にいるって聞いた時はホント驚いた
思わず大声出しちゃったほどに
だけど、約束の場所に二人揃って現れた時はもっと驚いた
てっきり梨沙子だけが来るもんだと思ってたから・・・
「なんで!?」って聞いても二人は笑ってて教えてくれないし・・・
別に真野先輩が嫌とか、梨沙子と二人きりじゃないと嫌とか、そういうことじゃない
ただ、この3人って・・・・ほら、なんていうか・・・
どう考えてもちょっと気まずい・・・と思う
だってうちと真野先輩は前そういう関係だったわけだし・・・
梨沙子は・・・まさか知らないよね・・・?
そんなことをあーだこーだ考えてるといつの間にか目的地に着いてたらしくて
梨沙子と真野先輩はテンション高めに喫茶店に入って行った
うちは小さくため息をついて二人のあとを追った
- 813. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 01:18:42.22 0
- いつもの喫茶店に入るとなぜか真野先輩と梨沙子が隣に座ってうちはその向かい
なんかおかしい・・・
うちが部活している間に二人に何があったんだろう
「あ、みや、いつものやつでいいよね」
「へ?あ、うん」
「いつもの・・・ってなんですか?」
「あ、まだ梨沙子ちゃんは知らない?みやはここでは絶対エビフライランチなんだよ」
「そういえばエビフライ好きって・・・」
「梨沙子ちゃんもみやの彼女でいるためにはエビフライはちゃんと作れなきゃね」
うちを無視して進められていく二人の会話に戸惑うしかないうち
とりあえず今は下手に口出ししないでおこうとお水をぐっと飲み干した
- 819. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 11:43:06.45 0
- 梨沙子ちゃんにランチに誘われて、最初は悪いなって思って断ってたけど結局私も行くことになった
集合場所に着くともうみやが居て、とりあえず満面の笑みで「やぁ」と挨拶をする
するとみやが面白いぐらいに動揺し始めて
思わず笑っちゃいそうになったけどなんとか堪えた
喫茶店ではみやの好きなエビフライの話とかで私と梨沙子ちゃんは終始盛り上がっていたんだけど、みやはあまり話さずに水ばっかり飲んでいた
その様子がまたおかしくて、ついみやをからかっては真っ赤になって怒られたり
気付けば3人でワイワイ話していた
「で、なんで二人一緒にいたわけ?」
話がいったん途切れたところでみやが思い出したように口を開く
会った経緯を簡単に説明して梨沙子ちゃんと「ねー♪」と笑い合うと、
みやはちょっと複雑そうな顔でそうなんだ・・・と呟いた
あ、もしかして妬いてるのかな?
- 820. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 12:24:20.41 0
- 「あたしが無理やり真野先輩引っ張ってきちゃった」
みや、驚いたぁ?と梨沙子ちゃんがふにゃっとした笑顔をみやに向ける
呆れた口調で「ちょーびっくりしたし・・・」なんて言ってるみやだけど、その顔はとても穏やかで優しい
(みやって、こんな優しい顔するんだ・・・)
きっと、「よく分かんないけど梨沙子が楽しんでるならまぁいっか」とか思ってるんだろう
梨沙子ちゃんを見つめて微笑むみやはいつもより綺麗で、優しかった
「梨沙子も食べてみる?エビフライ」
「うん食べるー」
二人のやりとりはなんだか初々しくて可愛くて、ああ両想いなんだなって感じさせられる
みやの笑顔を取り戻した梨沙子ちゃんはやっぱり凄いんだなって思う
ねえみや・・・梨沙子ちゃんこんなにいい子じゃん・・・
なのに、どうして?
そんなにもものこと忘れられない?
気持ちは分からなくもないけど・・・泣いたりするほど引きずるものなの?
こうして見てるといつだってみやの瞳は梨沙子ちゃんだけを映しているような気がするのに・・・
みやもつらいとは思う・・・
でもね、いつもそんな優しい目で見つめられてる梨沙子ちゃんはもっと辛いんだよ?みや・・・
- 822. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 13:26:18.23 0
- なんだかんだ楽しく談笑してると、
ちょっとトイレ行ってきますと梨沙子が席を立った
いってらっしゃいと真野先輩と一緒に梨沙子を見送る
「「・・・・・」」
二人になった瞬間静まりかえるうちら
な、何か言ってよ真野先輩・・・
うちの切実な願いがようやく届いたのか、しばらくして真野先輩が口を開いた
「あのさ、みや・・・」
「なんですか?」
「・・・・いや、やっぱいいや」
せっかく何か言ってくれたと思ったらジュースと一緒に言葉まで飲み込んでしまった真野先輩
え、なに・・・?何言おうとしたんだろう・・・
とりあえずうちもジュース飲もうかなとストローを咥えた瞬間、
ふと、部屋に置きっぱなしにしてたあのメモのことを思い出した
・・・っ!まさか・・・先輩、見てないよね・・・?
