- 268. 名無し募集中。。。 2009/06/25(木) 23:19:39.74 0
- 「あ、あの、ここって・・・・」
「おいで」
「で、でも」
曲がる場所を教えてねなんて言っておいて私はいつものホテルへ来ていた。
自転車を止めて手を差し出す。
梨沙子ちゃんは固まってしまった。
ネオンが私たちの顔を照らしている。
ここでこのまま関係を持ってしまえばいい。
そしたらこの子をとられる事もないし独占欲は満たされる。
至極、自分勝手なことを考えていた。
梨沙子ちゃんの気持ちなんて全く考えていなかった。
いや、どうせファンなんだからホイホイついてくるだろう、そう思っていた。
固まったままの梨沙子ちゃんの手を引っ張って中に入った。
抵抗はしなかった。
期待でもしていたのかもしれない。
やっぱり私の思考はあくまでも自分勝手だった。
- 273. 名無し募集中。。。 2009/06/25(木) 23:35:16.62 0
- 「いいよね?」
「・・・・えっと、あの、ここって、あの」
部屋に入る前に最終確認。
梨沙子ちゃんは戸惑った顔で目を泳がせている。
ここがどういう場所かわかってないのかな。
いや、イマドキ15歳にもなって知らないはずはない。
知ってるから戸惑っているんだ。
いいか、よくないのか。
梨沙子ちゃんがハッキリ返事をしないものだから
私はいいと判断して部屋を開けた。
梨沙子ちゃんは私に引っ張られるままに部屋に入った。
ピンク色の部屋。
相変わらず目がちょっと痛くてなれないものだなぁと思った。
「先輩、あの、私そういうつもりじゃ・・・」
「今更なに言ってんの。もう遅い」
「でも!」
「部屋に入ったってことはOKってことでしょ?」
「か、帰らないと両親が」
急に慌てて抵抗を示す梨沙子ちゃん
でももう遅い。帰すわけ、ない。
ドアへ向かう梨沙子ちゃんを引っ張ってベッドへと押し倒した。
目が怯えている。泣きそうな顔をしている。
相手をした女のたちは子こんな顔はしなかった。
だから、余計に興奮していた。
- 274. 名無し募集中。。。 2009/06/25(木) 23:46:28.38 0
- 梨沙子ちゃんの体の上に乗り顔を近づける
すると梨沙子ちゃんの瞳から涙が一筋
その瞬間はっと我に返る私
何やってんだろう・・・中学生をこんなところに連れ込んで・・・
そう思うと興奮もさーっと冷めていくのが自分でもわかる
「ごめん・・・びっくりしたよね」
そーっと梨沙子ちゃんの上から体をどける
- 281. 名無し募集中。。。 2009/06/25(木) 23:56:37.92 0
- 腕で泣き顔を隠そうとする梨沙子ちゃん
でも、止まることを知らない涙は頬を伝ってシーツを濡らしていった
この子は純粋なんだ・・・そう思った瞬間、
(キス、したい)
そう思う自分がいた
- 282. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 00:01:37.93 0
- でもキスも初めてだったら・・・?
一生に一度しかない初めてのキスをこんな風に終わらせてもいいの?
