466. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 03:24:55.48 0
2人のいなくなった部屋は静まり返り
横では愛理が泣きそうな顔をしている
「あたしたちは帰ろっか」
そう切り出すと熊井ちゃんも
「そうだね」
と頷いた

あたしは愛理の肩を優しく抱き部屋を出た
それでも強がって涙を見せない愛理
「愛理、もう泣いてもいいよ。あたししか見てないから」

その瞬間、何かの糸が切れたかのように
声をあげて泣き出した愛理をあたしはそっと抱きしめた
愛理は誰よりも友達想いだから
きっと梨沙子ちゃんと同じくらい傷ついてる…
その傷をつけたのがあたしの大切な友達だと思うと
あたしの心もとても痛んだ…

こんなあたしでも愛理の傷を少しでも癒せればいいな…
504. 名無し募集中。。。 2009/08/28(金) 23:53:14.05 0
「愛理」
涙顔をあげてあたしの目を見つめた愛理

同じグループとしてみやのことはあたしの責任でもある
だから無意識に「ごめんね」という言葉だけが愛理に向けられた

「なんで佐紀ちゃんが謝るの?」
「あたし桃子ちゃんに会ったことあって、その時梨沙子ちゃんがいるってこと言えなかった…。
誰かを傷つけるのが恐くて逃げて結局色んな人傷つけてる…。
あの時、みやには梨沙子ちゃんって子がいるって言えばこんなことにならなかったかもしれないのに…」

愛理の前では見せたくなった涙が無常にも
頬を伝って床に落ちる
505. 名無し募集中。。。 2009/08/29(土) 00:00:10.03 0
「佐紀ちゃんのせいじゃないよ」
「でも…」

俯いてた顔に愛理の優しい手が触れ綺麗な瞳と目が合った
さっきまで泣いていたはずの愛理の顔は笑顔に変わっている

「あたしたちまで落ち込んでたらきっとダメですよ。
あたしもう泣くのやめます。だから先輩も笑って」
微笑んだ顔は優しさに満ち溢れ
愛理を好きになって良かったって本気で思った

そう思ったら本当に無意識に愛理の小さな唇に自分を唇を重ねていた
593. 名無し募集中。。。 2009/08/30(日) 22:59:43.03 0
「愛理…。あたしは愛理だけだからね…」
消えちゃいそうなくらい小さな声で佐紀ちゃんがそう言ってくれて
すごく嬉しかった
だけど、愛理だけ…  と言った佐紀ちゃんの顔は暗く、どこか切なそうで
きっとりーちゃんと夏焼先輩のあの光景を見て
いつかあたし達にもあんな風に突然別れがくるんじゃないかという恐怖に怯えてる
そんな姿に見えて…

未来のことは誰にも分からないけど
あたしも佐紀ちゃんだけ…
きっとこの先も佐紀ちゃんだけだと確信を持てて言える
もし別れがくるとするならばそれは佐紀ちゃんがあたしのこと嫌いになったとき…
あたしからは絶対佐紀ちゃんと離れられないと思うから…だから…

「あたしもずっと佐紀ちゃんだけです…」そう佐紀ちゃんに伝えた
そしてお互いの視線がぶつかり見つめあうと
あたしたちはもう一度キスをした
初めてのキスは切なくて苦しくて…
こぼれ落ちた涙で少ししょっぱかった…
最終更新:2009年09月01日 00:20