「き、気になるんで言ってくださいよ」
「・・・・・・」
何も言わない先輩に余計に不安になる
どうしていいか分からなくてコップに残ってたジュースを一気に飲み干した
- 823. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 13:29:20.17 0
- ていうかなんでうちこんなに動揺してんだろう・・
見られてたとしても、拾ったって言って返せばいいだけじゃん・・・
もうあのメモが何だろうとうちには関係ない・・・そう決めたんだから
「先輩、あの・・・もしかして、見ました?」
うちは勇気を出して聞いてみた
すると真野先輩はため息をついて、小さく頷いた
「うん・・・見た」
・・・・やっぱり。
「・・・そうですか。あ、あのっ、あれはただ・・・」
「まったく。付けるならもっと分かりずらいとこに付けなよ。目のやり場に困るじゃん」
「え・・・?」
「梨沙子ちゃん実家暮らしなんでしょ?ご両親に見つかったらどうするのさ」
相変わらず後先考えないんだから・・・なんてぶつぶつ言ってる真野先輩
ちょっと待って、なんの話・・・?メモの話じゃないの?
「・・・先輩、なんの話してるの?」
「え?キスマークだよ、キスマーク」
「は?キスマーク?」
頭に?マークをたくさん浮かべるうちに「みや、なんの話だと思ってたの?」って真野先輩が顔を覗き込んでくる
「いや・・・別に」と慌てて視線を逸らした
なんだ・・・メモ見たんじゃなかったのか・・・
- 824. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 14:11:11.73 0
- 「夏休みだからいいけど、あんなの付けて学校行ったらいじめられるでしょ!」
メモ見たわけじゃなかったんだとすっかり安心してるうちに、真野先輩はお姉ちゃんみたいに叱ってくる
以後気をつけまぁすと軽く頭を下げるとようやく説教は終わった
「あ、それから」
「えっまだあるんですか?」
終わったと思った途端に降ってきた真剣な声に、ちょっとドキっとして顔を上げた
「みやは感情を口に出したりするのが苦手だけど、ちゃんと言葉にしないと分かんないことだってあるんだからね」
「・・・?」
「つらいならつらいって、ありのままを伝えればいいんだよ」
「・・・え?なにが?」
「うまく言えなくてもいいから。一人で抱え込まないで、これからは梨沙子ちゃんと一緒に悩んでいくんだよ?」
――先輩、何言ってるんですか?
そう言おうとしたところで梨沙子が戻ってきた
真野先輩はそれ以上は何も言わずに、また梨沙子とくだらない話をして盛り上がりはじめた
- 827. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 14:27:46.32 O
- みやが話を切りだした時、きっとあのメモのことだろうなってわかった
だってみや、抜けてるから今頃机に置いてたのを思い出して焦ってるはず
でもその話題をあたしがするのは違うなって思ったから
梨沙子ちゃんからちゃんと確かめるべきだと思うから
だからあたしはとっさに梨沙子ちゃんの首筋のキスマークに触れた
- 843. 名無し募集中。。。 2009/08/07(金) 22:14:38.66 0
- すると、メモの話じゃなくて安心したのか明らかにほっとした顔をするみや
まあいいんだけどさ、キスマークはホントに気を付けなきゃ駄目だよ?
色々言われるのは梨沙子ちゃんなんだから・・・
それに私だって、まだちょっとは妬いちゃうんだからねっ
それからみやに伝えたかったことだけ一方的に言って、
みやは分かってなさそうな感じだったけど私はひとまず満足した
結局みやが行く時間ぎりぎりまで、私たちは話していた
「じゃ、帰る時メールするね」
「うん。いってらっしゃい、みや」
まるで新婚夫婦みたいな梨沙子ちゃんとみやを見つめる
なんか羨ましかったから少しからかってやろうと思った時、みやが突然私の方へ振り向いて頭を下げた
「先輩、ありがとうございました」
何にありがとうなのかよく分からなかったけど、とりあえずうんと頷いてみやを見送った
みや、きっと梨沙子ちゃんなら、ももを忘れさせてくれるよ
バカなんだから、もう一人でなんでも解決しようとしないでね?みや
- 878. 名無し募集中。。。 2009/08/09(日) 15:42:10.09 0
- みやを見送って真野先輩とまた二人っきりになる
「えっと・・・これからどうします?」
「うーん・・・どうしようかなぁ・・・梨沙子ちゃんは?」
「あたしは、みやの部屋に帰って・・・えっと・・・」
「御飯作ってあげるんだ・・・?」
にやって笑ってあたしを覗き込んでくる真野先輩
「じゃあお邪魔になるからあたしは帰ろうかな」
「別に邪魔だなんて・・・」
「いいっていいって、頑張ってみやにおいしい御飯作ってあげな」
それから真野先輩はあたしの肩をぽんぽんと叩いて行ってしまう
あたしは先輩の背中が見えなくなるまでそこにいた後、
よしっと気合を入れて駅前のスーパーに向かった
- 888. 名無し募集中。。。 2009/08/09(日) 21:01:47.20 O
- 一通り夕飯も作り終えてお皿に盛っていく
時計を見るとそろそろみやが帰ってくる時間かなって思っているとちょうど携帯が鳴る
メールはみやからで、今から帰るって内容
そのメールを見て自然と笑顔になってそわそわしながらみやの帰りを待った
最終更新:2009年08月11日 00:31