481. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 13:35:51.60 O
思いのほかスッキリと目が覚めた
まだ少し熱っぽくてだるいけど昨日より辛くはない
携帯には愛理からメールが数件着ていた

「心配かけちゃったな」

とりあえず愛理に電話しようと着信履歴から愛理の名前を探す
すると嫌でも目に入る「みや」という文字…
あたしの着信履歴は、ほとんどがみやからかかってきたものだ
最後にかかってきたのは、誕生日の前の日…
0時になるちょっと前、みやがうちに来た時
それ以降、みやからの着信はない

「ほんとに終わったんだ…」

自分から逃げたくせに、なんだか捨てられたような感覚に陥って
枯れたはずの涙がちょっとだけ溢れ出た
485. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 14:12:20.97 O
『もしもし!りーちゃん!?』
「愛理…」

愛理に電話すると、朝なのにすぐに出てくれた。
聞き慣れた親友の声に安心する。

「愛理、きのうはごめんね」
『気にしないで?りーちゃんはなんも悪くない』
「ん…」

やばい、泣く…
鼻の奥がツンとした。
悲しい時、つらい時、あたしはいつもこの声を聞いてきた。
愛理のこの優しい声を。
いつだってあたしを包んでくれる、大好きな声。

『…一緒にいよう?りーちゃん』
「え…」
『何も話さなくていい。泣き顔も見ないから。
ただ、一緒にいようよ、りーちゃん』
「…うん…」


それから愛理が家に来てくれた。
あたしの腫れた目を見ると、
いつもみたいに笑ってくれた。
491. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 16:01:30.78 O
りーちゃんから電話があって、私はすぐにりーちゃんの家へ向かった
慰めようとか、元気づけようとかそうゆうんじゃなくて
ただりーちゃんの側にいたかった
だってそれが私たちの日常だから

部屋に入ると案の定目を腫らしたりーちゃんがいた
私は零れ落ちそうな涙を堪えて精一杯笑う
私に出来ることは、一緒に泣くことよりも笑うことだと思うから


「ねぇ愛理」
「んー?」
「あたし達は、ずっと一緒だよね」

何を話すわけでもなく、ただベッドに並んで寝転んでいたら
急にりーちゃんがそんなことを呟いた
振り向くと、りーちゃんは窓から空をぼんやりと眺めていた

「急に離れたり…しないよね」

震えてるりーちゃんの声
私はほっとけなくてそっと手を握った
492. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 17:21:39.20 O
「りーちゃんとあたしはずっと一緒だよ」
握った手に少し力を入れた
「うん」
頷きながら同じように手を握り返してくれるりーちゃん
少しはにかむようにエヘヘって笑う。

あたしが、あたしがもし…
りーちゃんを好きだったら
りーちゃんがあたしを好きだったら……

一瞬考えてやめた。
あたしとりーちゃんは親友。

もう、りーちゃんには夏焼先輩がいた。
今はどうなるのかわかんない状態だけど。
そしてあたしには………
色々考えてたら

「愛理?なんか顔赤いよ日焼けかな」
冷えピタいる?なんてりーちゃんが聞いてきた。

危ない危ない。
もう、愛理ったら浮かれおバカさん…。
497. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 20:45:40.04 O
「あたし、どうしたらいいのかな」

りーちゃんが寂しそうに笑いながら言った
りーちゃんはご両親が喧嘩した時とかにもこういう顔をする
いつ見ても、その悲しい笑みは私の胸を締め付ける

「…どうしたい?」
「…わっかんない」
「会いたい?」
「…もう顔も見たくない」

りーちゃんはそう言って枕に顔を埋めた

「もう…こんな思いはしたくないもん」

小さな嘆きは確かに私の耳に届いた
498. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 20:59:26.88 O
もう顔も見たくない…
それはあたしの精一杯の強がりだった
こうでも言ってないともっと自分が壊れていきそうで
もっと惨めになりそうで…


今みやは誰といるんだろう…
誰を思ってるんだろう…

ねぇみや。次会う時は、あたし達もう他人かな…?
最終更新:2009年09月01日 00:11