そう思った瞬間急にももとした、いやされた初めてのキスを思い出した
もう私の側にいない・・・だけどずっと好きなもも・・・
- 283. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 00:03:25.80 0
- 嫌じゃない・・・ただびっくりして涙が出ちゃっただけ
だけど先輩はあたしの顔を見てそっと体を離してベッドから降りた
先輩の顔はつらそうで寂しそうで・・・
違うのに・・・嫌じゃないのに・・・
それどころかこのまま先輩とどうなってもいいって思った自分がいた
「ごめん、無理やり・・・しかも家送るって言ったのにこんなところ」
先輩は優しくあたしの腕を引っ張って体を起こしてくれた
「先輩、ごめんなさい」
泣いちゃってごめんなさい・・・慣れてなくてごめんなさい
「何で梨沙子ちゃんが謝るの?悪いのは私だから
帰ろう・・・今度はちゃんと家まで送るから」
- 287. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 00:15:05.97 0
- コツンと頭をくっつけてくる先輩
鼻と鼻がかすかに触れてくすぐったい
唇も、今にも触れてしまいそうなぐらい近かった
その距離のまましばらく座っていると、突然ぎゅーっと抱きしめられた
「せ、せんぱい?」
「ごめん、ちゃんと帰すから・・・・もう少しだけ」
- 296. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 00:34:17.94 0
- 先輩は黙ってあたしを抱きしめ続ける
でもあたしはこうやって誰かに抱きしめられるのは初めてで
まして好きな人に・・・
だからどうすることもできず、ただただ抱き締められるままで
その間もあたしの心臓はドキドキが止まらなかった
- 297. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 01:04:15.33 0
- どれくらいだっただろう。
先輩がそっと身体を放してくれた。
抱きしめられてる間は、永遠のように長く感じられたのに、いざ放されると一瞬の出来事に感じた。
「ほんとごめん・・・」
「あ、いや・・・あの」
「帰ろ、送るから」
「・・・・はい」
「そんな顔しないでよw我慢できなくなっちゃうじゃん」
我慢なんてしなくていい。
このまま押し倒して一緒に燃え尽きてもいい。
でもそんなこと口にしたら軽い女だと思われちゃう。
- 298. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 01:09:58.49 0
- さっきと同じように先輩の自転車の後ろに乗せてもらう
このままずっと先輩の後ろに乗っていたい・・・
そう思っていたけど今度はあっという間に家に着いてしまった
「ここかな?大きな家だね」
あたしの家の前で自転車を停める先輩
「あの、ありがとうございました!!えっと、えっと・・・」
「今日はあんなことしてごめん・・・今日のことは忘れて?
こちらこそライブ見に来てくれてありがとう
今度来るときは言ってよ、チケット渡すから、じゃあおやすみ」
そう言うと先輩はすぐに自転車に乗って行ってしまう
先輩の姿が見えなくなるまであたしは胸を押さえてずっと見つめていた
- 300. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 01:16:23.65 0
- 夢のようなひと時。
いろいろありすぎて整理ができない。
とりあえず、帰るのが遅くなった言い訳を考えないと・・・
ふと、携帯を見ると、新着メールが2件
『りーちゃん、今日はライブ一緒に来てくれてありがとう
夏焼先輩カッコ良かったでしょ?
あ、いくらカッコいいからって先輩は私が先に好きになったんだから
りーちゃんはファンまでにしといてね(笑)』
夢から現実に一気に引き戻された
- 301. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 01:16:58.66 0
- 梨沙子ちゃんを家まで送って自分の部屋に戻ってくる
父親の転勤に母親がついて行って一人で暮らすには広すぎるこの部屋
ベッドにギターを置いてその横に寝転ぶ
何でうちはあんなことしたんだろう・・・
ほとんど話したことのなかったあの子に・・・
そしてそっと目を閉じる・・・
すると瞼の裏に浮かぶのはももの笑顔
「・・・もも」
桃子を想ってうちは一粒涙を流した
- 302. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 01:21:50.43 0
- 「どうしよう・・・」
愛理の先輩のことを話しているときの顔が浮かぶ。
楽しそうで嬉しそうですごく可愛い顔をしていた。
私は愛理を、大切な親友を裏切ってしまったのかもしれない。
心臓がざわついて何も考えられなくなって
頭の中は真っ白になってしまっていた。
だからママに何か言われたけれど耳には入ってこなかった。
呆然としたまま私は自室のカーペットの上にへたり込んだ。
- 303. 名無し募集中。。。 2009/06/26(金) 01:22:50.18 0
- どうしよう・・・
親友の愛理を裏切った。
と、とりあえず電話しないと。
トゥルル........ガチャ
「もしもし?」
「あ、愛理?ごめん、メール返事返すの遅くなっちゃって」
「なんだ、そんなことか〜w全然いいよ」
「あの、今日はありがとう。楽しかった」
「でしょー?夏焼先輩かっこよすぎでしょ!」
ズキリ、と胸が痛んだ。
このあとしばらく愛理の夏焼先輩に対する熱い思いを長々聞かされた。
「はぁ〜、じゃ、今日はこの辺で!」
「うん、おやすみ・・・」
最終更新:2009年07月05日 17:33